健康生活TOP 睡眠障害 歳のせいとは言い切れない!高齢者の不眠はこんな病気も原因に?

歳のせいとは言い切れない!高齢者の不眠はこんな病気も原因に?

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睡眠のリズムは加齢と共に変わっていくので、高齢者は自然と夜の眠りが浅くなったり朝は早く目が覚めたりするようになります。

また、加齢とは別の原因で不眠症に陥っていて睡眠がうまくとれていない高齢者も意外と多いのです。

高齢者の方が、睡眠不足のせいで日中の生活の質が下がっていると感じるなら、何か病気がひそんでいないか確認することをもおすすめします。今回は高齢者の不眠の原因になりがちな病気について説明します。

加齢と共に睡眠時間は自然と短くなるものですが…

若い人ほど基礎代謝量が高く睡眠時間がたくさん必要なので、若い時にはいくら寝ても寝足りなかったり、昼過ぎまで爆睡できたり、といった経験も不思議ではありません。

そして加齢と共に基礎代謝量が低下してくると自然と睡眠時間も短くなります。1日に必要な睡眠時間は赤ちゃんで16時間、20~30代で7~8時間、60代で6時間程度となります。

また加齢と共に睡眠リズムも変わり、中高年になると次第に朝早く目が覚めるようになってきます。

高齢者になると

  • 朝がやたら早い
  • 日中にうたた寝をしていることが多い
  • 夜中に何度も目が覚める

といった現象も多くなり、さらに

  • ふしぶしの痛み
  • 乾燥性の皮膚のかゆみ
  • 頻尿

といった高齢者に多い不快な症状が睡眠を妨げます。

問題なのは、検査や治療が必要な病気のせいで睡眠障害が起こっているのに、「年のせい」で片づけてしまい、症状が悪化してしまうケースです。

実際には高齢者でも1日に10時間くらい眠っている人が少なくありません。ただし若い人よりも睡眠がかなり浅くなっているので、人によっては布団に横になっている時間が長くても、体に必要な睡眠が取れていない可能性もあります。

高齢者の不眠はさらに免疫力を弱め持病の悪化を招くので、放置するのは良くありません。高齢者の不眠につながりやすい病気を知っておきましょう。

「認知症」にかかると、もの忘れだけじゃなく睡眠障害も起こる

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認知症の症状といえば記憶力や判断力の低下がよく知られますが、実は睡眠障害も多いことはご存知でしょうか?

認知症を発症すると睡眠が浅くなったり睡眠リズムが狂ったりし、一度に長時間眠ることができなくなってくるために睡眠障害を伴うようになります。

認知症の人の睡眠が十分にとれないと、さらに認知症の症状が悪化したり、夜間に介護する人の負担が大きくなったりするので、医師に睡眠薬を処方してもらうなど状況に応じた治療も必要です。

もし高齢者の睡眠が浅くなったと感じ、もの忘れの多さや人格の変化といった認知症の兆候が気になるようなら、家族や周囲の方はかかりつけ医や認知症の相談に対応している地域包括支援センターなどに相談することをおすすめします。

加齢で起こりやすくなる「睡眠時無呼吸症候群」の場合も

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睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中にしばしば呼吸が止まるために熟睡できず、睡眠不足のために日中の強い眠気が起こったり健康に害をもたらしたりすることが問題となっている病気です。

一般には顔の骨格や肥満体型が影響し、睡眠中に喉のふさがりやすい人に多いのですが、高齢者は加齢の影響によって睡眠中に気道がふさがり気味になるので無呼吸が起こりやすくなってしまいます。

睡眠時無呼吸症候群は高血圧、動脈硬化、心疾患のリスクを高めるので早く気づいて治療を始めるのがのぞましいです。

高齢者に高いびきや日中の強い眠気があれば、夜間に家族が高齢者の呼吸に異常がないかチェックし、かかりつけ医または耳鼻咽喉科を受診させましょう。

若い人より発見されにくい「うつ病」にも注意

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うつ病の症状の一つに睡眠障害がありますが、高齢期は体の衰えや健康上の悩み、経済的な問題、知り合いとの死別…などさまざまなストレスを抱えやすく、うつ病にかかりやすい世代なのです。

また高齢者はうつ病にかかっても、若い人のうつ病と少し異なり気分の低下が目立ちにくいので、見過ごされることが少なくありません。高齢者でうつ病になりやすいのは次のような人です。

  • 若い時にうつ病にかかったことがある
  • 一人暮らしをしている
  • 女性
  • 持病がある
  • 配偶者の死別などがあり喪失感が強い状態
高齢者の不眠に加え、次のような兆候が見られたら、うつ病を疑ってかかりつけ医か精神科の診察を受けるのがのぞましいです。

  • 若い人のうつ病と異なり、抑うつ症状が少ない
  • もの忘れや意欲の低下が目立つ
  • 体の痛みや不快感などの不定愁訴が増える
  • 過剰な不安や妄想を伴うことがある

また高齢者のうつ病は、脳血管疾患や認知症と関係している場合もあるので、受診はなるべく早めに!

そのかゆみは皮膚炎ではなく「むずむず病」かも

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中高年以上に多い「むずむず病」という病気があります。これは主に睡眠中など、じっとしている時に脚の皮膚を虫が這うようなかゆみの起こる病気です。

原因ははっきり分かっていませんが、女性、鉄欠乏性貧血の人や透析を受けている人に起こりやすいともいわれています。

  • 夜寝ようとすると脚がむずむずする
  • かゆみやしびれは、かいたり動いたりするとおさまる
  • 睡眠中に脚の筋肉がぴくぴくとけいれんする

などの症状が見られたら、一般的な皮膚炎のかゆみではありません。皮膚科ではなく神経内科を受診してみてください。

薬を処方してもらえば症状を抑えることができ、ぐっすり眠れるようになります。

咳や痰が継続する高齢者は「 COPD」も疑って

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、煙草の煙など汚れた空気を吸い続けることで肺や気管支炎に炎症が起こる病気です。

高齢者に多く、80代以上で患者数が急増します。また患者数も増加の傾向にあり、日本では死因TOP10位にも入っている病気です。

肺胞が破壊されると二度と元には戻らず、重症化すると呼吸困難が起こりやすくなるため、日常生活に支障が出るようになってしまいます。

咳、痰、息切れなどの症状を伴い、ゆっくり進行していきます。単なる風邪と見過ごしてしまうこともあり、治療を受けていないCOPD予備軍も多いと考えられています。不眠に加え、次のような症状のある人は呼吸器科を受診してみてください。

  • 喫煙の経験がある
  • 発熱を伴わない咳や痰が続く
  • 階段や坂を上る時に息切れが激しくなる

治療では気管支を拡張する薬を用いたり、適度な運動で呼吸機能をトレーニングしたりすることで COPDの進行を抑えます。

高齢者が少しでも気持ち良く眠れるようにするためには

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家族や周囲の人は、高齢者の病気の治療を優先しながら、少しでも気持ち良く眠れるようにしてあげましょう。

また高齢者の健康状態に関わらず、規則正しい生活を心がけて睡眠リズムを整えることも大切です。

次に紹介させていただくのは、独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の榎本みのり氏が推奨する、認知症の方の睡眠を保つためのコツです。

認知症の有無に関係なくどなたが実践しても、睡眠リズムを整えるのに効果的なので是非おすすめです!

  • 就寝環境を整える(室温・照度)
  • 午前中に日光を浴びる
  • 入床・覚醒時刻を規則正しく整える
  • 食事時刻を規則正しく整える
  • 昼寝を避ける/日中にベッドを使用しない
  • 決まった時刻に身体運動する(入床前の4時間以降は避ける)
  • 夕刻以降に過剰の水分を摂取しない
  • アルコール・カフェイン・ニコチンの摂取を避ける
  • 痛みに充分対処する(気づかれていないことも多い)

特に日中の活動は、適度に体を疲労させ夜に心地良い睡眠を誘う効果があります。高齢者は自然と活動量が少なくなるため、無理のないペースでなるべく社会に出たり運動したりするように心がけたいものです。

65歳以上の3人に1人は睡眠障害に悩んでいます

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65歳以上の3人に1人もの人が睡眠障害に悩んでいるとされています。

不眠の原因には認知症や COPDといった治療が遅れると重症化してしまう病気も含まれていることを認識し、家族や周囲の人は日頃から高齢者の睡眠状態や体調に気を配り気になる兆候があればすぐ医療機関に相談しましょう。

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