健康生活TOP 虫歯 赤ちゃんの口腔ケアは歯の生え始め前から!歯磨きはもう少し後から

赤ちゃんの口腔ケアは歯の生え始め前から!歯磨きはもう少し後から

赤ちゃんに歯が生え始めるのは生後半年から9か月ぐらいだとされています。これは、歯が生えているとおっぱいに吸い付きにくいからだと考えられています。そして、歯が生え始めたら様々なものを口にするので、虫歯のチャンスが増えてきます。

ですので、赤ちゃんの内からしっかりお口のケアをして、虫歯に悩まされないようにしてあげたいものですね。では、赤ちゃんのお口のケアは、いつごろからどのような形で行うのが良いのでしょうか。

言ってしまえば少なくとも妊娠が判った時からケアを始めるべき

良く耳にされると思いますが、虫歯と言うのはミュータンス菌やその仲間による病気です。菌が歯に貼りついて繁殖、酸を出すことで歯を溶かしてゆきます。そして、新生児にはミュータンス菌などは感染していません。

多くの場合、両親から伝染して赤ちゃんの口の中に棲みつくのです。そういう意味では、妊娠どころか、10代前半の異性を意識し始める年齢になったら自分の口の中を手入れし、ミュータンス菌の支配割合を減らしておくことが大事なのかもしれませんね。

ミュータンス菌を滅菌することはできない

一旦人の口の中に棲みついたミュータンス菌は常在菌としての地位を確立します。ですので、ミュータンス菌を完全に死滅させることは、他の有用な口内常在菌もすべて死滅させることになりますので、不可能なのです。

しかも、ミュータンス菌は歯の表面にしっかり定着しますので、ちょっとやそっとで死んでくれません。ですので、口内細菌叢の中で地位を低くすることが大事なのです。

赤ちゃんの口の中の口内細菌叢は、だいたい5歳くらいまでにほぼ確定します。ですので、5歳くらいまでの間、できるだけミュータンス菌を口の中に入れないよう配慮しておくだけで、あとあとずいぶん影響力が変わってくるでしょう。

そのためには、まず赤ちゃんに口移しで飲食させたり、食器を共用したりすることは避けた方が良いです。もちろん同じ食器でも、洗った後で子供に使わせることに問題はありません。

お母さんが噛んでから赤ちゃんに食べ物を与えると言うのは、親子の絆を強める行為ではありますが、虫歯を与える行為でもありますので、絆は他のスキンシップで強めてもらう方が良いですね。

離乳食はフードプロセッサーなどで刻んだり、すり鉢などですりつぶすようにしてあげて下さい。

とは言え、こうしたことをヒステリックに排除することもやめましょう。そうした不安定な精神状態は子供に悪影響を与えます。いずれどこかでミュータンス菌に感染することはほとんど避けられないのですから、リスクを減らすと言う程度の感覚で良いでしょう。

子供への伝染を予防するにはまず大人の口腔ケアを

そのためにはまず、両親や祖父母など赤ちゃんに接する頻度の高い人が、普段から口腔ケアをしっかり行って、自分の口の中にいるミュータンス菌を減らすように努力して下さい。

最初に「異性を意識し始める年齢になったら」と言いましたが、これは女の子だけじゃなく、将来お父さんになる男の子も同じです。とは言え、こうした年代は異性に嫌われたくないから、口臭などを気にしてしっかり口腔ケアをやっているので大丈夫かもしれません。

むしろ、結婚・妊娠してからのほうが、女性も男性もお口の手入れにまで気が回らなくなるかも知れませんね。

そこで利用価値が高いのがキシリトールです。キシリトールは糖アルコールと言う分類の甘味料です。糖アルコールは多くの場合、ミュータンス菌などによって酸を作らないことが知られていますが、キシリトールはその中でもちょっと特別なのです。

まず、ミュータンス菌などが糖アルコールに馴染んで、そのうち酸を作るようになることがあるのに比べて、キシリトールだけは10年以上摂り続けても酸を作り出すようにはならないと言うことです。

さらに、キシリトールは歯垢の中に棲んでいるミュータンス菌などの数を減らす効果があることも知られています。そして、酸によって表面が傷んだ歯を再石灰化(カルシウムを沈着)させることで虫歯予防にもなります。

糖アルコールは消化されにくいため、たくさん食べるとお腹が緩くなることがあるのは、キシリトールガムなどの説明に書かれているので知っている人も多いでしょう。

ですので、害の有無は不明ですが、ガムだけではなくキシリトールタブレットなどの食べ物も、消化機能が整っていない赤ちゃんに食べさせることはしない方が良いですね。

キシリトールガムは両親や祖父母が毎日食べて口腔ケアに利用されることをお勧めします。もしかすると、同時に両親や祖父母の8020運動(80歳時点で乳歯と同じ数の20本の歯が残っているようにすること)に役立つかもしれませんよ。

もちろんガムだけで間に合わせてはいけません。毎日の歯磨きはもちろん、定期的には医者さんに行って、いわゆる「歯石とり」も行ってもらいましょう。

ミュータンス菌は自分で歯の上にすみかを作る

ミュータンス菌は人間の口の中に感染すると、2種類の方法で歯に定着します。まず、菌の表面に存在する糖たんぱく質の一種で、細胞接着分子に属するものの力で歯の表面にしっかりとくっつきます。

さらに、スクロース(ショ糖:お砂糖の主成分です)を使って、不溶性の多糖類を歯の表面に作り出し、その中に棲みつくのです。そして、スクロースなどを代謝して乳酸を生み出し、これが歯の表面を溶かして虫歯にするのです。

乳酸を作り出すと言えば、乳酸菌もそうですが、乳酸菌を使って口内環境を整えると言う研究もおこなわれています。いくつかそうしたプロバイオティクス商品も出ているようですね。つまり、乳酸菌によってミュータンス菌を追い出したり、勢力を弱めたりできないかと言うことです。

しかし、ミュータンス菌の何よりの強みは歯にしっかりとくっつくことです。ですので、それを排除するには物理的にはぎ取って排出してしまうのが効果的です。つまり「歯磨き」ですね。

ミュータンス菌のすみかは歯にくっついたバイオフィルム、つまり「歯垢」です。それを残さないよう、歯ブラシやデンタルフロスなどを駆使して、きれいに歯を磨く習慣をもう一度確認して下さい。

歯は一本一本丁寧に磨くことが大事です。歯医者さんなどに歯の磨き方に関するパンフレットなどがあると思いますので、そうした物を参考に、いつもきれいに磨いておくと、赤ちゃんに移してしまうリスクを下げられます。

親御さんが歯を磨いているところを早いうちから見せておくと、赤ちゃんがそれに興味を示すようになるかも知れないと言うメリットもありますよ。

赤ちゃんの口腔ケアは嫌がらないように徐々に慣らすことも大切

赤ちゃんの口の中はデリケートです。特に新生児から間もない乳児の頃では、乳首以外の何かを口に入れると言うことを嫌い、舌で押し出してしまうと言うことが多いです。ですので、授乳後には湯冷ましを与えて洗い流す程度で口の中のケアを行うのが良いでしょう。

それが歯の生え始める少し前くらいになると、口の中がむずむずするのか、何かを口に入れることに抵抗が少なくなり、物を口に入れて歯茎でかじったりするようになります。この時が赤ちゃんのマウスケアを始めるいいタイミングなのです。

歯ブラシは上の前歯が生えてからで良い

歯が生えたからさあ歯磨きだと張り切って、うっかり痛いところを触ったりすると、次からは口を触らせてくれなくなります。そこで、歯がまだ生えていない時のアイテムをひとつ紹介しましょう。

赤ちゃんのトレーニング用ブラシ
デンタルプロ・トムとジェリー ベビーエイジ ハブラシ

これは歯が生え始める前、物を口に入れることが多くなるくらいの月齢になったら与えるアイテムです。商品の説明にもある通り、物を握って口に入れることで歯磨きの習慣にならすためのものです。

赤ちゃんの歯は、下の前歯から生え始めることが多いです。実は、下の前歯と言うのは唾液によって、いつもきれいにされやすいものなので、この段階ではまだ歯ブラシは使わなくても大丈夫です。

下の前歯が生えたら、赤ちゃんをあおむけに寝かせ、親御さんの膝の上に頭を置いてお手入れしてあげましょう。清潔なガーゼか、専用のデンタルシートを小指に巻きそっと歯をぬぐうだけで充分です。

お父さんが行う場合は小指でも太すぎるかもしれませんから、清潔な綿棒などを利用しましょう。

この時に、赤ちゃんの上唇をそっとめくってみてください。上唇の裏側中央部と上の歯茎中央部の間に、大人に比べるとしっかりとした上唇小帯があるのが判ります。赤ちゃんはこの部分に触れられると痛がることが多いので、これを上手く避けるように工夫して下さい。

▼上唇小帯

上唇小帯

特に上の前歯が生えてきたら、歯ブラシが登場します。その際に強く動かして痛がられないように注意しましょうね。

歯ブラシは赤ちゃんの口に合わせて選ぶ

世の中を見渡すと、さまざまなベビー用歯ブラシが販売されています。そうなってくると、どれを選んだらいいのかと言う迷いが出てきますよね。まず、1歳半ぐらいまでは棒状の歯ブラシではなく、上の製品のような、のどの奥に入らない形のものが良いでしょう。

歯に当たる部分は、大人と同じような形のブラシをミニチュア化したような感じになると思います。あとは赤ちゃんの噛み癖ですね。歯ブラシを噛む癖がある子の場合、「ふつう」程度のやや硬いブラシが良いでしょう。

そうでない場合は、「やわらかめ」や「とてもやわらかい」を選んでおくと嫌がらずに磨く癖が付くと思われます。いずれにせよ、このころは、実質上親が磨くのがメインで、本人はまだまだ練習段階です。

そして、1歳半から2歳ぐらいになってきたら、そろそろ「棒状の歯ブラシ」を与えても良いでしょう。もちろん喉をついたりしないように充分な注意を払っておいて下さい。別に急いで与える必要はありません。

自分で歯が磨けるようになるのは、小学校入学までで充分です。それまでは遊びの延長で練習させ、親が仕上げ磨きを行うようにして下さい。

歯ブラシのヘッドのサイズですが、赤ちゃんの前歯2本分の幅くらいが良いですね。そして、毛先を丸く処理してあるものだと痛がりにくいでしょう。そうしたものを選んで下さい。

また、こんな歯ブラシも便利です。

360度歯ブラシ
360do BRUSH ベビー

歯ブラシのコントロールが上手くできない子供でも磨きやすいですし、親が磨くときでも持ち替える必要がないので楽に磨けます。大人用もあるようですね。

一方、下の写真のようなベーシックなものも、歯磨きの習慣を付けるには便利です。この会社の製品は、歯医者さんで求めることもできますよ。

子供向け歯ブラシ
オーラルケア社・タフト17乳歯列期(1~7歳)歯ブラシ

ワンタフトブラシやデンタルフロスも活用しよう

ワンタフトブラシと言うのはこんな感じの歯ブラシです。

ワンタフトブラシ
スタンダードワンタフトブラシ

この先端で、歯の輪郭をなぞるように磨き、あとから普通の歯ブラシで磨くと歯垢が残りにくく、良いメンテナンスができます。小学校に上がる前くらいになったら、鏡を見ながら自分の歯をなぞると言うことを面白がってくれるかもしれません。

また、ハンドルの付いたデンタルフロスも便利です。歯と歯の間が磨きにくい子の場合、デンタルフロスで仕上げることも行ってあげましょう。

なお、歯磨きのペーストは子供用として市販されている物で充分です。あるいはまったくペーストを使わなくても良いのですが、甘い味があった方が歯磨きの抵抗感が減るかもしれません。

歯磨きペーストは普通に使う程度の量なら飲みこんでも問題ありませんので安心して下さい。フッ素配合の物を使う時は、歯医者さんに相談してからの方が良いかもしれません。

歯ブラシも色々ですね。ラインナップが豊富になってメンテナンスが行いやすくなる半面、目移りしてどれを選んだらいいのか判りにくくなりそうです。取り敢えずは小さい歯ブラシとワンタフト、フロスがあれば充分でしょう。

歯並びは遺伝的な要素もあるので気になれば小児歯科へ

赤ちゃんの歯が生えてきたら、将来綺麗な歯並びになるよう気を使ってあげたいですね。しかし、乳歯の段階での歯並びは、必ずしも永久歯の歯並びを予測しません。ですので、気になることがあれば小児歯科へ行って相談して下さい。

一方、小さなころから悪い習慣があると歯並びが悪くなってしまうことがあります。そうした癖を見つけたら、早いうちに直すよう指導してあげましょう。

赤ちゃんの歯は隙間だらけがいい

多くの場合、乳歯と言うのは隙間だらけです。これは自然なことで、乳歯が20本であるのに対して、永久歯は28本~32本(親知らずの数で変動します)ありますから、隙間がないと永久歯が並びません。

また、乳歯に比べると永久歯は大きいので、さらに隙間が必要になります。なので、乳歯が生えそろった時に、あまりにも隙間が多くて心配になったと言う時は、その子が成長して立派な永久歯が並んだところを想像してみれば安心できると思います。

逆に、乳歯なのにぴっちりと隙間なく並んでいる場合は、一度小児歯科で診てもらって下さい。

歯並びは顎の形や大きさなど、遺伝によって決まることも多いです。ですから両親のどちらかが、歯並びのトラブルを経験していたのであれば、小児歯科に行って、歯の生え代わりの時期を含めてしっかり相談しておきましょう。

子供の歯並びが悪くなる4つの要因

子供の歯並びが悪くなるのには4つの要因があります。

  • 乳歯を虫歯で失うこと
  • 歯の大きさと顎の成長のバランスが悪いこと
  • 遺伝的要因(出っ歯や受け口)
  • 指しゃぶりや頬杖などの悪い癖

このうち、2番目と3番目は不可抗力的な部分も少なくないので、気になった段階で小児歯科に相談に行って対策を行ってもらいましょう。

一方、虫歯や悪い癖は注意していれば防げるものです。例えば、乳歯の奥歯が生えたらかみ合わせが決まってきます。その時ぐらいを目安に、おしゃぶりと言うアイテムを卒業させ、指しゃぶりも行わないように注意して下さい。

頬杖やうつぶせ寝は歯並びを悪くする

頬杖やうつぶせ寝は、あごに不自然な力を掛けてしまいますので、歯並びを悪くする要因になります。ですので、そうした癖を付けないよう普段から注意しておくのが良いですね。

また、口呼吸をする子や、舌を突き出す癖のある子なども歯並びに悪影響が出ます。こうした場合も小児歯科で相談すれば、簡単なトレーニングを行って治療してもらえます。

さらに、乳歯の段階で歯並びの問題や出っ歯、受け口などが明らかな場合は、乳歯の矯正と言う方法もあります。永久歯の矯正ほど大掛かりなものではなく、寝ている間だけ装具を付けるなどの、比較的簡単な方法です。

場合によっては永久歯段階での矯正が必要なくなったり、仮に必要であっても永久歯のワイヤ・ブラケット装着期間が短くなると言う効果があります。歯医者さんで相談して下さい。

歯列矯正は永久歯だと2年ぐらいかかりますから、もし乳歯の段階で矯正した方が良いと言われたら、検討してみられても良いと思いますね。

お口のケアは早いうちから始めると一生の財産になる

実は、私は歯並びが悪く、しかも面倒くさがり屋の性格なので若いころに折れた犬歯も抜いただけで放置しています。しかし、虫歯と言う物は1回だけ経験したことがあるだけで、歯医者さんにはそこの詰め物がとれた時にしか行くことがありません。

初めて歯医者さんに行ったのは結婚してからと言う、非常に遅い初体験でした。これは、多分単なる幸運だと思うのですが、ミュータンス菌の感染が相当遅かったからなのでしょう。でも、友人たちを見ていると、虫歯で悩まないのは幸せだなと思います。

歯並びが悪いのは格好悪いですが、なんとか結婚もできてますし、飽きるほどの期間結婚生活も継続していますから、もう良いことにしておきます。

ですので、赤ちゃんのうちに虫歯になりにくい口内環境を整えてあげることは、実に得難い財産を与えてあげることになると言えるでしょう。

まずはミュータンス菌の感染を遅らせるように配慮し、適切な時期に歯磨きを開始することです。そして、赤ちゃんが歯磨きを嫌がらないようにすることで、その後のお口のメンテナンスが覚えやすくなります。

たまには変わったオーラルケアのアイテムを、親子で買いそろえて楽しむのも悪くないでしょう。あとは悪い癖を付けないように配慮してあげれば、一生良い歯をキープできると思いますよ。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る