健康生活TOP 湿潤治療 その治療でケガは大丈夫?湿潤治療にありがちな失敗を防ぐには

その治療でケガは大丈夫?湿潤治療にありがちな失敗を防ぐには

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切り傷にすり傷、火傷…と私達は日常的にさまざまな怪我を体験します。

以前は傷口を消毒して乾燥させる治療法が主流だったのですが、近年は乾燥させずに患部を覆う「湿潤治療」が注目されていますね。

素晴らしい治療法なのですが、失敗すると傷が重症化することもあるので注意が必要です。

そこで湿潤治療で失敗してしまうケースと安全に湿潤治療を行うポイントについてまとめてみました。

湿潤治療とは

湿潤治療とは消毒の力を借りずに自身の力で傷口を治していく処置法のことです。湿潤療法・モイストヒーリングとも呼ばれます。

湿潤治療の考え方は、ヒトには自己治癒力があり、薬を使わなくても体が自然に怪我を治そうとはたらく、というものです。

怪我をすると傷口から「滲出液」がにじみ出ます。浸出液とは血液中の血漿成分からなる薄黄色の透明な液体のことです。浸出液には細胞培養液が含まれていて傷口の皮膚をきれいに修復する作用があります。

傷口をこの浸出液にひたしたまま密封することで皮膚の修復を促進させ跡を残さず治癒する、というのが湿潤治療のねらいです。

従来行っていた消毒や乾燥が良くないというのは

  • 消毒は細菌だけでなく細胞培養液の効力も殺してしまう
  • 浸出液をきれいに取り除いて乾燥させてしまうと皮膚を修復する作用が期待できない

という考え方によるものです。

湿潤療法は画期的な処置法として、医療機関や家庭に取り入れられつつあります。

正しい湿潤治療

湿潤治療の手順はシンプルです。

  • 1.傷口を清潔な流水でよく洗い流す
  • 2.傷口を創傷被覆材で覆う
  • 3.創傷被覆材は貼ったままにし、浸出液が表面にしみ出て来たら交換する

その際、創傷被覆材を貼る前に止血しておき、消毒しないことが前提です。処置が適切であれば、かさぶたを作らずに傷口がきれいに治癒していきます。

失敗すると大変なことに

ただし、湿潤治療には失敗してしまうケースも少なくないようです。

中には湿潤治療をしたことで傷口が化膿したり跡が残ってしまった人もいます。また、敗血症を引き起こしたり患部が腐って切断しなければならなくなった深刻なケースもあるのです。

なぜ湿潤治療でこのようなトラブルが起こってしまうのでしょうか。

雑菌に感染して化膿が

湿潤治療では化膿が起こってはいけません。化膿すると傷口は治癒が遅れたり跡が残ったりしてしまいます。

また化膿というのは傷口に細菌が感染した時に起こる現象なので、細菌に感染したまま創傷被覆材で覆ったままにしていると、感染症を引き起こす可能性も出てきてしまいます。

最初に水道水でよく洗い流さなかったり、家庭で食用品ラップを使うなどの素人療法をすることが原因となりやすいトラブルです。

湿潤治療が適していない怪我

また湿潤治療とは全ての怪我を治癒する処置法ではありません。中には医療機関で湿潤治療以外の治療を受けるのがふさわしい怪我もあるのです。

例えば次の怪我は湿潤療法に適していません。危険なので個人の判断で湿潤療法を行わず医療機関の治療を受けてください。

  • 細菌の感染が起こりやすい深い刺し傷や動物の咬み傷
  • 広範囲の怪我
  • 重症の怪我
  • 水ぶくれを伴う火傷
  • すでに感染症を起こしている傷

それから、滲出液の出ていない怪我も湿潤療法の効果が発揮されません。

湿潤治療の失敗を防ぐには

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では湿潤治療を安全に行うには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

  • 家庭ではすり傷、切り傷、あかぎれといった軽度の怪我を対象とする
  • 最初に傷口を十分に洗い流し、細菌の感染を防ぐ
  • 食用品ラップなど医療用以外の物を使わない
  • 湿潤治療の最中に異変が起きたら速やかに中止する

といった注意点を守るようにしてください。

また跡を残さずきれいに治癒させるために、3か月間はなるべく直射日光を患部に当てないようにしましょう。再生した皮膚は紫外線に弱く色素沈着が起こりやすいからです。

専用の創傷被覆材を使って

湿潤治療には市販されている専用の創傷被覆材の利用がおすすめです。ハイドロコロイド素材で作られた絆創膏は薬局で購入でき、人気も高いアイテムです。貼るだけなので失敗も少なくなっています。

家庭ではあくまでも軽い怪我を対象に。くれぐれも素人判断でどんな怪我にも湿潤治療を試みるのは避けていただきたいと思います。

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