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うつ病?慢性疲労?疲れが取れない本当の原因は副腎疲労症候群

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ひどい疲れや倦怠感が長期間続き、特別な原因も思い浮かばない時、少し病気の知識がある人なら、慢性疲労症候群やうつ病を思い浮かべるかもしれません。女性であれば更年期障害がひどくなったのかな?などと考える人もいると思います。

疲労や倦怠感の症状が伴う病気は世の中にたくさんあります。しかし病気の原因をたった一つに決めてしまうことができない場合も多いのです。

慢性的な疲労や倦怠感が起こる原因には、副腎という臓器に起こる副腎疲労症候群という病気が関わっているかもしれません。最近になり注目されている副腎疲労症候群についてご紹介します。

ストレスを受けると大活躍する副腎の働きとは?

日頃、私たちは様々なストレスを受けながら生活しています。あまりにもストレスの原因となることが多すぎて、体や心がどんなストレスを受けているのか、分からないくらい多くのストレスに苛まれていると思います。

皆さんも良くご存知の通り、人間の体はストレスを受けると様々な反応が起こります。イライラする、血圧が上がる、血流が悪くなる、免疫力が低下する・・などといった体の反応が起こります。

こうした体の反応をストレス反応といい、短期的にはストレスを乗り越えようとするために必要なものですが、強いストレスを長期間受け続ければ、いずれ様々な病気が起こる原因にもなります。ストレス反応は「諸刃の剣」でもあるわけです。

体が何らかのストレスを受けると間脳の視床下部という部分から副腎皮質刺激ホルモンというホルモンが分泌されます。腎臓の上にある副腎という臓器に対してコルチゾールというホルモンを分泌するよう指令が出されるのです。

人の体はストレスを受けると体内で活性酸素が大量に作られるため、コルチゾールを分泌することによって体内の活性酸素を除去し、細胞が傷つけられないようにするという意味があります。

また、コルチゾールは肝臓で糖分を分解してエネルギーを作る働きがあるので、ストレスに対抗するエネルギーを作り出す働きなどにも関わっています。

つまり、コルチゾールはストレスに対抗し、ストレスによって起こる様々な症状を軽減させる働きをしているのです。

そしてコルチゾールは副腎で作られるため、強いストレスを長期的に受けると、副腎自体が疲れて機能が低下してしまいます。

副腎の機能が低下すると起こる症状とは?

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副腎が疲れて機能が低下すると、疲労や倦怠感をはじめとした様々な症状が現れます。副腎が疲れることによって起こる症状だから「副腎疲労症候群」というわけですk。副腎疲労症候群の具体的な症状を確認してみましょう。

  • 目覚ましを3つくらいかけても目が覚めない
  • いくら眠っても疲労感が取れない
  • 何をするにも億劫に感じる
  • 日常的なことでも以前の数倍の時間がかかる
  • 以前は楽しかったことも楽しく感じない
  • 何を食べても美味しく感じない
  • イライラが解消せず過食や酒・タバコをするようになった
  • 人生がつまらなく感じる

このような症状が複数あれば、副腎疲労症候群が疑われます。

ところが、こうした症状の多くは、慢性疲労症候群やうつ病の症状と非常に似ていることが分かります。

そのため、副腎疲労症候群という病気が疑われる前に、慢性疲労症候群やうつ病と診断されることが多いので、本当の原因が副腎にあったとしても、見過ごされたり、他の病気の一因としか判断されないため、なかなか症状が改善されないのです。

疲れや倦怠感の原因は一つではない!併発しやすい副腎疲労症候群

ストレスが原因で起こる病気は山のようにあります。強いストレスを受ければ、基本的には体の免疫力が低下しますから、風邪を引きやすくなるという程度のことから、ガンのような不治の病に至るまで様々な病気が引き起こされるといえます。

副腎疲労症候群という病気は、アジソン病という極めて特殊な病気を除けば、基本的にはストレスによって引き起こされる様々な病気の中の1つと考えるべきであり、決して他の病気と切り離して考えるものでもありません。

あくまでもストレス反応によって起こる様々な病気や症状の原因の1つです。ですから、例えば、慢性疲労症候群やうつ病といった病気と併発することは十分に考えられますし、他の病気と併発すると考えるほうが自然なのかもしれません。

そして、たとえ複数の病気を原因とする症状であっても、副腎疲労症候群という原因があるとすれば、その治療を行なうことで、多少なりとも症状の軽減や改善につながることも間違いのないことです。

つまり、副腎疲労症候群という病気の正しい考え方は、ストレスによって起こる様々な病気や症状と併発しやすい病気だと考え、見逃したり否定したりすることなく他の病気と同時にケアをするということです。

ですから、ある症状の原因が副腎疲労症候群であるか、そうでないか、ということにこだわることは全く無意味なことです。そうではなく、全てを含めて対処すると考えることこそ、これからのストレス・ディズィーズの対処規範になるはずです。

副腎疲労症候群を自分でチェックする方法

副腎疲労症候群かどうかは医師の診察を受け、他の病気も含めて総合的に判断しなければいけません。しかし、自分が副腎疲労症候群ではないか気になる人のために、自分でチェックする方法を1つご紹介します。

1917年にフランスの医師、エミリー・セルジャンが提唱した「セルジャン白線」という方法です。

  1. 爪の先やボールペンの先など尖ったもので、お腹の皮膚に20cmほどの線を引きます。引っ掻くように線を書いて下さい。
  2. 正常であれば、白くなった線がしだいに赤くなっていきます。
  3. 副腎に異常がある場合、白い線が2分くらいたっても白いままの状態で色が変わりません。線の太さがしだいに太くなっていくこともあります。

この方法の根拠はよく分っていなのですが、自律神経のバランスが崩れることによって皮膚の「引っ掻く」という刺激に抵抗する力が弱くなっているからだと考えられます。皮膚のアレルギーの場合もありますので100%とはいえません。

しかし、古くから用いられている診断方法なので、もしセルジャン白線を引いてみて、白い線が赤くならなければ、専門医を受診する1つの目安にはなるでしょう。

副腎はコルチゾールの工場!副腎疲労を改善する方法

疲労感や倦怠感が長期間続く原因には副腎の疲労が関わっていることが多いわけですが、副腎の疲労を取り除くためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか?

根本的にはストレスの原因となるストレッサーを解消することが最大の治療法ですが、現代のストレス社会において、ストレスそのものを無くすというのは現実的ではありません。

副腎はコルチゾールなどのホルモンを作る工場ですから、工場の過剰操業を改善すれば副腎にかかる負担も軽減される、ということになります。副腎という工場の稼動を軽減するためには3つの方法が考えられます。

1.副腎という工場の稼働率を上げる

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副腎疲労症候群は女性の更年期障害の仕組みに似ています。脳から副腎にコルチゾールを作れという指令が頻繁にくるわけですが、すでに副腎の機能が低下しているため、生産するホルモンの量が間に合いません。

副腎自体の機能が低下していることや副腎に指令を出す脳の視床下部が興奮することによって様々な症状が現れるわけです。これは、まさに更年期の卵巣機能の状態に似ています。

副腎の疲労を解消する方法の1つは、副腎を働かせるエネルギーとなるものを副腎に供給する、ということです。副腎を工場に例えれば、工場の人員を増やし生産力を上げることで工場の負担を減らす、ということになります。

副腎がホルモンを作るときには、大量のエネルギーが必要になります。エネルギーの元になるのは糖質ですが、副腎において糖質をエネルギーに換えるために特に必要となるのが、パントテン酸とナイアシンの2つです。

パントテン酸(ビタミンB5)やナイアシン(ビタミンB3)は、

  • 鶏・豚・牛のレバー
  • 鶏肉のササミやムネ肉

に多く含まれています。食事から補うことが難しい場合は、ビタミンB群のサプリメントで代用しても構いません。

2.ホルモンの原材料を増やし生産力を高める

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副腎の目的はコルチゾールというホルモンを作ることですから、コルチゾールの原料となるものの供給を増やすことで副腎工場の生産力がアップし脳の指令に応えることができます。原料不足による工場の負担を減らすということです。

コルチゾールの原料はDHEAとプレグネノロンという2種類のホルモンの前駆体です。前駆体とはホルモンの元になるものという意味で、プレホルモンともいわれます。

DHEAは女性ホルモンのエストロゲンや男性ホルモンのテストステロンを作る元になるもので「若返りのホルモン」ともいわれています。また、プレグネノロンは全てのホルモンを作る元になるものです。

どちらも副腎で作られていて型を変えて様々なホルモンになりますが、コルチゾールの原料にもなっています。ですから、これらのホルモンの原料を不足しないように補うことが副腎の負担を減らすことにつながります。

DHEAを増やすためには、納豆や豆腐、きなこなど大豆から作られた食べ物を摂ることが有効です。イソフラボンを含有するサプリメントで代用しても構いません。

またプレグネノロンは、コレステロールを原料として作られますが、プレグネノロンを作るときには、ビタミンEがあったほうが効率良く作られます。ビタミンEが不足するとプレグネノロンを作るのに無駄なエネルギーがかかってしまうのです。

つまり、副腎が作るコルチゾールの生産性を高めるには、1つはDHEAの合成を促進する大豆製品を多く摂ること。そしてプレグネノロンを作るために必要となるビタミンEをしっかり摂ることです。

DHEA

  • 納豆
  • 豆腐
  • きなこ

など大豆製品を多く摂ること。イソフラボンのサプリメントで代用しても良い。

プレグネノロン

  • オリーブオイル
  • アジ・サバ・イワシなど青身の魚
  • うなぎ

など良質な脂を摂ること。お奨めはオイルサーディン。

副腎がコルチゾールを効率良く作ることによって副腎の疲労を解消するには、このDHEAとプレグネノロンの2つのプレホルモンを作られやすくすることを心掛けましょう。

3.ホルモン補充療法で副腎を再建する

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ホルモン補充療法と聞くと更年期障害の治療を思い浮かべる人も多いと思います。副腎疲労症候群は更年期障害の状態と似ているため、同様の治療法によって改善する可能性もあります。

一時的にコルチゾールホルモンを補充し副腎を回復させ機能を新たにするという方法です。これは病院などで専門医に相談し治療を受けなくてはいけません。

副腎疲労症候群が悪化するとコルチゾールだけでなく、他の様々なホルモンの分泌にも影響を及ぼします。そのため、体全体のホルモンバランスや免疫機能、自律神経の働きにも悪影響が起こるので、重篤な症状が起こります。

疲労や倦怠感などという程度の症状ではおさまらず、体が全く動かなくなり、重度のうつ病のような症状が起こる場合もあります。最悪の場合には、臓器不全や病気を苦にした自殺というケースに陥る恐れもあります。

これは原因も良くわからないまま、病状だけが悪化することによる精神的なショックを受けるためです。副腎疲労症候群は、少し休めば改善する疲れや倦怠感という単純なものではありません。

ストレスがストレスを生み、雪だるまのように大きくなるのがこの病気の恐ろしいところなのです。

副腎の疲労を解消するために日常生活で注意すること

副腎の疲労を解消するには少なくとも3ヶ月、長い場合は1~2年もかかります。副腎疲労症候群は、長期に渡るストレスや心身の疲労が根本的な原因ですから、副腎の疲労を解消するにしても、長い時間が必要になります。

また、副腎の疲労を解消するには、食生活を改善するとともに日常生活全般を改善していかなければなりません。

1.深夜のパソコン・スマホは厳禁!休息と睡眠が何より大切

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副腎疲労症候群はストレスなどで精神的・肉体的に疲れきった状態です。根本的に体をしっかり休ませなければ、小手先の手段で治るような病気ではありません。

睡眠時間が少ないと自律神経の交感神経が休まる時間も少なくなるので、副腎も休めなくなります。また、深夜までテレビやパソコン、スマホなどを使用していると脳に刺激を与えることになり自律神経が切り替わらなくなるので控えましょう。

2.朝食をしっかり摂るとコルチゾールの分泌が高まる

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コルチゾールは一日中同じ量が分泌されているわけではありません。個人差もありますが、だいたい朝8時頃がピークで時間がたつほど分泌が少なくなっていきます。

ところが、朝食を摂らないとコルチゾールを分泌する指令がうまく起こりません。そのため1日中コルチゾールの分泌が少ないままになるため、すぐに体が疲れてしまいます。ストレスへの抵抗力が弱くなるのです。

副腎疲労症候群だけに限ったことではありませんが、朝食をしっかり摂ることは規則正しい生活をする基本です。

3.コーヒーやアルコールでは体は休まらない!刺激物には注意する

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休憩時間にコーヒーを飲んだり、仕事が終わってからアルコールを飲んでリラックスをするという人は多いと思います。

しかしコーヒーやアルコールは一時的にリラックスした気持ちになるかもしれませんが、体にとっては逆効果になることがあります。

コーヒーやアルコールは刺激物のため、体にとってはストレスになる場合があるのです。適度な量であれば良いのですが、1日に何杯もコーヒーを飲んでいたり、アルコールも飲みすぎれば毒になります。

4.生き方に余裕を持つことも必要!ストレス解消に心掛ける

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副腎疲労症候群の患者は、真面目で几帳面な人が多いといわれています。細かいことにも神経を使いストレスを抱えやすい性格が影響していると考えられます。

ストレスのない人などいませんが、ストレスを解消する方法を見つけ自分の心や体をリラックスさせることは根本的に大切なことです。

仕事や家事、育児などに根を詰めすぎず、時にはほったらかしにして、良い意味でのいい加減さを持つことも必要です。

何かに鈍感な人のことを「神経が図太い」といいますが、ちょっとしたことでも動じない人は、はたから見ると迷惑ですが、本人はそれほどストレスを感じていません。バランスは大事ですが、もう少し図太く生きてみたらどうでしょうか?

副腎疲労症候群は最近注目されはじめたばかりで、まだ認知度が少ない病気です。しかし、ストレスの多い世の中が続く限り、この病気を放っておくことはできなくなります。

慢性疲労やうつ病の影に、副腎疲労症候群があることは、あらかた間違いではありません。病気が深刻になる前に今の生活にストレスにつながる「ムリ」・「ムラ」・「ムダ」がないか、もう一度確認してみることも大事なことですね。

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