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寝ている子供が泣き叫んだり暴れたり!夜驚症の症状と原因、対処法は

寝ている赤ちゃんとママ

子供は寝ている間に寝言、夜泣き、おねしょ…などさまざまな現象を起こすことが多いものです。夜中に起こされるお父さんお母さんは大変かもしれませんが、後から思い出せばほほえましいエピソードになることが多いものです。

中には、夜中に突然飛び起きて泣き叫んだり暴れたりする「夜驚症(やきょうしょう)」を引き起こす子供もいます。その様子を目にした家族はビックリしてしまうかもしれませんね。

今回は夜驚症の原因と対処法について紹介いたします。

叫んだり暴れたり!夜驚症の特徴的な症状

寝言を言ったり寝ぼけて手足を動かしたりすることは、誰にでもあることです。

しかし子供が睡眠中に突然泣き叫んだり暴れ出したりしたら、それは「夜驚症」という睡眠障害を起こしている可能性があります。

夜驚症の特徴的な症状

  • 眠ってから1~2時間後に突然、悲鳴をあげて飛び起きる
  • 泣き叫んだり大声でわめいたりする
  • ひどく興奮し、おびえている
  • 呼吸が荒く、心拍数が上昇している
  • 汗をびっしょりかく
  • 本人は意識がなく、周囲の呼びかけに反応しない
  • 暴れたり歩き回ったりすることもある
  • 1~10分くらいでおさまり、再び何事もなかったように眠りにつく
  • 起きてから夜驚症を起こしたことを覚えていない
  • 基本的に起こるのは一晩に1回

夜驚症が起こっている最中は「怖い、怖い」と叫んだり「お母さん」と母親を探し求めて歩き回ったりすることもありますが、周りの大人がいくら呼びかけたりなだめたりしても、反応がありません。周りの大人のほうが慌ててしまうかもしれませんね。

半分起きて半分眠っている状態…夜驚症は睡眠障害の一種

夜驚症の正式な病名は「睡眠時驚愕症」といいます。

夜驚症は、子供の1~5%に見られる現象です。3~7歳頃の男の子に起こりやすく、たいていは10歳頃までには自然におさまります。

WHOが発表しているISD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)という世界共通の診断基準では「非器質性睡眠障害」の一種に分類されています。

ICD-10基本分類表では「精神及び行動の障害」のF51.4というコードで次のように定義されています。

F51.4 睡眠時驚愕症 [夜驚症]
大きな叫び声, 体動, 激しい自律神経症状表出に関連した著しい驚愕及び恐慌<パニック>の夜間エピソードである。

通常は恐怖の叫びとともに夜間睡眠時の最初の3分1の間に生じ, 患者は起き上がるか立ち上がる。 逃げようとするかのようにドアに突進することがしばしばあるが, 部屋から出て行くことはあまりない。

このできごとは回想されることがあってもそのうちのごく限られたものにすぎない(通常は心的イメージの一, 二の断片のみ)。

病気のプロフィールを見ると、なんだか深刻な病気のようなイメージを持ってしまいそうです。

しかし夜驚症が該当する「非器質性睡眠障害」というのは、器質性ではない(体に何か異常があるわけではない)睡眠障害という意味で、脳神経や臓器の異常を心配するようなものではありません。

夜驚症は怖い夢を見ている最中に体だけ覚醒したために起こる現象なのです。半分眠って半分起きているような状態です。脳は眠ったままなので、本人の意識はありません。

通常の睡眠では、このように部分的に覚醒することはありません。しかし睡眠と覚醒のリズムが乱れると、眠っているのに体だけ起きてしまうことがあります。

私達は一晩に、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を90分周期で繰り返しながら睡眠をとっていて、夜驚症は寝た直後に訪れるノンレム睡眠の時に起こります。

レム睡眠 体は深く眠り、脳の眠りは浅い。目が覚めやすい状態。
ノンレム睡眠 脳も体も深く眠っている。

ノンレム睡眠時に怖い夢を見ていて、何かのはずみで体が覚醒してしまうと、脳は深く眠ったままなので目が覚めることはなく、怖い夢を見ながらそれに合わせて泣いたり暴れたりしてしまうのです。しかし眠っているので、あくまでも本人の自覚はありません。

ちなみに、レム睡眠で体は眠ったまま意識だけが覚醒した時に起こるのが「金縛り」です。

日中の恐怖体験が悪夢に?夜驚症の原因は

夜驚症は、子供の脳がまだ発達の段階にあり、睡眠と覚醒の正しいリズムが得られないために起こります。

夜驚症に伴う怖い夢や強い興奮を伴うような夢の内容には、日中の体験が反映されることが多く、たいていは恐怖や緊張を伴う体験が影響しています。また楽しい体験をした日に夜驚症の起こることもあります。

夜驚症の誘引になりやすい体験

  • ドラマやアニメに怖いシーンが出てきた
  • お化け屋敷・きも試しなどで、驚いたり怖い思いをした
  • 幼稚園・学校・家庭で強く叱られた
  • 発表会などがあり、強く緊張した
  • いじめなど強くショックを受ける出来事があった
  • 事故に遭ったり事故を目撃したりして、怖い思いをした
  • 興奮するほど友達と夢中で遊んだ
  • 遊園地や旅行に行ったりして、とても楽しい思いをした

など

子供が怖い目に遭って悪夢を見るのは、大人でもショッキングな出来事があった後にうなされることがあるのと同じです。

また、まれにてんかんなどの気質的な疾患が原因で夜驚症が起こっている場合もあります。

昔は「親のしつけが悪い」と言われることもあったようですが、親のしつけが原因ではありません。

家族はどう接すれば良い?受診は?夜驚症の対処法

夜驚症そのものに治療法はありません。脳が発達して8歳くらいで自然におさまるのを待つしかなく、夜驚症の最中は眠っていて意識がないので周りの呼びかけが一切通じないためです。

子供が夜驚症を起こした時の対処

夜中に眠っていた子供が急に飛び起きて泣きわめいたり暴れたりしても、なぐさめたり起こそうとしたりする必要はありません。大人は静かに声をかけたり子供の体をさすったりして、再び眠りにつくまで見守りましょう。

子供が混乱して泣いているのを見ると「かわいそうなので早く止めてあげたい」と思うのが親の心情ですが、子供は夜驚症の時のことを覚えておらず日中はケロッとしているものなので、それほど心配することはありません。

ただし、子供が立ち上がって歩き回ったり暴れたりする場合は、怪我をする可能性があるので、子供が動き出したら大人は子供の体をしっかり押さえてあげてください。

また夜驚症を起こす子供の寝室は、予めぶつかると危険な物を置かないようにして、子供の怪我を防ぎましょう。

受診の目安

夜驚症が頻繁に起こり、本人や家族が睡眠不足になって日常生活に差し支える場合は、小児科または小児神経科に相談してみましょう。一時的に適量の睡眠薬や抗不安薬を使うことで、症状を軽くすることが可能になります。

  • 一晩に数回起こる
  • 1回に10分以上続く
  • 動き回る範囲が広く、事故が心配
  • キャンプや旅行を控えて夜驚症が心配

という場合は、受診してみることをおすすめします。

また、夜驚症が睡眠の後半に起こったり8歳を過ぎても続いたりする場合は、単なる夜驚症ではなく、てんかんなど器質的な疾患が原因で起こっている可能性も考えられます。

夜驚症の起こる回数が一向に減らない場合も原因を特定するために受診しましょう。

夜驚症が起こる子供の外出や旅行はOK?夜驚症の予防

夜驚症そのものを止める特別な予防法はありません。

夜驚症を起こす子供の発達に異常があるわけでも親のしつけが悪いわけでもないので、日常生活を通常に過ごし、自然におさまる年齢が来るのを待つしかないのです。

3人に1人は、恐怖体験や興奮するような出来事など「感情が強くはたらくようなきっかけ」を受けてから夜驚症が始まります。

かといって、子供に刺激を与えないよう外出や旅行を制限したり強く叱るのを控えたりする必要は一切ありません。学習、遊び、しつけは子供の健全な心身を育むために必要だからです。

また、小さな子供ならホラーなど刺激の強いテレビは見せないほうが良いですが、少し大きくなった子供が怖いシーンの出てくるテレビや本を見たがっている場合は、特に夜驚症の原因にはつながらないので見せてやるのはそれほど問題ありません。

ただし、もともとストレスを感じやすいタイプ(神経質な子供・感受性の強い子供)や、事故などで強いショックを受けた子供は、周りの大人がリラックスできる環境を作って安心させてやり、なるべく怖い夢を見ないようしてフォローしてやります。

親があまり神経質になり過ぎる必要はないのですね。

夜驚症に似た夜泣き・夢遊病の特徴は?

夜驚症は「睡眠時随伴症」の一種ともいわれます。睡眠時随伴症とは「睡眠中に起こる望ましくない現象」の総称で、ほかに夜泣き、夢遊病(夢中游行症)などが該当します。

夜泣きは、夜中に起きて特に原因もなく激しくなく現象。生後1歳半くらいまでの赤ちゃんに見られます。夢遊病は睡眠中に本人の意識のないまま歩き回る現象で夜驚症と同様に3~7歳頃の子どもによく見られます。

夜泣きと夢遊病は、日中に経験した刺激が原因で起こるメカニズムが夜驚症と似ています。小さな子供の夜泣きと夜驚症は似ていて紛らわしく、夜驚症は夢遊病を併発することもあります。

少し違うのは、夜泣きと夢遊病は夢を見ている時に起こる現象ではない点です。夢遊病は病名に夢という字が入っていますが、夢は見ていないので怖がって泣き叫ぶこともありません。

どちらも夜驚症と同様に、脳の発達が未熟なために起こる睡眠障害で、成長と共に自然におさまることがほとんどです。

ただし夜泣きは体調不良で起こっていることも多く、夢遊病は家や窓から出てしまい事故に遭う危険性があるため、子供の様子をしっかり観察して、必要に応じて病院で治療を受けることもおすすめします。

規則正しい生活で睡眠リズムを整えることも大切です

夜驚症は長く続く病気ではありませんが、できれば夜中に飛び起きることなく、本人も家族も朝まで快眠できることが一番です。

夜驚症が治るには成長を待つしかありませんが、少しでも睡眠リズムを整えるために、規則正しい生活を送って睡眠の質を高めることも心がけましょう。

そして、子供が夜驚症を起こしても、お父さんお母さんは深く考えすぎないでゆったり見守ってあげることも大切ですね。

日中は外遊びで体を適度に疲れさせ、寝る前にはテレビを見たりゲームをしたりしないで早寝早起きするように心がけましょう。
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