健康生活TOP 肩こり 20代でも四十肩になる!?肩の痛みや腕が上がらない原因と予防法

20代でも四十肩になる!?肩の痛みや腕が上がらない原因と予防法

肩こりを感じている女性

四十肩・五十肩と聞くと、40代や50代くらいでひどくなる肩こりというイメージがあるかもしれません。40歳を過ぎて肩の痛みがあれば、「四十肩かなぁ」と思われるのではないでしょうか。

でも四十肩や五十肩というのは、肩こりとは全く別の病気です。そして20代や30代であってもなってしまう可能性のある病気なのです。

四十肩や五十肩とはどういう病気なのでしょうか。その症状や対処のしかたについてみてみましょう。

肩こりとはまったく別の病気!正式名称は「肩関節周囲炎」

四十肩や五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる病気です。以前は50代に多かったため「五十肩」と呼ばれましたが、その後40代で発症する患者も増えて「四十肩」とも呼ばれるようになりました。

他に「凍結肩」と呼ばれることもあります。

実は「五十肩」という名称は、江戸時代の国語辞典(俚言集覧)にも載っている言葉です。それだけ古くから、多くの人が患ってきた病気なのでしょう。

では「肩こり」との違いは何なのでしょうか。

肩こりは筋肉の疲労による

肩こりとは肩周辺のの筋肉の疲労です。長時間のデスクワーク、不自然な姿勢、精神的ストレスなどによって緊張状態が続くと、筋肉は疲労して血液の流れも悪くなってしまいます。

筋肉は血液から必要な酸素をもらってブドウ糖を燃焼させ、それによってエネルギーを作り出しています。しかし血液の流れが悪くなると、酸素を十分にもらうことが出来なくなります。

酸素が不十分な状態でブドウ糖を燃焼させると、不完全燃焼となってしまいます。その結果、燃えカスとして疲労物質の乳酸などが大量に発生してしまうのです。疲労物質がたまっていくことで、徐々に「肩が凝る」ようになっていきます。

四十肩・五十肩は肩関節周辺の炎症によって起こる

それに対して四十肩・五十肩、つまり肩関節周囲炎はその名称の通り肩関節の周辺に炎症が起きてしまっている状態です。炎症によって強い痛みが出てしまい腕が上がらない、動かせないといったような症状が現れてしまうのです。

ひどい肩こりになったと思われるかもしれませんが、これは筋肉疲労による肩こりとは全く別の状態です。

肩こりの場合には、病院へは行かず自分でマッサージをしたりして様子をみることも多いでしょう。しかし肩関節周囲炎の場合には、できれば整形外科できちんと診察を受けたほうがよいかもしれません。

特に治療をしなくても自然に治りますが、医師の指導のもとで温めたり(温熱療法)動かす(運動療法)などの治療をしていったほうが治りやすくなります。また四十肩だと思っていたら別の病気だったということもあります。

痛みが続く、痛みがひどいといったときには整形外科など医療機関を受診してみて下さい。

四十肩・五十肩の原因は完全には明らかになっていない?

四十肩・五十肩は40~60代の人に起こりやすく、男性より女性に多いとされます。ただその原因は完全に明らかになっているわけではありません。中高年に多く起こるため、「老化」が関係していると思われます。

肩関節の構造は複雑になっている

肩の関節は複雑な構造をしています。「肩甲骨」「上腕骨」「鎖骨」の3つの骨が連結されていて、いろいろな方向に動かすことができます。肘や膝は一方向にしか動かせないことが考えると、肩の関節はとても自由度が高いのです。

肩関節は、体の中で一番大きく動く関節です。自由にいろいろな方向へ動かせるようにするために、肩関節では様々な筋肉や筋肉と骨とを結びつけている腱の存在が重要になります。

また関節がスムーズに動くためには、「滑液」を含んだ「滑液包」の存在も欠かせません。

滑液とは、関節の周辺を満たしている液体です。ヒアルロン酸などを豊富に含んでいて、関節の動きを滑らかにする潤滑油のような役割をしています。また関節軟骨に酸素や栄養素を補給し、老廃物を排出してくれる役割もあります。

この滑液が入っているのが滑液包という小さな袋です。関節周囲に存在していて、筋肉・腱・靭帯などと骨との摩擦で起きた衝撃を吸収し、和らげてくれています。

肩関節は、これらが組み合わさってとても複雑な構造をしているのです。

加齢により、筋肉や腱は少しずつ衰えてしまう

しかし加齢により筋肉や腱などは衰え、柔軟性は低下していきます。また若い頃に比べると血行も悪くなってきています。

すると肩関節はスムーズに動かせなくなり、摩擦や衝突などが起こってしまいます。それによって、肩関節の周囲の腱や滑液包には炎症が生じてしまうのです。

炎症があると、腫れたり痛みが出たりしてしまいます。そのためにあまり動かせなくなり、ますます筋肉は衰えていきます。そしてさらに痛くて肩が動かせない、こわばるといった症状が出るようになってしまうのです。

この状態が続いてしまうと、やがて肩を動かすことのできる範囲は徐々に狭められてしまいます。痛いから動かさない、動かさないから余計に動けなくなる、というように悪循環に陥ってしまうのです。

糖尿病患者はそうでない人たちよりも四十肩・五十肩になりやすいとされています。また甲状腺機能亢進症・低下症の患者もなりやすいとされているため、日頃から肩の調子に気をつけてくださいね。

四十肩・五十肩の症状、その対処法は段階ごとに違う

四十肩や五十肩では肩にこわばった感じや激痛が起き、やがて動かせる範囲が狭まっていきます。腕が思うように動かせないなどといったことがあれば、四十肩や五十肩を疑ってみてください。

四十肩や五十肩では、以下のような症状が現れます。

  • 肩関節に強い痛みがある
  • 肩がこわばって、腕をうまく動かせない
  • 腕を上げようとすると痛い
  • 症状はほとんどの場合、片側だけで起きる
  • 服を着たり脱いだりしづらい
  • 髪を洗ったり、結ったりするのが辛い
  • エプロンを後ろで結ぶのが辛い
  • その他にも日常の動作が制限される
  • 首や腕にまで痛みが広がることもある
  • 夜間に痛みが強くなり、眠れないこともある
  • 寒い時にも痛みがひどくなる

もしも現在、腕を上げたり回したりしたときに動かしにくい、引っかかる感じする、何となく違和感があると言った場合には、今後なってしまうかもしれません。

普段から適度に体を動かしたりすることを心がけておきましょう。若くても発症する可能性はありますから、気をつけましょう。

四十肩・五十肩は段階によって症状の現れ方に違いがあり、対処のしかたも違ってきます。痛みがひどい段階では安静にしておくことが一番大切です。しかし痛みが少し和らいできたら、ある程度動かすことが大切になります。

急性期

炎症がひどく、強い痛みがある時期です。痛みは徐々にひどくなり、肩を動かしにくくなっていきます。夜も痛みがひどく、目が覚めてしまうこともあります。

この時期は安静第一です。腕を動かさないようにしておきましょう。痛みがひどいときには消炎鎮痛剤などが処方されることもあります。

腕を動かすようにしておかないと筋力の低下などが心配になるかもしれませんが、この時期には無理に動かしたりしないことが大切です。逆に無理してしまうと症状は悪化してしまいます。

慢性期

痛みは少しずつ軽くなってきます。ただ急性期の影響により、肩関節の動かせる範囲が狭くなってしまっています。腕を動かしにくく、髪を洗ったりといった日常の動作がやりにくくなっています。

慢性期には無理のない範囲で肩の関節を動かしていくことが大切です。この時期にしっかり動かすようにしておかないと肩関節は固まってしまい、以前の動きを取り戻すことが出来なくなってしまうのです。

ただしあくまで無理のない範囲、痛みの出ない程度でやってください。どのくらいやってよいのかなどについては、医師と相談しながら進めてください。早く良くなるようにとやり過ぎてしまってもいけません。

回復期

痛みは徐々に良くなって、動きも楽になってきます。この時期は元の動きを取り戻すようにしていきましょう。

なるべく積極的に関節を動かすようにしてください。ただし痛みが出た時には無理せず中止しましょう。

症状にもよりますが、四十肩・五十肩が完治するまでには6ヶ月から2年ほどかかるとされています。

また3~6ヶ月ほどしても症状が全然改善しないというようなときには手術を検討することもあります。ただ四十肩や五十肩で手術をすることはほとんどありません。

急性期の痛みがとれた後は、少しずつ動かすようにしていくことが大切です。また温めることも効果があります。ゆっくりと入浴して、血行を良くするとよいでしょう。

肩を冷やすような服装(襟が大きく開いた服など)は良くありません。クーラーの風に直接当たらないようにも気をつけてください。

強い痛みがある時には無理しないで安静に、痛みがやや治まってきたら少しずつ動かすようにしてみましょう。焦らずゆっくりいきましょうね。

四十肩・五十肩の改善には動かすことも大切!おすすめアイロン体操

四十肩・五十肩では、運動療法も大切です。いつまでも安静にしたままでは肩の関節が固まってしまい、以前の動きを取り戻すことが出来なくなってしまうのです。

ただし痛いのを我慢してまで無理に行う必要はありません。無理をすると治りが悪くなるだけでなく、余計に悪化してしまうこともあります。

痛みが治まってきたころから、痛みだ出ない程度に少しずつ体操をしていくことがよいでしょう。自分の判断だけで行ったりせず、医師の指示に従うようにしてください。

四十肩・五十肩のための運動療法としては、次のアイロン体操などがあります。簡単に説明しましょう。

アイロン体操

四十肩・五十肩のための体操としてよく紹介されるもののひとつが「アイロン体操」です。「振り子体操」「コッドマン体操」とも呼ばれています。

アイロン体操の方法

  1. 骨盤くらいの高さのテーブルの横に立ち、痛くないほうの手をテーブルにつく
  2. 痛いほうの手には1kgほどの重りを持つ
  3. 少し前かがみになり、肩の力を抜いて重りをゆっくり前後に振る
  4. 無理のない程度に、振り子のように徐々に大きく振る
  5. 10往復を1セットとして、1日2セットくらい行う
  6. 様子をみて左右に振る、円を描くように振るなどしてもよい

最初のうちは重りなしで、何も持たずに行ってもよいでしょう。腕の力で振るというより、力は入れずに体の反動で振るようにしましょう。体操中に痛みが出たら、止めて下さい。入浴後の体が温まった状態で行うとよいでしょう。

このほかにも四十肩・五十肩の症状改善に役立つ体操はいろいろとあります。詳しいやり方やいつ頃からどのくらいの程度の体操をしてよいのかなどについては、医師に相談してみてください。

自分の判断で、勝手に始めるのは控えておきましょう。痛みが続いている時期には、安静にしておくことが第一です。

また運動療法やって強い痛みが出たときには、中止したほうがよいこともあります。痛みを我慢してまで無理にやらないようにしましょう。

最初のうちは、健康なときにはなんでもなかった動きでさえキツく感じ、焦ってしまうかもしれません。しかしここで無理をしては逆効果です。少しずつでよいので医師の指示に従って動かしていくようにしましょう。

四十肩・五十肩のための運動については医師などと相談しながら進めていきましょう。自己流は良くないですよ。

手術が必要になるかも!四十肩・五十肩と似た症状の出る病気もある

肩が痛い、腕が上がらないといった四十肩・五十肩のような症状があっても、実は別の病気が原因で起きていることもあります。1週間以上もひどい痛みが続くようでしたら、一度診察を受けたほうがよいでしょう。

似た症状の出る病気には次のようなものがあります。

石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)

肩腱板の中にリン酸カルシウム結晶(石灰)が沈着し、それにより急性の炎症を起こすことで肩に激痛が出てしまう病気です。

「肩腱板」とは肩甲骨と上腕骨をつないでいる筋肉や腱の総称です。肩の関節を安定させる働きを持っていて、棘上筋腱などが含まれます。この部分に石灰がたまり、何らかの原因によって炎症が起きると激痛が出てしまうのです。

これは40~50代の女性に多い病気とされます。急性期に多くみられる状態で、以下のような症状の特徴がみられます。

  • 痛みで肩が上げられない
  • 急に痛みが起きる
  • 痛みがひどく眠れないほどである
  • 肩が赤く腫れる

激痛は1~4週間ほど続きます。ただ中には慢性的な痛みが6ヶ月ほど続くというケースもあり、四十肩・五十肩と間違えられてしまうこともあるのです。それらはレントゲン検査などを行うことで区別することができます。

石灰は自然吸収されることも多いのですが、針を刺してたまった石灰を吸引することもあります。消炎鎮痛剤を飲んだり、湿布を貼ったりして安静にしておくことで少しずつ良くなっていきます。

ただまれに石灰が石膏状に固くなり、いつまでも痛みが続いてしまうことがあります。その際には石灰を取り除く手術をすることもあります。

肩腱板断裂

肩の関節を安定させている肩腱板が断裂してしまい、肩関節に痛みが出たり腕が上がらなくなってしまう病気です。40代以上の男性に多く、特に60代で発症しやすくなります。中年以降の約10~30%が経験しているとされます。

仕事で重いものを持ったり、肩を打撲したなどということによって断裂してしまうこともありますが、日常生活の中で特にきっかけのないまま断裂が起きてしまうこともよくあります。

断裂のしかたにより腱板の表から裏まで完全に断裂してしまっている「全層(完全)断裂」と、腱板の表あるいは裏側の一部に亀裂が入った「部分(不全)断裂」」があります。部分断裂に強い力がかかり亀裂が貫通してしまうと、全層断裂となります。

右肩に起きやすいことから、肩の使い過ぎが原因と考えられています。腱板が老化して弱くなったことや、骨と骨に挟まれた場所にあるため歳とともにすり切れやすいことなどが関係していると思われます。

腕を挙げるときや降ろすときなどに痛みが出て、進行するとじっとしていても痛みが強くなります。夜間にも痛みが出て、そのため睡眠不足になってしまうこともあります。筋力も落ちていき、腕をスムーズに挙げることもできなくなります。

四十肩・五十肩との違いは、関節の動きが固くなることは少ないということです。また肩をあげるときにジョリジョリといったような軋轢音が出るようになります。

安静にして消炎鎮痛剤などで様子をみます。ほとんどはそれでよくなってくるのですが、改善しない場合には手術を行うこともあります。

頸椎症

頸椎は、背骨の首の部分です。7つの骨と、その間でクッションの役割をしている椎間板とで構成されています。

老化などによって椎間板のクッション性が悪くなると、頸椎が変形して神経を圧迫するために痛みが出るようになるのです。40代ごろから発症するようになります。

肩の痛みのほか手の指にしびれが出たり、手先を使う細かい作業が難しくなります。めまいなどが出ることもあります。進行すると足にも症状が出て、歩行障害や排尿障害が現れることもあります。

関節リウマチ

関節リウマチは関節の周囲を覆っている「滑膜」という膜に炎症が起き、全身の関節が壊れていってしまう病気です。30~50代の女性に発症しやすくなります。

代表的なのは朝起きた時に手の指がこわばって動かしにくい、でも動かしているうちにしだいに動くようになっていくといった症状です。手指や手首の関節に症状が出ることが多いのですが、肩の関節に出てしまうこともあります。

肩の痛みだけでなく、手にもこわばりなどの症状があれば関節リウマチかもしれません。なるべく早く治療を始めたほうがよいでしょう。

四十肩・五十肩では症状は片方の肩にのみ現れますが、関節リウマチでは左右対称に現れるという特徴もあります。

このほかにも四十肩・五十肩と似たような症状の出る病気はいろいろとあります。意外かもしれませんが、狭心症や心筋梗塞でも肩の痛みが出ることがあるのです。

「歳だし、四十肩かな」で済まさずに、気になる症状があったりだんだん痛みがひどくなるなどあれば、医療機関を受診しておくようにしましょう。症状がなかなか改善しないようなときにも医師に相談してみてください。

四十肩・五十肩の確実は予防法はまだ確立されていませんが・・・

まだ自分は若いから、四十肩・五十肩なんて関係ないと考えている人でも油断は禁物です。四十肩・五十肩は年齢に関係なく、20代や30代でもなってしまう可能性のある病気なのです。

四十肩・五十肩の予防法としては、まだ確立したものがあるわけではありません。

ただストレッチをして体を伸ばす、腕をバンザイするように挙げて肩関節を大きく動かすなど毎日適度な運動を心がけるとよいでしょう。また肩を温めておくことも効果的です。クーラーの風などで肩を冷やさないようにしましょう。

そして美しい姿勢を心がけるようにしましょう。パソコンをしているとき、スマホをいじっているときの自分の姿勢を見直してみて下さい。規則正しい生活をすることも大切です。

もしも今、両腕を上に挙げたり背中に回したりといった動作をしたときに違和感があるなどということがあれば、四十肩・五十肩になりかけているかもしれません。悪化させてしまわないように気をつけておきましょう。

そして20代の方でも肩こりがひどい、マッサージをしてもよくならない、腕を上げるのもつらいなどということがあれば、もしかすると四十肩・五十肩になってしまっているかもしれません。

またいつまでもひどい痛みが続くようでしたら、四十肩・五十肩以外の病気が原因かもしれません。念のため、一度整形外科を受診してみるとよいでしょう。

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