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いじめ自殺を防げ!子供の心を強くする栄養の摂り方と食生活

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いじめを苦にした子供の自殺が後を絶ちません。いじめる側や学校にも問題があるのかもしれませんが、突然の不幸を予防するために親ができることはないのでしょうか?

子供の心に寄り添うために、まず食事の内容から考えてみましょう。

大人だけではなく子供もストレスを抱えている

大人が様々なストレスを抱えながら生きているのと同じように、子供も子供なりに様々なストレスを抱えながら生きています。子供のいじめによる自殺は大人の過労死と同じと考えることが重要です。

むしろ、子供のほうが人生経験が少なく精神的にも未発達なので、大人なら大した問題でもないように思えることでも、子供にとっては大きなストレスとなっていることが多々あるのです。

子供が日常的に抱えている問題やストレスには次のようなことが考えられます。

  • 学校の勉強が苦手
  • 先生との信頼関係が良好でない
  • 両親の不仲など家庭の問題がある
  • クラスメイトと折があわない
  • 体の発育の悩み など

これらのストレスに加えて、いじめによる暴力や精神的な苦痛が重なれば、子供であっても強いストレス反応が現れるのは当然のことと考えなければいけません。

ストレスによる心身への影響のメカニズム

ストレスという概念を最初に定義したカナダの生理学者ハンス・セリエによれば、ストレスには次の3つの段階があるとしています。子供がいじめによって受けるストレスも同じメカニズムで考えることができます。

  1. 警告反応期 ストレスを受けることで気分が落ち込む時期
  2. 抵抗期 受けたストレスを乗り越えようとする時期
  3. 疲弊期 ストレスに長期間さらされ心身が耐えられなくなる時期

これを子供のいじめ問題にあてはめると次のようになります。

【 1.警告反応期 】

子供がいじめを受けた場合、まず自分がいじめられたことにショックを受けます。なぜ自分がいじめられるのか?なぜこんな目に合わなければいけないのか?などいじめの理由を考えたり、気持ちが落ち込んだりします。これが警告反応期です。

【 2.抵抗期 】

次に、いじめを受けていることで落ち込んでばかりいても仕方がない、と考えるようになります。

自分がどうすればいじめられなくなるのか、いじめる相手に対してどうすれば仲良くできるのか?など、いじめという問題に対して解決策を探り、問題を解決しようと努力します。これが抵抗期です。

【 3.疲弊期 】

いじめという問題に対する解決策を考え行動しても、いじめが解決できない、あるいは、さらにいじめがエスカレートしてしまった場合など、いじめという問題が間単に解決できない場合、その強いストレスが長期間続くことになります。

例えるなら、出口の見えないトンネルの中にいるような状態になります。ストレスによって肉体的、精神的な疲れが蓄積し、体や心のバランスが崩れていきます。正常な判断ができなくなり、絶望的な気持ちにもなります。

この疲弊期の段階が最も危険な状態で、自分の存在が無意味に思えたり、自分など本当は生きていないほうが良いのではないか、という考えが浮かんできたりします。

この末期的な心身状態になると、すでに脳は正常な判断ができなくなっています。そして、さらに悪条件が重なれば、自殺という悲惨な選択をしてしまうことになるのです。

いじめによる子供の自殺を防ぐには、この3つのストレスの段階のどこかでストレスの進行を食い止め、絶対に超えないようにしなければいけません。

しかし、現実には親や周りの大人は、子供のストレスがこのように段階的に進行していくことや、子供でもストレスを抱えて生きていることすら気づかないことが多いのです。

”がんばりや”の子供ほどうつ状態が強く現れることも・・

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ここで一つの疑問が起こります。同じ年代の子供で同じような環境や境遇の子供でも、うつ状態をそれほど感じない子供もいれば、うつ状態が顕著に現れる子供もいます。

全てを一概に考えることはできませんが、いじめを受けた場合、がんばりやの子供ほどいじめられている自分の状況を表に現さず、親に心配をかけたくないと考えたり先生や友達などに辛い心境を打ち明けたりしない傾向があります。

つまり、もともとの性格が明るくがんばりやな子供ほど、心の中では泣き叫んでいても普段と変わらない抵抗期の「そぶり」が続くため、親や周りが子供の心中を察することができにくいと考えられるのです。

また、がんばりやで人前でも明るく振舞おうとする子供ほどストレスを乗り越えようする気持ちが強く、その分セリエのいう「抵抗期」が強く長くなり、その反動で起こる「疲弊期」での心身のダメージも大きなものになると考えられます。

一方、どちらかというと性格が地味な子供は気持ちが沈み込む「警告反応期」が長くなりやすく、引きこもりや登校拒否、自傷行為など感情を表に現さない状態になる傾向があります。

いずれにしても、この3つの段階のどこかでストレスの進行を食い止めることが必要です。

ストレスに負けない強い心を作る栄養の摂り方

子供が生まれながらに持っている性格やストレスへの耐性は異なりますが、どんな子供でも日常で受ける様々なストレスを軽減したりストレスに対する抵抗力を高めたりすることで、できる限り現状を打開しようとする力や勇気が生まれます。

いじめられている子供が親や先生などに「いじめられている」という胸の内を明かすことはとても勇気がいることで、そのための大きなエネルギーが必要です。

それを可能にする方法で親ができることの1つは、食事によってストレスに対する抵抗性を少しでも高めてあげることです。

もちろん成長期の子供ですから、健康な体を作るために様々な栄養をバランス良く摂るようにすることは当然のことです。たとえ親が日頃の栄養に気を使っているとしても、実際には様々な事情によって栄養が偏っていることが多いものです。

さらに子供が元気そうに振舞っていれば、なおさら気づかないうちに栄養の偏りがあることも考えられます。そうした親の過信を少しでも考え直してみることは必要なことではないでしょうか?

1.心を強くする魚の栄養

あらゆる食材の中で心を強くするために必要な栄養が最も含まれていると考えられるのは魚です。魚には脳のストレスへの抵抗力を高めたり、うつ状態を軽減し脳の活動を活発にしたりする栄養が豊富に含まれています。

実際に、魚の摂取量が少ない人は魚を多く摂る人よりもうつ病の発症率が高いというデーターもあります。魚を良く食べる子供ほど、脳のストレスを軽減し、いじめに立ち向かう強い心ができる、ということが言えるのです。

魚に含まれる精神を強くする栄養素には次のようなものがあります。

  • メチオニン 脳の発育の基礎となるアミノ酸で脳のストレスを取り除く。
  • トリプトファン 精神を安定させ良質な睡眠を摂ることで脳を休ませる。
  • ヒスチジン 子供の脳の発育に欠かせないアミノ酸で神経伝達を活発にする。
  • アラキドン酸 摂取量が不足するとうつ状態になりやすい。精神を強くする。
  • DHA 神経の興奮を沈め、冷静な判断ができるようにする。
  • IPA 脳の機能全般を高める。脳のストレスを除去する強い働きがある。

こうした栄養素は子供の脳の発達を促すために必要なだけでなく、セロトニンなど神経伝達物質の流れを活発にしたり、脳のストレスを軽減するために必要な物質ばかりです。

こうした栄養をしっかり摂ることで、ストレスに対する抵抗力が高まり精神力が強くなります。つまり、魚をたくさん摂る子供ほどいじめに負けない強い心が作られるということができます。

しかし魚といっても種類が沢山あるので、どの魚を食べるのが良いのか迷うかもしれません。厳密に言えば魚の種類によって含まれる栄養素は異なります。

魚を食べるときに心掛けるべきことは、できるだけ「旬の魚」を食べるということです。旬の魚を食べる理由は、その季節や時期によって最も栄養価が高くなるからです。

また、魚を最も美味しく食べられるということもあります。特定の魚ばかりでは飽きてしまいますし、魚嫌いの子供でも美味しい魚なら食べやすくもなり、魚が好きになるかもしれません。

それよりも最も問題なのは、親が魚の調理を面倒がるために子供が魚を食べる機会が少なくなるということです。親が魚嫌いなために、子供の脳の発育やストレスへの抵抗力が弱まるとすれば、親が子供の心を弱くしていることになりかねません。

幸いにも、日本では魚をお刺身やお寿司など、生で食べる習慣があります。これは外国から見れば驚くべきことです。魚を生で食べることは、栄養素を変化させることなく、魚の栄養そのものをまるごと食べることができます。

魚を生のまま食べることなら、難しい調理の必要がなく、時間もかからないはずです。いずれにせよ、細かな栄養素の働きを考えるよりも、旬の魚を食べるということを心掛けるようにしましょう。

どうしても魚を食べられないという子供には魚醤を使ってみましょう。魚醤は石川の「いしる」や秋田の「しょっつる」などが有名ですが、魚のエキスと油が豊富に含まれた栄養価が高い調味料です。

料理の味わいが深まるとともに、魚醤自体が発酵食品でもあるため、栄養の吸収が良くなるという効果もあります。

2.脳のストレスを取り除くカルシウム

心を強くするためには、脳を構成している神経細胞が常にスムーズに働いていることが必要です。いじめの問題に関わらず、子供でも日常的に起こる様々なストレスに対抗するためには、脳の神経系の伝達がスムーズでなければいけません。

そして、成長期の子供は骨を作る必要があるため、大人よりも多くのカルシウムが必要です。大人の基準で考える以上に子供にはカルシウムが必要なのです。

カルシウムが不足しないように、毎日牛乳を飲むことは良いことです。牛乳1本(200ml)で約220mgのカルシウムが含まれているのですが、これだけでは足りません。

子供が1日に必要なカルシウム量は700~1000mgとされていますので、毎日牛乳を1本飲むくらいではカルシウムの量が全く足りないということになります。

牛乳で足りない分のカルシウムはヨーグルトや乳製品などで補わなければいけません。例えば、ヤクルトの「ジョア」のような機能食品を合わせて摂るのも良い方法です。おやつなど間食に1本加えるようにしたいものです。

また、小魚や海藻類など海産物にはカルシウムが多く含まれていますので、積極的に献立に取り入れましょう。小魚のふりかけをご飯にかけるというような工夫も必要です。

3.神経回路を正常に保つビタミンB群

脳が受けるストレスは、神経によって変圧調整されています。脳の大脳皮質にあるA10神経系という部分がストレスの伝わり方を軽減しています。

神経を伝わるストレスを軽減するために必要な栄養素はビタミンB群です。ビタミンB群を多く摂ることによって、ストレスに強い脳が形成されるということになります。

ビタミンB群は次のような工夫をすると簡単に摂ることができます。ほんの一手間ですから、是非実践してみましょう。

  • ゴマをご飯やおかずに少しでもふりかけるようにする。
  • カレーや肉じゃがなどを作るときは、牛肉より豚肉を使う。
  • 朝食を抜きがちな子供にはフルーツシリアルを食べさせる。
  • 主食を白米から玄米に替える。
  • どんな果物でも良いのでデザートに果物を1品添える。

こうした一手間が子供の栄養を改善し心を強く持つエネルギーを生み出すことにつながります。

子供をストレスから守るためには食習慣も大事

子供の心を強くするには、そのエネルギーが必要です。エネルギー不足の子供ほど内向的な性格になりやすく、考え方も消極的です。そのためには次のようなことを実践していきましょう。

必ず朝食を食べること

言うまでもなく朝食は1日のエネルギーの始まりです。朝食を摂らなければ、脳へのエネルギーが不足し脳の機能が衰えます。当然、正常な判断もできなくなります。

今まで毎日朝食を食べていた子供が、何らかの理由で急に食べなくなった場合も注意が必要です。決してそのままにしておかず、朝食を食べたくない理由を聞き出した上で、朝食の重要性を教え諭すことが大切です。

よく噛んで食べること

よく噛んで食べることは食べ物の消化吸収が良くなるだけでなく、アゴの神経が脳を刺激し脳が活発に働くスイッチになっています。よく噛んで食べることは、脳の神経回路の働きを高めるので、強い心を作ることにもつながります。

スナック菓子や糖分は控えめにすること

食事の代わりにスナック菓子や甘いお菓子を食べると、血糖値が急激に上昇します。血糖値の急激な上昇は、気分を不安にして衝動的な行動を起こすことにつながります。栄養のバランスを崩し、脳にダメージを与えるので控えめにしましょう。

太っている子供はストレスに弱い!?

一概にはいえませんが、同じような環境にいる子供でも、太っている子供は痩せている子供よりもストレスに弱いと考えられます。

ストレスを受けると脳はストレスに対抗するために、脳下垂体から副腎に指令を出しコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンの分泌を促進させます。これらは自律神経を亢進して血圧や心拍数、血糖の吸収などを促進します。

つまり、コルチゾールやアドレナリンはストレスに対する抵抗力を生み出します。

しかし太っている子供は太っていない子供に比べてストレスを受けてたときのコルチゾールやアドレナリンの分泌が少ないのです。

この理由ははっきりとは解明されていませんが、太っている状態によってストレスに対する感受性が脳へ刺激として伝わらないことが原因ではないかと考えられています。

太っている子供は痩せている子供よりもストレスへの抵抗力が発揮されにくいため、セリエ説の第二段階「抵抗期」が短く「疲弊期」へ移行しやすいと考えられます。

子供のいじめを察知する食卓の重要性

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食事や栄養の観点からいじめの解決法を考えていますので、教育論のようなことは申し上げられないのですが、大切なことは子供がいじめで悩んでいることをできるだけ早く気づいてあげることです。

仮に子供がいじめを受けていても、子供のほうから親や兄弟に打ち明けることはほとんどありません。いじめられているのは自分に問題があると考えたり、親に心配をかけたくないと考えることがその理由です。

そのため、親が子供のいじめに気づくには日頃の子供の様子をよく観察することがとても大切になってきます。そして、その「気づき」につながるのが、普段の食事の場「食卓」なのです。

親が子供のいじめに早く気づいてあげるためには次のようなポイントがあります。

家族全員が揃って食事を摂る

本来、食卓は家族全員が揃って食事をしながら日々のことを話したり団欒を楽しんだりする場です。食卓は家族のコミュニケーションの場であるはずなのです。しかし残業で遅くなる父や塾通いで一緒に食事を取れない子供が増えています。

食事を家族一緒に摂らない子供ほど寡黙で内向的になると考えられています。この世で一番安心できる場であるはずの家族とのコミュニケーションの機会が失われるからです。

また、食卓は親から見れば子供の毎日の様子を確認する大切な場でもあります。

  • 食欲はあるか
  • 体調は悪くないか
  • 何か悩み事があるのではないか

など子供の様子から様々な心身の問題を見つけてあげる場でもあるのです。

もし子供がいじめられているのであれば、その兆候は日常の振る舞いの中に必ず現れます。家族が一緒に食事を摂ることがないとそのサインを見逃してしまうことになります。できる限り家族揃って食事を摂るということは重要なことなのです。

食卓が家族の団欒となり何でも話し合える場だという雰囲気があれば、子供のほうからいじめの相談を持ちかけることもできるはずです。これはいじめを解決するためにもとても大きなことです。

夏休み・冬休みなど休み明けの様子に注意する

いじめによる自殺が増えるのが、夏休み、冬休み、春休みなど長期の休み明けの数日だという統計があります。休み中はいじめられることもなくなるので一時的に精神が開放されますが、その反面休み明けのプレッシャーは強くなります。

また休み中は生活も不規則になりがちなので体調面も万全ではなくなっていることが多いのです。こうした要因によって、休み明けは心身の状態が非常に不安定になっています。

そこで親が気をつけなければいけないことは、休みが終わりに近づくときの子供の様子や、休み明け直後の子供の様子を注意深く見るということです。一夜にして顔つきが変わることも多く、様子がおかしくなる兆候を見逃してはいけません。

クレイビングを見逃さない

クレイビングとは、ストレスを受けたときに特定の食べ物などを強く欲する体の生理反応のことです。

女性がイライラすると甘いものを欲しがるというような特定の状態のときに現れる欲求です。また辛いものが好きな人が、料理に唐辛子を真っ赤になるほどかけて食べるのもクレイビングの一種です。

自分では感じていないかもしれませんが、ストレスの解消のために行なっている行動です。

日常の食事の中でこうした異常な行動をするような様子があれば、心に何らかの不安や悩みを抱えていることが考えられます。それがもしかするといじめによる問題かもしれないのです。

十分に休ませ、気力と体力を回復させる

現代では子供であっても大人と変わらないようなストレスにさらされています。栄養の摂り方によって子供の心を強くすることは大事ですが、それでも根本的には休養をとり、気力と体力を回復させることが自殺の予防には必要です。

子供のいじめによる自殺は大人でいえば過労死ということになります。過労死を防ぐために精神科が行なう治療の基本は休養を摂らせるということです。過保護もいけませんが、子供に無理をさせて心を追い詰めることは避けなければいけません。

子供がどうしても学校にいきたくないという場合は、先生に事情を伝え2~3日休ませて、学校に行きたくない理由や悩み事を一緒に解決する姿勢を見せることが大切です。2~3日の授業の遅れと命と、どちらが大事かは考えるまでもありません。

食事は愛情表現の1つ

これまであげてきた、規則正しい食事習慣、栄養のバランス、家族で一緒に食事を摂るというような基本的な食生活を子供に送らせることは、まさに親の愛情表現そのものといえます。

子供を大切に思う親ほど、基本的な食習慣を大事にするはずです。毎日の子供の様子をしっかり確認し、ちょっとした変化を見逃さないためにも食事の場というのは、とても大切なのです。「食生活は親の愛情表現」と考えることも必要です。

万一、大切な我が子が亡くなってしまったとしたら、家族は悔やみきれないと思います。ニュースで見かけるいじめ自殺の問題も、他人事ではなく自分の家族の問題として考えることが大切ではないでしょうか?

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