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寝溜めは睡眠不足解消に効果あり!失敗しない正しい寝溜めの方法

休日に起きる時間を気にせず寝溜めをするのは気持ちが良いですよね。平日が多忙で十分な睡眠時間が確保できない人にとって、休日の寝溜めは貴重な睡眠不足の解消法といえます。

一方、寝溜めは健康のために良くない、効果がないという意見も聞かれます。寝溜めをするのは良くないと言われる理由、スッキリ睡眠を解消する正しい寝溜めの方法をチェックしてみましょう。

平日は多忙…睡眠不足・睡眠に不満を持っている人は約4割

理想の睡眠は、毎日一定の時間帯に7時間程度の十分な睡眠をとることだと言われています。

しかし、健康のために毎日規則正しい睡眠が必要だとわかっていても、仕事や付き合いで夜が遅くなったり寝付けない日があったりして、理想通りの睡眠サイクルを毎日続けることは難しいものです。

私達の生活スケジュールは社会的、文化的な拘束を受け、眠くなった時に自由に睡眠をとることはできないのが普通です。日本人の睡眠時間は短めで、睡眠に満足できていない人が多い傾向にあります。

インターネットリサーチを行なっているマイボスコム株式会社は、睡眠と寝具に関するアンケートを定期的に実施しています。

2016年3月のリサーチでは、回答した約1万1千人の睡眠時間で最も多いのが6時間くらいで4割弱、7時間くらいが3割弱、2割の人が5時間以下という結果になっていました。

アンケートに回答した人の約4割弱は睡眠に何らかの不満を持っており、特に40代は他の年齢層より不満を持っている人が多い傾向にありました。


(参考:寝具と睡眠のアンケート調査(4)|ネットリサーチのマイボイスコム)

毎日のように睡眠時間の短い日が続くと、日中の強い眠気や注意力の低下をまねきやすくなるだけでなく、睡眠で疲労が回復しないために心身の機能が低下して、あらゆる病気の発症リスクが高くなってしまい危険です。

そこで、平日は忙しく睡眠が十分に取れないかわり、休日に寝溜めをして睡眠不足を取り返そうとしている人は多いはずです。

休日に寝溜めをするのは良い?悪い?その理由は…

好きなだけ眠って良い休日の寝溜めは、待ちに待った至福の時間といえますね。しかし寝溜めの効果については、

「寝溜めには睡眠不足を解消する効果があるのでした方が良い」
「かえって体に良くないので、寝溜めをする意味がない」

…などのように異なる見解があるため、戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。

結論的には「寝溜めはした方が良い」と言えます。

平日に睡眠がとれない人が休日に寝溜めをすることには睡眠不足を解消するメリットがあるといえます。ただし、体内時計のリズムを狂わせないことが条件で、正しい方法で寝溜めをすることが必要です。

寝溜めが「良い」または「悪い」と言われるには理由があります。それぞれの意見をチェックしてみましょう。

「寝溜めはした方が良い」と言われる理由

休日の寝溜めには、睡眠不足を解消する効果があります。また、平日の睡眠時間が短い人が休日に寝溜めをするのはごく自然な現象ともいえます。

そもそも、睡眠は生命を維持するために欠かせない生理現象で、生物学的には次に挙げる役割を持っています。睡眠が不足するとこれらの作用が起こらなくなり健康を害するため、体に必要な睡眠時間を確保しなければなりません。

  • 疲労、脳機能を回復させる
  • 飲食をしない夜間にエネルギーが無駄に消耗されるのを防ぐ
  • 日中に得た情報を脳で整理し記憶に固定させる

また、睡眠不足は睡眠をとること以外に解決する方法がありません。

体に必要な睡眠のうち、起きている時間が長いために不足している部分を「睡眠負債」と呼びます。負債(借金)が、返済しなければいつまでもなくならないのと同じで、睡眠不足もそのままにしていると毎日の不足分が消えることなく蓄積してしまいます。

睡眠負債が蓄積すると脳や臓器の機能が修復されないままとなり、生活習慣病、うつ病、心疾患など、あらゆる病気の発症リスクが高くなってしまいます。

人間の体は睡眠負債によるダメージから身を守るため、睡眠不足になると自然と強い眠気を感じさせ、睡眠をとらせて睡眠負債を解消しようとはたらきます。

通常、眠気は昼・夜の体内時計と睡眠負債の強さのバランスで起こされるものですが、睡眠負債が蓄積している人(睡眠不足、激しい疲労、病気で体力を消耗している時)には、睡眠負債の解消が優先され、昼・夜に関係なく眠気が起こります。

そのため、平日の睡眠不足が慢性化している人は、ゆっくり眠れる休日が来ると自然と眠り続け、起きると睡眠不足が解消された感覚を得ることができるのです。

「寝溜めは体に良くない」と言われる理由

一方で「休日の寝溜めは睡眠不足の解消にならない」「寝溜めの習慣は不健康だ」という意見もよく聞かれます。

寝過ぎると体内時計が狂ってしまう
まず、寝溜めが体に良くないと言われる大きな理由は、寝過ぎによって睡眠リズムが狂ってしまう点です。

私達の体には体調を整えるための体内時計がいくつか備わっており、そのひとつに規則正しい睡眠リズムをつかさどる「概日リズム(サーカディアン・リズム)」があります。

概日リズムとは「朝に太陽光を浴びると目が覚めて、明るい日中は活動し、日が沈むと眠くなって暗い夜間は眠る」という、光に基づいて繰り返される昼と夜のリズムです。

概日リズムの調整に重要なのは「毎朝同じ時間帯に朝日を浴びること」です。

朝日を浴びることで概日リズムのずれがリセットされ、さらに約16時間後に睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が高まり、毎晩規則正しい睡眠リズムが作られます。

メラトニンは、強い光を浴びることで分泌が抑制されます。例えば、平日に毎晩遅くまで起きて明るい照明の下で過ごしている人は、メラトニンが分泌されにくいので脳が覚醒して余計に睡眠時間が短くなりがちです。

さらに平日の睡眠不足を休日の寝溜めで解消するために遅くまで寝る人は、朝日を浴びることができないので概日リズムが狂い、体内時計がずれてしまいます。

すると夜になって寝ようとした時に眠くならないので寝る時間が遅くなり、夜型にずれこんだまま休み明けを迎えるので平日の睡眠不足がさらに悪化してしまいます。

体内時計がずれたまま、このような寝溜めを毎週繰り返していくと、どんどん睡眠リズムがずれていき、睡眠不足が悪化したり次第に昼と夜が逆転していくような悪循環に陥りやすくなります。

概日リズムの乱れによって起こる睡眠不足を「概日リズム睡眠障害」といい、近年は夜更かしする人、夜型の人に増えてきています。

寝溜めを続けると睡眠不足を自覚しにくくなる
学術誌「Brain, Behavior, and Immunity」に掲載されている調査論文では、寝溜めをする習慣が長く続くほど眠気を自覚しにくくなり、平日の睡眠不足を改善する動機が起こりにくくなることから、寝溜めは不健康な習慣としています。
寝過ぎは頭痛や倦怠感を引き起こす
長時間寝てから起きると、頭痛、倦怠感、腰痛などが起こりやすく、寝溜めをしたため余計に疲れてしまうことがあります。

寝過ぎによる頭痛や腰痛は、長時間横たわって体の血行が滞るために起こります。また自律神経のバランスが乱れるため、倦怠感や吐き気なども起こりやすくなります。

休日が有意義に過ごせなくなる
休日に思う存分寝ることを楽しみに、1週間を短時間の睡眠で乗り切っている人もいるかもしれませんが、せっかくの休日がほとんど睡眠で終わってしまうと、休日の終わりに寂しい気持ちになるかもしれません。

寝溜めに失敗するとこのようにデメリットも多く生じますが、睡眠不足はやはり睡眠でしか解消できないので、寝溜めを活用することがのぞましいです。正しい寝溜めを取り入れ、体に必要な睡眠を確保しましょう。

これでスッキリ!正しい寝溜めの方法を理解しよう

休日の寝溜めで睡眠不足を解消しリフレッシュできるのは次に挙げる方法です。

  • 普段の起床時刻より2時間以上遅くまで眠らない
  • まず、通常通り早起きし、午前中の二度寝または15時までの仮眠をとる

おすすめの寝溜め:普段より2時間以上遅くまで眠らない

休日は思う存分寝るのが楽しみだという人も休日は寝過ぎないように注意し、休日と平日の起床時刻の差は2時間内に収めます。

例えば、普段午前7時に起きる人は午前9時には起きるようにします。うっかり寝すぎないよう目覚まし時計をセットしておきましょう。

休日の起床時刻があまり遅くならないようにするのは、平日と休日の睡眠パターンの変化をなるべく小さく抑え、体内時計のずれを作らないようにすることが目的です。

前夜はなるべく早く寝るのがおすすめです。早く寝ればそれだけ睡眠時間が確保しやすくなるためです。

もしこの方法で睡眠が確保できず日中に眠気の起こる場合は、15時までに30分程度の仮眠をとれば睡眠不足も解消できて夜に寝付けなくなることもありません。

おすすめの寝溜め:通常通り早起きした後に二度寝または仮眠をとる

休日はあまり早く起きたくないかもしれませんが、目覚ましをかけていったん平日と同じ時間帯に起き、それからもう一度眠るようにします。

ここで、いつも通りの時間帯に起きたら寝室のカーテンを開け、太陽光をしっかり浴びることがポイント。休日なのに朝早く起きる目的は、朝日を浴びることに意味があります。

朝日には体内時計を正常に調整して夜に自然な眠気を起こす役割があり、いつも通りの起床時刻に朝日を浴びておけば、休日のダラダラ寝による体内時計のリズムの乱れが防げ、安心して寝溜めをすることができます。

とは言え、日中に寝すぎると夜に目がさえて眠れなくなり、睡眠リズムがずれてしまうので、二度寝をする場合は昼まで、昼寝をする場合は15時までに済ませるようにしておきます。

起床後は活動し休日を満喫しよう

寝溜めが済んだら布団から出て活動し、午後は充実した休日を満喫します。趣味やスポーツなど、休日にしかできないことをしてストレスを解消し、週明けの英気を養いましょう。

また適度に体を動かしほど良く疲れさせておけば、起床時間が少々遅くても夜には自然と眠気が起こって気持ち良く眠りにつくことができるようになります。

先に寝溜めをしておくことは可能?

基本的に、寝溜めを先にしておくことは睡眠不足の解消に役立ちません。

長時間の睡眠をとった翌日は、睡眠時間が短くてもいつもより眠くなりにくいのは事実です。

しかし寝溜めは、睡眠負債を解消する時に有効な睡眠です。睡眠不足ではない時に先に寝溜めをすると身体は睡眠を欲していないので睡眠が浅くなりやすく、自律神経のバランスが乱れ、かえって体内時計が狂ってしまう可能性があります。

休日の寝溜めを成功させるには

休日は貴重です。その一部を睡眠にあてるなら寝溜めをばっちり成功させ、納得できる休日にしたいもの。

寝溜めをする時は、ただゆっくり眠るだけでなく、ちょっとした一工夫で睡眠の質を高めましょう。睡眠が深くなると成長ホルモンの分泌が促進され、睡眠の疲労回復効果が高まります。

  • 前夜は夜更かしせず、なるべく早めに就寝する
  • 食事は就寝の3時間前まで
  • お酒、カフェイン入りの嗜好品(コーヒー・緑茶など)の摂取は就寝の3時間前まで
  • 就寝の2時間前からは静かな環境で過ごす
  • 就寝の30分前までに、ぬるめのお風呂に入浴する
  • 寝る前にパソコン、スマホ、ゲーム機を使用しない
時間があれば、夕方に軽い運動(ウォーキング、サイクリングなど)をして、心地良い程度に体を疲れさせておくと睡眠が深くなり、より効果的です。

自分で睡眠負債の量をチェックしてみよう

一般には成人で7時間くらいの睡眠が理想と言われますが、1日に必要な睡眠時間は、ライフスタイル、体調、遺伝子などによって、人それぞれ少しずつ異なります。

自分が普段とっている睡眠時間で疲労は回復できているのか、どれくらい睡眠時間が足りていないのか、休日の寝溜めを利用して睡眠負債の量を大まかにセルフチェックしてみましょう。

この方法は「国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理研究部」が行なった、睡眠不足が健康リスクに及ぼす影響を実証する研究内容を参照して紹介しています。

自分の睡眠負債の量を知る方法

寝室に遮光カーテンをひいて朝日に邪魔されない状態で就寝し、目覚ましをかけずに朝自然に目を覚まします。さらに、それ以上二度寝ができなくなるまでもう一度眠ります。

二度寝も含めた睡眠時間から平日の睡眠時間を差し引いた時間が睡眠負債、つまり現在の体に不足している睡眠の量ということになります。

この時間差が大きいほど平日の睡眠不足が深刻ということになります。寝溜めは「平日の睡眠時間+1~2時間」くらいが理想なので、この時間差が2時間より大きい場合は、睡眠不足を改善するため平日の睡眠時間を増やすことも心がけましょう。

逆に睡眠負債の量が小さい人は、普段の睡眠がおおむね確保できているということになるので、無理に長く寝溜めをする必要はありません。

睡眠が不足しているほど長く眠りたくなる

睡眠時間が不足するほど長く眠るのは、私達の体に「恒常的睡眠欲」が備わっており、睡眠を遮断している時間が長いほど恒常的睡眠欲によって「長く眠りたい」という欲求が強くなるためだといわれます。

同研究では、普段は平均的な睡眠時間をとっていて睡眠不足の自覚はない健康な被験者に、潜在的に睡眠時間が不足していることを想定し、9日間睡眠時間を12時間に延長してもらいました。

不足している睡眠時間を充足・飽和させ、健康状態の回復度を調査するのが目的です。

その際、実験初日は日頃の睡眠不足の反動で睡眠時間が最も長くなり、日に日に睡眠時間が減りました。

睡眠の充足後は、調査前よりも血糖値、副腎皮質ホルモン、インシュリンなどのストレスや生活習慣病に関連する内分泌機能の数値にも改善が見られました。

さらに、同実験で12時間の睡眠時間を9日間とった被験者は一晩徹夜して翌日の睡眠時間を確認しました。すると不足している睡眠を9日間で充足したため、一晩徹夜しても翌日の睡眠時間の充足は実験初日の睡眠時間より短くて済みました。

実験の結果から「休日の寝溜め=実験初日の睡眠時間」と普段の睡眠不足の度合いは相関し「休日の寝溜めの長さは、潜在的な睡眠不足を測る目安のひとつになる=寝溜めの時間が長い人ほど睡眠不足」ということが考えられます。

(参照…国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 『潜在的睡眠不足』の解消が内分泌機能改善につながることを明らかに)

睡眠が不足している時ほどたくさん眠りたくなる現象は実体験からも想定できますが、このように科学的にも実証され、また睡眠に体の機能を回復させる役割があることを確認すると、やはり睡眠時間は重要なのだということが改めて認識させられます。

寝溜めは短くても効果がある?長く寝溜めする必要がない理由

睡眠不足の時は恒常的睡眠欲が強いはずなのに、休日の寝溜めはそれほど長く眠らなくても満足することができます。

休日の寝溜めは「平日の睡眠時間+2時間」くらいで問題ないのですが、それでは少し時間が短いのでは、と気になる人もいるのではないでしょうか。

その心配はありません。そもそも、私達の体は長時間の寝溜めをしなくても睡眠負債が解消できる仕組みになっているのです。

ハーバード大臨床睡眠学 チャールズ・チェイスラー博士によると、睡眠を遮断した後は、恒常的睡眠欲と概日リズムの複雑な相互作用によって、体に必要な睡眠時間が決められる、とのことです。(学術雑誌「Science」2016年8月12日号の記事)

実際に決まる睡眠時間は、不足している睡眠時間と比例しません。例えば午前7時から翌日の午前7時まで起き続けていたとしても、その後に24時間眠り続けるわけではなく、体内時計のリズムに合わせて数時間で自然に目が覚めてしまうのです。

私達にとって明るい昼間は活動する時間帯なのでたっぷり寝溜めをしようとしても、体は概日リズムに基づき起きようとするので、睡眠不足でもそう長くは眠ることができません。

また、正しく寝溜めをすれば、それほど長く眠らなくても脳や体の疲れはきちんと修復させることもできます。

私達の睡眠は、深い眠り「レム睡眠」と浅い眠り「ノンレム睡眠」の繰り返しで構成されています。

特に睡眠では、脳や体の疲れを修復するレム睡眠が重要です。そのため私達の体は、睡眠不足の時に眠るとレム睡眠が優先されてノンレム睡眠の時間が削られる仕組みになっています。

平日の睡眠不足が深刻でも、寝溜めの際にレム睡眠が確保できていれば、それほど長く寝なくても睡眠負債を埋め合わせすることができるのです。

寝溜めの効果はすごいですね。ただし「週末に寝溜めをする予定だから、平日は無理をしてでも夜遅くまで頑張ろう」と、休日の寝溜めをあてにして夜更かしするのはやめましょう。

予定通りに寝溜めができなかった場合、逆に眠気と疲労が蓄積してしまいます。

寝溜めはあくまでも睡眠不足を解消する応急処置

あくまでも休日の寝溜めは、やむを得ず睡眠不足に陥ってしまった時の応急処置です。

寝溜めで睡眠不足を解消する習慣がつくのも良くありません。休日に寝溜めをして睡眠不足を解消すればいいという安易なとらえ方ではなく、普段から規則正しい生活を心がけてなるべく睡眠時間を確保したいですね。

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