健康生活TOP 腹痛 様々な腹痛の原因と対処法!知っておくべき痛む位置の関係

様々な腹痛の原因と対処法!知っておくべき痛む位置の関係

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お腹が痛いと言う症状は非常に普遍的なもので、「お腹が痛い」というだけではあまりにも漠然とし過ぎていて原因がわかりません。

と言うのも、いわゆるお腹の部分には人間の身体にある臓器の大半が収まっているからです。

そのため、お腹が痛いと言う症状の原因としては、消化器系はもちろん、呼吸器系や尿路生殖器系、血管系、内分泌系、神経系、免疫系などの臓器のトラブルから、骨格に関する異常まで、ありとあらゆる可能性が含まれているのです。

今回は腹痛の種類を痛み方や痛む場所でチェックしてみましょう。また、中には危険な腹痛もありますので知っておいてください。

腹痛の種類を「どんな風に痛むか」で分けてみよう

まず、一番に切り分けなければいけないのが食中毒です。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 腹痛

が起こり思い当たる食べ物があった場合食中毒の可能性が高いので、すぐに受診しましょう。症状の重さによっては救急車で対応と言うこともOKです。

食中毒の中には、傷んだ食べ物の他に毒性のあるものを誤って食べてしまったと言うケースもあるので注意して下さい。

そして食中毒の可能性がないと言うことになると、様々な原因を探らなければいけません。

と言うことで、お腹の痛みを見てゆく上で、あまりにも多いその種類をいくつかに分けて考える方法を見てみましょう。

内臓痛はどこが痛いのかはっきりしない

腹痛は以下のように分けられます。

内臓痛 お腹の中にある内臓が痛んでいる場合
体性痛 お腹自体を構成している胴体側が痛んでいる場合
関連痛 それらの痛みが神経を通じて他の部位に伝達している場合

お腹の中と言えばまず思い浮かぶのが胃腸ですね。胃腸はいわば管状になっている臓器です。その他尿路系や女性生殖器系も管状または袋状になっている臓器ですね。こうしたものは管腔臓器と呼ばれています。

特に健康な消化器系の管腔臓器は刺激では痛みを感じませんので、胃腸などがちょっとした刺激で痛みを感じる場合、もともと何かの病気があった可能性が高まります。一方、管腔臓器に虚血や炎症に由来する痙攣や拡張が起こると強い痛みが出ます。

一方、肝臓や膵臓、腎臓、胸腺や脾臓、性腺など、いわゆる「中身の詰まった臓器」を実質臓器と呼びます。この実質臓器に感染や炎症が起こって腫れてしまうことなどで、臓器を包んでいる被膜が引っ張られると痛みが出ます。

さらに、内臓は二重の胸膜・腹膜で包まれていますが、この2枚のうち臓器側のものは非常に敏感です。

この管腔臓器と実質臓器、そして臓器側胸膜・腹膜のトラブルに由来する痛みを総称して「内臓痛」と言います。

内臓痛の特徴は「どこが痛いのかはっきりしない」と言うことです。姿勢によって痛みが変化する場合もありますが、多くの場合鈍痛を中心とした連続する痛みが、姿勢や時間経過に関係なく続きます。

体性痛は一次痛と二次痛に分かれて症状がでる

内臓痛に対して、内臓を納めている胴体側のトラブルによる痛みが「体性痛」です。具体的には二枚の胸膜・腹膜のうち、胴体側の「壁側胸膜・腹膜」に対する刺激によって起こる痛みです。

体性痛は一次痛と二次痛に分かれて症状が出ます。

一次痛 刺激が加わった瞬間にくる鋭くて場所のはっきりした痛み
二次痛 刺激が消えてからやって来る、ちょっと場所のぼやけたズキズキした痛み

イメージとしては指に針を刺した時を想像してもらうと判りやすいです。針を刺した時はその瞬間から非常に痛く、場所もはっきりしていますが、針を抜くとその痛みは治まります。これが一次痛です。

そして、針を抜いた後は、刺さった部分を中心に少し広い範囲がズキズキと痛みますね。痛みの原因は取り除かれているのに起こるこうした痛みを二次痛と言います。

内臓痛では一次痛と二次痛がはっきりしませんが、体性痛では一次痛と二次痛の切り分けがはっきり感じられやすいのです。そのせいもあるのでしょうが、どんよりとした痛みになった時に姿勢を変えると再び鋭く強い痛みに襲われることもあります。

このように、体性痛は「鋭い痛みで場所が明確なもの」の後から「少し傷みがましになって場所もぼやけた痛み」が出ることが多いようです。しかし、刺激がなくならない限り鋭く強い痛みは継続します。

関連痛がよくみられる痛む場所と臓器の異常

痛みを感じる感覚神経は、末梢から中枢に向かう経路で、脊髄後根という場所を通って脊髄から中枢に入ります。この脊髄後根には様々な感覚神経が集まっているのですが、内臓痛による刺激が強くなると、信号が近くにある別の神経伝送路に漏れ出てしまうのです。

そして、その信号を受け取った脳の視床では皮膚感覚としてその痛みを感じ取ってしまうのです。こうした痛みを関連痛と言いますが、場合によっては傷んだ臓器と痛みを感じる部位が離れていることもあり、放散痛と呼ばれます。

この痛みの大元の臓器の神経と、関連痛として信号を受け取ってしまう神経の位置関係は決まっているため、関連痛・放散痛が起こる場所と実際に病変がある臓器とはよく関連付けられています。一部を見てみましょう。

急性膵炎 上腹部に痛みがあり、左肩に放散痛

胆のう疾患・肝臓疾患 上腹部に痛みがあり、右肩に放散痛
急性虫垂炎 上腹部痛に始まり右下腹部痛に限局
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 みぞおちに痛みがあり背中に関連痛

受診の際に正確に伝えたい「どんな痛みか」

腹痛はいくつかの分け方がありますが、受診する場合でも「どのような痛みであるか」をお医者さんに正確に伝えることが重要です。

まずはその痛み方の特徴をよく捉えるため、大まかな分類やその原因について見てみましょう。この章では、自分の腹痛を理解してお医者さんに伝えるための情報をまとめておきます。

おおまかに、どのような痛みであるかを、次のような感じで分類してみることが病気を見つけるのに重要になります。

痛みの強さによる分類

  • とても説明できず助けを求めるだけと言った激烈な痛み
  • 刺すような鋭くて強い痛み
  • 内臓を絞られるような広くて強い痛み
  • 焼けるような熱感を伴う強い痛み
  • 引き攣れるような強い痛み
  • お腹全体にどんよりと広がる弱い痛み
  • ある場所にチクチクと感じる弱い痛み
  • 痛みと言うより「なんか変だ」と感じるような違和感

痛みの連続性による分類

  • 途切れることなく継続する痛み
  • 途切れないが強まったり弱まったりする痛み
  • 連続する痛みだが時折痛くない瞬間があるもの
  • 数分~数十分ごとにやってくる痛み
  • 1日数回程度襲ってくる短い痛み
  • 1回だけしか痛みはなかったが回復後違和感が残るもの

姿勢による痛みの変化

  • どんな姿勢を取っても痛みは変わらない
  • 姿勢によって痛みが強弱する場所がある
  • まったく痛みを感じなくなる姿勢がある
  • 痛みが呼吸に連動する

食事との関係

  • 食事と痛みに関係はない
  • 食後に痛みが発生する
  • 空腹時に痛みが発生する
  • 特定の食べ物と痛みに関係がある(卵を食べた後など)
  • 食べ物の傾向と痛みに関係がある(脂っこい物の後など)

同時に発生している症状

  • 吐き気・嘔吐・吐血
  • 下痢・便秘
  • 血便・血尿
  • 頭痛・発熱・悪寒
  • 動悸・不安感
  • 顔面蒼白・失神・ふるえ
  • しびれ・麻痺・不随意運動
  • 皮膚表面の変化

こうした症状や傾向をしっかり把握して受診すると、無駄な検査を行うことなく原因にたどり着きやすくなります。本人が説明できそうにない時は、わかる範囲で付き添いの人が説明できるのがいいですね。

腹痛と一口に言っても、非常に多岐にわたります。実際病院を訪れる人の受診理由で最も多いのが腹痛だという統計もあります。

ここに挙げた腹痛の、どのタイプのものかを大雑把にでも病院に伝えられるとずいぶん診断が早くなると思いますよ。

腹部のどこが痛むのか

腹痛の原因を探る場合、先にお話しした「どのような痛みであるか」と同じレベルで大切なのが「いつ痛み始めたのか」と「どこが痛むのか」と言うことです。

その「どこが」という場合、大まかにお腹を7か所に分けて考えます。それに「お腹全体」と「お腹と背中」の合計9パターンで見て、その場所をお医者さんに伝えましょう。

腹痛が起こる部位

この中のどれに当たるかで、どのような病気を予測して検査するかと言うことが決まってきます。詳細は書ききれませんので、場所ごとに疑われる病気を列記してみます。

なお、感染症による腹痛、例えばノロウイルスによる腹痛と下痢などは「胃炎」「大腸炎」などの消化器系炎症に含まれているとお考えください。

へその周囲が痛い

へその周囲が痛い場合、単純な腸の疝痛で、特に病変が見られない場合があります。その他の消化器系で疑われる病気は次のようなものです。

  • 急性虫垂炎の初期症状
  • 小腸の急性閉塞
  • 膵炎

消化器系以外の病気では次のようなものがあります。

  • 腸間膜動脈閉塞症
  • 冠動脈症候群
  • 腹部大動脈瘤
  • 内臓動脈解離
  • 脊髄ろう
  • 急性緑内障による腹痛
  • 尿膜管遺残症

色々ありますが、急性緑内障と言う眼の病気が腹痛を引き起こすというのも意外なイメージですね。急性緑内障は激しい頭痛を引き起こし、一刻を争う病気ですので、詳細の書かれている記事を一度お読みください。

失明もあり得る!突然の強い頭痛と吐き気は急性緑内障を疑え!

みぞおちが痛い

みぞおちが痛むものを「心窩部痛」と言います。この心窩部痛では次のような消化器系疾患の可能性があります。

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 腸閉塞
  • 大腸炎
  • 憩室炎
  • 虫垂炎の初期症状
  • 胆のう炎
  • 胆石症
  • 胆管炎
  • 肝膿瘍
  • 肝炎
  • 肝腫瘤
  • 膵炎

みぞおちの痛みで大腸炎と言われると意外なような気もしますが、大腸のうち横行結腸は胃の真下を横に走ってますので、みぞおちが痛むのもそれほど不思議じゃないんですよ。

さて、次は消化器系以外の心窩部痛を見てみましょう。心臓や肺に近い場所だけに怖いですね。

  • 急性冠症候群
  • 心筋炎
  • 心内膜炎
  • 心外膜炎
  • 大動脈解離
  • 上腸間動脈解離
  • 上腸間動脈閉塞
  • 腎結石症
  • 腎盂腎炎
  • 尿管結石
  • 腎梗塞
  • 副腎梗塞
  • 肺炎
  • 肺塞栓症
  • 膿胸

急性冠症候群と言うのは、不安定狭心症(悪化しやすい狭心症)・急性心筋梗塞・虚血性心臓性突然死(いわゆる心臓マヒ)の3つをひとまとめにした名前です。

右の上腹部が痛い

上腹部と言うのは、おおむねへそより上で肋骨の下の端あたりまでです。へその高さぐらいであった場合、上に痛みが響くものを上腹部痛と考えてもらって良いでしょう。

消化器系はみぞおちのあたりが痛む場合とほぼ同じで、腸閉塞だけが候補から外れます。また、消化器系以外の病気でもほとんどみぞおちが痛む場合と同じ病気が考えられますが、腎臓関係の病気は右側のものと考えるのが妥当でしょう。。

唯一、みぞおちの痛みでは候補に挙がらなかったものに「フィッツ・ヒュ-・カーティス症候群」が右上腹部痛の原因として考えられます。

フィッツ・ヒュ-・カーティス症候群は女性の病気です。生殖器に感染したクラミジアや淋菌・大腸菌などが肝臓の周囲にまで炎症を広げる病気です。

左の上腹部が痛い

右側の上腹部痛は心窩部痛と共通する病気が多かったのですが、左側は少し毛色が変わってきます。

  • 食道破裂
  • 食道炎
  • 食道痙攣
  • 胃潰瘍
  • 胃炎
  • 脾梗塞
  • 脾腫
  • 脾破裂
  • 脾膿瘍
  • 脾捻転
  • 脾動脈瘤
  • 憩室炎
  • 虚血性腸炎
  • 腸閉塞
  • 左側虫垂炎
  • 膵炎
  • 膵腫瘍

左上腹部痛は免疫器官である脾臓がらみのものが目立ちますね。消化器系・免疫系以外は右側やみぞおち付近の痛みと共通したものが多いです。腎臓については左腎の病気と考えて下さい。

右の下腹部が痛い

右の下腹部が痛いと言うと、誰しも「盲腸」つまり急性虫垂炎を疑いますね。虫垂炎は急性であっても慢性であっても、最終的に痛みが右下腹部に落ち着きますので、それは正解です。その他、消化器系の病気では次のようなものの可能性があります。

  • 大腸炎
  • 大腸憩室炎
  • 炎症性腸疾患
  • 過敏性腸症候群
  • 胆のう炎
  • 膵炎
  • 鼠径ヘルニア
このように列記すると良くある病気に紛れてしまいますが、炎症性腸疾患は重病です。狭義には潰瘍性大腸炎とクローン病の二つをまとめたものですが、どちらも厚生労働省によって特定疾患(指定難病)に指定されています。

また、広い意味では腸結核やベーチェット病を含む場合もありますが、どちらも決して軽い病気ではありません。

左や中央部を含めて、下腹部痛と言うのは婦人科系の疾患が目立ちます。ですので下腹部3か所については婦人科系の病気を別に列記します。

  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 卵巣出血
  • 卵巣嚢胞破裂
  • 卵巣膿瘍
  • 卵巣炎
  • 卵巣茎捻転
  • 卵管膿瘍
  • 卵管炎
  • 骨盤腹膜炎

さらに、消化器系・婦人科系以外の原因は次のような物が考えられます。

  • 前立腺炎
  • 精巣上体炎
  • 尿路結石症
  • 尿路感染症
  • 動脈解離
  • 動脈瘤破裂
  • 腸腰筋膿瘍
  • 後腹膜出血

尿路関係の腎臓と尿管については、主に右側が中心になります。

左の下腹部が痛い

左の下腹部が痛いと言う場合、消化器系以外の原因は右下腹部痛と完全に共通していますので、上の右下腹部痛の解説を見て下さい。強いて違いを上げれば尿路のうち腎臓と尿管については左側が中心になるということです。

消化器系が原因のものは次のような病気が考えられます。

  • 便秘(便による腸閉塞)
  • ヘルニア嵌頓を含む腸閉塞
  • 大腸がん
  • 虚血性大腸炎
  • 感染性大腸炎
  • 炎症性腸疾患
  • 大網感染
  • 大腸憩室炎

ヘルニア嵌頓と言うのは、ヘルニアによって腸の一部が腹壁から出てしまった時に、その部分がはまり込んで抜けなくなる現象です。普通のヘルニアは手で上から押せば腸は腹壁内に戻りますが、嵌頓になると戻りません。

この場合、痛みが出てくることもありますね。さらに、このヘルニア部分に締め付けられて「絞扼」と言う状態になると強く痛みますし、数時間以内に手術で対応しないと生命に関わります。

へそより下の中央部分が痛い

下腹部の痛みでも、中央部分の痛みと言うのは意外にバリエーションが少なくなっています。左右の下腹部痛と共通するものがほとんどですが、中央部では除外される病気が多いようですね。

数が少ないので、全部ひとまとめにして列記します。

  • 虫垂炎
  • 大腸炎
  • 大腸憩室炎
  • 炎症性腸疾患
  • 過敏性腸症候群
  • 膀胱炎
  • 尿管結石症
  • 腎盂腎炎
  • 尿閉
  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 卵巣腫瘍
  • 骨盤腹膜炎
  • 卵巣出血

臓器の場所から考えて当然と言えば言えるのですが、膀胱に関したものは中央部が痛みやすいようです。

腹部全体が痛い

お腹全体が痛む場合、特に強い痛みでは危険な症状が目立ちます。一刻を争うものが多いので、できれば周囲の人が救急車を呼んであげましょう。

消化器系でも胃炎や腸炎はともかく、それ以外は急を要する病気ばかりです。

  • 消化管穿孔
  • 絞扼性消化管閉塞
  • 臓器破裂
  • 膵炎
  • 急性胃炎
  • 急性腸炎

血管系では、最悪の場合救急車で病院に到着するまで持たないケースが想定されます。特に最初の二つの場合、生きて病院にたどり着ける可能性は50%です。その血管系の病気は次のようなものです。

  • 大動脈瘤破裂
  • 大動脈解離
  • 腸間膜動脈閉塞症
  • 上腸間膜静脈血栓症

上の三つは高血圧と動脈硬化・心房細動が大きなリスクファクターですので、普段からきちんと治療・対応して、こうした症状を起こさないように厳重な注意が必要です。

なお、上腸間膜静脈血栓症は先天性異常も原因になりうる病気で、お腹の打撲や膵炎などによっても引き起こされます、症状はそれほど激烈ではありませんし、予後もそんなに悪くありません。

さらに、お腹全体の痛みでは糖尿病に縁のあるものが含まれています。

  • 糖尿病性ケトアシドーシス
  • アルコール性ケトアシドーシス
  • 急性ポルフィリン症

ケトアシドーシスとは、ケトン体と言う物質によって血液が酸性になってしまう症状です。一般的な2型糖尿病でケトアシドーシスになることはめったにありません。インスリンが絶対的に不足する1型糖尿病で起こりうる症状ですね。

急性ポルフィリン症は赤血球の色素ヘモグロビンの土台になる物質が合成できなくなる病気ですが、非常にまれな病気です。

そして、その他の原因としてはヒ素中毒や鉛中毒などの中毒症状でも起こりますし、両側肺炎でも起こります。変わったところではまれに子供に見られるヘノッホ・シェーンライン紫斑病(IgA血管炎)でもお腹全体が痛みます。

腹部と背中が痛い

まずは疑われる病名から見てみましょう。

  • 大動脈瘤破裂
  • 大動脈解離
  • 急性膵炎
  • 慢性膵炎
  • 胆石症
  • 急性胆のう炎
  • 脾梗塞
  • 腎結石
  • 尿管結石
  • 腎梗塞
  • 帯状疱疹
  • 圧迫骨折
  • 腸腰筋膿瘍

様々な種類がありますね。でも、腎臓や膵臓など、身体の後ろに近いところにある臓器の病気がやはり多いです。同じ理由から「後腹膜臓器の病変に注意すべき」だともされています。

具体的な病名のリストはありませんが、後腹膜臓器とは次のようなものです。

  • 腹部大動脈
  • 下部大動脈
  • 腎臓
  • 尿管
  • 副腎
  • 膵臓
  • 十二指腸
  • 交感神経幹

これらの臓器に病気が起こると、背中や腰が痛くなることが多いのです。そして、腹痛を伴わないことがあるので、上の病名リストとは完全には一致しないのです。

恐ろしい数の病名が並びましたが、これは飽くまで本当の病名を他の病気と取り違えないための目安にすぎません。

実際にはまだまだたくさんの病気が隠れている可能性があるので、自分の症状をいかに正確に伝えるかがポイントになります。

特に注意すべき7つの危険な腹痛

腹痛にも食べ過ぎから、発症一時間以内に死亡する危険のあるものまで、非常にたくさんの種類がありますが、特に注意を要するのは「お腹の中心部の激痛」で「ショック症状を伴うもの」です。

ショック症状とは血圧の急降下によって死に瀕することを言います。顔面蒼白で冷や汗を流したり、脈が感じられないくらい弱くなったり、意識障害が出たりなどの症状が現れます。

こうした場合に疑われる病気は、当然のことながらいずれも生命の危険があります。上の各部の痛みで紹介した中に含まれる病名ですが、こうしたものは本当に一刻を争います。

1.急性膵炎は自分の内臓を溶かしてしまう

膵臓で作られる消化液の膵液は、三大栄養素全てを消化できます。このうち、たんぱく質を消化する酵素は不活性状態で分泌され、腸の中で食べ物と出会うときに活性化されます。

でないと、膵臓や膵液が流れる近辺にある臓器を消化してしまうからですね。しかし、何らかのトラブルで膵臓の中でこれが活性化される場合があります。

そうなると膵臓自体が消化され、激烈な痛みがおこります。これが急性膵炎です。場合によってはそれが皮膚にまで影響して、赤黒いあざがわき腹や腹部、背部に現れます。

2.腹腔内出血は事故などで起こることが多い

交通事故などで腹部を強打した場合、お腹の中で血管が損傷して出血することがあります。また、お腹の中の様々な病気で血管が破れて出血する場合もあります。

このような出血は、身体の外側で起こる大きな怪我と一緒で、大量に出血している場合、ショック症状から死につながります。

外傷性の場合は原因がはっきりしているため、病院に担ぎ込まれるでしょう。一方、内臓の病気が原因の場合は、普段からその危険性を本人がよく知っておき、治療と同時にこうした可能性を忘れないことが重要です。

3.上腸間膜動脈閉塞症は致死率の高い腸の病気

この病気は小腸全体に起こる病気で、心筋梗塞のように小腸に栄養や酸素を送る血管が詰まってしまって、小腸がダメになってしまうものです。

致死率は60~90%で、発症すると半数以上が助かりません。また、助かっても腸の大半を切除するため、心臓近くの静脈にカテーテルを常置して、そこから輸液によって栄養を摂るということを一生続けることが必要になります。

この病気の原因は心房細動です。心房細動によってできた血栓が脳に流れることで起こる「心原性脳梗塞」は有名ですが、同じものが腸で詰まるとこの病気になります。

ですので、心房細動を指摘された人は、「単なる不整脈」と甘く見ずに治療して下さい。

4.急性冠症候群は心臓マヒを含む病名

先にも少し説明した通り、この病気は悪化する可能性の高い狭心症や心筋梗塞、そして虚血性心臓性突然死をまとめた名前です。突然死と言う病名をつけられても困りますが、そのくらい危険性の高い状態なんですよ。

もちろん冠動脈に障害が起こるということは、動脈硬化や高血圧、さらには糖尿病など血管に障害が出やすい病気には注意が必要です。

この病気自体は予見できませんので、リスクになるような病気を治療するのはもちろん、飲酒喫煙と言った危険要素も徹底して排除しましょう。

5.大動脈瘤破裂や大動脈解離も生命にかかわる緊急事態

大動脈解離と言うのは、大動脈瘤のうち「解離性大動脈瘤」と呼ばれるもののことです。大動脈の血管壁は三層構造になっていますが、内膜と中膜の間が剥がれ、そこに血液が入り込むことでどんどん剥がれてしまう病気です。

一方、真性大動脈瘤は、大動脈が膨らむだけで最初のうちは無症状です。これはどこにできるかで見つけやすさや症状が変わります。胸部大動脈瘤は胸部レントゲンで偶然見つかることもあります。

また病気が進むと、ものを飲み込みにくくなったりかすれ声になったりする場合もありますので、こうした症状があったら一度CT検査を受けて下さい。

一方、腹部大動脈瘤は自覚症状がほとんどないため見つけるのが難しいです。偶然、お腹に脈を打つこぶが触れるのに気づくといった例は運が良い方でしょう。

いずれにせよ動脈硬化や高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病などがリスクファクターですので、しっかり治療することが予防につながります。

真性大動脈瘤は、破裂しない限り生命には危険の及ぶものではありませんから、お医者様から手術による血管の治療を勧められたら、危険のないうちに積極的に受けられる方が良いですね。

6.消化管穿孔や腸管壊死は中身が外に漏れて身体全体を壊す

胃潰瘍などがひどくなって胃に穴が開くというのは聞かれたことのある人も多いでしょう。こうした潰瘍がなくても、様々な原因で消化管に穴が開いたり、先にお話ししたような絞扼性の腸閉塞によって腸管が壊死してしまう場合があります。

こうした場合、消化管の中身が外に漏れてしまう訳ですが、消化管の中にある消化液は人間の臓器も消化できるだけの力があるため、漏れ出てしまうと大変危険です。

さらに消化管内部には数多くの細菌がいますので、それが全身に及んでしまうこともあります。ですので、緊急手術の対応になる病気です。

これの原因は外傷から、先に紹介した上腸間膜動脈閉塞症まで実に様々です。ですので、基礎疾患を放置しないということが予防になるということでまとめるしかありません。

7.異所性妊娠は意外に頻度が高い

いわゆる子宮外妊娠ですが、全妊娠の1%程度に起こっているとも言われています。妊娠したことがわかっていれば、異所性妊娠であることも判りますし早期に治療もできます。今では手術しない治療法もあるようですね。

しかし、異所性妊娠による不正出血を生理だと勘違いして、妊娠していることに気づかないまま放置、破裂して大出血と言うことになると、生命は助かっても様々な悪影響が出ます。卵管妊娠の場合は卵管ごと摘出になりますね。

こうした場合でも、ホルモン分泌量を確保するため、卵巣自体は残されることが多いです。原因は全部が判っているわけではありませんが、子宮内膜症や性感染症によって卵管の癒着が起こり、それが原因になることが指摘されています。

生理の日数が異常に短かったなど、普段とは異なる自分の身体の状態については十分な注意を払う習慣を持って下さい。

これらの腹痛は一刻を争い生命に危険が及ぶと同時に、助かってもその後の生活に大きな影響が出ます。

ですので普段からこうした病気の原因になるものを取り除くよう注意が必要です。

少しの意識でできる腹痛にならないための工夫

原因疾患がある場合は、その病気を治してしまわない限り腹痛は予防できません。しかし、おへその周りが痛む「単純な腸の疝痛」の場合、特に原因になる病気がないのにお腹が痛いと言う症状が出ます。

こうした場合、結構お腹が痛いという感覚は強いものの、激痛と言うほどではないことが多いようです。さらにはその痛みが刺激になって下痢をすることもありますね。こうした腹痛を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。

暴飲暴食、刺激の強い食べ物を避ける

まずは暴飲暴食を避けると言う、極めて常識的な予防法です。胃腸はその処理能力を超えた飲食物を送り込まれると、痛みと言う信号を発してこれ以上飲食物を摂らないよう警告します。

その飲食物の処理が終わるまでの間は、何らかの形で腹痛が残ることはあるでしょう。

さらに刺激物も同じことです。刺激物には薬効のあるものもありますが、同時に刺激があるということは毒性があるということだと考えて下さい。少量なら身体の処理能力を以って無毒化できますが、量を過ごすと身体を壊します。

特に、アルコールや刺激物は粘膜の炎症・充血を招きますし、タバコを吸うことでも血管の収縮から腹痛の大きな原因になります。

脂質の過剰摂取は肝臓や膵臓に負担をかけ、腹痛の遠因となります。たんぱく質も過剰摂取すると肝臓や腎臓に負担がかかって腹痛の遠因になりますし、糖質の過剰摂取は糖尿病の遠因となって腹痛を呼ぶ可能性があります。

しかし、基本的に健康であれば栄養バランスに注意しておくだけで大丈夫で、徹底的に油を減らそうか、甘いものは絶対悪だとか、極端な考え方には走らない方が良いですね。

お腹を冷やさない

単純な腸の痛みと言うのは、軽い痙攣から来ていることがあります。寝ているときに足が冷えるとこむら返りを起こしやすくなるように、あまりお腹を冷やしすぎると痙攣が起きやすくなります。

また、冷えると血流も悪くなりますから、痙攣の他にも様々な悪影響が出るでしょう。

さらに全身について言えば、夏場のエアコンなど、外気温と室内温度の極端な差は自律神経に変調をきたし、腹痛の遠因になる場合があります。

精神的なストレスをため込まない

胃潰瘍、十二指腸潰瘍やその前段階である胃炎、さらに過敏性大腸炎などもストレスによって引き起こされたり、症状が悪化したりと言うことが知られています。

ストレスによるものでは神経症の一つで若年層によく見られる転換性障害も、病因のない腹痛の原因になります。また、パニック障害は少ないものの、適応障害などの神経症による腹痛もストレス性腹痛として挙げられます。

ですのでストレスは、軽いうちに解消する方法を見つけて貯め込まないように心掛けて下さい。

ただ、その場合身体に負担がかかる「お酒によるストレス解消」や「食べ歩きなど暴飲暴食によるストレス解消」はダメです。かえって腹痛の原因になりますよ。

腹痛の対処法と医師に正確に伝えたい7つの事

トイレに駆け込んだら治る程度の腹痛を別にすれば、腹痛には何らかの病変が後ろに隠れていると考えて下さい。

軽い痛みであっても「持病だから仕方がない」などと思ってはいけません。その持病の正体をつかんでおかないと、ある日突然激痛で倒れ、そのままになるかもしれないのです。

ですので、ここまで紹介してきたことを参考に、自分の腹痛についてお医者さんに正確に伝えられるよう準備して受診して下さい。

もう一度まとめておくと、次のようなことについてお医者さんに正確に伝えて下さい。

  1. いつから
  2. お腹のどの場所が
  3. どんな感じで痛むのか
  4. 痛みを感じる前に食べたもの
  5. 普段とは違う生活行動があったかどうか
  6. 腹部・胸部・背部に強い力・衝撃を受けていないか
  7. 持病と処方されている薬

その痛みの内容は、身体が発信しているサインです。腹痛の裏側にはこれまでに紹介してきたような非常に重い病気が隠れていることもあります。

昔から「お腹が痛い時は温めろ」と言いますが、ケースバイケースです。基本は「加温してはいけない」と考えて下さい。炎症性や出血性、外傷性の痛みの場合、加温すると悪化する場合があります。

一方、ショック症状などの恐れもありますので、全身については「保温するべき」と考えて欲しいのです。つまり、毛布を巻くのはOKだが、カイロなどで温めるのはNGだということです。

誰もが経験する日常的な症状ですが、決して軽く考えず、民間療法や素人判断ではなく早急に医療機関を受診することを強くお勧めします。

言い伝え的な民間療法は症状を悪化させることも珍しくありません。

特に生薬系を素人が扱うのは非常に危険ですので、必ず専門医に相談してくださいね。

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