健康生活TOP ストレス 無性にしょっぱいものが食べたい!原因の副腎の疲れを元気に

無性にしょっぱいものが食べたい!原因の副腎の疲れを元気に

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疲れてくると甘いものやしょっぱいものが食べたくなります。それはエネルギー補給のために「食べ物の一部」として身体が要求していることもあれば、その味覚だけを欲しがっていることもあります。

ちょっと欲しいだけなら心配はありませんが、無性に食べたいと言うレベルから「渇望する」と言う状態にまでなってくると問題です。この現象の原因には熱中症の脱水症状のように、純粋にナトリウム分が不足しているときもあります。

しかし、別に不足があるわけでもないのに特定の味を渇望するのは、ホルモン分泌に関する器官にトラブルが生じていてその状態が起こっていることも多く、そうした場合他の大きな病気の原因にもなります。

副腎がストレスによって痛めつけられると塩味を渇望してしまう

人には副腎と言う臓器が2つあります。直径数cmの円形または半円形で厚さは周辺部で数mm、中央部で1~2cmと言う小さな臓器です。重さ5gくらいのこの臓器は血液をろ過して尿を作る腎臓の上に乗っかっているのです。

腎臓の上に乗っているので副腎と呼ばれていますが、機能的に腎臓と関係する部分は内分泌に関するものだけです。副腎はホルモンを分泌するための内分泌器官なのです。

副腎はたくさんのホルモンを作り出している

副腎と言えば多くの人がステロイドとも呼ばれる副腎皮質ホルモンと言う名前を連想されるのではないでしょうか。炎症を鎮める強い働きがあるため、関節リウマチから気管支喘息、潰瘍性大腸炎、椎間板ヘルニアなど、非常に幅広く使われるお薬です。

このホルモンは副腎から分泌されるホルモンの一つで、それを化学的に合成したものや似た成分のものが医薬品として使われています。

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この図の通り、副腎は皮質と髄質の2つのパートからできています。それぞれが異なるホルモンの分泌を行う働きを持っていて、そのどれもが生命を維持する上で重要な働きを持つホルモンなのです。

ホルモン 分泌部位 ホルモンの働き
グルココルチコイド 皮質 アドレナリンやグルカゴンの働きを起こさせる
全身の細胞の増殖・成長を抑制
ミネラルコルチコイド 皮質 ナトリウムの再吸収を促進
他の副腎皮質ホルモンの原料
性ホルモン 皮質 性別に関係なく副腎からは
男性ホルモンが分泌される
アドレナリン 髄質 興奮状態を作り出す
ノルアドレナリン 髄質 興奮状態を作り出す
ドーパミン 髄質 学習・運動・ホルモンなどの調節
アドレナリンなどの原料

何らかの原因で副腎に異常が生じるとこれらのホルモンの分泌が上手く行かなくなり、その結果非常に危険な状態から軽い不定愁訴まで、幅広い症状が現れることになるのです。

副腎と塩味は深い関係がある

人の身体は、ナトリウム分が不足するとナトリウムの減少を補おうとします。まず腎臓から分泌されるレニンと言う酵素が増加します。それが肝臓から分泌されるアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに作り替えます。

そして、それが肺から分泌される酵素によってアンジオテンシンIIに変換されます。アンジオテンシンIIは副腎皮質に作用してミネラルコルチコイドのアルドステロンと言うホルモンの分泌を促します。

アルドステロンは腎臓で作られた原尿からのナトリウムの再吸収を促して、ナトリウムレベルを一定に保つようになっています。

もう一つの働きとしてアンジオテンシンIIは味覚に働きかけて、塩味の感受性を下げます。つまり塩味を感じにくくするということですね。すると塩味の濃いものを好むようになるということです。

再吸収だけで追いつかない場合、この働きが重要な意味を持ってきます。ですのでアルドステロンの分泌や働きが悪いと、アンジオテンシンIIは身体に塩味の強いものを要求し続けるため、塩味を渇望するようになるのです。

アンジオテンシンIIは高血圧の時によく聞く言葉ですね。高血圧と言えば塩分ですから、やはり大きな関わりを持っていたのです。

副腎はストレスに対応する臓器なのでストレスによって傷みやすい

副腎は皮質・髄質ともにストレス反応に大きくかかわっている臓器です。有名なのは副腎髄質ホルモンであるアドレナリンです。アドレナリンは闘争と逃走のホルモンと呼ばれるように、外敵のの関係で生命に関わる部分を担当しています。

外敵との戦いは大きなストレスですが、精神的なストレスや肉体的なストレスには様々な形があります。それに対して栄養素の使い方を調整するなどの方法で対応するのも副腎から分泌されるホルモンなのです。

アドレナリンはストレスから脱出するために重要な役割を果たしている

副腎髄質から分泌されるアドレナリンは、いわば外敵と戦うためのホルモンです。動物としての人間で見れば、敵に襲い掛かってこれを倒し、自分の食料にしたりなわばりを増やすことは、生きてゆく上で非常に重要です。

また、明らかに自分より強い動物に襲われた時は、必死で逃げるということが、生命を維持してゆく上で欠かせません。

こうしたシーンに出会った時、血圧や血糖値を上げ、脈拍や呼吸を上げると同時に、心臓や筋肉に血流を優先させ、皮膚の血流を絞る働きを持っています。

さらに重要なものとして、痛みを感じさせなくする働きや呼吸の効率を上げる働きも持っています。こうしたストレス応答と呼ばれる反応は、副腎の大切な最も働きです。

コルチゾールはPTSDにもかかわる重要なホルモン

グルココルチコイドと呼ばれるグループに属するコルチゾールは副腎皮質から分泌されます。これは三大栄養素の代謝にかかわる重要な調節機構として働いています。従ってこれが不足するとこうした機能に異常が出ます。

それと同時に、ストレス反応によってアドレナリンと同時にたくさん分泌されるホルモンでもあります。それによって血圧や血糖を上昇させる効果も担っているのです。

さらに、非常に大きなストレスを受けることによって過剰に分泌されるコルチゾールは脳の海馬に悪影響を及ぼし、PTSDに関わることが判ってきています。つまり、多すぎても人間のさまざまな機能に異常が出るのです。

ストレスが過剰に繰り返されると副腎疲労症候群になる

副腎とは腎臓の上に帽子のように乗っかっている小さな臓器で、ステロイドホルモンなどの重要なホルモンが作られています。

デリケートな臓器であり、不規則な食生活による栄養不足やアンバランスを背景にして、そこにストレスが毎日のように加わると次第に疲弊し、ホルモン分泌量が減少していきます。

血圧を上げたり血糖値を高めてエネルギー供給量を増やすなど、ストレスに対してからだの諸機能を対応させることに係るコルチゾールの減少がとくに問題です

このように、ストレスが繰り返されることによって副腎が疲弊してしまうという現象が起こります。先にお話ししたように、アンジオテンシンIIの要求に対して副腎が疲弊していてアルドステロンの分泌が不十分になると塩味が欲しくなります。

塩味が無性に欲しくなるのはこうした理由からなのです。

この副腎疲労(adrenal fatigue)と言う概念は、アンチエイジングの方面から提唱されたようです。まだ十分な情報がありませんが、今後理論が確立してゆくに従って情報も増えてくるでしょう。

副腎を疲れさせるほどストレスがあるというのは、そのこと自体が問題ですね。他にも体に無理がかかっていないか、たまには生活を見直してみましょう。

よく、特定の味を欲しがることを「クレービング」と言いますが、これは”craving”=「渇望する」から来た用語なのです。

副腎を傷めないようにするには適切な栄養とストレス解消

実に一般的な内容しかお話しできないのが残念ですが、副腎疲労という現象は提唱されてはいるものの、まだ十分に確立されたとは言い難いところがあるので、このような内容にならざるを得ないのです。

少なくとも繰り返されるストレスは、副腎がストレス応答器官であることを考えれば悪影響があって当然ですから、まずはそれを軽減することが重要ですね。

ストレスは解消するより避けて通る方が良い

ストレス解消と言う言葉が示す通り、ストレスを受けてからそれが気にならない程度まで何かで発散すると言うことです。と言うことは、少なくとも解消されるまでのあいだ副腎はストレスに対応し続けているわけですね。

つまり、大声を上げてスッキリすると言うストレス解消法の場合、その行動自体が副腎から出るホルモンを利用している可能性が高いわけです。

もちろん解消されずにずっと持っているストレスよりは解消された方がいいに決まってますが、それ以前にストレスに出会わないよう工夫する方がもっと有益です。

その方法は、ストレスの原因や受ける人によって様々ですから、こればかりは一般化してお話しできませんが、うまく逃げる方法を工夫してみて下さい。

栄養の基本は酸化ストレスから副腎を守ること

これも副腎疲労と言うものが確立されていないことから一般的な内容になります。しかし、副腎から分泌されるホルモンは、コレステロールから合成される副腎皮質ホルモンと、アミノ酸から合成される副腎髄質ホルモンがあります。

ですので、推定になりますが、たんぱく質をしっかり摂っておくことと、過酸化脂質に注意しておくことが重要になるでしょう。ジャンクフードは避けて、魚や肉を、できれば自宅で調理して食べられることをお勧めします。

さらにポリフェノール類をしっかり摂ることは有効かもしれません。副腎皮質ホルモンであるカテコラミンを構成するカテコールはポリフェノールも構成しています。さらにポリフェノール自体が抗酸化作用を持つことは有効に働くでしょう。

副腎の機能が落ちると血糖値が不安定になりますので、炭水化物については糖質をやや控えて食物繊維を多めにするのがいいと思われます。

極めて一般的ですが、健康のためには万能薬的な生活習慣ですね。決して無駄にはならないので、参考にしてほしいです。

副腎の病気によって様々なホルモン異常症が現れる

ここまでは副腎自体が疲弊することで様々な症状が出たり塩分が欲しくなったりするお話しをしてきましたが、副腎自体に病気が発生することもあります。

2つ合わせてたった10gの臓器に発生する病気が生命を脅かすこともあるので、決して軽視できないのです。

結核も原因になる副腎皮質機能低下症は難病指定されている

アジソン病とも呼ばれる難病で、副腎の機能が損なわれ、副腎皮質ホルモンであるアルドステロン・コルチゾール・副腎アンドロゲンの不足から様々な症状が出る病気です。

症状としては次のようなものがあります。

  • 疲れやすい・力が入らない
  • 食欲不振・体重減少
  • 吐き気・嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢・便秘
  • 血圧低下
  • 低血糖
  • 性格の変化・不安
  • 無気力・嗜眠
  • 発熱
  • 関節痛
  • 女性の場合、陰毛や腋毛の脱落

特に女性の陰毛や腋毛はほぼ100%副腎アンドロゲンに依存しているため、陰毛や腋毛の脱落が見られた場合、副腎皮質の機能低下の可能性が高くなります。

何かの病気が原因で起こるものではない原発性慢性副腎不全の原因は、自己免疫によるものと副腎への結核菌感染が多くなっています。

治療はコルチゾールの内服がによる補充療法が行われます。いわゆる「ステロイド薬」ですね。それほどの大量投与にはならないと思いますので、副作用も強くない可能性が高いです。

ただし、長期服用になりますから、自己判断での中止は非常に危険です。反動で出る症状には重いものがありますので、お薬を減らすにしても必ず診察を受けた上で、お医者さんとの密な連絡が必要になります。

さらに、体調とお薬の量が合わず、お薬が不足した際には副腎クリーゼと言う重い急性症状が出ることがあります。その際に救急隊員やお医者さんに情報を伝えるためのカードを医療機関が作成していることが多いので、必ず携帯するようにして下さい。

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副腎クリーゼと呼ばれる急性副腎不全

副腎クリーゼは急激に副腎の機能が落ちる病気です。先の項目で書いたように、アジソン病の人が他の病気などによる強いストレスに見舞われた時や、お薬を中断した時に、副腎皮質ホルモンが不足して起こります。

また、続発性のアジソン病の場合、女性であることや糖尿病、喘息、尿崩症などが副腎クリーゼにつながりやすいともされています。

症状はアジソン病と同じようなものが急激に表れ、適切な治療が行われないと生命に危険が及びます。治療は副腎皮質ホルモンを含むブドウ糖・塩分の点滴で行われ、すぐに症状は改善します。

難治良性高血圧の原因になる高アルドステロン症

副腎皮質に何らかの機能亢進が起こっている場合や、副腎に腫瘍ができることによってアルドステロンの分泌が多くなりすぎる場合があります。それを高アルドステロン症と呼んでいます。

それによって、カリウムが多く排出され、ナトリウムの排出が減るため高血圧を引き起こすと言う病気です。

高アルドステロン症による高血圧は、他の原因のものより心臓や血管によりダメージを与えやすいので、早期に発見して治療することが望まれます。低カリウム血症から発見されることが多いようですね。

腫瘍については摘出でかなりの割合の人が改善します。一方、機能亢進の場合は原則としてこの病気に適した降圧剤が用いられます。

原因が副腎でない場合もあるクッシング症候群

クッシング症候群とは、中心性肥満と顔が真ん丸になるムーンフェイスを特徴とするコルチゾール過剰症です。皮膚が薄くなってあざができやすくなったり、血圧が上がったりもします。

この病気は脳下垂体に原因がある場合と、副腎に問題がある場合がほとんどです。脳下垂体に問題のある方はクッシング病と呼ばれ、難病指定を受けています。

一方、副腎のトラブルの場合は副腎性クッシング症候群と呼ばれます。これも副腎に腫瘍があることが多く、その摘出によって治療します。

しかし、まれに副腎に腫瘍が見つからないのにこの症候群が発生することがあり、その場合は副腎自体の摘出もあり得ます。そうなった場合、アジソン病が現れますので、一生お薬で対応することになります。

副腎がんは非常に悪性度が高い

それほど多い病気ではありませんが、例えば高アルドステロン症の原因になる腫瘍の約1%が副腎がんです。副腎がんは原則的に摘出あるのみですが、化学療法もないわけではありません。

しかし、非常に悪性度が高く、ステージ4では5年生存率は0%、1年未満で亡くなる方が多いそうです。また、症状が出にくいケースが多いので、ステージ3で見つかるケースが最も多いのですが、その場合の5年生存率は24%です。

中年女性に多いがんですが、100万人当たり2人程度と極めてまれながんですので、それほど怖がる必要はないでしょう。

普段からこれまでにお話ししたようなことに気をつけていれば、早期発見の可能性も出てきます。

左右あわせてたった10gの臓器にこれほど多彩な病気があるのは驚きですね。それほどホルモンと言うのは重要な働きを担っているのです。

ホルモンの種類にもよりますが、血中濃度を測る場合、1mL中に含まれている量を、pg(ピコグラム:1兆分の1グラム)単位で見ることもあるのがホルモンと言う微量物質なのです。

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