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週55時間以上仕事する人は脳卒中が3割増しに!残業の健康リスク

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長時間労働で頑張っていた人がある日突然倒れてしまう…と言うのは、イメージの中では誰もが危惧していることなんじゃないかと思います。

その中でも最も危険な2つの病気、心筋梗塞と脳卒中を思い浮かべて下さい。長時間労働がたたって健康にリスクをもたらすのはどちらだと思いますか?

長時間労働がもたらす危険性は心筋梗塞では見いだせなかった

もちろんどちらも長時間労働がリスクとなって悪く作用するようなイメージがありますね。しかし、今回明らかになった傾向は、長時間労働は脳卒中のリスクを高めるけれど、心筋梗塞などのリスクは高めないと言うものでした。

これまで他の研究では、心筋梗塞を含む冠動脈疾患の原因として長時間労働が挙げられていましたが、これはどうやら、他のリスク要因を充分に排除できていなかったのではないかと言う可能性が指摘されています。

たくさんの研究を横断的に解析した結果いろいろ見えてきた

イギリスのロンドン大学を構成するカレッジのうち、最も古い学校であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究グループは、この労働時間と冠動脈疾患(心筋梗塞)・脳卒中との間にある関係に着目して研究を行いました。

それまでに欧米とオーストラリアで行われた25の大規模要因対照研究(いわゆる前向きコホート研究)のデータを精査して、果たして長時間労働が心筋梗塞や脳卒中をもたらしているかどうかを確認したのです。

その結果見えてきたのは、これまで長時間労働と心筋梗塞の間に見えていた関係性は、他の要因に影響されて正しく評価されていないかったのではないかと言うことです。

バイアスと呼ばれるデータ読み取りの偏りが悪さをしていた

この研究で対象になったのは25の研究から、心筋梗塞に関してはおよそ60万人、脳卒中に関してはおよそ53万人のデータを抽出して、原因になり得るたくさんの要因を分析する多要素解析を行ったものです。

その結果、週55時間以上の長時間労働をする人は、週40時間以下の労働時間の人の約1.4倍心筋梗塞を起こしやすいと言うデータが現れていたのです。

しかし、そのデータの解析方法について精査したところ、データを解析する上でバイアスがかかっている(偏りがある)可能性を充分排除できていませんでした。

様々な要因がデータをねじ曲げてしまう恐れがある

まず、データを集める際に「長時間労働と心筋梗塞の関係を調べて公表する」と言うことを被験者の一部に伝えてしまっていたと言うことがあります。この調査の多くは、かかった病気について自己申告制を採っていました。

その結果、「長時間労働が身体に悪いと言う事実を社会に知らしめなくてはいけない」と言う考えを持ってしまった被験者の人がいた可能性と言うものが存在したかもしれないのです。

こうして、長時間労働によって心筋梗塞を患ったと言う事実がなかったにもかかわらず、単なる体調不良を心筋梗塞として申告してしまった人がいたと言う可能性を充分排除できていませんでした。

そこで、データを公表すると言うことを聞かされた人たちについては、データを統計的に処理して、統計結果への影響を最小化しました。

また、研究に参加した人の中には、自分で気づいていないうちに冠動脈に疾患を抱えてしまっていて、参加後に発病したと言うケースも否定できません。

こうしたことに関しては、研究開始後短期間で発病した人を統計から外すなり、リスク要因としての計算方法を変えるなりして全体としての計算に悪影響を及ぼさないようにします。

心筋梗塞と長時間労働の関係を否定する研究もある

心筋梗塞は社会的経済的地位の低い人の方が、高い人より発症する確率が高い病気であることが判っています。

しかし、労働スタイルの統計を取ったところ、社会的経済的地位の高い人ほど労働時間が長いと言う事が判っています。

もちろん、社会的経済的地位の低い人の方が、食生活や飲酒喫煙などの習慣の上でリスクが高いであろうことは想像がつきますよね。

そのことも含めて、長時間労働が心筋梗塞のリスクと断じるにはデータ不足、あるいは解析不足であることが示されたと言うわけです。

長時間労働は脳卒中の原因になっていることが明らかになった

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脳卒中についても、同じようなデータの偏りがある可能性は充分にあります。そこで研究グループは心筋梗塞の時と同じ手法を用いて、統計的に偏りを可能な限り補正しました。

それでも、脳卒中の場合、明らかに長時間労働をしていた人の方がリスクが高くなっていたのです。

労働時間が長くなればなるほど脳卒中のリスクは上がる

この研究では、1週間の労働時間が36時間から40時間の人のリスクを1.00として、次のようにリスクを割り出しました。

週の労働時間 脳卒中のリスク p値
35時間以下 1.20 0.0783
36時間~40時間 1.00 [参照基準値]
41時間~48時間 1.17 0.2401
49時間~54時間 1.27 0.0265 *
55時間以上 1.33 0.0022 *
    *は統計的に有意

このように、週55時間以上働く人は、週36時間~40時間働いている人に比べて1.33倍脳卒中にかかるリスクが高くなっている事が判りました。

データの中にある「p値」とは統計用語で「実際にはそんな傾向はないのに、たまたま偶然このようなデータが取れた可能性」を示していて、0.05未満だと「有意(統計的に意味がある)」と言うことになります。

また、0.1未満の場合は「弱く有意である」、0.01未満の場合は「強く有意である」と言う表現をすることもあります。

普通の言葉で上の表を読み解くと次のようになります。

  • 週35時間以下ではリスクが1.20倍。このデータの統計的な意味は弱い。
  • 41時間~48時間ではリスクが1.17倍。このデータは意味を持っていない。
  • 49時間~54時間ではリスクが1.27倍。このデータは統計的に意味がある。
  • 週55時間以上ではリスクが1.33倍。このデータは統計的に強く意味がある。

長時間労働と脳卒中に関わる危険因子はストレスと「座る時間」

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この研究の中でも軽く触れられていたのですが、実は「座っている時間が長いと脳卒中リスクが上がる」と言う研究も存在しています。

このことから、この研究グループも、長時間のデスクワークによって座っている時間が長くなることが脳卒中のリスクを高めているのではないかと推論を立てています。

また、ストレスも脳卒中の大きな原因の一つです。長時間労働がストレスの原因になることは言うまでもありませんよね。

一方、35時間以下の労働時間の人の間で、統計的な意味は弱いながらリスクが上昇した理由は不明です。研究グループも、いわゆる信頼性区間95%(p<0.05)の外側なのでこの事には言及していないようです。 しかし、最近ヨーロッパの一部では1日6時間労働を実験的に行っているところもあると聞きます。自由な時間が増えるのは大いに結構ですが脳卒中のリスクが上がるのはイヤですよね。

家事労働に関する統計はとられていない

こうした統計は、基本的に会社勤めをしているか自営業の人を対象に行われています。特に会社勤めの人がメインのターゲットですね。

これは拘束時間としての勤務時間が割り出しやすいと言う側面もあるでしょうし、勤務時間内であれば時間に融通を効かせにくいと言う共通の要素も得られるから、統計的に処理しやすいと言うこともあるのでしょう。

でも、仕事が終わって家に帰ってからでも家事労働をする人はたくさんおられますよね。一人暮らしだと絶対にゼロにはできない時間です。

また、専業主婦のように家にいる時間がすべて勤務時間のように考えられる場合もあります。

しかしこうした時間は、例えば乳幼児をお持ちの専業主婦の方と、子供がすべて独立された後の専業主婦の方の間では、労働時間を平準化して測定するのが難しすぎるのでしょう。

残念ながら家事労働に関するこのような統計は見かけないですね。もしどこかでそうした研究が行われたのを見つけたら、またの機会にご紹介しましょう。

労働時間は自分でコントロールが難しい!栄養と睡眠で対策を

長時間労働が脳卒中を招くと言われても、労働時間を自分一人で決めるわけにはいかないですよね。もちろん、労働時間を自由にするため自営業を始めるのも一つの選択です。

しかし、往々にして自営業の方がさらに長時間働かざるを得なくなったりするんです。労働時間の問題は難しいです。

飼い猫の眠りは長寿の秘訣!たまには真似してみよう

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野良猫の寿命は3年くらいと言われます。ペットの猫は20年以上生きていることも珍しくないですよね。うちにいた猫も21歳と23歳まで生きました。

これはもちろん事故や病気のリスクが格段に違うと言うことや、食べ物を確実に得られるかどうかと言うこともあるんですが、何より安心して睡眠をとれるかどうかと言うことが重要です。

猫は「ねこ」であり「寝子」であると言うくらいよく眠ります。これはおそらくあの瞬発力を生み出す身体の力とも関係しているのでしょう。

しかし、野良猫は常に外敵を警戒していなければならないので、充分な睡眠が取れないとも言われています。それに比べれば飼い猫は「たまには野性を思い出せよ」と言いたくなるくらい無防備に寝ています。

この無防備に寝られると言うことは、ストレスが極めて少ない状態で身体を休めていられると言うことなんですね。

私たちも、たまには猫を真似て、無防備にゆっくりストレスフリーに眠れる環境を作ってみましょう。週に1度、それが無理なら2週に1度、月に1度でも良いですから、自分なりに心ゆくまで眠ると言うことを目指しましょう。

  • 部屋の温度や明かり
  • 着る物
  • ベッドメイク
  • 部屋の空気

など様々な要素があり、そうしたことに関する情報も世の中にはいっぱいあります。

そんな情報をフルに活用して、気持ち良く怠惰な眠りでストレスを解消するのも脳卒中予防にはいいんじゃないでしょうか。

脳卒中予防は食物から!忙しい時こそ食べる事に手を抜かないで

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この健康生活のサイトの中でも、数多く脳卒中などの病気を予防する食事について触れてきました。もちろんストレスなどが脳卒中の原因になっていることは多いと思います。

しかし、働く時間が長すぎて食事にまで気を使っていられないと言うことが、糖尿病や高血圧動脈硬化などの生活習慣病を引き起こして脳卒中の遠因になっていることも少なくないでしょう。

忙しい時は食事どころじゃないと言う気持ちはよく判ります。しかし、栄養管理について外食中心でもメニューを選べばいろいろ工夫は可能です。この健康生活のサイトもフル活用して頂いて、健康な毎日を送って下さいね。

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