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【肩こり辞典】原因からみる予防法、解消法

腰痛は日本人にとって「国民病だ」などといわれることもあるようですが、もしかしたら、腰痛以上に悩む人の数が多いのが、「肩こり」なのかもしれませんね。

男性にも女性にも、そして年配者にも若者にも、人を選ばず起こるのが肩こりです。

肩こりは、デスクワークの人にも力仕事や立ち仕事の人にも起こり、家事を担当する主婦(主夫)の人にも起こります。

一般には肩甲骨周りの違和感の総称を肩こりと呼びますが、悪化すると肩甲骨周辺から背中にかけての痛みを自覚することもあります。

肩もみをしても、一時的によくなったからといって肩こりが完治することはほとんどありません。ストレッチやエクササイズにマッサージと、いろいろな手法で肩こりの改善を目指しても、なかなかうまくいかないのが実際のところです。

今回はこの「肩こり」という壮大なテーマに挑みます。

誰もが一度は経験している?肩こりの症状と原因

誰もが一度は経験し、そのつらさやうっとうしさを知る肩こりについていきなりあまり細かい話をするのも精神衛生上良くありませんので、まずはおさらいの意味を込め、肩こりの全体像、概要からお話していきます。

まずは肩こりの定義(診断基準)を明確にしておきましょう。

肩こりの定義(診断基準)
問診や検診(神経学的な検査)、触診により、僧帽筋(この筋肉の説明は後述)の圧痛と筋緊張、肩関節可動域減少や頚椎疾患を認める症状

(診断-公益社団法人日本整形外科学会 より)

肩こりの診断の際に、上記の問診、検査、触診以外に、X線(レントゲン)やMRI撮影、CTスキャンなどから診断を下すケースもあります。他にも、頚椎疾患、頭蓋内疾患、高血圧症、眼疾患、耳鼻咽喉疾患、肩関節疾患の余波としての肩こりもあります。

つらくてゆううつな肩こりの症状

肩こりは、首筋や首の付け根、当然肩、さらには背中といった非常に広いエリアに出現する筋肉性の不快感の総称です。

上記部位・エリアの筋肉が張った感じ、こっている感じ、さらには痛みなどが肩こりの典型的な症状です。

また、肩こりによる余波も大きく、たとえば頭痛や倦怠感、ひどい肩こりが長期間続くと吐き気を伴うなど、ほんとうに良いことなど何ひとつないのが肩こりの特徴です。

肩こりと密接に関係する筋肉は「僧帽筋(そうぼうきん)」と呼ばれる筋肉です。

僧帽筋の位置

イラストからもわかるように、肩こりがかなり広いエリアで起こるのは、肩こりと密接に関係する僧帽筋のエリアが広いからなのです。

肩こりに関与するメインの筋肉は上でも触れた僧帽筋ですが、首のこりでは頭半棘筋(とうはんきょくきん)や頭板状筋(とうはんじょうきん)、頚板状筋(けいはんじょうきん)などが肩こりの原因になります。

さらに、首の付け根のこりでは肩甲挙筋(けんこうきょきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、首肩および背中のこりでは菱形筋(ひしがたきん)がかかわることがあります。

また、こりを感じる部位とは別の部位の筋肉が原因で間接的な不快を感じることもあります。

つらい肩こりの原因やリスクは?

肩こりになってしまうとわかっていても、お仕事や家事などで肩こりのリスクを甘んじて受け入れるしかないケースも実際のところ多いです。しかしだからこそ、その予防のためにも肩こりの原因やリスクについて考えます。

肩こりの原因
特に首、そして背中の緊張を伴う姿勢での作業、猫背・前かがみなどの姿勢の悪さ、運動不足、精神的なストレス、なで肩、連続して長時間同じ姿勢をとること、ショルダーバッグ、抱っこヒモ、冷房など

(原因-公益社団法人日本整形外科学会 より)

特に、仕事でパソコンを長時間使用しなければならない人の肩こりが近年急増の傾向があります。また、スマホなどの小さな文字を見る習慣が肩こりの原因になることもありますので、これらのリスクには要注意です。

以上からもわかるように、首回り、肩回り、背中などの筋肉の緊張によって、血流が停滞することが、肩こりにとって大きなリスクになります。しかしこのことが、肩こり解消のヒントにもなります。

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ゆううつな肩こりはできるだけ予防したい!

どんな病気や症状にも言えることですが、治療は原因を取り除くこと、そして予防は原因を遠ざけることによって実現することができます。肩こりについてもまったく同じで、上記の「原因」を遠ざける生活を送ることが理想です。

現代人にとってはなかなか難しいとは思いますが…ただ、意識だけでも持っていただければ予防のヒントになるはずです。

肩こりの予防方法
  • 同じ姿勢の長時間継続を避ける
  • 蒸しタオルなどで肩周り、首回りを温めて筋肉の血行を良くし、疲労をとる
  • 適度な運動や体操を行う
  • 入浴により身体を温め、身体的、精神的にリラックスする

(予防と治療-公益社団法人日本整形外科学会 より)

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食べ物で肩こりが予防できる!?

肩こりというと、完全に外科的な分野のトラブルである印象もありますが、しかし血行不良がその原因の一端であることを考えると、食べ物(栄養)が肩こりの予防につながる可能性も十分考えられます。

そういったお話もいくつかありますので、おいしく肩こりを予防してみてください!

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肩こり解消方法、治療方法はさまざま!受診するなら病院、整体…どっち?

肩こりの治療方法にはいろいろありますが、まずはオーソドックスな方法でお話します。肩こりの直接的な原因は、筋肉の緊張による血行不良ですので、血流を促進することが治療の目的となります。

肩こりの治療方法
  • マッサージ療法(筋肉内の血流の改善の促進、筋緊張の緩和)
  • 温熱療法(お風呂や蒸しタオルなどで患部を温めることによる筋緊張の緩和)
  • 運動療法(筋力強化と血流促進)
  • 薬物療法(湿布薬貼付、筋弛緩薬、局所注射などによるこりの解消)
  • 安静(痛みや不快感の鎮静化)

(予防と治療-公益社団法人日本整形外科学会 より)

治療というほど大げさなものではありませんが、

  • 肩だけを上げたり下げたりする
  • 両腕を肩からあげて伸びをする

といったちょっとした運動(というか、気分転換?)だけでも軽度の肩こりならば解消できるはずです。

これらは日本整形外科学会も推奨している肩の体操なんですよ。血行促進と筋緊張の緩和、ストレス解消の効果があります。

コリはじめたかな?と思ったら、この方法を試してみてください。

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このような様々なセルフで行える肩こり解消方法を試しても、不安だ、あるいは実践したものの効果が現れなかったという場合には、やはり病院や整骨院・整体院など、その道のプロの力を頼るのが有効な手段といえそうです。

病院の場合、もちろん一般的な内科でも肩こりのお薬を処方してもらうことは可能ですが、やはり整形外科で診てもらうのが一番適切かな、という気がします。病院でなければ、整骨院・整体院・接骨院などの専門機関がいいでしょう。

ただ、いざ肩こりの治療をしてもらいたいという時点で、上記のうちいったいどこに行けばよいのか、これはなかなか悩ましい問題です。通う場所を決定する際の評価の要素も多様なので、このあたりが悩みの種だったりします。

自宅からの距離や保険適用の有無に施術費用、口コミや施術時間(混雑の度合い)、先生の腕(テクニック)など、自分にとって一番ふさわしい「治療の場所」がどこであるのか、まずはこの部分をはっきりさせたいところです。

ここではそのヒントとなるお話をしたいと思います。

ツライ肩こりは、まずは病院へ行こう!

自分ではどうにかできない、ツボやストレッチでは効果が見られない、でもガマンもできない・・・この症状は、なかなかの肩こりであると推測されます。もしかしたら重い病気が原因かもしれません。

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何をしても効果がなく改善の兆しが見えない、もうつらすぎてガマンできないというケースでは、まずは整形外科に行って専門医に相談し、検査などをしてもらって、一定の結論を導きだしてもらうことが望ましいです。

肩こりの際に重要なことは、まずは原因がどこにあるのかを明確にすることです。大きな心配がなければ、そのまま整形外科に通院する、最寄りの、あるいは評判が高い整体院や整骨院・接骨院でマッサージなどの治療を受けるといった選択が可能になります。

大切なのは、「正しい選択をすること」に他なりません。選択するのは私たち素人の立場なので、手順を誤ると、選択を誤ることになってしまいかねません。それを避けるためには、ひどい肩こりのときにはまず整形外科で原因をはっきりさせることです。

ですから、整形外科(医療機関)の役割は、正しい肩こりの原因を探り、治療を行う場所であると解釈することができます。では、整体院や整骨院、接骨院などの場所は、いったいどんな役割を果たすのでしょうか?

では、整骨院や接骨院などは、いったい何をしてくれる場所なの?という素朴なギモンが湧き上がりますよね?これについて簡単に触れておきましょう。

病院や整体院…肩こりの専門家はどこになるのか

病院(整形外科)にいって検査してもらったにもかかわらず、原因がはっきりわからなかった、というケースは非常に多いです。これは患者さんからすればあまりにも残念なことですが、肩こりはそれだけ奥が深い病気なのです。

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病院でよくわからなかったから、整体院や整骨院、接骨院に通ってみよう・・・そんな判断をされる患者さんも少なくありません。しかしこの発想は少々危険であるといわなければなりません。

まずは、これらの「院」のちがいについてお話しましょう。ただし、整骨院と接骨院は、基本的には同じです(院長の目指す部分のニュアンスが多少異なるとの説もあり)。整骨院も接骨院も、施術にはどちらも国家資格が必要です。

しかし整体院や、一時期はやったカイロプラクティックなどは、いわゆる民間療法であって、有資格者でなくても開業できる、いわば「お店」となります。マッサージ店やエステサロンに近いイメージですね。

しかも、整骨院や接骨院は、主に「骨折や捻挫の応急処置や治療」を行う専門機関です。肩こりや腰痛の患者さんがこれらの専門機関を利用するケースは多いですが、イメージとしては合致するとは言えません。

また、整骨院、接骨院、そして整体院でも、レントゲン撮影やCTなどの設備を導入しているところはありますが、これは、整形外科で行うレントゲンやCTとは意味合いが異なります。

整形外科では「診断」が目的であり、それ以外の「院」などではあくまでも「参考」が目的です。つまり、肩こりの診断をくだすことができるのは、整形外科(病院)だけなのです。

このあたりを突き詰めると、やはり最終的な判断は整形外科の専門医の意見が最も重要であると結論づけられます。「原因不明」の場合は、たとえば紹介状を書いてもらって大きな病院で精密検査をするなどの方法が有効です。

正直、そこまですることもないのではないか・・・と思うかもしれませんが、「ガマンできないレベルの肩こり」であれば、「そこまですべき症状」なのだと判断できるはずです。

根治を目指すか上手に付き合うかで考え方が変わる!

肩こりは非常に奥が深い病気です。それだけに、根治(完治)を目指すためには、上記に挙げたとおり、大学病院などで精密な検査を行うことも視野に入れておくべきでしょう。

しかし、一時的な対処を繰り返してなんとかその場をやりすごす、つまりは「肩こりと上手に付き合う」という治療を採用したいのであれば、無理に難しい根治治療を選択する必要はまったくありません。

要は、患者さんご自身のスタンスなのです。整形外科で原因がわからなかったからとりあえずブロック注射を打ってもらって一時的に良くなるのも、整骨院や整体院でマッサージをしてもらって一時的によくなるのも、結局は同じことなのです。

手法は異なるものの「一時的にでも良くなること」が重要であると考えるなら、整骨院や接骨院、場合によってはエステサロンなどを利用するという方法も十分アリなのです。

とはいえ、やはりはじめは整形外科で骨や筋肉、神経などの異常をチェックするための検査を受けるべきであり、できることなら明確な「診断」を受けるべきであることだけは、最後に改めて付け加えておきたいと思います。

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奥が深い肩こり・・・だからこそ根拠とヴィジョンを持って治療を!

肩こりだから病院に行くほどでもないな・・・そう考える人は意外と多いのではないかというようなお話もすでにしてきましたが、心配なのは、重篤な病気と肩こりが密接に関係していることもある、ということです。

重病の有無については、再三お話したように、整形外科に行けばすぐに解決できます。万一大きな病気が肩こりの陰に隠れていたなら、全力でこれを治療すべきです。問題は、原因がはっきりしない場合です。

上では少し「原因がわからない肩こり」の治療へアプローチの仕方についても触れましたが、専門医でもわからないことがあるくらい、肩こりは奥が深い病気なのです。それだけに、中途半端な気持ちで治療しても、うまくいきません。

整骨院や接骨院、整体院やカイロプラクティックに通うのも悪くはありません。ただ、そこに明確な根拠と、将来的に肩こりをどうしたいのかという明確なヴィジョンがあるべきではなかろうかと考えます。

日本中の多くの人が悩む疾患だけに、とても難しい問題であることは間違いありません。しかしだからこそ、ご自身のつらい症状を改善するためにも、自信を持って治療をしていただきたいと願います。

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