健康生活TOP 耳鳴り 耳鳴りの原因は?放置してもいいか治療が必要かを判断する症状の特徴

耳鳴りの原因は?放置してもいいか治療が必要かを判断する症状の特徴

耳鳴りを感じている女性

鼻を強くかんだとき、キーンと言う音が耳内に響くことがありませんか?おそらく多く人が経験しているのではないでしょうか。

それは耳鳴りには違いないのですが、鼻をかんだ瞬間にだけに見られるので大して気にすることもありません。原因が分かっているので気に留めることがないわけです。

ところが、一瞬ではなく継続的に耳鳴りを感じたり、慢性化したりした場合では病気の前兆という可能性もあります。

突然の耳鳴り…どのような耳鳴りが心配ないのか、そしてどのような耳鳴りが危険なのか、その症状の特徴を見て行きましょう。

突然の耳鳴りって一体なに?耳鳴りの種類とその音の特徴

もし、あなたが突然、実際には物理的に音がしているわけではありませんが、キーン、ジーン、ボーという耳鳴りに襲われた場合、事情が分からないだけに不安感を抱くかも知れません。

耳鳴りはこのような音が発症する現象で、その機序は外耳から始まり中耳、内耳、聴神経、脳へと続く音の伝導経路に異常が生じることで起こります。

一般的には耳鳴りと言っていますが、医学的には耳鳴(じめい)と呼ばれます。

後に原因について詳しく紹介しますが、多くの場合、耳鳴りの原因は内耳の蝸牛というところに異常が起きるためと見られています。この蝸牛は空気振動を電気信号に変換する役割を担っています。その他にも全身的な病気、そして過剰なストレスでも起きると見られています。

多くの人が経験している飛行機やエレベータ内で起こる耳鳴りのように心配する必要がない耳鳴りもありますが、実は、耳だけでなく脳や神経の病気でも起きることがあります。

ドキッとするかもしれませんが、その原因が分かれば少しは安心ができるはずです。そこで、耳鳴りの全貌を明らかにし、どう対処すればいいのかを紹介いたします。

耳鳴りではどんな音が聞こえるのか

先にもちょっと触れましたが、実際に自覚するような音がないのに、自分にしか聞こえない音が聞こえるのが耳鳴りです。例えば、蝉の声やモーターの回転に似た音など、個々人によって耳鳴りの感じ方はいろいろあります。

これらの現象は健康な人でも感じることで、例えば、静かな部屋の中でシーンと聞こえる耳鳴りがしたり、気圧の変動で一過性の耳鳴りを感じたりすることがありますが、これらの耳鳴りはほとんどが心配する必要がないとされています。

中には、人の話している声や笑っている声が聞こえるといった場合がありますが、それは耳鳴りではなく幻聴で、明らかに耳鳴りとは違います。

耳鳴りの種類:自覚的耳鳴り、他覚的耳鳴り

耳鳴りのほとんどはその本人しか聞こえないのですが、このような耳鳴りを自覚的耳鳴りと呼んでいます。

一方、まれにですが耳鳴りのしている人の耳に、聴診器をあてて増幅した場合、聞こえることがあります。このような耳鳴りのことを他覚的耳鳴りと呼んでいますが、普通、耳鳴りと表現した場合は、自覚的耳鳴りを指しています。

他覚的耳鳴り

他覚的耳鳴りは、外部から聴診器で実際に効くことができる耳鳴りで、その音の原因は耳の中にあります。筋肉の痙攣、鼓膜異常、顎関節からの音、血管の拍動音などが挙げられます。

特に、血管の拍動での耳鳴りの場合、血管の病変が疑われ脳への動脈に瘤が出来たことを、併せて疑わせます。

自覚的耳鳴り

自覚的耳鳴りは、自分にしか聞こえない耳鳴りで難聴を随伴することが多く、それも軽いものから生活に支障を来す重症のものまでいろいろです。普通、耳鳴りといった場合には、この自覚的耳鳴りがほとんどです。

耳鳴りに悩んでいる人の割合

自分の周囲の人に耳鳴りがするかどうかを聞いてみてください。多くの人がすると答えるはずです。

では、実際はどうなのでしょうか。ちまたでは人口の10~20%ぐらいの人が経験しているとされています。

ところが、年齢が上がり65歳以上の人になると、その割合が30%近くに跳ね上がるのです。

もちろん、耳鳴りの経験者全員が苦しんでいるわけではないのですが、持続的耳鳴りに対して、人口の5%程度の人が苦痛を感じていると言われています。

アメリカでの耳鳴りの経験者に対しての調査では、55%の人が両耳に耳鳴りがあり、24%の人は頭中で耳鳴りがしているとしています。54%の人の耳鳴りは1種類で、26%の人は2種類の耳鳴りを感じているそうです。

また、9%の人は3種類、6%は3種類以上感じているらしく、苦痛を感じるのも無理はないことと思えます。そして注目すべき点は、90%の人に難聴が確認されていることから、耳鳴りと難聴とは大いに関係がありそうです。

耳鳴りにまつわる迷信、幽霊のせいってほんと?

この耳鳴りにまつわる迷信は、医学的見地には全く関係はありません。ネット上では、科学的根拠のない幽霊に関する情報がもっともらしく語られているのを見ると、何とも信じられない有様で、どうしてこうなるのかと、複雑な気分に襲われます。

ことわざに、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というものがありますが、これのたとえは、「恐怖心を持って物事を見ると、本来であれば全く関係がないのに、恐いものに見えてしまうということなのですが、実際には、正体が分かると何でもない」ということをしめしています。

このことから分かる通り、何でもそうなのですが、恐ろしいとかの恐怖心を持つと、自分の周囲のものが恐ろしいものに見えてしまうことを比喩的に言っています。

耳鳴りに幽霊が関わっていると考える風潮もこの流れの中にあって、耳鳴りを感じた時に恐怖心のようなものがフト浮かんできて、それを枯れ尾花ではなく幽霊に結びつけることで、変な迷信を生み出しています。

耳鳴りの原因は何?耳鳴りの原因ごとの分類

耳鳴りの原因として次の3つが挙げられています。

生理的に起こる耳鳴り:気圧、不快感が原因

耳鳴りを経験する人は人口の10~20%いるとされていますが、65歳を超えると30%もの人が経験すると見られています。しかしながら、それらの人すべてが不快感からの耳鳴りに悩んでいるわけではなく、全く気にならない人もいます。

それから静かな環境の中で、シーンという耳鳴り音が聞こえる場合がありますが、これらは生理的なもので、問題にすることはありません。

耳の中の気圧は、普段は外気圧と同様の状態にありますが、飛行機の着陸時、エレベータの急降下時では気圧が変化します。

そうなると、耳の中の気圧と外気圧の間に気圧差が生じ、鼓膜が内側に押し出され、それが一過性の生理的に起こる、痛みを伴った耳鳴りということになります。

もちろん、飛行機もエレベータも元に状態に戻れば、気圧差も解消されることから、耳鳴りも元に戻ります。

ストレスが原因となる耳鳴り:原因の特定が難しい

ストレスは耳鳴りの直接的な原因になりますが、それだけでなく耳鳴りの症状を悪化させる原因にもなるようです。心理的、精神的なストレスがかかると、聴力を含めた感覚器の感度が上昇するそうです。

これによって、他の人が感じないような耳鳴りに敏感に反応することになります。この反応が余計なストレスとなって、さらに、耳鳴りが増幅されるようになります。

このようにストレスが続くことで耳鳴りの悪循環が生じることになります。

ですが実際には、原因が特定できない不明なものが多いとされています。耳の中はきれいな状態にあり、聴力、めまい検査をしても異常が見られない、画像検査のCT、MRIでも異常が発見できない場合が結構あるのです。

病気が原因の耳鳴り:頭痛、耳、脳に影響が?

耳鳴りでは、「キーン」、「ジー」のような音が聞こえるだけでなく、他に会話中であっても耳からその音が離れないことがあります。

その耳鳴りは、内耳や聴神経が異常になることから発症する難聴を伴うことがありますが、これには、内耳の聴細胞、聴神経の障害が原因と考えられています。

老人性の難聴の場合は両耳に障害が起きることから、当然、両方に耳なりが生じます。また、聴神経に腫瘍が出来ることでも耳鳴りを発症します。この場合には、随伴症状として頭痛がしたり、他にも神経症状を見せたりすることがあります。

したがってこのような症状が見られた場合には、耳鼻咽喉科ではなく脳神経外科や神経内科での受診を考えます。

その他にも、脳幹部の梗塞や出血が大元になる場合もあります。例えば、「ザーザー」という音が拍動のリズムに合わせて聞こえる場合があるのですが、これは硬膜動静脈痩という脳血管の異常がそうさせています。

この場合はCT、MRI検査で、脳の異常からの耳鳴りであるかどうかが明らかになります。

耳鳴りの原因となる病気の種類と特徴

ここでは耳鳴りを発症する7つの病気を挙げておきます。

耳鳴りの原因となる病気1.突発性難聴:原因は不明

突然聞こえなくなる突発性難聴は、毎年3~4万人が発症していると言われています。原因は不明ですが、ウイルス説や血流の障害が原因だとする説もあり、誰にでも起こりうる疾患です。

私たちが音を聞く場合、振動は中耳から耳小骨に、それから内耳の蝸牛のリンパ液に伝わります。そして、振動は有毛細胞を経て、脳への電気信号に変換されます。

突発性難聴の起きる機序は、振動を伝える有毛細胞の障害で生じます。この有毛細胞の障害に関係しているのが、先に示したウイルス説と、血流の途絶え説がありますが、不明となっているわけです。

症状の起こり方はそれこそ突然で、ある日のこと、片方の耳が聞こえにくくなり、耳鼻咽喉科を当然受診するわけですが、突発性難聴患者が、何時、何処で、何をしている際に症状の始まりがあったかを、具体的に述べることができるぐらいに、一般化されています。

この時の随伴症状として、耳の詰まったような感じがするのと、耳鳴り、めまいがする場合があります。

突発性難聴は症状が症状なだけに、医師の診察を受ければいいのですが、完全に難聴になっているわけではないので、つい放置したままになり勝ちです。ですが、突発性難聴は、感音性難聴の中では治療がしにくい疾患ですので、早い治療ほど治りがよくなります。

そこで、医療機関、それも耳鼻咽喉科での受診のタイミングは、症状を発症してから2日以内に行くことが大事です。めまいがあると内科に行きがちですが、耳鳴りをはじめ耳の聞こえに関係がある場合は、耳鼻咽喉科で診察を受けるようにしましょう。

耳鳴りの原因となる病気2.老人性難聴:原因は加齢

加齢とともに聴力は衰えを見せ始めますが、これは誰にでも訪れることです。そして、加齢により聴覚障害の機序は、複合的な要因の組み合わせで起こります。

先に記した有毛細胞が減ることによる内耳機能の低下に加えて、脳の中枢機能、言葉の認識を担う認知機能にも低下が起こっています。

これの影響は、音の聞こえが悪くなる問題だけでなく、音源がどの方向から来ているのかも分からなくなり、大人数での会議の際の同時会話を聞き漏らす事態に遭遇することが出てきます。

とにかく、相手にゆっくりと話してもらわないと、理解できない場面が度々出てくるのが老人性難聴の特徴になっています。

それから、老人性難聴は加齢につれて発症数が増えてきます。発症率は

  • 65歳以上 25~40%
  • 75歳以上 40~66%
  • 85歳以上 80%

に見られると言われています。

それを実際の人数に置き換えてみると、65歳以上での老人性難聴者の人数は、1655万人に達するとの推測数字が出ています。

耳鳴りの原因となる病気3.自律神経失調症:原因はストレス

自律神経については、皆さんも詳しいと思いますので簡単に触れておきます。自律神経はアクセル型の交感神経と、ブレーキ型の副交感神経に分かれています。交感神経は緊張、そして興奮を司る神経で、活動を促進する神経とも言えます。

実際に、交感神経が活性化した場合、呼吸、脈拍は速まり血圧も上昇します。

一方の副交感神経は、交感神経とは拮抗する関係にあり、リラックスの神経と言われています。夜間に休息中に働く神経で、身体をリラックスさせると同時に呼吸が穏やかになりますし、脈拍も落ち着きを取り戻し、血圧も下がった状態になります。

自律神経はこの交感神経と副交感神経のバランスを絶妙にすることで、身体の状態を最適になるようにコントロールしています。そして、このバランスが崩れるのが自律神経失調症ということになります。

そこでストレス、これが自律神経失調症の原因の1番手に上げられています。これの問題は、不快な刺激が続くと交感神経がいつも緊張状態に置かれることで、副交感神経の働き場所がなくなり、心身が休息できなくなることにあります。

こうなると、完全に交感神経と副交感神経のバランスが崩れるために、心身が不調状態に置かれるようになります。

また、生活習慣の乱れから、体質的な面から自律神経失調症を発症することもあります。

症状的には循環器系や消化器系に出やすいのですが、めまいや耳鳴りを発症する人も少なくはありません。

耳鳴りの原因となる病気4.メニエール病、蝸牛型メニエール病

内耳には三半規管とともに蝸牛という音を感知している器官があり、この中はリンパ液で満たされています。メニエール病はこのリンパ液の代謝異常から内耳内の液量が過剰になってしまい起こります。

三半規管や前庭、蝸牛など内耳内の全体がこの状態になる場合もあれば、蝸牛のみに起こる場合もあり、後者を蝸牛型メニエール病と呼びます。

全体に起こった場合は難聴や耳鳴り、めまいが症状として現れ、蝸牛型メニエール病の場合は難聴や耳鳴りを自覚しますがめまいはみられません。

耳鳴りの原因となる病気5.耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)

耳性帯状疱疹は別名ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれ、主な症状には帯状疱疹による顔面神経麻痺が見られます。帯状疱疹というと、多くの方が罹ったことがあるというぐらいにポピュラーな疾患です。

そこで、帯状疱疹を簡単におさらいしておくことにいたします。帯状疱疹前に罹患した同じウイルスの水痘ウイルス(水疱瘡ウイルス)が、再度活性することで神経にもそれが及び、再感染を起こし発症します。

具体的な症状は、その神経に沿って水疱、発赤、痛みを生じますが、それが帯状になっていることから帯状疱疹と言われています。

顔面神経は耳の中を通っているのですが、その他に前庭神経、聴神経にウイルス感染があった場合、耳性帯状疱疹と呼んでいます。

感染すると顔面神経麻痺の他に、神経が及んでいる範囲である耳、頭に激痛が起こります。疱疹ヘルペスは耳と外耳道にできますがその症状は様々で、水疱はありません。

しかしばがら、耳や鼓膜の発赤、腫れだけの場合や、痛みと麻痺だけのもの、舌や口の粘膜の水疱やかさぶたなどが見られます。

そして、顔面神経の場合は、麻痺と同時に第8神経(内耳神経:聴神経のこと)に腫瘍が見られる場合、耳鳴り、難聴、めまいが起こります。

完全麻痺は、

  1. 外耳道、耳周辺の疱疹
  2. 顔面神経麻痺
  3. 内耳障害(耳鳴り、難聴、めまい)

の3徴候がある場合で、1つかけた場合は不完全型と言います。発症の頻度は年間で2~3/10万人で、顔面神経麻痺の10~15%を占め、年齢的には50~60歳代に多く見られます。

耳鳴りの原因となる病気6.耳に関連する病気:中耳炎、耳管炎、聴神経腫瘍

中耳に液体が溜まった状態を滲出性中耳炎と言いますが、難聴、耳閉塞、耳鳴り、自声響などの症状を発症します。

耳は外耳、中耳、内耳から成り立っており、外耳からの音を内耳に伝えるのが中耳で鼓膜、耳小骨、耳管、乳突蜂巣で出来ています。

そして、中耳は部屋(中耳腔)のようになっていて、空気で満たされています。その部分の換気は鼻咽腔に開いた耳管が担っています。

風邪を引いた時に喉、鼻に炎症を起こし、それが耳管に及んだ場合、耳管の粘膜がはれることで耳管炎になります。

こうなると中耳の換気が出来なくなり、中耳腔の空気圧が大気圧に比して陰圧となるために、鼓膜の位置がずれ耳閉塞感がでます。これにより難聴や耳鳴りの症状が出てきます。

また、聞こえの神経である聴神経に腫瘍ができた場合、耳鳴り、難聴の症状が出てくることがあります。

耳鳴りの原因となる病気7.脳の病気:脳腫瘍 脳出血 脳幹梗塞

脳の疾患が原因で耳鳴りが起きることがありますが、急な耳鳴りやめまいを伴う耳鳴りが多く、その場合は脳梗塞、脳出血、脳腫瘍が挙げられ脳の血管障害が原因になります。

脳腫瘍
脳腫瘍でめまいを起こすような場合は摘出手術の必要性があります。仮に、腫瘍が少しずつ大きくなるような良性腫瘍だとしても、放っておくと脳幹を圧迫することで死に至ることもあります。そのような場合では、手術の適用を考慮します。

手術で切除しきれなかった場合や、高齢で手術ができない場合などでは、腫瘍の種類にもよりますがガンマナイフ、サイバーナイフなどの、放射線治療を採用することがあります。

脳出血
小脳、脳幹部の出血では、はじめはめまいだけかも知れませんが、出血が酷くなることによって急に手足の動きが緩慢になったり、意識が朦朧としたりすることがあります。出血が進むと生命に関わることから、血腫を取り除く出術の必要性が出てきます。
脳梗塞
小脳、脳幹部が拘束した場合、やはり生命に関わることがあります。そうなった場合には、血液をサラサラにすることで血流を良くする治療や、狭くなった血管を拡げる治療を行うこともあります。

耳鳴りで聞こえる音の特徴ごとにその原因を分けてみる

耳鳴りの症状の出方にはいろいろあります。片方の耳だけに出ることがあれば、両側の耳に出ることもあります。また、出たかなと思うと消えて行くこともあります。

それぞれ原因ごとに症状の現れ方が違うので、詳しく見てみましょう。

キーンという耳鳴り

  • 突発性難聴
  • 老人性難聴
  • 自律神経失調症
耳鳴りの症状の出方にはいろいろありますが、突然、片側の耳に激しい耳鳴りと難聴が起こり、半数にはめまいが生じ、キーンという金属音、電子音が特徴的なのが突発性難聴です。

重症になると耳が聞こえなくなることがありますが、一度だけで繰り返すことはないようです。

老人性難聴でもキーンという耳鳴りが両側に起こります。これは、内耳の感覚細胞は音を感じる器官なのですが、当然、加齢とともに細胞数が減ることで、機能が低下してきます。

自律神経失調症の症状の現れ方は個人差が大きく、1つしか出ない人もいますが、3つ、4つ出る人もいます。

症状が現われたり消えたりするのも自律神経失調症の特徴で、耳鳴りにしても実際には音がしていないにも関わらず、「キーン」という音が聞こえたり、耳に何かが詰まっているような自閉感が起きたりします。

特に中高年に多く見られるようです。

蝉の鳴き声のようなジーという耳鳴り

  • 突発性難聴

耳鳴りには主観にもよりますが、先に触れた「キーン」という音の他に、「ボー」「ジー」と、いくつかの音のパターンがあるようです。

蝉の鳴き声に似た「ジー」という耳鳴りですが、これは、突然耳の聞こえが悪化する突発性難聴を起こす可能性があります。

突発性難聴は重症化すると聞こえなくなることがありますので、その兆候が出た場合には、すぐにでも医療機関での受診が急がれます。

低音のボーという耳鳴り

  • メニエール病

「キーン」「ジー」に続いての「ボー」ですが、これはメニエール病の際の耳鳴りで回転性のめまいが起こります。内耳のリンパ液のむくみが関係する機序については原因ははっきりしておらず、ストレスやウイルス感染などの説があがっています。

耳鳴りと回転性のめまいの他は「耳が詰まっている感じがする」程度で、聞き取りづらいことや聞こえが悪いとは自覚しないケースが多いようです。

自覚症状が曖昧なため判断が難しいですが、聴力検査で低音部難聴が視られた場合メニエール病が診断されるでしょう。

治療には、めまいの症状が激しく、希望者には点滴治療が施されることがあります。他むくみを抑えるために利尿剤が、神経を正常に戻すためのビタミン剤などが処方されます。

治らない、繰り返す、めまいがある…受診した方がいい耳鳴りの症状

耳鳴りはめまいや難聴を伴うもがある一方で、耳垢、ストレス、肩凝りなどの血行不良からなるものまで幅広い症状が見られます。

慢性的で半日以上続く耳鳴り

長引く耳鳴りの症状が出てきた場合ですが、絶対に自己判断をしてはいけません。というのも、耳鳴りの症状にはめまいや難聴を随伴することがあり、危険な疾患が背景にあるかも知れません。

そうなった場合には、早期の治療が必要となります。

耳鳴りが主症状だった場合には耳鼻咽喉科での受診で済みますが、中には激痛を伴う頭痛やものが二重に見えるとか、しびれ、舌がもつれるなどの諸症状が出現することがあります。

この場合は、脳梗塞や脳出血などが疑われますので、脳神経外科での受診が望まれます。糖尿病や高血圧の場合には、主治医、内科医に改めて相談することが大切になります。

めまいや難聴をともなう耳鳴り

メニエール病の3大症状といえば、

  • 耳鳴り
  • めまい
  • 難聴

です。それらの症状が、どちらか片方の耳を襲う強弱を交互に繰り返す耳鳴り、自分を含めた周辺も回転するようなめまいに、難聴が随伴します。

このような発作が起きた場合、多くは強い吐き気、嘔吐を伴います。原因は過労、ストレスが引き金になるとされていますが、命にかかわるような危険な疾患ではありません。

しかしながら、放っておくと、症状が進行することがありますので、慎重な対応が望まれます。

片方の耳だけに発生する耳鳴り

症状はメニエール病とよく似ています。突然、片方の耳に耳鳴りと難聴が起きます。半分の人に回転するようなめまいが生じ、特徴的なのが、キーンという音の金属音や電子音の耳鳴りがすることです。

重症になると耳が聞こえなくなることがあります。それが突発性難聴です。このような症状が出るには一度だけで、もし、繰り返すようなことがあればメニエール病かも知れません。

とにかく、早期治療が大切で、早ければ早いほど回復する可能性が高くなります。ということは、逆に言いますと時間が経てばたつほど治療が難しくなるということになります。

自分で改善できる!耳鳴りの原因ごとの対処法

耳鳴りの原因をしっかり把握できれば、どのように対処すればいいのかが分かります。

しかしながら、自分勝手の治療法は許されません。手に負えないと感じたら耳鼻咽喉科を受診するようにしましょうね。

耳垢の溜まりは解消しておこう

耳垢は排せつ物というイメージで見る人が多いようですが、耳垢は耳を保護するためにあるという見方もあります。

つまり、耳垢は外耳道が一番外気に触れることから、清潔にする役割を担い、鼓膜を埃や汚れから守る一方で、抗菌性があることから外耳道を守っているというのです。

普通の状態であれば耳掃除は必要ありません。というのも耳垢は自然のうちに耳外に排出されるようになっています。耳掃除をしすぎると外耳道を傷つけたり、耳垢を奥に追いやったりすることになります。

耳掃除を自分でする場合は、入り口周辺を麺棒で拭うぐらいにして、奥の方まではいじらないのが正解です。

耳垢が大量に溜まると塊になって耳の穴を塞ぐことがあります。耳垢栓塞と呼ばれる疾患で、難聴や耳鳴り、閉塞感、自声強聴(自分の声が大きく響く)などの症状が現われます。このような場合には、耳鼻咽喉科でのチェックが必要になります。

血行が悪い、肩こりがあるならストレッチをしよう

姿勢やストレス、習慣、それらの日常的な問題が首の後ろから肩全体の凝りにつながり、症状として鈍い痛みや頭痛、耳鳴り、目のかすみなどが見られます。

これの改善には姿勢を正すことが大事ですが、まずは後頭下筋群のマッサージを行いましょう。

そして、体操をすることで内側から筋肉を弛緩させて血行、血流を良くします。さらにいい姿勢を保つことで、筋膜のストレッチなどでそれを身体に覚えさせます。

ストレスはできるだけ解消してやさしい生活を

耳鳴りが起こる原因の中にストレスがあります。仕事、人間関係が元の精神的なものや睡眠不足、騒音などの生活習慣や生活環境がストレスとなって、自律神経が乱れることでめまいと共に耳鳴りを発症します。

ストレスが原因になる耳鳴りは結構多いことから、出来るだけ心身をリラックスすることで解消するようにしましょう。それから、規則正しい食生活、睡眠や休息をとることで、心身のバランスを整えることが求められます。

時には、趣味やスポーツ、旅行などの興じることも必要で、生活全般を楽しむようなスタンスが大切になります。

飛行機、エレベーター、台風などの気圧の変化には

私たちの耳の中の気圧と外気圧は、通常は同じ状態に保持されています。

しかしエレベータでの上昇や下降、トンネルに入った時や、飛行機の離着陸時における急激な気圧変化が、身体の内外に気圧差を生じさせます。

この時に、ツーンと耳が塞がったような感覚になります。またキーンという耳鳴りがすることもあります。その場合は少し痛みがあって、しばらくの間耳が聞こえなくなることも起きます。

このような場合、唾を飲み込んだり、あくびをしたり、鼻をつまんで空気を耳に押し入れたりすると症状が改善します。

これは、鼓膜の位置を正常な状態にするために、鼻の奥と鼓膜の内側の中耳腔が開くことで耳の中の気圧を調整することで起きることです。

耳鳴りの改善に役立つ耳、手、足のツボ

脳や耳、神経などで器質的な病気がない場合の耳鳴り、つまり、肩コリやストレスが原因の場合では、ツボを刺激することでよくなることが考えられます。

ツボ(経穴)は身体の中に数多あり、生命エネルギー(気血)循環の中継点になっており、それこそ身体に生命力を沸き立たせるポイントと言ってもいいでしょう。

2006年にWHO(世界保健機構)が361のツボの統一基準を決めています。ツボは気血の流れる経絡の上にあり、そこを押圧することで気血の流れをよくします。それによって生命力が蘇ってくるとされているのです。

  • 耳聞(じもん)
  • 聴宮(ちょうきゅう)
  • 聴会(ちょうえ)

耳の内側の突起した部分がありますが、この突起物のすぐわきのところに指を当て、口を開くと指がスポット入る窪みが出来ます。そこが耳聞です。

その耳聞の下が聴宮です。聴会は小耳と耳たぶの境目辺りにあります。この3カ所を人差し指、中指、薬指の3本で左右の耳のわきを、息を吐きながら指圧するように押します。

耳鳴りに効く手のツボ、中渚(ちゅうしょ)

耳鳴りのツボは耳の周辺だけにあるとは限りません。手の甲にもあります。

中渚(ちゅうしょ)もそのツボの1つで、手の甲の薬指、小指の間なぞって行くと、少し窪んだところがあります。そこが中渚のツボで、耳鳴り、めまい、眼精疲労からの肩凝りなどに効果があるとされています。

耳鳴りに効く足のツボ、太谿(たいけい)

耳鳴りのツボは足にもあります。足のうちくるぶし近くの太谿(たいけい)です。

ツボへの刺激は、入浴後の身体が温まった状態でリラックスしているタイミングに行うと効果があるとされています。

自分でツボ刺激をする場合には、耳鳴りが脳の疾患からもでる場合がありますので、医師の診断を受け、耳鳴りの病因をつきとめることが大事になります。

耳鳴りの5つの治療法

耳鳴りの治療法には

  1. 薬物療法
  2. 注射薬―キシロカイン療法
  3. 音響療法 
  4. 心理療法
  5. 理学療法

などが挙げられ、症状によって治療法が選択されます。

薬物療法:投薬、注射

耳鳴りの改善剤としての薬物は結構様々な薬があります。しかしながら、確実に改善、治癒させるものではなく、元の原因となる疾患がある場合には、まずはそちらの治療を優先にします。

主に使われる薬剤は次の通りになっています。

【代謝改善剤】
内耳、中枢神経の活動を回復させる
・アデノシン三燐酸(アデホス・ATP錠)
・ユビデカレノン(ノイキノン、ユビキノン)
【循環改善剤】
内耳の循環改善による機能回復
・ストミンA(耳鳴り治療薬をうたった唯一の薬)
・その他
【ビタミン剤】
内耳の循環改善による機能回復
ビタミンE製剤(ユベラニコチネート)
【筋弛緩剤】
肩こりからの耳鳴りに使用
塩酸エベリゾン

その他に、抗てんかん剤、抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬、また、漢方薬もあります。

キシロカイン(リドカイン)は麻酔の注射液で、耳鳴りの治療によく使われています。これの静脈注射で耳鳴りが改善することはよく知られています。

過敏になっている神経を麻酔作用によって抑えるのですが、誰でも効果があるわけではありません。

音響療法:マスカー療法、TRT療法

耳鳴りの治療には音響心理学的なアプローチからのものもあり、外部の音を用いて耳鳴りの苦痛を和らげる療法です。それには、マスカー療法、TRT療法の2種類があります。

マスカー療法
マスカー治療器という機器を使って、耳鳴りがする耳にバンドノイズを耳鳴りが消えるまで流します。これで耳鳴りを遮蔽、コントロールできますので、いきおい、ストレスや不安感を軽くすることができるようになります。

1回あたり1~2時間の治療で、耳鳴りがコントロールされ消失したり、減衰したりすることが見られます。60~70%に効果があるとされています。

TRT療法
サウンドジェネレーターと呼ばれている補聴器様の専用治療器で、外部からホワイトノイズを聞くことで治療をします。聞かせる音は耳鳴りに比べて小さく設定し、治療中には耳鳴りとノイズの両方が聞こえるようにしてあります。

これによって、耳鳴りの音が気にならないように順応させることが目的で、結果的には、耳鳴りがほとんど気にならなくなるそうです。

その一方で、カウンセリングも必要で、この療法の考案者のJastreboffが考えた方法を用います。治療は長期になりますが、その分、効果も持続すると考えられています。

心理療法:カウンセリング

耳鳴りのカウンセリングには2つの方向性があります。

一つは心の解放です。これは耳鳴りに対しての不安や苦痛を聞き出すという普通の心理カウンセリングです。

そしてもう一つが指示的なカウンセリングで、これは耳鳴りの機序というかメカニズムを理解することで、将来的に心配するに至らないということを認識させることを目的にします。

耳鳴りが悪くなるのは大脳辺縁系や自律神経とのマイナス連関があることです。脳には感情を引き起こす扁桃体がありますが、これをコントロールできるかどうかが、耳鳴りの苦痛度に影響を与えます。

前頭前野がこの扁桃体をコントロールするのですが、そのためには感情に左右されない十分な知識が必要になります。

理学療法:灸、鍼、低周波

灸、鍼、低周波はある意味物理的な刺激を与えるものです。それは経絡やツボへの刺激を加えます。それぞれ特有の影響力があるわけですが、何が自分に合っているかをしっかりと見極めることが大切です。

鍼の治療
鍼にはツボを刺激することで、例えば、血管の拡張し、血流の改善を図り、新陳代謝を活性化するだけでなく、鎮痛に対して多くの効能効果がありますし、筋緊張緩和にも効果があるとされています。
灸治療
灸の効果は鍼と一緒で、温熱作用があるのですが、一番の効果は免疫力を高めることです。
低周波治療
鍼を刺したままで、低周波のパルス微弱電流を流します。刺激度合いを調節できるので筋肉運動、筋緊張、筋肉痛を和らげます。

このような筋緊張を緩和することが耳鳴りの改善に繋がっているのです。

その他の治療法:電気刺激法、人工内耳、民間療法

耳鳴りの治療法については、信じられないくらいにいろいろな治療法があります。それだけ、思い悩んでいる人がいるということになるのでしょうか。

耳鳴りは単独だけでなく、めまいとか難聴とのセットで起きる場合が多くなっていることから、治療に際しては、難聴やめまいの治療も含めて考える必要があります。

人工内耳
人工内耳は、機能不全になって聞こえなくなった内耳(蝸牛)に電極を挿しこんで、入力した音を電気信号に変換して神経へ送ります。

内耳に原因がある難聴で、中耳に問題がないなど、いくつかの条件がありますが、それらをクリアした場合には人工内耳の適応を考慮します。

電気刺激法
自律神経の迷走神経(副交感神経)刺激法という治療法が、耳鳴りの治療に効果があるとされているようです。これは、迷走神経に電極を挿しこみ電気刺激を施すことで、交感神経の働きを抑制しようとするものです。

というのも、耳鳴りには交感神経の緊張が絡んでいることから、迷走神経を働かせることで、影響力を抑え込もうというものです。

民間療法
民間療法もいろいろ報告されています。催眠療法や健康食品などが挙げられ、欧米ではチヨウ葉エキスが薬として耳鳴りに良いとされていますが、日本での位置づけは健康食品となっていて、効果については、特に認められていないようです。

楽観視は危険!耳鳴りの原因は簡単には決められない

耳鳴りは、ヒポクラテスの時代から研究が行われていたらしいのですが、未だにはっきりした原因、メカニズムは解明できていないようです。それだけ、奥の深い病気なのかも知れません。

とはいっても、突発性難聴のような病気になると、最悪の場合、耳が聞こえなくなることがあるだけに注意を要します。

耳鳴りを一過性の症状として楽観視してはいけません。それは、脳の疾患が隠れていることがありからです。そうなった場合は、耳鼻咽喉科の分野ではなく、脳外科の分野になります。

初期の対応の仕方如何によって、運命を決めるようなこともあり得るので、たかが耳鳴り、されど耳鳴りということで、しっかりとした知識と認識を持つことが大事になります。

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