健康生活TOP 喫煙 肺がんや喘息だけでないタバコの害!それでもあなたは吸う?

肺がんや喘息だけでないタバコの害!それでもあなたは吸う?

喫煙する男性

タバコが体に悪いことは誰でもご存知でしょう。タバコを吸うことで喘息が悪化したり肺がんになりやすくなるということはいろいろな場面で耳にします。

しかし!タバコの害はそれだけではありません。タバコが与える影響は呼吸器に対してだけでなく、一見タバコの煙とは無関係そうな全身に及んでいるのです。

タバコのリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。そして禁煙することでどんなメリットがあるのでしょうか。

喫煙について、一度しっかりと知識をつけておきませんか?

タバコのリスクは想像以上に存在する!肺がんだけを気にしても始まらない

皆さんの周りではまだたばこを吸っている人がいますか。厚生労働省の統計によると2013年の段階で女性は8.2%、男性は32.2%の喫煙率となっています。

全世界的にたばこは消えゆく方向性であることは間違いありませんが、たばこがなくなってしまう前に禁煙しないとひどい目に遭いますから、この機会にもう一度早い段階での禁煙をお勧めします。

たばこは百害あって一利なしと言う表現に反発してか、たばこに含まれる成分に医薬品的効果がある可能性が見つかったら、それを理由に「たばこにも良いところがある」と言う人が時々いますよね。

しかし、たばこの良いところを探すのは無意味です。どんなに必死に探しても、これまでに知られているたばこの害を超え得るメリットを発見する可能性は限りなくゼロに近いからです。

たばこが肺がんの原因と言うのは事実ではあるが古典的過ぎる

たばこを吸えば肺がんの罹患リスクは高まります。これは多くの研究から導き出された厳然たる事実ですが、ごくまれに有意のデータが集まらないこともあります。

そうしたものを見つけてきては「たばこと肺がんは関係ない」とか「大気汚染の方が肺がんと深いかかわりがある」とかの主張で喫煙を正当化したがる人もおられますね。

私もかつては喫煙者、それもかなりのヘビースモーカーでしたから、気持ちは理解できます。しかし、それはあまりにも幼稚な言い訳だと、心のどこかで判って言っているんです。

一方、たばこが身体に悪いと理解している喫煙者でさえ、たばこの害を軽く見積もっていることは間違いないでしょう。

たばこを止めてから後になって、たばこの本当の害を知り「止めて良かったな」と心から思いました。

まずはたばこを止めてからたばこの本当の害を知るのも良い方法

まずは問答無用でたばこをやめましょう。あるいは身近な人にやめてもらいましょう。理由なんていりません、「今日は天気が良いから禁煙日和だ」くらいでちょうど良いんです。

たばこの害は様々ありますが、それを知識として知っておくことは重要です。それが頭の中に入っていると、禁煙した後から、ついたばこに手を伸ばしてしまうと言うことが防げます。

少し私自身の経験をお話しすると、完全禁煙3日くらいで生理的な欲求はほぼ消えます。つまり「ニコチンが抜けた」状態になれると言うことです。しかし身に付いた「たばこを吸う動作」が抜けるのには2か月くらいかかりました。

つまり、口にたばこをくわえると言う動作や、たばこを吸うことによって時間を調整する行動と言うのはなかなか抜けません。

他人の「たばこの香り」が「たばこの匂い」に変わって、それを嗅いでもたばこが吸いたくなると言うことがなくなるには1年くらい必要です。

さらに2~3年すると「たばこの匂い」が「たばこの臭い」に変わって不快感を覚えるようになります。そして、さらに5年くらいで「たばこの臭い」は客観的なものとなり、その臭気が存在していると言う事実だけを感じるようになります。

私の場合は最も多い時期で1日100本(セブンスターを5箱)くらい、禁煙直前でも4箱ぐらい吸っていたので時間がかかったのかもしれません。

たばこを止めた理由ですが、ミレニアムに沸いた2000年のある日、たばこを自販機で買った時に、なぜか「21世紀に持って行くような物じゃないな」と感じたことから禁煙に踏み切れました。

実に適当な理由ですが、自分としてはこの程度のいい加減な理由の方が気負わずに禁煙できてよかったんじゃないかと思います。

禁煙も「思い立ったが吉日」と言うノリで良いのかもしれませんね。形から入るより、思いつきでふと止められたら負担も少なくていいと思いますよ。

たばこの致命的な害が肺がんやCOPDだけだと思ったら大間違い

たばこの煙は、口から喉、気管支から肺にかけての組織を常に刺激し続けることで、慢性的な傷害を負わせ、その結果悪性腫瘍ができます。肺がんの5年生存率は25%、悪性腫瘍の中でも致命的になりやすい病気です。

同じく、たばこの煙による慢性的な炎症のせいで、徐々に息が吐き出せなくなって苦しむ「死より怖い病気」が、別名「たばこ病」と呼ばれる慢性閉塞肺疾患・COPDです。

高齢になると半分の喫煙者に症状が出るCOPD

実際たばこによってもたらされる病気と言うのは数知れず存在します。その中でもなぜCOPDが「たばこ病」と呼ばれたのかには理由があります。それはCOPDがほとんど「たばこだけを原因として起こる」からなのです。

たばこを吸うと、誰にでも必ず「肺胞のある細気管支部分の炎症」が発生します。これが実はCOPDの初期病変なのです。この段階では症状が現れていませんが、COPDは発生していると言うことになります。

その病変かだんだん広がることで、息切れなどの症状を感じて受診するとCOPDと言う病名がつくと言うことです。ヨーロッパでの研究によると、実際に症状が出るまでに進行するのは喫煙者の14%から50%と言われています。

45歳以上の段階で14%、高齢者になると50%の喫煙者が症状の出ているCOPD患者であったと言うショッキングな数字が報告されています。

ですので、COPDと診断されたら、最初にすることは禁煙です。もちろん禁煙したからと言ってそれだけでCOPDが治るわけではなく、お薬や酸素ボンベなど、様々な治療が行われます。

しかし、どんな治療を行おうが、たばこを止めなければ、早晩苦しんで死を迎えることになります。

喫煙は免疫細胞を破壊する!命にかかわる気管支喘息まで引き起こす

喫煙によって免疫細胞の一つ、T細胞と言うリンパ球の分裂が抑制されます。つまり、免疫の働きが悪くなってしまうと言うことがまず挙げられます。そうなると様々な感染症リスクが増えますね。

さらに、T細胞のうち、ヘルパーT細胞にはTh1とTh2と言う物が含まれますが、このバランスが崩れ、Th2寄りになります。このバランスはどちらに寄っても病気の原因になります。

Th2に寄った場合の免疫反応の異常によって引き起こされる最もメジャーな病気は気管支喘息とアトピー性皮膚炎です。アトピー性皮膚炎は生活に大きな悪影響を及ぼすものの、生命に関わることはめったにありません。

一方、気管支喘息は油断していると生命の危険もあり得ますから怖いですね。さらに、このTh1/Th2バランスの崩れは実に様々な病気をもたらします。一部の例を挙げてみましょう。

  • 間質性肺炎
  • 自己免疫性膵炎
  • 硬化性胆管炎
  • 尿細管間質性腎炎
  • 炎症性動脈瘤
  • 前立腺炎

実に多彩で全身におよび、難しい病気が多いですね。これらは全部喫煙によるT細胞のトラブルから発生することがある病気なのです。

能動喫煙も受動喫煙も妊娠に多大な悪影響を与える

能動的・受動的を問わず、妊娠中の喫煙は胎児に大きな悪影響を及ぼします。乳児の肺機能の発達障害や機能低下はその代表的なものですね。低体重児のリスクも上昇します。

悪いことに、無事に生まれてきた後にも乳児突然死症候群の原因になります。せっかく授かった新しい命を、たかがたばこで失いたくはありませんよね。

さらに妊婦さん自身についても、早期破水や前置胎盤、胎盤異常と言ったリスクが喫煙によってもたらされます。

そして、それ以前に、妊孕力(妊娠しやすさ)の低下も大きな問題で、子供を望む人はご本人の女性のみならず、周囲の人も一切喫煙をするべきではありません。

ここまで判っていて、いまなおたばこが禁止されないのかは不思議な気もします。でも、実際に依存症患者が多いから、いきなり禁止すると病院が対応しきれなくなるからかもしれませんね。

たばこの害は肺がんだけじゃない…他のがんもいっぱい呼び寄せる

先にもいくつかのがんを紹介しましたが、実は驚くほどたくさんの種類のがんがたばこによって引き起こされることが判っています。

国際がん研究機関は非常に長い時間と多くのデータから、喫煙が引き起こすがんについての研究を行っています。2012年にも因果関係が確認されたがんをリストしています。

このリストは明らかな因果関係が確認されたもので、可能性があると言うレベルのものは含まれていません。ですので、今後さらにリストに加えられるがんが増えることは充分あり得ます。

喫煙によってもたらされることが確実ながんのリストです。

  • 口腔がん
  • 鼻咽頭がん
  • 副鼻腔がん
  • 喉頭がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 胃がん
  • 膵臓がん
  • 大腸がん
  • 肝臓がん
  • 腎臓がん
  • 尿管がん
  • 膀胱がん
  • 子宮頚部がん
  • 卵巣がん
  • 骨髄性白血病
たばこには驚くほど害が多いのです。でも一番の害は「止められなくなる」と言う依存性薬物としての性質かも知れませんね。

その他の喫煙によって影響が懸念される様々な病気や症状

ここまでたくさんの喫煙のリスクについて紹介してきましたが、喫煙は他にも健康に被害を及ぼす可能性があります。

動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞

タバコと動脈硬化はあまり関係ないと思われてしまうかもしれませんが、タバコは動脈硬化の大きな原因になります。

歳を重ねるにつれ、特に男性ほど動脈硬化になりやすくなります。高血圧や脂質異常症、また肥満やストレスや運動不足があるとより危険度は増します。

そしてタバコを吸っていると、さらに動脈硬化になってしまうリスクが増えるのです。

タバコを吸うと善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールと中性脂肪が増えます。これは、喫煙によって活性酸素が増えたことなどが影響しています。

善玉コレステロールには、血管にへばりついたコレステロールを引き抜いて動脈硬化を防ぐ作用があります。その善玉コレステロールが減ってしまうために動脈硬化になりやすくなってしまうのです。

また喫煙によって発生した活性酸素が悪玉コレステロールを酸化することによっても、動脈硬化が進んで行きます。

さらに喫煙により血管は収縮し、血圧は上昇します。血管への圧力が高くなると動脈硬化がもっと進みやすくなります。また喫煙は血液をドロドロにしてしまい、ますます血栓ができやすくなっていきます。

このように、タバコを吸うことで様々なメカニズムが働いて動脈硬化が進んでいってしまうのです。動脈硬化が進むことで心筋梗塞や脳梗塞のリスクも増していきます。

糖尿病

タバコを吸うと交感神経が刺激され、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。実はこのホルモンに血糖値を上げてしまう作用があるのです。

また血糖値を下げる働きをするインスリンに対してニコチンが作用すると、インスリンの働きが悪くなります。インスリンが十分に働かなくては、血糖値をきちんと下げることができません。

このようにタバコを吸うことで血糖値に影響が出て、糖尿病になりやすくなってしまいます。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは内臓脂肪がたまってしまっていることに加えて、血圧、血糖、血中脂質のうち2つ以上の数値が高くなってしまっている状態です。

タバコを吸っていると中性脂肪が上昇したり善玉コレステロールが低下したりしやすくなります。血糖値も上がりやすくなってしまいます。

またタバコを吸っていると、ホルモンの影響などから内臓脂肪がつきやすくなります。その他、喫煙者は飲酒をしたり食事が偏ったりしやすい傾向にもあります。

メタボリックシンドロームになると動脈硬化も進行しやすくなります。メタボリックシンドロームの喫煙者は、ますます動脈硬化の危険度が増してしまうのです。

胃潰瘍

タバコを吸うと胃酸の分泌が増えてしまいます。そして逆に胃壁を守る粘液の分泌は減っていきます。

胃酸と胃壁を守る粘液がうまくバランスをとることで胃は正常に機能してしたのですが、このバランスが崩れてしまうと胃潰瘍になりやすくなってしまいます。またタバコを吸っていると、胃潰瘍を再発するリスクも増えることがわかっています。

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて全身の代謝が高まる病気です。この病気についてはまだ詳しくわかっていない部分もありますが、タバコの影響についてははっきりしているようです。

タバコを吸う人のほうが、吸わない人よりもバセドウ病になりやすいとされます。またバセドウ病治療のために薬を飲んでいても、タバコを吸っている人のほうがその効果が現れにくいとされます。

バセドウ病が治った後の再発率も、タバコを吸う人のほうが高いとされます。

骨粗鬆症

タバコを吸うと血流が悪くなります。そして胃腸の働きも悪くなり、カルシウムの吸収が妨げられます。

またタバコは女性ホルモンのエストロゲン分泌も悪くさせます。エストロゲンには骨からカルシウムが溶け出してしまうのを抑える働きがあったのですが、そのエストロゲンが減ってしまうことで骨は弱くなっていってしまいます。

実際に喫煙者のほうが骨粗鬆症のリスクが高いことがわかっています。また骨折してしまった場合には、治るまでの時間もより長くかかってしまうことがわかっています。

肝臓やすい臓にも影響

タバコは肝臓やすい臓にも影響を与えると考えられています。

肝臓には本来たくさんの血液が流れ込んでいて、それによって様々な機能を果たしています。しかしタバコは血管を収縮させ、血流を悪くさせます。すると肝臓に流れ込む血液も減ってしまい、本来の働きができなくなってしまうのです。

またタバコに含まれる成分が肝臓の細胞を壊していきます。そのようなことから、タバコを吸うことで肝臓の機能は低下していってしまいます。

すい臓に対してはどう影響するのかはっきりしていません。ただタバコを吸う人のほうが慢性すい炎を発症しやすいということがわかっています。この結果から、タバコは慢性すい炎にも影響があるのではないかと考えられます。

うつ病

タバコを吸うとうつ病にもなりやすくなることがわかっています。吸う人と吸わない人のうつ病のなりやすさを調査したところ、吸う人のほうがうつ病になりやすいという結果が出ました。

認知症

タバコを吸うことで認知症のリスクも高まるとされます。以前はタバコを吸っているほうがアルツハイマー型認知症になりにくいという調査報告もあったのですが、最近では吸っているほうがリスクが高いとされています。

老化

タバコを吸うことでシワやシミが出やすくなってしまうという話は聞いたことがあるのではないでしょうか。

タバコを吸うと血流が悪くなり、活性酸素が増え、ビタミンCも破壊され、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ります。老化を進めてしまう原因がこんなにたくさんあるのです。

そのためにシワやシミやくすみが出やすくなったり、皮膚のハリがなくなったりします。それだけでなく歯にはヤニがついてしまったり、歯周病になって口臭が出てしまったりします。

頭皮の血流が悪くなり、酸素や栄養が不足してしまうことで脱毛したり白髪になってしまったりもしやすくなります。

禁煙のメリットは健康とお金を手に入れられること

開放的な気分の男性

がんばって禁煙に挑戦するからには、禁煙することでどんなメリットがあるか知っておきたいでしょう。禁煙したら食べ物が美味しくなったなどといった話は聞いたことがあるのではないでしょうか。

禁煙を始めてからどのくらいの期間で、どんな効果が出てくるのかをまとめてみました。

(1)禁煙から数日後には、味覚や臭覚が改善して食べ物が美味しく感じられるようになります。歩いたりすることも今までより楽になります。

(2)2週間~3ヶ月ほどすると、心臓や血管など循環器の機能が改善してきます。

(3)1~9ヶ月で咳や痰、喘鳴(ゼイゼイするような呼吸音)などの症状が改善してきます。気道の状態が良くなることで感染しにくくなり、風邪やインフルエンザなどにもかかりにくくなります。呼吸も楽に感じられるでしょう。

(4)1年後には、軽度から中等度のCOPD患者の肺機能にも改善がみられます。

(5)2~4年後には、狭心症や心筋梗塞になるリスクが禁煙しなかった場合に比べて35%も低下します。脳梗塞のリスクもかなり低下します。

(6)5~9年後には、肺がんのリスクが明らかに低下します。年齢とともに現れる肺機能の低下速度も、タバコを吸わない人と同レベルになります。

(7)10~15年後には、様々な病気にかかるリスクはタバコを吸わない人と同レベルに近付きます。

禁煙したら胃の調子が良くなった、目覚めが爽やかになった、禁煙ができたことで自分に自信がついたなどという話も聞きます。

またタバコを買う必要がなくなるので、経済的メリットも大きいでしょう。

健康保険を使って禁煙治療を受ける場合には、自己負担が3割として8~12週間で12,000円~20,000円くらいです。(ただし病院によっても多少違いがあるため、確認をしてください。)

でも、もし何もせずに1日1箱のタバコを吸い続けていたとすると、1箱430円として8~12週間で24,000円~36,000円かかってしまいます。そしてその後もずっと、これだけのお金がかかり続けるわけです。

禁煙治療に健康保険を使えるかどうかについては、いくつか条件があります。喫煙年数や量、そしてニコチン依存症になっているかどうかといったようなことがその条件になっています。

思い立った時が禁煙の始め時です。ぜひ禁煙の心構えを!そして一人では不安だという場合は、一度医師に相談してみてくださいね。
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