健康生活TOP 胃痛 前触れなく起こる胃痙攣の原因は?症状を見て正しい対処法を

前触れなく起こる胃痙攣の原因は?症状を見て正しい対処法を

腹をおさえる男性

胃痙攣を経験されたことのある人も多いでしょう。その時どうやって対応されましたか?救急車のお世話になった人もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、多くの場合数分から数十分で痛みが治まることが多いので、治まったからOK…と言う人も多いでしょう。でも、その対応は良くありません。

胃痙攣の正体とその対処法について、正しい知識をしっかりつけておきましょう。恐ろしい病気が隠れているかもしれませんからね。

「胃痙攣」でまとめられている?緊急性のある数々の病気とその症状

いわゆる「胃痙攣」と言う言葉には、みぞおちのあたりに起こる激痛全般を指していることが多いのです。ですから、本当に胃の筋肉が痙攣している場合もあれば、症状としてそれに似ているだけの場合もあります。

みぞおちのあたりを心窩部(しんかぶ)と言いますが、この心窩部にはさまざまな臓器が入っています。そのため、この部位に何らかのトラブルが起こった時、痛みを感じる場所と実際に病変がある場所が一致しないこともあるのです。

関連痛とか放散痛とかの名前で呼ばれることがあるこの現象ですが、そうしたことがあることを知っておかないと、正しい治療に繋がらないこともあるので注意が必要です。極端な例では心筋梗塞で歯が痛むなどの症状があります。

そもそも、「胃の筋肉が痙攣している」と、腹痛で苦しんでいる本人が診断できれば、お医者さんの立場がありませんよね。もっとも、それ以前に何度か発症していて、医療機関で診断を受けた経験があればそこから判断できるかもしれませんが。

上半身に強い衝撃を受けた後の激痛

何らかの事故などで、お腹や背中を強打したことがあった時は、その場では大丈夫でも、しばらくたってから腹部に激痛が起こることがあります。その場所はお腹の中心であったり胸であったり、脇腹から背中にかけてであったりと様々です。

いずれにせよ、強い衝撃を受けたあと胴体部分に強い痛みが発生する場合、これは胃痙攣などではありません。その衝撃で内臓や血管に大きな傷を受けてしまっている可能性がありますので、場合によっては救急車を呼んですぐに病院に直行して下さい。

大動脈が損傷している場合、救急車で病院に到着する前に死ぬことも普通にあります。ですので、本来なら胴体に強い衝撃を受けた場合は、痛みがなくとも受診して内臓の検査を受けた方が良いです。

特に衝撃を筋肉で受け止められない腹直筋から外れた位置への衝撃や、胴体全体に広く強く衝撃を受けることは、危険度が高くなります。また腹直筋が強くない人でも衝撃が内臓に伝わりやすいので危険ですね。

あまり話題に出したくない例ですが、DVでお腹を蹴られたなどの場合、その事実を隠そうとして病院で黙っているのは絶対だめです。その理由については黙っていても良いですから、最低限「お腹をぶつけました」とだけは言っておいて下さい。

診断がついて、外傷性の物であったことが明らかになってから、その理由を話しても良いですし、理由については話したくないと主張しても良いです。

子宮外妊娠とクラミジアによる痛み

正常な妊娠のつわりでも、胃が痛くなることは良くあります。しかし、子宮外妊娠で不正出血が続いた場合、当の本人が妊娠に気づいていないことがあるのです。

特に子宮外妊娠の破裂では強烈な痛みが出ます。普通の腹痛なら、何となくお腹が痛くなって徐々に強くなってきたと言う感じなのに、この場合、何時何分に痛みが始まったと特定できるくらい突然の激痛になります。

そんな感じの強い腹痛が出てしまったら、ためらわず救急車を呼んでください。

また、クラミジア感染が心窩部・上腹部痛の原因になる場合もあります。クラミジア感染症の1割が肝臓周辺にまで炎症が及んでこうした痛みの原因になるとされています。

性器クラミジア感染症は無症状のまま進行することが多いので注意が必要です。感染力は割合強いので、パートナーを変えるごとに検査は必須ですね。

クラミジアは若い女性に多い病気ですが、男性でもその半分程度は感染者がいます。特に高校生から成人前が最も多いのが懸念材料です。クラミジアの感染率は女子高校生で13.1%、18~19歳女性で13.4%と言うデータがあります。

男子高校生や成人前男性ではその半分程度と言うことです。また、感染率は年齢が上がるほど下がることを見ると、どこかの機会で治療を受ける人が多いと言うことでしょう。40代になると感染率は女性で4%、男性で1%にまで下がります。

ですので、若い世代の強い上腹部痛は、念のためこれも疑う必要があります。

クラミジアと胃痙攣って、常識的には繋がりませんよね。でも、心窩部痛・上腹部痛と言うのはそれほど広い範囲を考えなければいけないものなのです。

軽いものならいざ知らず、冷や汗やうめき声が出るレベルなら迷わず受診してほしいと思います。そして他にも様々な原因が考えられるんですよ。もう少し見てみましょう。

消化管炎・消化管潰瘍とそれを原因とする痙攣

胃の痛みだったはずなのに、トイレに行って排便すると軽くなるという場合は、痛みが響いていただけで実際の患部は大腸と言うケースも少なくありません。ただ、ただの大腸炎なのか潰瘍性なのかによって痛みのレベルは大きく変わります。

また、炎症性の消化管疾患の中には難病指定されている物もありますから注意が必要ですね。特にクローン病では強い痛みを伴うことがあります。

一方、睡眠中、胃のあたりが痛くなって目が覚めたといった症状は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の可能性が高くなります。これらは強い腹痛を起こすものの中で比較的多いものですが、正しく受診すれば危険性はそれほど高くありません。

腹部大動脈瘤破裂や大動脈解離

もっとも危険な腹痛は「おなかの不快感や軽い腹痛などの予兆がなく、突発的に激痛が起こり顔面蒼白・冷や汗を流す」と言うものです。これは腹部大動脈瘤破裂や大動脈解離の可能性があります。

場合によってはその痛みが全身を駆け巡るような状態もあるそうですね。直ちに救急車で病院に直行です。

また、腸間膜に血液を送る動脈が詰まって起こる激痛もあります。これは発症から6時間以内に治療を開始しないと腸の壊死につながりかねません。

この2つは、胃痙攣と呼ばれる可能性のあるものの中で最も緊急性が高いものです。その他にも、先に紹介した子宮外妊娠破裂や、胃穿孔も激しい痛みが急にやってきますし、緊急措置が必要となるでしょう。

胆石が原因の急性胆管炎

悪寒や震えを伴う胃痙攣症状は胆石が原因の急性胆管炎の可能性があります。右の肋骨の下に手を当てて息を吸い込むと、痛みで息が止まる場合も胆のうの病気の可能性があります。ただ、こちらは熱がない限り入院は必要にならないかもしれません。

一方、症状によっては手術対応になるでしょう。それでも内視鏡手術ですからそれほど大変なものではありません。手術を提案されたら、内容が良く理解できるまで説明を聞いたうえで受けられることをお勧めします。

急性膵炎と慢性膵炎

椅子に座って体を前に倒すと楽になる胃の痛みは急性膵炎も疑われます。急性膵炎の場合、わき腹から背中にかけての範囲に黄色~褐色や、赤黒いあざができていたら超緊急で一刻を争います。119番通報の際に、必ずそのことを伝えて下さい。

同じ膵炎でも、慢性膵炎になると胃痙攣のような激痛は珍しく、長く続く鈍痛と感じられることが多いようです。脂肪を多く摂った時に鈍痛が強くなることが繰り返されるようであれば、慢性膵炎を疑って受診される方が良いでしょう。

慢性膵炎もしっかり治療しないと膵臓がんに進行する恐れがありますから、すぐに治療を開始して下さい。

本当の胃痙攣(平滑筋の異常収縮)

まず一番に挙げられるのは、本当に胃の筋肉が痙攣を起こしている場合です。胃の筋肉は、手足や心臓の筋肉である横紋筋とは異なり、平滑筋と言う種類の筋肉でできています。

平滑筋は自分の意志では動かせない不随意筋です。つまり、自律神経によって支配されている筋肉だと言うことになります。

随意筋不随意筋などの筋肉の種類

また、平滑筋が収縮するメカニズムは心筋や骨格筋の横紋筋とは異なるため、収縮速度もゆっくりです。ですので、同じ痙攣と言っても、ふくらはぎに痙攣が起こるこむら返りとは、必ずしも同一の現象とは言い切れません。

レアケースや胃痙攣的症状とは少し異なる病気

また、めったにない病気ですが、肝硬変にまで肝臓の状態が悪くなっている人が、このような症状を訴えたら、肝細胞がんの可能性もあります。それが破裂することで強い痛みが出るケースがあるのです。

そのほか、それほど強い痛みでない場合も少なくないのですが、最初に上腹部が痛み、翌日にはおへその周り、さらに右下腹部に移動すれば、いわゆる盲腸(虫垂炎)です。

このように、胃痙攣のひとことでまとめられてしまっている中には非常に多彩な病気の可能性が含まれているのです。

不安を感じたらすぐに受診するのが大切ですよ。

原因の多くはストレス!?胃が痙攣を起す原因となる病気

さて、これまでにお話ししてきたような「胃痙攣と呼ばれることもあるけれど、実際には胃の痙攣ではない様々な病気」ではなく、実際に胃が痙攣するということについて見てゆきましょう。

胃も筋肉でできていますから、胃に直接働きかける何かの原因で胃の筋肉が痙攣を起こしてしまうことがあります。しかし、多くの場合背後に別の病気が隠れていて、それが原因で胃の筋肉の痙攣が引き起こされるのです。

胃痙攣を引き起こす病気

ストレスが原因と言えば胃炎や胃潰瘍が有名ですが、この二つは直接胃壁の痙攣を引き起こすことがあります。また十二指腸潰瘍でも胃痙攣が呼び起こされることがあるようですね。

さらに、胃軸捻転(胃がねじれること)がありますが、これは赤ちゃんに多く、その場合はそれほど問題になりません。一方、レアケースになる大人の胃軸捻転では、その病気そのものが強い痛みを出すので、受診されない人は珍しいでしょう。

つまり、胃の筋肉の痙攣は、胃の付近に何らかの病変、特に「胃が痛む病気」があって、それによって引き起こされると考えて差し支えないでしょう。

そして、それらはストレスによって引き起こされることが多いので、いわばストレスは直接的・間接的に胃痙攣を呼ぶと考えてもらうのが適切だと言うことです。

胃痙攣の予防は肉体的ストレスの排除から!

ストレスと言うと、どうしても精神的ストレスに意識が向きがちですが、肉体的ストレスの方がより直接的に病気を引き起こすことがあります。ですので、肉体的ストレスが発生しないように注意することから始めましょう。

精神的ストレスに比べて、直接的な影響が多いとはいえ一方で排除しやすいストレスであるとも言えるからです。つまり、胃に発生する痙攣や原因疾患ですから、胃に直接ストレスを与えるものを排除すればいいということになります。

熱すぎる冷たすぎる物は避け、暴食をしない

まず、熱すぎたり冷たすぎたりする飲食物を避けることを意識して下さい。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」などと言いますが、あれは胃の中の知覚神経の少なさが原因で起こる現象なのです。

もちろん、食道を通過して行くうちにある程度温度が下がるということもあるでしょうが、胃の中は熱さを感じていないだけで、蓄積される可能性のある小さなダメージを受けていると考えた方が良いでしょう。

一方、冷たい飲み物などは、あまり好ましくないだろうということは言えるのですが、苦痛なく飲める温度のものについて、根拠となるデータが見つかりませんでした。ですので、一応ほどほどにしておきましょうねと言うことになります。

さらに、もう一つのストレスは「食べ過ぎ」です。食べ過ぎておなかが苦しいというのも、たまになら悪くありませんが、毎月とか毎週というレベルで存在すると、胃に対する負担はバカにできません。

物理的に胃と言う内臓に力が加わりすぎるだけでなく、消化するための負担も、胃にとっては大きなストレスになるのです。

民間療法ではカモミールティーだが原因疾患があると効きにくい

昔から胃痙攣と言うとカモミールやそのハーブティーが良いと言い伝えられています。これは胃痙攣の原因になる胃の粘膜の荒れを修復する働きがあるからです。

15世紀ごろにはすでにカモミールのエッセンシャルオイルが採られ始めていて、お薬としても使われていたようです。このエッセンシャルオイルの主成分はアズレンと言う、防虫剤ナフタリンの構造異性体です。

アズレンは粘膜を補修する力があるので、現代でも効果は緩やかながら胃炎や胃潰瘍の治療にも用いられています。副作用がほとんどない安心なお薬で、うがい薬やのどスプレーにも使われる青いお薬です。

一般的にはアズレンスルホン酸ナトリウムと言う形で用いられていますね。ですから、胃粘膜に問題があって、その刺激で胃痙攣が引き起こされている時には有効でしょう。

また、良い香りのするハーブティーですから、ストレス軽減にも役立ちます。一方で、胃粘膜以外に原因疾患がある場合には効き目はあまり期待できません。

お酒・たばこ・刺激物は避けるべきものの王道

もう一々説明するまでもないという気もしますが、お酒・たばこ・刺激物は胃に対する肉体的ストレスそのものです。健康であれば、低度数のお酒を控えめに飲んだり、ホットすぎない程度のスパイスを使ったりと言うのは問題ありません。

しかし、蒸留酒のストレートやハバネロペッパーなどは胃粘膜を直接荒らす恐れが非常に高いものです。ものにもよりますが、多くの人が「強い酒」「辛いもの」と感じるようなレベルのものは控えておきましょう。

そして、胃の調子が悪い人は、やめておいた方が無難ですね。

たばこに含まれるニコチンは毛細血管を収縮させるため、胃壁の血流量を減らし、胃壁の防御機構を弱めます。同時に、ニコチンは胃酸の分泌を高めるため、胃壁を傷める要素が増えます。

さらに、十二指腸に分泌される消化液の胆汁が胃に逆流して胃を傷めやすくなるのもたばこによる悪影響と考えられていますので、直接・間接を問わず喫煙は良くありません。

注意しないといけないのは「精神的ストレス」解消のために飲むお酒などが「肉体的ストレス」そのものだということですね。

ストレス解消も方法の選び方は慎重に行いましょう。

習慣的に起こるものであれば市販薬で一時しのぎはできる

何度か経験している胃痙攣であれば、とりあえず医療機関に出向く間の一時しのぎに市販薬を使うことは可能です。もちろん、ひどい痛みの場合、効かないこともあります。たとえ効いても、できれば病院へは出向いて下さいね。

胃痙攣自体はそのお薬である程度は抑え込めますが、飽くまで症状を抑えているだけで、元になる病気には全く効きませんから注意しておいて下さい。

痛みを止めるお薬と言うと「鎮痛剤」と考えるのが普通ですが、ロキソニンなどのような解熱鎮痛薬は胃痙攣のような胃の痛みには効きません。胃の痛みに使われるのは鎮痛鎮痙薬と呼ばれるジャンルのお薬です。

基本的には消化器の働きを活発にする副交感神経の働きを遮断するお薬です。それによって、胃壁の平滑筋の痙攣を抑え、痛みを止めるという働きをしています。

処方箋薬で使われるものも、市販薬に降りてきている例も見かけますので、使えるものもあるんじゃないかと思います。主成分ごとに市販薬の商品名を紹介しましょう。

最もメジャーな成分、ブチルスコポラミン臭化物

この成分は病院で処方される鎮痛鎮痙薬、ブスコパンの名前で知っている人が多いのではないでしょうか。ブスコパンは市販薬にもなっています。これを主成分にしているお薬を見てみましょう。

ブスコパンA錠(エスエス製薬)

ブスコパンA錠商品画像

ブスコパンMカプセル(エスエス製薬)

ブスコパンMカプセル商品画像

ブチスコミン(佐藤製薬)

ブチスコミン商品画像

ストマオフ糖衣錠(ゼリア新薬工業)

ストマオフ糖衣錠商品画像

このほかちょっと変わったところでは、生理痛のお薬「エルペインコーワ(興和)」にもブチルスコポラミン臭化物が配合されています。主成分は解熱鎮痛薬のイブプロフェンですが、子宮も平滑筋でできているから効果が期待できるのでしょう。

乗り物酔い防止薬にも配合されるメチルベナクチジウム臭化物

子供用の乗り物酔い防止薬(子どもトリブラ・大木製薬)にも少量配合されています。吐き気を鎮める効果が期待されているようですね。胃痙攣のお薬としては次のようなものがあります。

ネオロン液(松田薬品工業)

ネオロン液商品画像

ジサイクロミン塩酸塩・チキジウム臭化物

これらの成分はそれぞれ一つずつしか市販薬が見当たりませんでした。いずれも上の二つと同じように鎮痛鎮痙薬としての働きを持つものです。

ジサイクロミン塩酸塩:コランチルA顆粒(シオノギ)

コランチルA顆粒商品画像

チキジウム臭化物:ストパン(大正製薬)

ストパン商品画像

これらのお薬が、胃痙攣に効果のあるものです。飲んでみて全く症状が改善しないようであれば、それは別の原因を疑った方が良いでしょう。飲んだお薬を持ってすぐに病院へ行って下さい。
このように良いお薬もたくさんあるのですが、いかんせん胃痙攣と呼ばれる症状は先にお話しした通り非常に多彩な原因が疑われます。

いずれにせよ非常に強い心窩部・上腹部痛と言うのは、すぐに医療機関で受診すべき内容だと考えて病院に出向いて下さい。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る