健康生活TOP シンスプリント 女性ランナーのすねの痛み、シンスプリント!症状と原因、治し方は?

女性ランナーのすねの痛み、シンスプリント!症状と原因、治し方は?

ジョギングする女性

シンスプリントは、マラソンやテニス、バスケットなどの練習のし過ぎにより起こることの多い、すねの骨の内側または前側に発生する痛みのことです。

成長期のスポーツ選手、特に女性に多く見られますが、ハードな練習内容に変わった時などに一般のスポーツ選手にも発生します。

いったん傷めると運動を休まない限り痛みが引きにくく長引いてしまいます。練習を休んで回復したかに見えても、練習を再開するとまたぶり返す厄介な傷病です。

今回は、シンスプリントの本当の原因、シンスプリントになりやすい人の特徴をあげ、それを踏まえて治療法や予防法を解説していきます。

シンスプリントの症状と原因

シンスプリント
脛骨過労性骨膜炎といわれ、すねの裏側の筋肉に負担を掛けることにより、脛骨に付着する部位において、筋肉の過労性の炎症や骨膜の炎症が起きたもの。

下腿内側の筋肉との境において起こる場合が多く、すねの下1/3に痛みが発生することを特徴とします。痛みは脛骨と筋肉の境に沿って起こります。すねの前側の前脛骨筋に起こる場合は、すねの前側の広い範囲に起こります。

シンスプリントの症状

  • 指などでスネの内側を押した時に痛む。
  • 走る、ジャンプなど足に負荷がかかる、地面からの衝撃が入ると痛む。
  • しゃがみ体勢やとつま先立ちをすると痛む。
  • 運動をすると痛みが発生し、休むことで落ち着き、運動再開で再発…を繰り返す。

シンスプリントの原因は骨ではなく筋肉にある

シンスプリントは、脛骨過労性骨膜炎という正式名称からも骨の炎症する傷病と思わがちですが、その原因は骨でなく筋肉にあります。

すねの周りには、さまざまな筋肉が骨に付着しています。そのうち、後脛骨筋をはじめとして、ヒラメ筋・腓腹筋・前脛骨筋・長趾屈筋などがシンスプリントに関係します。

ヒラメ筋・腓腹筋・長趾屈筋は、走ったり歩く、つま先立ちをする、ジャンプをする時によく使う筋肉です。その動作をするたびに緊張を強いられて、脛骨を覆う骨膜を引っ張ります。

この緊張が強く起こる、または、引っ張られる状態が続くと、骨膜が耐えきれずに炎症が起き、痛みが発生します。これがシンスプリントの病態です。

脛骨の骨膜の炎症は、すねを通る筋肉の緊張によりもたらされるのです。

シンスプリントになりやすいタイプ

同じ年齢で同じスポーツを始めても、シンスプリントになりやすい人となりにくい人がいます。

シンスプリントになり易い要因の一つは、踵の骨が内側に倒れ(外反)後足部が内に捻じれる(回内)すること、もう一つは、体重や地面からの衝撃を吸収する働きのある足アーチの低下です。

踵が内側に入りやすい人

シンスプリントになりやすい人は、走ったりジャンプすることで足に荷重を掛けた時、後足部が内側に入り込みます。これを回内足といい、女性に多く見られます。

回内足は、走行時に荷重が掛かることで、踵骨載距突起や舟状骨が内下方へずれてしまいます。後脛骨筋に引かれることで、舟状骨のところに出っ張った骨の突起(外脛骨)を併発することもあります。

踵が内に入った状態で荷重が掛かると、内くるぶしの後ろを通る後脛骨筋、ヒラメ筋踵骨の載距突起の下を通る長指屈筋は常に引っ張られた状態になります。

脛骨の骨膜と筋肉の間が引っ張られることにより、筋肉の痙攣や炎症が起こり、シンスプリントになるのです。

左足の方が足が回内足になりやすい理由

シンスプリントを起こしている患者さんを調べてみると、左側の足が痛い人や、左足の方が右側より痛い場合が多いです。

これは、99パーセントの人が左に重心が掛かるタイプで、左の脛骨が内に捻じれていることがその理由として挙げられます。

加えて、足を内反させる筋肉のほとんどは足首を曲げる(底屈)する屈筋です。底屈・内反に働く後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋などは、左側が緊張していることが多くなります。

内反筋が緊張すると、走ったりジャンプする時に、外反―踵を内側に入れる筋出力が働き、足が回内します。左足は回内足になりやすい側といえます。

右側が緊張する内反筋は足を反らす(背屈)前脛骨筋くらいです。右側にシンスプリントが発生する場合、すねの前側全体に痛みがみられることが多いです。

足の縦アーチの低下

人の足は骨の組み合わせを筋肉が支える形により、全体重を受け止めています。また人の足裏のには足根骨や指の骨で作られるアーチ(土踏まず)があり、 これにより、上からの荷重と地面から受ける衝撃を吸収します。

このアーチが潰れ、その機能がが十分に働かなくなると、衝撃をしっかりと吸収できなくなり、 足底、足関節、下腿部の筋肉に大きな負担がかかります。

その状態が長く続いてしまうと関節・筋肉に疲労が蓄積して痙攣を引き起こし、痛みが発生してしまうのです。

足のアーチには、内側と外側の縦アーチと横アーチがありますが、シンスプリントには、とくに縦アーチが低下する偏平足が関わります。

偏平足は、アーチの衝撃吸収の機能が低下するのに加え、内側縦アーチの低下により回内足になることがあげられます。

内側縦アーチ低下の原因となるのは、後脛骨筋、前脛骨筋、長母趾屈筋の痙攣による筋肉の機能低下です。

左側のシンスプリントはは内側アーチの部分に、右側は外側アーチの部分に足底パッドを入れて、アーチをサポートするとよいです。

シンスプリント改善法・再発予防法

シンスプリントの改善法・予防法は、まず、すねの筋肉の痙攣を取り、筋肉を柔らかくすることです。

シンスプリントに対するストレッチ

ストレッチは、緊張している筋肉を緩める方法です。ネットに流れている方法のほとんどは、後脛骨筋やヒラメ筋を緩めるものです。

したがって、後脛骨筋やヒラメ筋が緊張している左側のシンスプリントには効果がありますが、これらの筋肉が緩んでいる右側に行うのには適しません。

左側のシンスプリントのストレッチ―後脛骨筋やヒラメ筋を緩める方法

  1. 正座の状態から左膝を立てます。
  2. 左のつま先を外に開きます。
  3. 足の裏の親指側をしっかり床に付けます。
  4. 体重を前にかけながら足首を背屈します。

シンスプリントに対するセルフ腱はじき

ストレッチは、強く行ったり緩めるべき筋肉を誤ることで、かえって悪化するリスクがあります。炎症部から外れた腱の部分において、セルフ腱はじきを行なうのが無難かつ効果的です。

後脛骨筋の緊張がすねの骨の骨膜を引っ張って、シンスプリントが発生します。したがって、この筋肉を緩めることは必須となります。

後脛骨筋のセルフ腱はじき

  1. 内くるぶしの下1センチあたりのところにある縦に走る後脛骨筋のスジスジ(腱)を探します。
  2. 後脛骨筋の腱を左右に揺すり、動きやすい方向に弾きます。
  3. 左側は息を吐きながら、右側は吸いながら弾きます。

ランニングやジャンプなど、シンスプリントを起こす動きは、内外の腓腹筋・ヒラメ筋によりなされます。そしてこれらの筋肉が合わさって、アキレス腱となるのです。

アキレス腱のセルフ腱はじき

  1. 弾く側の膝を床に着いて、つま先を立てます。
  2. 同側の親指で、アキレス腱を外側に弾きます。
  3. 左側は息を吐きながら、右側は吸いながら弾きます。

シンスプリントに効果があるテーピング方法

次に、オレンジ色の伸縮テープを使って、踵の傾きを矯正し、足のアーチバランスをとる方法を解説します。

軸足―左足の場合

  1. 外くるぶしの上20センチ(脛の中央)のところから、長腓骨筋に沿って外くるぶしを通り踵に回して止めます。
  2. 内くるぶしの上20センチところから、後脛骨筋に沿って内くるぶしの下2センチのところまで貼ります。
  3. 足の裏の親指の付け根の盛り上がった所から甲側にテープを回し貼ります。足の甲の凸と内くるぶしの間を通り、足首の甲側の中央まで前脛骨筋に沿って貼り付けます。
  4. 患部を通ってふくらはぎを外向きに回す(外旋する)ように、フリーバンテージを巻きます。
利き足―右足の場合

  1. 足底部踵の中央から、後脛骨筋に沿って内くるぶしを通り、内くるぶしの上20センチ(脛の中央)のところまで貼り上げます。
  2. 外くるぶしの下2センチの所から、外くるぶしの上20センチ(脛の中央)のところまで貼りあげます。
  3. 踵の内側から内くるぶしの後ろ、アキレス腱の内側を通り、内側ヒラメ筋に沿って20センチくらい上(脛の中央)まで貼ります。
  4. すねの前側の中央から前脛骨筋に沿って貼り付け、足の甲の凸の内側に留めます。
  5. 患部を通ってふくらはぎを内向きに回す(内旋する)ように、フリーバンテージを巻きます。

シンスプリント改善するには

シンスプリントを改善するには、まずは練習・運動をきっぱりと休むことが重要となります。痛みが減っても無理して再開するとこじれて慢性化してしまいます。だましだまし続けるよりは、痛みが消えるまで我慢してください。

治療は硬くなった筋肉を緩め、アーチをつくり、後足部の回内(踵の外反)前足部の内反を矯正することを目的に行います。

痛みが取れたら、軽いメニューから慣らし程度に始めます。再発予防には、筋肉の強化をするより、筋肉や関節を柔らかくすることを主眼として行います。

腫れや強い痛みがあるときは瞬間冷却スプレーで短時間の冷却は必要なこともありますが、予防目的で練習後にアイシングをすると筋肉が硬くなり、かえって再発につながります。

健康にヘルシーに!かしこいランナーになるために

女性がランニングの楽しさに目覚めてからもう5年ほど経ったでしょうか。各地で行われるマラソンイベントの盛り上がり具合などを見ると、ランニングは今後もますます盛んになっていくと予想されます。

その中で女性ランナーの間で「ランニング傷害」とでも呼ぶべき現象、シンスプリントという症状を訴える人々が急増しています。しかしこのシンスプリント、女性の間で急増したのはこれがはじめてではありません。

今から30年も前、エアロビクスブームが真っ盛りだったころに、「インストラクターの多くがシンスプリントをはじめとした下肢の傷害で苦しんでいる」という研究データが発表されたのです。それによってブームは一気に下火となりました。

その後は業界全体がプログラムの改善に努め、より足腰への負担が少ない「ローインパクト」というエクササイズも開発されました。これこそ「ケガの功名」と言うべきものでしょう。

現代の都市の街並みをさっそうと走り抜けている女性たち。せっかくアクティブなライフスタイルを満喫しているのですから、30年前と同じ過ちを繰り返してしまうのはあまりにももったいないことです。

運動が健康に良いのはもちろんですが、その反面必ずリスクも生じます。ランニングで起こりやすい下肢の傷害をあらかじめ知った上で、かしこいランナーになることをおすすめしたいと思います。

ランニングが長く女性に愛され続けるためには、ランナーである女性たちが自覚を持ち、「ケガをしないランニングライフ」を実現する必要があります。

スマートかつ安全にランニングを楽しんでいる女性たちが増えれば増えるほど、「私もやってみよう!」と後に続く人々が出てくることでしょう!

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