健康生活TOP 失神 こんなにもある失神の原因!気を失うのは貧血だけではない

こんなにもある失神の原因!気を失うのは貧血だけではない

失神する男性

失神、あるいは気絶と言うのは、一時的に意識を失う発作のことです。全体の約20%を占める、最も多い失神の原因は、後遺症や重い原因疾患のないものですが、だからと言って安心はできません。

まず、残りの80%の中には生命に関わる基礎疾患による場合があると言うことを忘れてはなりません。そしてもう一つの心配は、その意識消失が失神ではない可能性もあると言うことなのです。

貧血はめったに失神の原因にはならない

割合誤解が多いのは、貧血が失神の原因だと思われていることです。これは昔の言葉が原因なのです。失神とは、何らかの原因で脳に回る血流量が極端に減って発生する一時的な意識消失のことを指します。

この「脳に回る血流量が極端に減る」という現象を、昔は「脳貧血」と言う言葉で呼んでいたことがあります。この言葉と、赤血球やヘモグロビンの不足などで、血液が薄くなって酸素運搬能力が下がる「本当の貧血」を混同したことが誤解の始まりです。

まずは、どのようなことが原因で失神につながるのか、大まかに紹介し、その後から詳しく見ることにしましょう。

脳卒中は失神の原因にはなりにくい

意外なようですが、これは言葉の問題なのです。失神の原因は脳全体の血流量が下がることで発生しますから、脳の一部にトラブルが起こる脳卒中では発生しにくいのです。

しかし、脳卒中で起こる意識障害は失神と似てはいますが、もっとずっと重篤な症状なのです。失神は数十秒から数分で意識を取り戻しますが、脳卒中による意識障害はなかなか意識が戻りません。

また、てんかんによる意識障害も失神と似ていますが異なるものです。てんかんには痙攣が伴いますが、失神には痙攣が伴いません。また、てんかんに限らず痙攣による意識障害には失禁などを伴いますが、失神でそれは稀です。

慣用句的に意識を失うことを失神と呼んでいますが、本当に失神とは次のような条件を満たすものです。

  • 数十秒間~数分程度の短時間発生する
  • 血圧低下によって脳の血流量が減ることで起こる
  • 脳の血流量低下によって酸素の供給が減ることで起こる

このような意識障害だけを失神と呼んでいますので、これ以外の時間や原因で意識がなくなるような場合、それは失神ではなく別の症状です。

失神の原因の中には危険なものもある

急に脳への血流が悪くなろことが失神の原因ですので、心臓病は失神の原因になり得ます。また、エコノミークラス症候群のような肺循環系の病気でも失神につながることがあるのです。

その他、感染症や脱水症状も失神の原因になり得ますし、稀に脳血管障害の一種である病気でも失神が発生します。先に脳血管障害では失神は起きないとお話ししましたが、これは脳卒中のような脳の中でのお話です。

その手前の、脳に行く動脈でトラブルが起こると失神に繋がります。例えば鎖骨下動脈盗血症候群と言う病気があります。脳に行く血管の鎖骨下動脈に病気があると、左右の椎骨動脈がバイパスになって肺への血液還流を確保する結果、脳への血流が減って失神します。

この症状を引き起こす病気に高安動脈炎があります。難病指定されている厄介なもので、90%が女性に起こります。しかも若い女性に多く、15歳から35歳くらいに初発することが最も多いのですが、10歳未満の患者さんもいます。

多くの病気と同じように、発熱や倦怠感・食欲不振・体重減少に始まって、めまい・立ちくらみ・失神へと症状が進みます。一部の患者さんでは病変のある側で脈が触れないと言う症状や、難聴・歯痛・首の痛みを併発することもあります。

このような例もありますので、失神発作があった場合は、内科で良いので受診して原因疾患の有無を調べることをお勧めします。

出血による失神は血圧低下と精神的な要素の両方が原因になる

もちろん、出血が多かったりするとそれだけでショック症状となり、血圧が急激に低下、失神をもたらします。これが外傷性のものだと出血した量を見ただけで気が遠くなる人も少なくありません。

しかし、たくさんの出血を見た時は自分のであっても他人のであっても、失神している暇はありません。気をしっかりもって助けを求めるなり助けに行くなりしないといけませんね。

出血の量と言うのは、実際よりかなり派手に見えるものなのです。特に頭からの出血は物凄く見えますね。もうずいぶん昔ですが、ライダーズミーティングで救急講習を受けた時にそれを実感しました。

じゃんけんで負けた人がけが人役になるんですが、白いビニールシートに寝かされたその人の頭に、190g入りのトマトジュース1缶を全部注ぐのです。すると「これは助からないな」と思えるほどの出血に見えるんですね。

実際には献血1回分の量にも届かない出血が、そんな風に見えることでパニックに陥って手当てが遅れ、本当の出血多量になったのでは大変です。けがによる出血は、まず落ち着いて対処することが大切なのです。

一方、例えば胃腸の病気が原因で消化管出血を起こした場合にも血圧低下は起ります。こちらは出血量が見えませんから精神的な要素はなく、出血と強い痛みによる血圧低下が原因になります。

腹痛を訴えて、顔面蒼白、弱い脈、手足先の痺れなどがある場合にはこうした可能性が出てきます。まずは横になって、頭を低く保つことで脳への血流が確保できますので、そこから次の対処に移りましょう。

このように失神の原因って意外に多いのです。

危険な病気が原因のものはもちろん、特にそうした原因がなくても失神が怪我の原因になることもありますので、対処について知っておいて下さい。

最も多い失神の原因は血管迷走神経性失神と言う予後の良いもの

いわゆる失神の中で、血管迷走神経性失神と呼ばれる病態が最も多いと考えられています。これは、その後の生命予後に悪影響を残すこともなく、失神した時の転倒による怪我さえなければ比較的心配のないものです。

ただ、統計によると2割近くの人が失神した際に何らかの怪我を負っていると言う数字も得られていますので、繰り返す失神については対策が必要になります。

特に車を運転する人や、電車を良く利用する人などは普段から対策しておくことが必要です。場合によっては失神が原因で交通事故を起こしたり、ホームから線路に転落したりして生命を落とす危険もあります。

迷走神経は最も長い脳神経系

脳から直接末梢に延びる脳神経系は全部で12組あります。そのうち首より下まで伸びているのは、第10脳神経とも呼ばれる迷走神経と、第11脳神経と呼ばれる副神経です。

副神経は脳神経系の部分では迷走神経と合流していますので、結果的に胴体にまで伸びる脳神経は迷走神経だけです。この迷走神経は首から胸、腹部に至る内臓の神経で、非常に複雑で構造が判り難かったため、こんな名前を付けられたそうです。

血管迷走神経性失神には次のような特徴があります。

  • 長時間立っていることが原因になる
  • ある程度人が多く集まっているところで起こる
  • 身体を動かさずじっとしている時に起こる
  • 特に午前中に起こることが多い
  • 失神の持続時間は短い
  • 気分が悪くなると言う前駆症状を伴う

必ずしも全部が当てはまるわけではありませんが、これってどこかで見たような症状だと思いませんか。そう、朝礼の時に倒れる子供は、このパターンに見事に当てはまります。

多くの場合、朝礼で倒れる子供は血管迷走神経性失神あるいはその前駆症状によって不調をきたしているのです。

その他のシチュエーションでも起こる

立っているだけではなく、座っている場合にも同じ姿勢を取り続けると血管迷走神経性失神が起こることがあります。また原因になるストレスには、人ごみの他、恐怖や疲労、痛みの刺激なども含まれます。

頭を上にした状態でじっとしていると、血液が下半身に集まり心臓に戻る量は減ります。これによる血液低下を補うための反射が、その先で逆に働いて血圧を低下させ起こるのがこの失神です。

もちろん、先に挙げたストレスや脳への血液の循環、心臓や肺で血圧を感知している部分などでのトラブルも原因の一つに数えられています。

いずれにせよ、脳への血流が足りなくなることで起こるものですから、横になった状態では発生しません。このため、失神して倒れた人は、すぐに脳への血流が回復して失神から覚めるのです。

血管迷走神経性失神の予防と対策を行わないと危険が生じる

失神自体には危険性が少なく、失神があるからと言ってその後の病的な死亡リスクが高まることはないものの、不意に意識を失うと言う事は事故につながる危険性が常にあります。

失神には「くずおれ型」と言って、徐々に血圧が低下しへたり込むように気を失うケースがあります。この場合、くずおれる際に中途半端に意識を失って歩き回ることで、ホームから転落するなどの事故につながる危険があります。

しかし、こうした場合はある程度防御姿勢を取ったり、ゆっくり崩れたりするため、転落や衝突がない限りけがは少なくて済みます。

一方、血圧の低下が急に起こって倒れてしまう「転倒型」では立った状態から一気に倒れてしまうため、けがに繋がることが多いです。

もう一つの失神の形態である「座位型」では転倒してけがを負うことはありませんが、背もたれなどによりかかった状態で、頭が上になったままになるため回復が遅れます。また、車を運転中だった場合は事故につながります。

いずれのパターンでも、「気分が悪い」と言う言葉でまとめられるような前兆がありますので、そうした前兆があったらすぐ失神に備えることが重要になります。

立っている時はすぐしゃがんで、転倒した時の怪我を防ぎます。可能であれば横になるだけで脳の血流を確保できますので失神を防ぐことも可能です。

運転中であれば、ハザードランプを付けて車を左に寄せ停車、リクライニングを倒して頭を低くしましょう。軽トラックなどでシートを倒せない場合は、助手席側に身体を投げ出すのも一つの方法です。

状況失神と呼ばれる物も血管迷走神経性失神の仲間

状況失神とは、物を飲み込んだり、咳をしたり、排尿・排便の際に失神してしまうものです。血管迷走神経性失神と合わせて反射性失神と呼ばれます。有名なのはアルコール失神・排尿失神ですね。

中年男性がお酒の席でトイレに立った際、用を足している最中に突然倒れ、脳卒中だと思われて救急車で搬送される途中で意識を取り戻した、と言う話は割合よく聞きます。

病院に到着して精密検査を受けても脳に異常はなく、恥ずかしい思いをしただけに終わったと言う事が「自尊心だけは致命傷を負った」と、半ば笑い話のように語られることが多いですね。これが状況失神の典型的な例です。

これは身体の各部にある圧力に反応する圧受容器と言う感覚器官からの信号が循環中枢に送られ、その反射が迷走神経を通って血圧の低下を引き起こすものです。

迷走神経は副交感神経としての働きも持っていますので、刺激されると心拍数や血圧の低下をもたらすのです。それが異常に亢進した状態が血管迷走神経性失神です。

こうした失神を経験した人は、失神を引き起こすような要素を生活から排除するように努めましょう。長時間立っていたり、脱水状態になったり、さらにはお酒を飲んだりすることは避けることが重要です。

また、過剰な塩分制限もよくありませんね。

柔道の締め技で落ちるのも反射性失神のひとつ

柔道の固め技や締め技で首を圧迫されて意識を失うことがあります。俗に「落ちる」と言う現象ですね。これは頸動脈洞と言う圧受容体が強く押されることで、その反射として副交感神経が亢進され失神に繋がっているのです。

この頸動脈洞が何らかの原因で過敏になっていると反射性失神が起こります。ネクタイや襟を強く締めすぎたり、首を反らしたり回したりと言う運動でも起こることがあります。

ですので、きつい襟周りや首の運動で意識を失ったことのある人は、こうしたことを避けるようにしましょう。頸動脈洞症候群と呼ばれるこの反射性失神は、他のものとは異なり、あまり前駆症状が現れません。

さらに中高年男性に多いこのタイプの失神は、心臓に病気があって、それによってもたらされることも少なくないので、一度でも経験したら心臓の検査を必ず受けて下さいね。
神経反射による失神だけでも様々なものがあります。全部のタイプをあわせると男女どちらにでも、若年層から中高年齢層にまで幅広く起こるものなのです。

しっかり検査した方が良い危険な失神

失神自体は、本人に自覚症状がないため「気が付いたら倒れていた」と言う事になります。しかし、失神は多くの場合前駆症状を伴います。この前駆症状の段階で対応するのが重要なのは先にお話しした通りですね。

  • 目の前が白くなる
  • 目の前が暗くなる
  • 他人の話し声が小さく聞こえる
  • 冷や汗をかく
  • 血の気が引く
  • 気分が悪い
  • 吐き気・嘔吐

これらは全て急激な血圧低下によってもたらされる前駆症状です。これらだけでは危険な失神なのかどうかは判断できませんので、繰り返すようであれば一度は受診された方が良いでしょう。

もちろん心配であれば一回きりであっても受診して下さいね。

危険な病気による失神の前駆症状

失神の前駆症状として危険なのは、心臓や肺に絡むものです。

  • 胸の痛み
  • 不整脈
  • 腹痛(みぞおちのあたりの痛み)
  • 激しい咳
  • 呼吸困難

心臓疾患は脳の血流を不足させますので、失神の原因になり得ます。例えば狭心症・心筋梗塞・肥大型閉塞性心筋症・大動脈弁狭窄症などが挙げられます。多くの場合、不整脈や胸・心窩部(みぞおち付近)の痛みや重苦しさを伴います。

肥大型閉塞性心筋症では、運動中に失神することがしばしば見られます。一方、難病なのに、無症状のまま推移することも珍しくない病気です。

先天的なものは遺伝性ですので、もし、この病気で失神した場合ご家族そろって検査を受けられた方がいいでしょう。

日常生活にはそれほど影響はありませんが、激しい運動の途中に突然死するケースが多いのです。ですので、軽い運動はともかく、競技などの場合は非常に危険になる場合があります。

また、肺循環も全身の血流に影響を与えますので肺塞栓症(エコノミークラス症候群)や肺高血圧症も失神の原因になりますし、気管支喘息も失神の原因になります。ですので、失神直前の呼吸器症状を見落とさないで下さい。

さらに、大動脈のトラブルでも失神を伴います。急性大動脈解離は胸からお腹にかけて、非常に激しい痛みをもたらしますし、そのあと失神することが多く見られます。

周囲に人がいてくれれば救急対応も可能かもしれませんが、そうでない場合、倒れたことによって失神から回復できた場合には、すぐに携帯電話などで救急通報して助けを呼んで下さい。

アナフィラキシーは失神を伴う症状の中でもかなり危険な部類

免疫反応によってもたらされるアナフィラキシーは、時として急激な血圧低下によるショック症状を伴います。何らかの皮膚症状があって腹痛や下痢、または息苦しさなどを伴った失神の前駆症状を感じたら、すぐに救急車を呼んでください。

アナフィラキシーで重いショック症状に陥った場合、治療を行わないと30分で心臓が止まります。有名なのはハチ毒によるものですが、食中毒やお薬の副作用でもまれに起こることがあります。

アナフィラキシーの可能性がある疾患を持っている場合には、使いきりのアドレナリン(エピネフリン)注射を処方されていることもあるでしょう(エピペン自己注射薬)。そうした場合は、ためらわずにその注射を使って救急車を呼んで下さい。

以下はエピペン自己注射薬がどのようなものかを紹介するための参考画像です。詳細は下のリンクから使用条件に同意してパンフレット全文をお読み下さい。

エピペンの使用方法1
エピペンの使用方法2
エピペンの使用方法3
エピペンの使用方法4

この注射は15分~20分程度症状を抑えることで、致命的になるまでの時間を稼ぐものです。注射して気分が良くなっても、そのままにしていると激しい症状が戻ってきます。短時間身体を動くようにして、その間に救急車を呼ぶための注射なのです。

このように危険な病気が後ろに潜んでいる失神と言うのもありますから、前後の様子について気になることがあったらまずは受診してみて下さいね。

慢性病や感染症などでは失神を繰り返すケースもある

慢性病で失神につながりやすい病気は慢性本態性起立性低血圧症です。つまり、立ち上がった時に血圧が低下して失神、またはその直前現象の立ちくらみを起こす病気です。

そして、他に血圧を下げてしまうような疾患がなく、繰り返し起こるものを指します。

血圧を上げる治療は行われない

基本的に、生活できるレベルの本態性低血圧で身体を害することはありませんので、積極的に血圧を上げる治療は行われません。むしろ自律神経の働きが悪いことで起こっている場合が大半なので、自律神経を整える生活習慣を指導されるでしょう。

基本は1日3食を規則正しく摂ること、たんぱく質の摂取量を確保することです。また胃腸障害のある人は一度にたくさん食べずに、消化の良いものを少ない目にして回数で摂るよう心掛けましょう。

食事を抜いたり、置き替えでカロリーを制限することだけに集中したりすることは危険です。むしろ、必要なカロリーはしっかり摂って下さい。

パーキンソン症候群は重大な疾患だがレアケース

パーキンソン病のような症状だがパーキンソン病ではないものや、パーキンソン病の運動症状だけを指してパーキンソン症候群と言いますが、これも慢性病として失神の原因になることがあります。

歩行障害・認知症・尿失禁・注意障害・下方注視麻痺・項部をそらせた姿勢・筋強剛・構音障害・嚥下障害・手足の大きな震え・小刻みな歩行・あまり動かないなど、様々な症状を伴いますがこうしたものと失神が出た場合はすぐに受診してください。

パーキンソン症候群の専門診療科は神経内科です。

ライム病は心臓を侵すことで失神につながる感染症

マダニに噛まれることで感染するライム病は、3つのステージに分かれます。噛まれてすぐのステージIではインフルエンザのような症状に加えて、噛まれた場所から紅斑がだんだん外へ広がってゆく遊走性紅斑と言う症状が見られます。

遊走性紅斑
遊走性紅斑症例写真

ステージIIになると、関節炎や筋肉縁の痛みの他、目に症状が出たり、顔面神経麻痺などの神経症状が出ます。このステージでは不整脈や心筋炎を伴うため、失神につながることがあるのです。

ライム病はマダニに喰いつかれて、ある程度時間が経たないと感染しませんから、自分でマダニを皮膚から取り除かず、病院に行ってマダニの一部が残らないように取り除いてもらって下さい。

絶対にマダニを掴んではいけません。マダニの中にある病原体を身体に押し込む結果になります。

ライム病の病原体を持ったマダニは本州中部以北から北海道にかけての山中に多くいます。特に長野県と北海道では平地にもいますので、普段からマダニ対策はしっかり行っておいて下さいね。

医薬品の副作用で失神する場合もある

お薬の副作用が失神につながることがあるのは、心臓や高血圧のお薬です。また、どんなお薬であっても、まれな副作用としてアナフィラキシーの可能性はゼロではありません。

高血圧のお薬では「血圧が下がりすぎること」が最も多く、心臓の伝導障害によって脈が遅くなることも失神の原因になります。

こうした場合、脈が飛んだり、脈が遅くなったり、胸が苦しくなったり、めまいやふらつきが現れたりします。血圧の下がりすぎではこれに加えて、吐き気や嘔吐、寒気を感じることもあります。

また、年配の方に処方されることが多い硝酸薬(狭心症用のニトログリセリンなど)も副作用として失神を引き起こすことがあります。

こうした副作用が現れたら、まずは電話で良いのでかかりつけのお医者さんに副作用を報告し、その後の服薬指導を受けましょう。

繰り返す失神は、事故の確率を高めますのでできるだけ早く治療を開始しましょう。

特に低血圧によるものは若い女性に多いので、生活習慣の見直しが重要になりますね。

失神のようで失神でない危険な症状

最初の方でお話しした通り、数分というレベルを超えて続く意識障害は失神ではありません。具体的な時間については様々な考え方がありますが、頭を低くして横になってから2~3分以上意識が戻らない場合は、他の原因を疑った方が良いようです。

座ったままの失神は頭が高い位置にあり続けるので、意識が戻るまでの時間が長くなりがちです。

特に危険な脳卒中

脳出血・くも膜下出血や脳梗塞でも意識を失うことは少なくありません。こうした場合は失神とは言いません。こウした病気による場合は意識不明と言うことになります。

もちろん短時間で意識を回復するようなことはほとんどなく、意識が戻らないまま亡くなることもあります。

感覚的には、患者さんが倒れたことに周囲の人が気づき、びっくりして駆け寄って介抱を始め、呼びかけに応答しないことが確認できたぐらいの時間で、失神ではないと考えて良いでしょう。

もちろんすぐに救急車を呼び、嘔吐していた場合には顔を横に向けてのどに詰まらせないような救急対応を行ってください。絶対に起こしてはいけません。仮に心配のない失神であっても起こすと回復が遅れます。

てんかん発作ではある程度の時間で意識が回復する

てんかんは脳の中の電気信号の伝導トラブルですので、発作の重さにもよりますが、ある程度の時間で意識を取り戻します。てんかんが失神ともっとも異なるのは痙攣や身体の硬直が伴うことです。

発作の程度によっては救急車を呼ぶ必要がない場合もありますが、周囲の人が対応に困る場合は救急車を呼んで下さい。そしてその前に倒れた人の周りから火の気や鋭利なもの、ぶつかったり倒れたりすると危険なものをどけましょう。

もし可能なら、ネクタイや装飾品類、眼鏡などは外してあげて下さい。さらに可能であれば、下あごと頭に手を当てて、下あごをしっかり上に押し上げた姿勢をキープして救急車が来るのを待ちましょう。

糖尿病性昏睡は危険な意識障害

糖尿病で意識を失うのには2つのパターンがあります。1つは急激に血糖値が上がりすぎて昏睡状態に陥る糖尿病性昏睡です。これは絶対的なインスリン不足などによって急激に血糖値が高度に上昇したときに起こります。

もう一つは急性低血糖です。お薬や食事療法のコントロールが悪く、必要以上に血糖値が下がり過ぎた場合に起こります。

いずれも生命にかかわりかねない状態ですが、糖尿病を患っていれば必ずこうしたことについての指導は受けているはずですので、普段から生活や治療に充分留意しておきましょう。

昏睡と言うのは意識障害の中でも最も重い症状なのです。

いずれにせよ意識を失うというのはただ事ではありません。放置せずにしっかり原因を見極め、正しい対処を行うことを心掛けて下さい。
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