健康生活TOP 潰瘍性大腸炎 禁煙によって症状が悪化する?喫煙と潰瘍性大腸炎の関係の秘密

禁煙によって症状が悪化する?喫煙と潰瘍性大腸炎の関係の秘密

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健康で元気に長生きするためにも、タバコは止めたほうがよいと言われます。タバコは肺の病気や癌、その他にも全身に対して様々な害をもたらします。また自分だけでなく周りの人の健康にも影響を与えてしまいます。

そのためなるべく禁煙するよう勧められますが、実は禁煙することで逆に悪化してしまう病気があるのをご存知ですか?それは「潰瘍性大腸炎」という下痢や腹痛などを繰り返す病気です。

せっかく禁煙したのに病気が悪化してしまうなんて・・・はたしてそのメカニズムとは?

潰瘍性大腸炎の症状・原因・発症しやすい人は?

潰瘍性大腸炎は国の指定難病になっています。指定医療機関で潰瘍性大腸炎であると診断を受けた場合には、申請することで医療費の助成を受けることができます。

この潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が炎症を起こして、ただれた状態になってしまっている病気です。下痢や血便、腹痛などといった症状が出ます。

症状のひどい時期と、炎症が治まって体調の落ち着いている時期とを繰り返すといった特徴があり、重症になると

  • 体重が減る
  • 貧血になる
  • 熱が出る

というような症状が見られることもあります。また一度良くなったように見えても、数ヶ月から数年もたってからまた悪化してしまうこともあります。

原因ははっきりわかっていないのですが、外から侵入してきた異物を攻撃して自分の体を守るはずの免疫システムが異常を起こしてしまい、間違って自分の大腸粘膜を攻撃してしまったためだと考えられています。

遺伝が関係するとされますが、食生活なども影響していると考えられます。20~30代に多く発症しますが、50~60代で発症する人も増えてきており、発症のしやすさに男女差はありません。

以前は欧米人に多い病気だったのですが、最近は日本人にも多くなってきました。

潰瘍性大腸炎と喫煙の関係性は…?ニコチンパッチは有効か

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実は以前から、タバコを吸っている人のほうが潰瘍性大腸炎になりにくいことが知られていました。タバコを吸うほうが病気になりにくいというのは信じられない話かもしれませんが、これについてはいろいろな調査報告が出ています。

喫煙と潰瘍性大腸炎の発症リスクには、以下のようにいろいろな関係があることがわかっています。

・潰瘍性大腸炎になる可能性は、タバコを吸わない人より吸う人のほうが半分程度のリスクである。

・さらにタバコを吸う本数が多いほど、潰瘍性大腸炎にはなりにくい。

・タバコの本数が少なくなると、大腸粘膜の炎症の範囲が広くなる。

・今までタバコを吸っていた潰瘍性大腸炎の患者が喫煙を止めると、症状が悪化してしまう。

喫煙することで効果がある理由ははっきりわかっていない!?

なぜ喫煙することで潰瘍性大腸炎になりにくくなったり、症状の悪化を防ぐことができるのでしょうか。

実はこれについては、まだはっきりとした結論が出ていません。タバコに含まれているニコチンに腸の炎症を抑える効果があるからではないかとも言われますが、詳しいことはわかっていません。

ニコチンを薬として使うことで、潰瘍性大腸炎が改善されるかどうかについての研究もされています。もちろん実際にタバコを吸って効果があるかをみたわけでなく、禁煙治療用のニコチンパッチを使っての研究です。

ニコチンパッチを貼った場合と、プラセボ(偽薬)といってニコチンパッチとそっくりな見た目なのにニコチンの入っていないパッチを貼った場合などを比べて症状に違いがあるかどうかを調べたものです。

これによると、ニコチンパッチを貼った場合のほうが潰瘍性大腸炎の症状に改善が見られたようなのです。

ただ、だからと言ってニコチンパッチが効くからいいとは言い切れません。ニコチンパッチを使った場合、副作用が出てしまうことも多くありました。このようなことから、潰瘍性大腸炎の治療にニコチンパッチを使うという治療は一般的には行われていません。

潰瘍性大腸炎患者が禁煙したいときには?主治医に相談してみよう

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では、潰瘍性大腸炎の患者が禁煙したい時にはどうすればよいのでしょうか。潰瘍性大腸炎の症状に対しては喫煙が有効なのだとしても、全身に対しては様々な害があります。自分だけでなく周りの人の健康まで考えれば、禁煙したいと思う方も多いでしょう。

このように禁煙したいと思われた方は、まず主治医に相談してみてください。その上でニコチンパッチ(商品名:ニコチネルTTS)を処方してもらうという方法もあります。

潰瘍性大腸炎の治療のためにニコチンパッチを処方してもらうことはできませんが、潰瘍性大腸炎の治療をしながら禁煙をするという場合にはニコチンパッチを使うという方法もよいかと思われます。

現在の潰瘍性大腸炎の病状、今までの喫煙歴、主治医の考えなどによって禁煙治療の手段は変わってくるかもしれません。ただ禁煙をしたいが潰瘍性大腸炎の状態も心配で迷っているというのでしたら、まず主治医に相談してみるべきでしょう。

タバコは喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、癌などの病気のリスクとなることはよく知られています。その他にも動脈硬化、糖尿病、胃潰瘍、骨粗鬆症など全身に様々なリスクがあるのです。そして家族など、自分の周囲の人まで巻き込んでしまいます。

これからもずっと吸い続けるか、それとも禁煙に踏み切るのか。ぜひ、一度考えてみてください。

実はパーキンソン病も喫煙で発症しにくくなる!でも喫煙はやっぱり…

タバコを吸い続けることで様々な病気になるリスクがあると書きましたが、実は喫煙によって発症しにくくなるかもしれないと考えられている病気がもうひとつあります。それはパーキンソン病です。

これについても、喫煙によってパーキンソン病になりにくいといった明確な答えが出ているわけではありません。パーキンソン病になりたくないからといって、喫煙をしたりはしないでください。

喫煙者にパーキンソン病患者が少ないということは認められています。ただパーキンソン病患者の、病気になってしまう以前の性格の特徴として几帳面で禁欲的といったことがあります。もともとタバコを吸わないタイプの方が多いのです。

ニコチンによって病状が改善したというような研究もあるようですが、まだよくわかっていないことも多くあります。今後研究が進めば、さらに効果的な治療法も見つかるのかもしれません。

最後に、この記事は喫煙を推奨しているわけでは決してありません。喫煙が様々な健康被害を及ぼすことはみなさん重々ご存じでしょう。潰瘍性大腸炎にしてもパーキンソン病にしても、予防だ、なんて喫煙の理由にはしないでくださいね。

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