健康生活TOP 虫歯 虫歯が自力で治る?驚くべき唾液の再石灰化パワーを活かそう

虫歯が自力で治る?驚くべき唾液の再石灰化パワーを活かそう

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虫歯に悩む人はたくさんいますが、実は意外と予防しやすい病気のひとつなのです。しかし、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」(平成17年)では成人の90%に虫歯があり、またとくに40才以上は以前より増加傾向にあるという結果が出ています。

ですが、虫歯になる仕組みを知れば、歯医者で治療しなければならないほどに進行してしまうことを防ぐことができます。そのキーポイントになるのが唾液です。

虫歯は防御できる!その秘密は唾液パワーにアリ

誰でも口の中にもっている唾液。この唾液のパワーを活かせば虫歯は怖くありません。近年、歯科医療方針はじょじょに考え方が変わってきています。歯医者に行き、治療で歯を削ってしまえば、元の形に戻ることはありません。

そのため以前のように「虫歯はすぐに発見し、進行する前に削って埋めてしまう」という考え方から、「早期発見・長期観察」の時代へと歯科医療方針は変わってきています。

現に虫歯ができても15年間ほとんど進行しなかったという例もあります。虫歯の進行をストップさせた秘密は唾液パワーにあります。この唾液パワーを知り、そして最大限に活かすことが虫歯にならない秘訣なのです。

唾液の減少が口内のバランスを崩してしまう・・・虫歯の仕組みを知ろう

まずはどうして虫歯になってしまうのか?知っているようで知らない虫歯になる仕組みをしっかりと頭に入れておくことから始めましょう。

歯の表面はプラーク、いわゆる歯垢に覆われています。歯の垢と呼ばれているくらいですから、歯垢とはまさに細菌の温床であり、細菌の塊でできています。この中に虫歯菌であるミュータンス菌やラクトバチラス菌などが住んでいます。

私たちが食べ物を口の中に入れると、その炭水化物や糖を利用して虫歯菌は酸を作り出します。この酸によって歯の表面のエナメル質にあるカルシウムやリン酸が溶けてしまうのです。これを脱灰(だっかい)といいます。

唾液には虫歯菌が作り出した酸を中和してくれる働きがあります。これを再石灰化といいます。

つまり私たちは毎日の食事のたびに脱灰と再石灰化を繰り返しているわけなのです。

この脱灰と再石灰化のバランスが崩れた時に虫歯が発生してしまいます。そしてこのバランスを崩してしまう原因こそが唾液の減少なのです。

唾液の減少でおこる弊害はこんなに!マウストラブルだけでなく胃腸の不調や風邪にも

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唾液の減少によっておこる弊害は虫歯だけではありません。唾液には私たちが思っている以上に優れた働きがあり、健康を守ってくれているのです。そんな唾液が減少すれば以下のような症状があらわれてきます。

歯が汚れる

汚れというのは、すぐに落とせば綺麗に落とせる確率が高くなりますよね?しかく乾くとどうでしょうか。乾いた汚れというのは、染み付いてしまい落とすことが非常に難しくなります。そしてそれは歯も同じことがいえます。

唾液が減少してしまい、歯が乾いてしまうと汚れは染み付き、歯ブラシでは落とせなくなってしまいます。

口臭がひどくなる

朝起きると口の中がネバネバして、日中の時よりも口臭があると感じませんか?それは睡眠中の唾液分泌の減少に原因があります。

唾液には口の中に住み着いている細菌を洗い流す役目があるのですが、唾液が減少すれば細菌は発酵してしまい、それが口臭の原因となってしまいます。

口内炎になりやすい

昔から「怪我は唾をつければ治る」といいますよね。それは唾液の中に殺菌作用のあるリゾチーム、ヒスタチン、ラクトフェリンという成分が入っているからです。口の中の怪我が治りやすいのもこれらの成分のおかげです。

口内炎とは胃腸などの不調によって起こることもありますが、その他の原因として、硬い歯が柔らかい舌や頬にあたり傷をつけてしまうことでもおこります。

唾液の中にはムチンと呼ばれる粘り気を出す成分が含まれており、口の中で硬い歯が柔らかい舌や頬を傷つけないために潤滑油としての役目をもっています。唾液が減少すれば滑りが悪くなり傷つけてしまうことで口内炎が起こりやすくなります。

また唾液という潤滑油がなくなることで歯茎や粘膜が赤く炎症し、ヒリヒリして歯ブラシが使えなくなる、などの悪循環にもなります。

入れ歯がとれやすい

唾液は総入れ歯を歯茎にくっつける接着剤の役目があります。そのため唾液が減少してしまえば総入れ歯が外れやすくなってしまいます。

胃腸に負担がかかる

唾液の中にはアミラーゼという、でんぷんを麦芽糖に分解する酵素があります。また、唾液には歯によって砕かれた食べ物に潤いを与え、かたまりにして飲み込みやすい形状に整えます。

唾液が減少すると、消化酵素が足りず、また食べ物のかたまりも大きいままに胃や腸に届くことになり、負担がグッと大きくかかることで胃腸不良の原因になってしまいます。

風邪をひきやすい

口や鼻は外部からのウィルス菌が真っ先に体内に入ってくる先端部分です。唾液にはこのような体内に有害なウィルス菌を防御するためのリゾチームと呼ばれる殺菌成分があります。

唾液が減少してしまえば、この殺菌効果が弱くなり、その結果、ウィルスの侵入を許してしまい、風邪をひきやすくなってしまいます。

食事がまずくなる

食事の美味しさを感じるためにはまず味覚機能がしっかりと働いていなければいけません。しかし唾液が減少してしまうと舌がしびれてしまい赤く炎症し、味覚機能が低下し、食べ物の味がわからなくなってしまいます。

私たちの体を守ってくれる唾液の優れた効果はまだまだある!

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唾液の減少によっておこる弊害がこのようにたくさんあるということは、それだけ私たちの体は唾液によって広範囲に守られているということなのです。しかし、唾液の優れた効果はまだまだあります。

ガンを抑制する

私たちの体は常に外部からの有害物質に侵入されるという危険性にさらされています。食品添加物やタバコなどに含まれている発がん性物質もそのひとつです。

しかし唾液にはこれらの発がん性物質を抑えるピルオキシダーゼやカタラーゼなどの成分により、私たちの体をガンになる危険性から守ってくれています。

若返る

唾液は耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の大唾液腺と呼ばれるところと、ほかに唇や頬、舌などの粘膜にたくさん存在する小唾液腺から分泌されています。

唾液の中には骨や筋肉を丈夫にする成分パロチン、別名「若返りのホルモン」とよばれるものがあります。大唾液腺の顎下腺、舌下線から出る成分はほぼ同じですが、耳下腺からのみ、このパロチンが分泌されます。

体内の水分を調整

体はどのような環境においても、一定の体内水分を保とうと常に機能しています。唾液もその大切な機能のひとつであり、血液の浸透性を調整することで、体内の水分バランスを整えてくれています。

唾液の優れたパワーが虫歯予防だけではないことがわかってもらえたと思いますが、ではこれらのことで、具体的に私たちにどのような嬉しい効果があるのかまとめてみましょう。

唾液による効果まとめ

  • 虫歯を防ぐことで口の中が健康になる
  • 歯の汚れがなくなり笑顔に自信がもてる
  • 口臭がなくなり積極的になれる
  • 胃腸が元気になり、食べ物が美味しくなる
  • 病気にならない強い体質になる

これだけ嬉しい効果がある唾液パワー。何としても増やして活かしたいですよね。ですが、まずはこの記事の本題に戻り、歯の再石灰化パワーを活かすためにも、唾液が減少してしまう原因を探っていきましょう。

唾液が減少する原因は?よく噛んで食べることの重要性

唾液が減少してしまえば虫歯になりやすいなどの、さまざまなデメリットがあることがわかりました。ではそもそもなぜ唾液が減少気味になってしまうのでしょうか?

良く噛まない

唾液が減少してしまう最大の原因が噛む回数が少ないということです。「噛む」という行動は食べ物が口の中に入ってきたときにおこないます。そして「噛む」ことで唾液が出る仕組みになっています。

ということは、まずは「噛む」ことが脱灰してしまった歯をもう一度、再石灰化させる大前提となるわけですね。良く噛んで食べ物を咀嚼することは虫歯にならないための原則であり、同時に体全体の健康の原則でもあります。

現代人は何かと時間に追われる生活になり、早食いの傾向にあります。このことが生活習慣病を引き起こしているひとつの大きな原因といってもよいでしょう。では、昔の人はどうだったのでしょうか?

  • 卑弥呼は一食3990回かみ、一回の食事所要時間は51分
  • 徳川家康は一食1465回かみ、一回の所要時間は22分
  • 戦前の日本人は一食1420回かみ、一回の食事時間は22分
  • 現代の日本人は一食620回かみ、一回の所要時間は11分
引用…「噛めば噛むほど13の奇蹟」著者 斉藤茂

 

一食あたりに約一時間というのはかなり長すぎる気もしますが、やはり昔の人は現代人に比べてこのようにしっかりと食事と向かい合い、良く噛んでいたのではないでしょうか?

「時間がない!」もしくは「たくさん食べたい!」といった現代人の考え方で食事に向かえば、肥満の原因になり、そして、唾液の減少に繋がり、さまざまな体調不良をおこす元凶になっていると思います。

薬の副作用

唾液が減少してしまう原因は、薬の副作用も大きく影響しています。自律神経を整える薬や、花粉症、高血圧、鎮痛剤などには唾液を減少させてしまう副作用が出ることがあります。

とくに精神科で処方される薬には副作用が出るものが多く、そのため薬を服用しはじめると唾液の減少により急激に虫歯が増えることがあります。

また高齢になれば自然と服用する薬が増えていってしまう傾向があるため、それにより唾液の量が若い時よりも減少しやすくなります。

更年期障害

更年期障害になると体にさまざまな不調がおこります。唾液の減少もそのひとつで、口の中が乾く(ドライマウス)や違和感が出ることがあります。

少しでも唾液減らさないために「よく噛む」以外で普段から工夫するべきこと

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唾液を増やす最大のポイントは「良く噛む」ことですが、普段から唾液をできるだけ減らさない工夫も必要です。

食事はきっちりと

食事をするたびに虫歯菌が出す酸によって歯は脱灰しているのですから、食事をきちんと時間内に食べ終わるようにしなければ、唾液が歯を再石灰化する余裕がなくなってしまいます。

とくに気をつけたいのが間食です。間食をするたびに歯は脱灰していることを忘れてはいけません。

とくに飴玉などをしょっちゅう口にするような間食の仕方は、まさに、歯を溶かす脱灰状態ばかりが続き、唾液によって酸を中和させ、歯を再石灰化する間がありません。

食事はきっちりと時間を決めてその範囲内だけにしておき、唾液の中和を邪魔してしまう間食は控えるようにしましょう。

歯磨きをしっかり

毎回、食事のあとは歯磨きをするようにしましょう。とくに寝る前にはしっかりと磨く必要があります。睡眠時には唾液の分泌量が最も少なくなる時間帯ですから丁寧に磨くようにしてください。

また歯ブラシだけでなくデンタルフロスも使いましょう。歯ブラシは汚れを60%落とし、デンタルフロスは20%を落とすといわれ、この2つを併用することで歯の汚れの実に90%を落とすことができます。

しかし残りの10%は自力では落とせない汚れとなり、どうしても残ってしまいます。定期的に歯科医院にいって自力では落とせない歯垢を掃除してもらうようにしましょう。

歯磨き粉は多めに

歯磨き粉には歯をガードするフッ素が入っています。このフッ素効果を歯磨きが終わった後にも持続させるために、歯磨き粉は多めに使い、そしてゆすぎは少し味が残るくらい、軽めにしておきましょう。

ただ注意点として、歯磨き粉を多めに使うとどうしても泡立ちが良くなりますから、短時間でもしっかり磨けたと勘違いしがちです。

それを防止するためにもまずは歯磨き粉を付けずにカラ磨きをして、そして次にフッ素が入った歯磨き粉を付けて磨く方法がおすすめです。

「イー」「ウー」大唾液腺マッサージで分泌を促す

shutterstock_70020136大唾液腺のコピー

唾液が出る、

  • 耳下腺
  • 顎下線
  • 舌下線

の大唾液腺をマッサージで刺激をします。

指で、顎の骨の下に沿って、耳の下から顎の先までもみほぐすようにマッサージします。「イー」「ウー」と言いながら口を大きく動かすとより効果的です。

薬の服用中や更年期で唾液が出にくい人にオススメしたい対策法

次に、薬の服用や更年期障害などで、唾液が出にくい状態になっている人のための対処法をみていきましょう。

人工唾液

人工唾液を使って、乾きやすい口の中にうるおいを与えることでドライマウスを改善させます。人工唾液はスプレータイプやジェルタイプなど多くの種類があるので、使いやすいものを選びましょう。

購入は、ドラッグストアやネット通販などでも買うことができます。

フッ素洗口

歯科医院で購入できるフッ素ナトリウム洗口液で歯の表面にフッ化物を作用させることで虫歯を予防します。しかし使用量を間違えると急性フッ素中毒になることもあるので必ず医師の指導のもとで正しく使いましょう。

キシリトールガム

唾液が出にくい人、または忙しくて食後に歯磨きをしている時間が作れない人は、キシリトールガムが手軽で便利です。食後に一粒食べておくと良いでしょう。

よく噛みよく食べる!唾液パワーを活かして健康に

ご紹介してきたように、私たちは常に食事のたびに脱灰と再石灰化を繰り返しながら虫歯を防いでいます。そしてそのかなめとなるのが唾液です。

食べ物というものは、もともとなんらかの毒性をもっているものです。それは無農薬の野菜であっても同じことです。植物も生き物ですから自己防衛のために毒素をもっているのが当たり前なのです。

私たち人間はそれら毒性のあるものを、唾液によって「食べられるもの」に変換しているわけです。ですから唾液が減少すれば虫歯になるだけでなく体にさまざまな不調がおこってしまうのです。

まずは良く噛んで、しっかりと唾液を出すことから始めましょう。それには食べ物を粗末に扱わずに昔の人のようにひとくちひとくちを大切に食べる気持ち・・・それが何よりも虫歯の予防と体の健康に繋がる最善の方法だと思いませんか?

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