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喉の痛みの原因は口内炎?喉に口内炎ができた時の治療と対策

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のどの痛みの原因が口内炎と言うと意外な感じがしないでもないですが、口内炎自体が非常に多くの原因や症状を含んでいる上に、口とのどは隣り合わせですので決して無縁の場所ではないのです。

それに、本人がのどだと思っていても、実際にはまだ口の範囲のうちだったと言うケースもあり得ます。口内炎ができた厳密な位置より、大切なのは具合の悪い病気などが隠れていないかですので、その方向から見て行きましょう。

流れとしては口内炎全般について見て行くことになります。のどにできるかどうかと言うのはケースバイケースになりますが、うっかり噛んでしまった傷が原因でできた口内炎以外は、のどにもできる可能性があります。

口内炎は喉にもできるが喉にできた場合は口内炎とは言わない

そもそも口内炎と言う名前自体が「口の中の炎症」と言う意味の一般名ですので、喉にできたら中咽頭炎です。扁桃にできることもあります。

とは言え、口内炎と同様の症状が中咽頭に見られたら「のどにできた口内炎」と説明されるケースもあるでしょう。

ちょっとややこしいのですが、「のど」と言う言葉は「喉」と「咽」の二つの漢字がありますね。のどには「咽頭」と「喉頭」と言う部分があり、咽頭はさらに上咽頭・中咽頭・下咽頭の3つの部分に分かれています。

咽頭や喉頭他のどの構造とそれぞれの名称

口を大きく開けて、一番奥に見えているのが中咽頭です。つまり、口内炎がのどにできたと言う場合、中咽頭にできたと言うことになります。そして、上咽頭は鼻の奥とのどを繋いでいる部分、下咽頭は消化管の始まりの部分になります。

一方、喉頭とは咽頭から分かれて気管に繋がる部分のことです。つまり、呼吸器の始まりの部分と言うことになりますね。声帯も喉頭の中に含まれます。

なお、風邪でのどが痛いと言う場合は、咽頭炎・喉頭炎のどちらでもあり得ますし、両方ともと言うケースも少なくありません。

以降、口内炎のそれぞれの症例写真がありますので苦手な方はご注意ください。

口内炎と言えば原因不明のアフタ性口内炎が圧倒的大多数

皆さんも多分ご経験ありますよね。私も何度か経験しています。口の中、どちらかと言うと前寄りに、黄白色の数ミリ程度の丸い盛り上がりと、ちょっと強めの痛みを伴います。口内炎と言えばこれ、と言えるぐらい典型的な症状ですね。

ところが、このアフタ性口内炎は、まだ原因が完全には特定されていません。特に治療しなくても1~2週間で治ってしまいますが、その間が鬱陶しくてたまりません。食べ物でも舌でも、何かが触れるたびに痛いですからね。

アフタ性口内炎は対症療法しか手段がない

アフタ性口内炎は赤みを帯びた縁と、黄白色の膜に覆われた潰瘍部が特徴で、大きさは直径1センチ以下です。

アフタ性口内炎の写真

アフタ性口内炎は様々な原因が想定されていますが、まだ特定には至っていません。ですので、治療は対症療法になります。しかも対症療法を行ってもすぐには軽快せず、放って置いても治る病気だけに治療効果はかなり限定的です。

普通にできる部位であればアフタッチと言うステロイド薬の貼り薬や塗り薬が処方されるでしょう。しかし、のどにできたものにそれは使いようがありませんね。

こうした場合はまず口の中を清潔にして、最後にアズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)水溶液のうがい薬でよくうがいして下さい。

お医者さんで処方してもらう綺麗なブルーのうがい薬です。

アズレンはカモミールの抗炎症成分で、炎症を抑え粘膜を修復する働きを持っていますので、口内炎やのどの痛みを鎮めるうがい薬として、そして胃薬にもなる優れたお薬です。しかも副作用はめったに起こりません。

アズレンは飲みこんでも大丈夫ですし、粘膜を治す効果は口内炎の所に流れて行くだけで発揮されますから、無理に長時間ガラガラやる必要はありません。

またうがいの後はすすがずそのままにしておきましょう。

このアフタと言う言葉ですが、英語や医学でよく使われるドイツ語、学問でよく使われるラテン語などではなくギリシャ語です。

紀元前の名医ヒポクラテスの時代に潰瘍と言う意味で使われた言葉だそうです。

口内炎の中にはがんに変化するものがある

現段階ではがんではないけれど、将来がんに進行する可能性のある口内炎と言う物がいくつか存在します。今回話題にしている喉のほうに現れる場合もあります。

ですので、気になったら口腔外科を受診されることをお勧めします。前がん病変と認められたら、組織を採って検査し、そのあとは経過観察になるでしょう。

白板症と紅板症

口の中に白っぽい部分ができて、拭ったり洗ったりしても取れない場合「白板症」(はくばんしょう)と言う状態だと考えられます。

白板症から一部癌化した症例の写真

口の中は粘膜でできていて、角質にならない組織ですが、これが角化するとこの白板症になります。

これ自体はがんではありませんし、前がん症状と言われますが、白板症が口腔がんや咽頭がんに進む可能性は1割以下です。それでも数%の可能性は残りますので、組織を採って検査するべきなのです。

また、もともとピンク色の粘膜である口の中の一部が、鮮紅色でビロード状のテクスチャに変わるものは紅板症と言う診断名になります。健康な部分との境目がはっきりしているのも特徴ですね。

紅板症の写真

場合によってはただれた感じのテクスチャに見える場合もありますね。この紅板症は白板症ほど良く見られる症状ではありませんが、見つかった場合半数ぐらいががん化する症状ですので、気になったらすぐ受診して下さい。

また、紅板症は見つかった時にはすでに口腔がんと併存している場合もありますから、さらに注意が必要ですね。紅板症・白板症ともに舌や歯茎を含めて、口の中のどこにでもできますし、周囲よりわずかに盛り上がった感じになります。

どちらも刺激痛を伴うことが多いのですが、場合によっては痛みがないこともあります。痛くないからと言って安心しないで下さいね。

扁平苔癬はがん化リスクは低めだが痛みは強い

扁平苔癬(へんぺいたいせん)は、口の中に白いレース状の角化と赤い炎症部分が同時に存在するもので、非常に治りにくい病変です。

頬粘膜扁平苔癬の写真

がん化することはまれですが、一応経過観察を行っておく方が良いでしょう。

炎症が強い場合はこすると出血することもありますし、症状の軽い時と酷い時が交互に現れる病変です。痛みがあるのでうがい薬やステロイド、抗菌薬などを使って治療に臨みますが、特効薬はありません。

白板症は手術対応も少なくありませんが、扁平苔癬は手術対応になることはまれです。

たばこは口内炎のほか口腔がん・咽頭がんの原因になる

これらの前がん病変に分類される口内炎は、現在のところ原因もはっきりしていませんが、口腔がん・咽頭がんの原因として喫煙が挙げられていますのでたばこはやめておく方が良いでしょう。

また白板症・紅板症ではありませんが、口の中の上の壁の硬い部分(硬口蓋)ののど寄りのあたりに白い斑点がたくさんできていたら、これは「ニコチン性口内炎」です。

名前の通りたばこの吸い過ぎによって、口蓋腺と言う小唾液腺に沿ってできる口内炎です。そしてニコチン性口内炎は前がん症状の白板症と併発することもあります。ですので治すには禁煙あるのみです。

この3つの前がん病変に加えて、ニコチン性口内炎は自分でも見つけられるため、口腔がんは早期発見率も高く5年生存率も高い病気なのです。

口の中はこまめにチェックしましょうね。

感染による口内炎の種類!カンジダ以外のウイルスが中心

口の中にはおよそ700種類の常在細菌が住んでいるとされています。最も多いのは歯垢のもとになるデンタルプラークの中に住んでいます。歯垢から歯石になると言う悪いイメージばかりが語られますが、必ずしもそうじゃありません。

これらは病原性の高いものではなく、普段は人間の免疫力によって病気の原因になることはありません。それどころか初期のプラークの中で繁殖している常在菌は、外からやってきた細菌が口腔内に定着するのを防いでくれています。

カンジダは口の中に常在する真菌

カンジダと言うと皮膚や粘膜に病変をもたらす真菌(カビの仲間)です。これが口の中で蔓延ってしまった場合、口腔カンジダ症と言う口内炎を引き起こします。

口の中に白い膜がくっつくことが多く、こすると剥がれますが、無理に剥がすと出血して痛みを伴うこともあります。

カンジダ自体は口や性器、皮膚や消化管に棲んでいる常在菌で、普通は人の健康に何の影響も与えません。しかし、

  • ビタミン不足
  • 抗生物質・ステロイドの長期内服
  • 加齢
  • 糖尿病
  • HIVや免疫抑制剤による免疫抑制

などで病原性が現れます。

口腔外科や内科を受診されてカンジダ症であることを確認してもらい、抗真菌薬やビタミン剤、乳酸菌製剤を処方してもらって治療することになるでしょう。

また、抗生物質やステロイドは一時中止することになると思います。

ヘルペスウイルスにより帯状疱疹が口の中に炎症をもたらすことがある

子供の場合、麻疹の前駆症状として口の中に炎症ができる場合があります。一方、大人の口内炎の原因になる感染症はヘルペスウイルス科かエンテロウイルス属のウイルスによるものが大半になります。

ウイルス性の口内炎は、小さな水ぶくれに始まり、すぐに潰れて潰瘍となった後かさぶたを作ります。いずれも非常に痛みが強いのが特徴で、場合によっては神経ブロックで対応することもあります。

ヘルペスウイルスでは単純ヘルペスによる口唇ヘルペスが口の中にも波及したと言うイメージですね。大変強い痛みを伴うことが多いです。原因ウイルスは単純ヘルペスウイルスの1型か2型です。

さらにヘルペスウイルスと言えば帯状疱疹が有名ですね。帯状疱疹が顔の神経である三叉神経の第II枝にできると、口の中にも影響が出て口内炎をもたらします。原因ウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルスです。

主に頬の内側や口の天井部分にできることが多く、のどにはできません。ただ、帯状疱疹は針で刺されたような短時間の痛みが繰り返されますので、早めに受診されることをお勧めします。

帯状疱疹ウイルスによる口内炎は、どちらかと言えば老齢の方に多く、大人であっても若い人には少ない症状です。

のどにできる口内炎はヘルパンギーナが最も多い

一方、エンテロウイルス属が原因の口内炎は、子供にもよく発生する症状です。主な原因ウイルスは2グループで「ヘルパンギーナ」と「手足口病」を引き起こすウイルスのグループです。

これらはいずれもエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA型を中心としたグループで、血清型だけが異なるものです。

このうち、特に夏風邪ウイルスであるヘルパンギーナは、口の中と言うより口峡部(口腔と咽頭の境目)に口内炎をもたらしますので、まさに「のどにできた口内炎」と言うことになります。

おそらく口内炎がのどにできて強い痛みがあると言う場合は、ヘルパンギーナがかなり疑わしいでしょう。

口内炎と言うには少し見た目が異なりますが、のどの奥に白い苔のような物が付いている場合は、溶連菌感染症も可能性として挙げられます。この場合はいわゆるイチゴ舌を伴うことが多いですね。

いずれもすぐに受診が必要な病気ですし、重症になると食事がとれず栄養状態に問題が出てきますので、病院で栄養補給と抗ウイルス剤、溶連菌の場合は抗生物質の投与を受けることになるでしょう。内科を受診して下さい。

のどが痛いと言えば風邪を連想しますが、ヘルパンギーナのような夏風邪ウイルスが口内炎を経由してのどの痛みをもたらすこともあるんですよ。

この場合、非常に痛いです…。

アレルギー性の口内炎は激しい症状のものが多い

アレルギーと一口に言っても、自己免疫疾患まで含めると実に様々な症状があります。いずれにせよ受診は必須ですから、病院へ出かけて適切な治療を受けて下さい。耳鼻咽喉科・口腔科を受診して下さい。

その中でも天疱瘡(てんぽうそう)と言う自己免疫性疾患は難病にも指定されていて、口内炎のみならず唇や顔、場合によっては全身に水疱とただれが発生します。

金属や医薬品によるアレルギーが口内にも炎症を起こす

お薬の副作用と言っていいでしょう、医薬品に対するアレルギーが口内炎をもたらすことがあります。多いのは抗生物質や鎮痛剤です。これらに対するアレルギー反応では口の中が真っ赤にただれると言った症状が出ます。

また、ニッケルなどの金属に対するアレルギーも存在します。金属アレルギーと言うのは、金属そのものに反応しているのではなく、金属と結びついたたんぱく質などを抗原としてアレルギー症状が起こるものです。

ニッケルは食器や調理器具などにも使われていますから、アレルギーの原因になることも珍しくありません。症状としては先に紹介した扁平苔癬と同じような感じになります。

扁平苔癬はまだ原因不明ですが、金属アレルギーが一因かもしれないと言う報告もあります。

慢性疾患がアレルギー性の口内炎を呼ぶこともある

歯周病などの慢性疾患が原因でアレルギー症状としての口内炎を呼ぶことも報告されていますから、歯周病や副鼻腔炎など口腔・耳鼻科系統の慢性疾患は早めに治しておきましょう。

変わったところでは歯根や歯茎、扁桃などにできた口内炎が膿を持ち、それに対するアレルギー反応が手のひらや足の裏に膿疱を作る掌蹠膿疱症の原因になることもあります。

アレルギー性の口内炎全体について、痛みが強い場合にはステロイド内服薬も用いられますが、多くの場合ステロイド外用薬やうがい薬、抗ヒスタミン剤などが用いられます。

意外なイメージの原因で起こる口内炎ですが、結構発生しています。特にお薬を飲んでいる時には副作用に注意しておいて下さいね。

のどの痛みにはほとんど関係がない口内炎

一番多いのは、頬の内側を誤って噛んでしまったと言う事故です。血豆で済むこともあれば咬み傷になってしまう物もあります。血豆も破れると傷になりますね。

こうした傷跡が潰瘍になって痛むのが外傷性口内炎の代表的なものです。のどの内側を噛むことはできませんから、のどの痛みには関係しないと言うことなのです。

歯や入れ歯が当たるのも傷になる原因

何らかの原因で歯の一部が舌や頬の内側に当たったり、入れ歯が合ってなかったりして口の中に傷を作ったことが原因の口内炎もあります。

また、入れ歯の手入れが悪くて細菌などが繁殖、それが口内炎をもたらすこともあります。

その他にも、歯科系のトラブルが口内炎の原因になることがありますので、虫歯がなくても定期的に歯科でお口の中のチェックを受ける習慣をつけておきましょう。

のどにはあまり影響しないが注意が必要なアフタ性口内炎

最初に、あまり心配のない口内炎として紹介したアフタ性口内炎ですが、2種類の「再発性アフタ」は少し注意が必要です。

どちらも再発性アフタと呼ばれるもので、慢性的にアフタ性口内炎を繰り返すものです。口内炎自体は心配のない単発のものと同じように、2週間くらいで跡形も残さす治ってしまいますが、すぐにまた新しいのができてきます。

その内の一つはビタミンB12や葉酸、ビタミンCなどのビタミンや亜鉛などのミネラル不足が原因していると言われている物です。この病態ではストレスや女性の生理不順も関係していると言われています。

いずれにせよ、身体の調子を整えることである程度軽快することの多いものです。

そしてもう一つが要注意なのですが、難病である全身性炎症性疾患、ベーチェット病の初期症状でもアフタ性口内炎の再発が繰り返されます。

口内炎の症状からだけではこの二つを見分けられません。

ですので、繰り返しアフタ性口内炎ができると言う場合は必ず受診して診断してもらって下さい。

ベーチェット病の98%で最初に再発性アフタが出ると言うデータがあります。

しかし、再発性アフタだからと言って98%がベーチェット病だと言うわけではないので誤解しないで下さいね。

危険な口内炎・危険でない口内炎

これまでに見てきた様々な口内炎ですが、アフタ性口内炎と自分で噛んでしまったものを除けば全部が受診対象になります。

一方、激しい症状がない場合はうがいで対処しながら様子を見ても、直ちに危険が出ることはあまりありません。

必ず受診すべき口内炎

口の中の傷ぐらい大したことないと軽く考えてはいけません。特に痛みがないと放置しがちですが、痛みがないものの中にはがんの可能性のあるものも含まれますから、油断しないで下さいね。

次のような症状の口内炎であれば、必ず受診して下さい。基本的には口腔外科か内科でOKです。

  • ただれている場合
  • 出血が続いている場合
  • 口内炎と健全な部分の境界がはっきりしない場合
  • 痛みが強く食事が摂れない場合
  • 何らかの医薬品を常用している場合
  • 悪寒・発熱・頭痛がある場合
  • 口臭がきつくなった場合
  • リンパ腺が腫れている場合
  • 舌の色が淡白色になっている場合
  • 見た目が悪いのに痛くない場合
  • 2週間以上続いている(アフタ性を含む)

このような場合は、口内炎が他の病気を原因にして現れていることが多いので、すぐに受診して下さい。

のどの痛みが出たら風邪と決めつけずに口の中をチェックしよう

以上のように、口内炎がのどの方に影響して、のどの痛みをもたらすことには意外にさまざまな原因があるのです。

ヘルパンギーナのように風邪のウイルスが口内炎を通してのどの痛みを出しているケースもありますが「のどの痛み=風邪」と決めつけず、のどの痛みが出たら、一度は口の中をチェックしてみましょう。

この時、懐中電灯などを利用して、しっかり奥の方まで見て下さいね。市販の風邪薬を飲んでおわりでは、症状が長引いてしまうかもしれません。

口の中のチェックは歯と歯茎だけじゃないんですよ。たまにはのどの奥までしっかりチェックして下さいね。

なお、扁桃の奥に白いものがのぞいていたら、おそらくそれは膿栓です。病気ではありませんが通称「臭い玉」と言うぐらいの代物ですので、耳鼻科で取り除いてもらって下さい。自分でやると粘膜を傷つけます。

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