健康生活TOP 胃痛 油ものに負けて胃もたれをおこす胃に!胃もたれ予防の食事法と食べ物

油ものに負けて胃もたれをおこす胃に!胃もたれ予防の食事法と食べ物

胃もたれで苦しむ男性

「とんかつ」「天ぷら」「エビフライ」そして「唐揚げ」…いや~揚げ物って本当に美味いですよね。特にビールやお酒のつまみにも最高で、至福の一時を演出してくれます。

しかし沢山の揚げ物の前で、悦にひたっていると少しずつお腹が張ってくる感じがするじゃありませんか?

「ムムっ」「ム・ム・ム」…「やっちゃった~胃もたれだぁ」特に私のように人生も半ばを過ぎると、ちょっと油っこい食べものを食べるだけで「胃もたれ」を起こしてしまいます。

私はこれからも美味しい油ものを食べて行きたいのですが、胃もたれはちょっと健康によくない感じがしますね。外食時にも気をつけたい油ものでの胃もたれ…何とかならないのでしょうか?

胃もたれって病気なの?症状とメカニズムから考えてみよう

「アイハブ ア 胃♪ アイハブ アン もたれ♪ ア~ン♪ 胃もたれ」ってな訳で、胃もたれとは胃に起きる「もたれ」症状のようです。

「もたれ」の意味を正確に考えたことなどありませんが、辞典で調べてみると「身体の重みをあずける」とか「寄りかかる」意味のようです。

つまり、胃もたれとは胃の中の内容物が、胃壁に寄りかかって重みを感じさせる症状を言います。このような症状が出る原因は一体何があるのでしょうか?

胃は食べ物を消化するのが役目

当たり前の話しで恐縮ですが、人間は食べ物を摂取することでエネルギーを得る生物です。エネルギーは食べ物を分解することで、吸収される栄養素であり、「糖質」「脂質」など様々な物質により生命が保たれているのです。

それではそのエネルギーを私達はどのようにして得ているのでしょうか?

エネルギーと言っても人間は電化製品ではないので、電池交換のように食べて直ぐにエネルギーになることはありませんよね。

まずは食べ物を「消化」して「吸収」する必要があるのです。そして胃の役割は食べ物を消化し、体内に吸収しやすい状態にすることです。

しかし、食べ物は多種多様であり、中には「硬いもの」「柔らかいもの」「繊維質のもの」など様々です。それらが混ざりあって胃に入り込むのですから、胃の役割もなかなか大変だと感じざるを得ませんね。

胃の消化作用 イコール 胃酸による分解作用

それでは胃の中に入った食べ物はどのようにして吸収できる状態へと消化されるのでしょうか?

そもそも消化とは「食べ物を吸収できるように溶解(分解)する作用」とされています。そしてここで言う「溶解(分解)」こそが大切なキーワードになります。

胃の中に入った食べ物はそのまま胃の中で温めても溶解することはありませんよね。皆さんも御存知の通り、胃の中には「胃液」と呼ばれる液体が入っており、これが食べ物を溶かして身体に吸収できやすくします。

胃液には「胃酸」と呼ばれる強い酸性の液体が含まれており、その成分が食べ物をドロドロに溶解します。

「あ~あのスッパイやつね!」と思った人は正解です。気分がすぐれずに嘔吐した場合や、ゲップをした時などに感じるスッパイ感じはこの胃酸によるものです。

しかし、この胃酸を単なる「スッパイ奴」などと梅干しみたいに扱ってはいけません。実は胃酸の成分はなんとあの「塩酸」だったのです。

身体の中に危険物質である塩酸があった

「塩酸」と聞けば皆さんは何をイメージしますか?学校の理科の授業で、塩酸を使用した実験を行った記憶がありますが、その液体は臭くて少し煙が出ていたように覚えています。

また先生が塩酸を使用する際には、手袋をしており、塩酸の瓶も鍵がかかる保管庫に仕舞われていました。

「劇薬」…そう塩酸は劇薬指定を受けている物質であり、使用には細心の注意が必要です。塩酸は誤って飲むと消化器官を傷つけてしまい命の危険もある物質です。

さらに皮膚にかかると皮膚が焼けたように溶けてしまい、またその煙を吸うことでも肺に大きなダメージを与えてしまうのです。

映画やテレビでは殺人犯が死体を隠すのに、バスタブに塩酸を入れて溶かしてしまったりするシーンがありますし、実際の事件でも塩酸を被害者の顔にかけて、顔が溶けてしまうことがありました。

このように危険な塩酸が胃液の主成分だったのですね。そしてこの塩酸を含む胃液と胃の組織のバランスが胃もたれを起こしている原因だと考えられます。

胃液が胃を溶かさないのは胃が丈夫だから?

胃液に含まれている胃酸の正体は、劇薬である塩酸ですが、ここで疑問が生じませんか?

「そんなに危険な塩酸なのに、なぜ胃は溶けないの?」そうですね、これは誰もが一度は思う疑問だと思います。特に学校で塩酸を習った子供からすれば、不思議に思わない方がおかしいくらいですよね。

昔の話ですが、知人の子供がお母さんに質問しました。「ねぇお母さん、どうして胃は胃液で溶けないの?」これに対してお母さんの答えがシュール過ぎます。

「そうねぇ胃は丈夫にできているから溶けないのよ!」…「・・・(子供)」…

考えてみましょう。例えば塩酸が手にかかるとどうなりますか?そのまま放置してしまうと皮膚は爛れて、一部分は溶けてしまうことが予想できます。つまり人間の細胞組織は、動物のタンパク質と同様に塩酸で溶けてしまいます。

つまりお母さんの言ったように塩酸に対して、決して丈夫ではないのですね。はっきりいいますが、人間の胃は胃液で溶ける可能性があります。特に「胃に穴が開いた」などの病気の多くが、胃液が原因による症状と考えられます。

胃が溶けない秘密!胃液から胃を守るバリアがある

子供の頃に嫌なことをされそうになると「バーリア!」と叫んだことがありますよね。(ありますよね…)バリアは昭和アニメでもお馴染みのもので、基地を怪獣から守るために使用されるものです。

実は胃が胃液の攻撃から身を守ることに使用されているのもこのバリア機能です。バリアと言っても透明で硬いバリアではありません。

胃を守るバリアは「胃粘液層」と呼ばれる粘液であり、この粘液状の組織が胃の内側(胃壁)を覆うことで、胃液からの影響を排除しているのです。

つまり胃粘液層は強い酸である胃液をアルカリで中和して、胃の細胞が傷つくことを防ぎます。そうすることで胃は胃液からの影響を受けることなく、胃に運ばれた内容物だけを消化することが可能になるのです。

胃は丈夫だから溶けないのではなく、胃液を中和する粘液バリアで守られていることで、胃酸からの影響を排除していたのです。

胃の中のバランスが崩れることが胃もたれの原因か

このように自らをバリア機能で胃液から守っている胃ですが、胃を健康に保つためには粘液と胃液のバランスが重要であることが指摘されています。

胃もたれは誰でも自覚したことのある症状ですが、従来までその原因は「胃の疲れ」「ストレス」などで片付けられていました。

しかし現在ではその多くが「胃液と粘液のバランスによる症状」と考えられています。つまり胃液が過剰に分泌されることで、本来粘液で守られているはずの胃壁が刺激されて、胃の拡張機能や排出機能に悪影響が出ると言うのです。

胃の拡張機能とは「胃が膨らむ機能」であり、ここに障害が起きるといつまでもお腹が張った感じを受けます。

そして排出機能とは消化した内容物を腸に送ることですが、いつまでも消化できないでいると、排出できずにここでもお腹のもたれ感の原因になるのです。

胃のもたれは胃の疲労と考えることもできますが、「胃の機能不全」と考えた方がよさそうですね。胃液と粘液のバランスを崩さないようにすることが予防にとっても重要なことなのです。

胃液の正体は塩酸でした。時間があれば鉄でも溶かすと言われている塩酸がお腹の中にあるなんて驚きですよね。

胃もたれを知った後は効果的な対処方を勉強しよう

胃もたれの多くが胃液と粘液とのバランスが崩れることで起きる症状ですが、予め対処法を理解していることで予防することも可能です。胃もたれのメカニズムを理解した上で、対処法をマスターしましょう。

食事の順番を考えてみよう

胃液と粘液のバランスを守るには、直接胃壁に強い刺激を与えることを避ける必要があります。

例えば朝から何も食べていないで居酒屋に行くことがありますよね。珍しくないことですが、宴会シーズンにはこのような人を多く見かけます。

「カンパーイ!」とまずビールをゴクゴクと飲むのですが、これは胃壁に炭酸による刺激を与える要因になります。さらに何も食べていないので、刺激を和らげることもできないので胃は「食べ物が入った」と勘違いして大量の胃酸を分泌します。

胃酸が分泌されても内容物は水分とアルコール、結局大量の胃液は空振りを食った形になって、胃壁を攻撃することになるのです。

食事をする際に注意したいのは、胃が空っぽの状態で強い刺激を与えないことです。そのためにはまずはサラダなどの野菜を先に食べてから、強い刺激のある食べ物を食べるようにしましょう。

また空きっ腹にアルコールを飲む行為は、胃液の過剰分泌の原因になりますので、まずは軽く食べてから飲むことを心がけたいですね。

油ものは消化しにくいことを理解する

「からあげ」や「とんかつ」などは胃もたれを起こす代表的な食品ですが、これらは一般的に「油もの」と呼ばれていますよね。油ものは胃もたれと切っても切れない関係なのですが、この原因は油に含まれる成分にあります。

肉にはタンパク質と脂質が含まれますが、特に脂質(脂肪)は消化しにくい成分に該当します。あれだけ強力な胃液であっても、大量の脂肪を消化するには時間がかかり、食べ過ぎることで消化不良を起こしてしまうのです。

また揚げ物や炒め物に使用する油も同様です。料理の素材に脂肪が含まれていなくても、調理に大量の油を使用していては同じことが起こるでしょう。

油ものは胃もたれの原因になりますので、食べる量を考えて食べすぎないように注意しましょう。特に自分のリミットを理解することも大切だと思います。

油の種類を理解して消化しやすい油を選ぶ

油は胃もたれの原因になりますが、油の種類を考えるだけで影響を緩和することは可能なようです。つまり一般的に使用されている「サラダ油」よりも「オリーブオイル」や「グレープシードオイル」は、胃もたれを起こしにくいと言われています。

またオリーブオイルやグレープシードオイルには、抗酸化作用があるので積極的に使用するのもよい食材だと思います。

反対に「ラード」などの動物性の油は、消化しにくく食べ過ぎると胃もたれを起こす原因になるので、使用は限定的にした方がよさそうですね。

古い油は使用しないようにする

皆さんは天ぷらやフライをした後の油をどうしますか?多くの人は油専用の容器に保存して数回は利用すると思います。

実は油は熱を加えることで、成分が変化して酸化する物質です。つまり何回も使用することで、どんどん酸化してしまい胃に負担をかける原因になるのです。

街の定食屋さんに行くと「この油いつ変えたのだろう?」と思うくらいの真っ黒い油を使用していることがありますが、このような油は胃もたれを起こすきっかけになります。

特に自宅で作ったフライでは胃もたれが起きない人が、レストランやお弁当屋さんのものでは胃もたれを起こす場合には、油の古さが関与しているケースがあります。

「もったいない」と考えないで古い油を使い回しすることは極力避けるようにしましょう。

食事の際には適量な飲み物と一緒に

日本では食事はそのまま食べて、最後にお茶を飲む風習があります。特にお酒を飲まない人は、食事では味噌汁、最後にお茶と言うパターンが多いようです。

しかし水分を含まない食事は、胃もたれの原因になる可能性があります。水分が少ない食事では咀嚼も上手くできずに、固まった状態で胃に入り込むことがあります。

水分を口に含みながら咀嚼することは、消化の前段階として十分な働きが期待できますので、食事の際には飲み物も忘れないようにしましょう。

また炭酸水は胃壁を刺激して胃液の分泌を活性化させる作用が期待できますのでオススメです。あくまで炭酸水ですよ…ビールではありませんから。

胃薬を上手に利用するもの賢い選択

薬は病気になったり、体調が優れなかったりする時に利用すると考えがちですが、実は予防に使用することも珍しいことではありません。

特に胃もたれの症状では胃薬を予め使用することで、その症状を防ぐことが期待できるのです

年末などの忘年会シーズンになると「飲む前に○○」や「お食事前に△△」などのコマーシャルを見かけますが、これらの薬は予め飲むことで胃の働きをサポートして胃もたれの発症を防ぐ作用があります。

特に飲み会などでは食事よりもお酒を優先的に飲まなくてはいけないシーンがあります。また接待が多いと自分が先に食べることなどはできないですよね。

胃薬を上手に利用すると胃壁を強い刺激から守り胃もたれを防いでくれますので、常に持ち歩いて「ヤベっぞ」と思ったら積極的に使用しましょう。

今や胃薬は「食後」ではなく「食前」だと言うことを忘れてはいけませんよ。

油は古くなると酸化して食べることで胃もたれだけでなく様々な悪影響を与えます。新しい油を使用するようにしたいですね。

胃もたれ予防に最適な食べ物はずばり「キャベツ」

皆さんの好きな野菜は何ですか?「ニンジン」「じゃがいも」「トマト」…うーん全て栄養もあって大切な野菜ですね。

しかし忘れていませんか?胃もたれの原因になる油ものと言えば忘れてはいけない野菜があります。そしてそれが胃もたれ改善に大きな働きを行うのです。

胃腸薬のキャベジンはキャベツの成分だった

昭和世代の私たちにとって、胃腸薬と言えば「キャベジン」でした。キャベジンは古くから親しまれている市販薬で、子供の頃からひっきりなしにテレビコマーシャルを見ています。

近年では進化して「α(アルファ)」がついて「キャベジンα」になったようですが、いや~出世したものだと感心しています。

でも子供の頃から聞き慣れているキャベジンだからこそ、気が付かなかったことがあります。それがキャベジンとキャベツの関係だったのです。

「キャベツ…キャベツ…キャベチュ…キャベジュ…キャベジン」まあ、似ていると言えばそうですが、そこまでキャベジンについて深く考えることはありませんでした。

しかし調べてみると、キャベジンはキャベツに含まれる成分で作られた薬で、その成分は傷ついた胃の組織を修復して、胃もたれや胃痛を改善する働きがあるのです。

キャベツに含まれる成分を紹介します。

  • ビタミンU
  • リゾホスファチジン酸(LPA)

ビタミンUは胃の粘膜組織を修復する

もともとキャベジンは商品名ではなく、キャベツから見つかった成分の名称です。この成分は胃の傷ついた粘膜組織を修復して、胃液による刺激から胃壁を守る作用があります。

便宜上「ビタミンU」と呼ばれることのあるキャベジンですが、この「U」の文字は潰瘍を意味する「ulcer」から来ています。つまり潰瘍を予防修復するビタミンと言うことですね。

ビタミンUは胃液と粘液とのバランスが崩れた時に、胃液の分泌を抑えて胃液による悪影響を抑える働きがあります。そして傷ついた粘膜を修復して胃もたれや胃痛を防止してくれるのです。

ビタミンUはビタミンBやビタミンCと違い、正式なビタミンには含まれていないので、「塩化メチルメチオニンスルホニウム」や、「S-メチルメチオニン」と表記されることもあります。

キャベツから新しく発見されたリゾホスファチジン酸(LPA)

キャベツによる胃もたれ効果はビタミンUだけではありません。最近注目されているのが「リゾホスファチジン酸(LPA)」と呼ばれる成分で、これも胃の粘膜組織を修復させる作用があるのです。

リゾホスファチジン酸はキャベツを食べるだけで摂取できるの成分ではなく、キャベツを噛むことで酵素が働き作られる成分です。つまり包丁で切ったりよく噛んで食べたりすることでリゾホスファチジン酸が作られていたのですね。

キャベツはビタミンUとリゾホスファチジン酸のダブル効果で、胃もたれ改善に効果があったのです。

キャベツ効果を実感するには生で食べなくてはいけない

このように胃の粘膜組織を修復して胃もたれを改善してくれるキャベツですが、この作用を十分に実感するにはある条件があります。

それが「生食」です。寒い日にロールキャベツなんて最高ですが、実は加熱した調理法ではビタミンUもリゾホスファチジン酸も得ることはできません。

あくまで生で食べることで、これらの栄養素を吸収することが可能になるのです。またよく噛むことでリゾホスファチジン酸は作られますので、キャベツのサラダは千切りでよく噛んで食べることをオススメします。

とんかつに大量の千切りキャベツが添えられていますが、これは理想的な胃もたれ予防法と言えます。まずキャベツを食べてからとんかつを食べれば、効果は抜群です。

キャベツはぜひおかわりして下さいね。

言われてみればなるほどのキャベジンですが、キャベツは大腸がんなどの予防にも効果的との報告があるようです。家庭で常備したい野菜です。

慢性的な胃もたれは病気のサインかもしれない

胃もたれは誰にでも起きる症状ですが、それが慢性的に続くようであれば病気のサインである可能性があります。

胃もたれの症状を引き起こす病気とは

健康な身体の人であっても場合によっては胃もたれの症状が現れることがあります。しかしこれらは一過性のもので、翌日には改善することも多く、慢性的な症状となることはありません。

しかし、中には慢性的に胃もたれの症状を訴える人もおり、中には「年がら年中胃もたれだよ」と話す人もいます。

このような症状に心当たりがある人は、もしかしたらそれは胃もたれではないかもしれません。前述した通り胃もたれと感じる原因は、胃液による胃壁への刺激です。

つまり病気によって胃の内側に損傷がある場合でも、胃もたれと同様の症状を引き起こす可能性があるのです。

胃もたれの症状が出る主な病気を以下に紹介します。

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃がん
  • 心筋梗塞
  • 肝炎
  • 腎炎
  • 膵炎
  • 胆嚢炎
  • その他

慢性的な胃もたれでまず疑うのは胃潰瘍

胃潰瘍は胃の中で機能しているはずの粘膜機能が低下して、その部分の細胞がえぐられて潰瘍となっている状態を指します。

バリア機能が働かなくなっているので、胃液による酸攻撃で細胞は溶けて炎症を起こした状態になっており、胃の不快感や痛みを伴う症状が一般的と言えます。

胃潰瘍の原因には様々なものがありますが、近年では「ピロリ菌」と呼ばれる細菌が胃粘膜のバリア機能を低下させて住み着くことが定説となっています。

本来胃液は強い胃酸が成分のため、入り込んだ細菌やウイルスを死滅させる働きがあります。しかしピロリ菌は胃粘液と同じく、強アルカリで胃酸を中和して胃壁に住み着くことができるのです。

胃壁に住み着いたピロリ菌は、自分の周辺組織を中性にしてしまうことで、胃のバリア機能を壊してしまうのです。まぁ基地に入り込んだスパイが、バリア装置を破壊するみたいなものですね。

近年ではピロリ菌の除去技術が進化しており、いくつかの薬剤を服用することでピロリ菌を除去することが可能になっています。(まだ100%ではありませんが)

以前はピロリ菌の検査は胃内視鏡検査で、胃壁の細胞を採取して行っていましたが、現在では呼気や血液検査で簡単に行うことができます。

慢性的に胃もたれ症状がある人は、必ずピロリ菌の検査を行い、陽性であれば除菌治療を受けるようにしましょう。

胃がんは胃で最も注意するべき病気

胃に悪性腫瘍ができる「胃がん」は、胃の病気の中でも最も注意しなくてはいけない病気です。昔は「胃がんで2/3も胃を摘出した」とか「全摘出した」などの話しを聞きましたが、最近ではちょっと事情が変化しているようです。

その答えはやはりピロリ菌。ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすだけでなく、胃がんの原因でもあったのです。

つまり近年ではピロリ菌の検査や除菌治療が普及したことで、胃がんの発症数が減少傾向にあります。特に健康保険の対象になってからは、啓発運動も重なって除菌する人が増加しています。

また除菌は早いほうがよいのですが、病気になってからでも除菌をすることで再発を少なくさせる効果もあるようです。胃がん予防の観点からもピロリ菌の検査は必須ですね。

心筋梗塞と胃もたれって関係あるの?

心筋梗塞や心不全は心臓の機能が何らかの原因(血管の梗塞など)により低下することで起こります。これらが発症すると額からは脂汗が出て、強い締め付けられるような痛みを感じます。

しかし軽度の症状ではそこまで強い痛みではなく、絞られるような鈍い痛みとして感じられることがあります。

本来は心臓の痛みなので胸に痛みを感じるのですが、心筋梗塞の場合では胸と言うよりも胃の痛みとして感じることが多く、多くの心筋梗塞患者が胃痛として認識していることからも裏付けできます。

また背中に痛みを感じることから、肩こりや寝違えと勘違いすることもあるようです。

慢性的な胃もたれでは食後だけでなく、一日中胃もたれを感じることもありますが、そのようなケースでは心臓も疑うことが大切なのです。

様々な臓器の炎症で吐き気がする

胃もたれが続くと軽い吐き気のような感触を受けることがありますが、このような状況では臓器の炎症を心配することも大切です。多くの臓器において炎症により吐き気を伴う症状が現れることがその理由です。

「肝臓」「腎臓」「膵臓」「胆嚢」などの臓器で炎症が起きると、様々な症状が現れますが、中でも吐き気や嘔吐は共通した症状と考えられます。

特に炎症が起きた初期には軽い吐き気として感じますので、胃もたれと勘違いすることも珍しくないでしょう。

慢性的な胃もたれを感じた場合は、病院で血液検査により各臓器の機能状態を調べてもらう必要があります。

なかなか治らない胃もたれには何か原因があるはずです。病院で医師の検査を受けるようにして下さい。

新しい胃もたれの概念が機能性ディスペプシア

人間には胃の強い人と弱い人がいますが、弱い人のことをよく「神経性の胃炎」と呼んでいました。要は「気が小さいから胃が弱いのだよ」みたいな意味ですが、近年ではこのようなことは言われなくなっています。

ストレスが胃の状態を左右することは否定できませんが、現在では「機能性ディスペプシア」なる難しい病名の病気が犯人として注目されています。

検査しても異常がない胃もたれが機能性ディスペプシア

慢性的な胃もたれを感じるとまず病院で検査を受けることになりますよね。多くは上部内視鏡検査(胃カメラ)による検査で、胃の状態を直接医師が確認することができます。さらにピロリ菌の検査も行うことになるでしょう。

大抵はこの検査で原因が判明するのですが、中には全く異常が見受けられないことがあります。このように症状を自覚しても検査で異常が見つからない胃の問題を「機能性ディスペプシア」と分類することにしました。

【機能性ディスペプシア】

胃や十二指腸で痛みやもたれなどの症状があるが、検査では異常が見つからない病気。ディスペプシアとは「消化不良」の意味を指す。

胃の機能が働かないのが原因

機能性ディスペプシアは胃の機能が正常に働かない機能性異常が原因と考えられており、特に「胃の膨らみ」「排出機能」などに問題が出ることで発症すると考えられます。

胃は食べ物が入ると上部が膨らんで、それらを貯留する機能があります。しかしその機能が働かずに胃が膨らまないと、少し食べるだけでお腹は張ってしまい胃もたれを起こしてしまいます。
また食べ物をスムーズに十二指腸へ送る排出機能が働かないと、内容物が詰まってしまい胃もたれを発症させます。
さらに歯の「知覚過敏」のように胃壁にも知覚過敏があり、少ない食べ物でも強い刺激となって胃壁が感じることがあります。この場合においても脳は胃が満腹状態と判断して、胃のもたれの感覚を受けることにあるでしょう。

機能性ディスペプシアは胃には大きな病気は起きていないので、放置しても命の危険があるものではありません。しかし放置することで将来的には胃の機能全般に問題を生じさせる危険性があるので、病院で医師の診察を受けるようにしましょう。

機能性ディスペプシアの対策は規則正しい生活から

機能性ディスペプシアはそのままでは病気として扱われないかもしれませんが、正しい対策を取ることで症状を改善させることが可能です。

まずは規則正しい生活を心掛けて、油ものや消化の悪いものを大量に食べることはやめましょう。特に食事は規則正しく深夜や寝る直前に食べることは、胃の負担になるのでオススメできません。

また喫煙や過度のアルコールも機能性ディスペプシアを発症させる原因になります。注意したいですね。

機能性ディスペプシアは最近注目されている新し病気の概念です。検査で異常なしと言われても症状があれば安心しないことが大切です。

なかなか治らない胃もたれも諦めないで

慢性的な胃もたれであっても、原因を解明できればそれを改善させることは可能です。特に胃液が過度に分泌されることが原因の胃もたれでは、薬剤を使用して胃液の分泌を押させることで症状を抑えることが可能です。

また胃が傷つく原因である胃粘液の分泌を促進する薬もあります。まずは原因をよく解明してから、対処することで大部分の症状を改善させることが可能になるのです。

慢性的な胃もたれでない人も、食事や日常生活を考えるだけで胃もたれとは縁のない生活が送れるかもしれませんよ。

私は若い頃に胃潰瘍と診断されて、胃が慢性的に痛んでいました。しかしまだ当時は珍しかったピロリ菌の除菌を受けてからは、このような症状はどこかへ飛んで行ってしまったのです。

現在では毎日キャベジン…いや違ったキャベツをサラダで食べて、胃に優しい生活を送っているつもりです。早食いなのは治らないのですが、まぁ一つでも気をつけているので許して下さい。

皆さんもキャベツを食べて胃もたれのない生活を楽しみましょうね。

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