健康生活TOP 視力低下 ブルーベリーは都市伝説?目に効く成分を効率よく摂れる食品とは

ブルーベリーは都市伝説?目に効く成分を効率よく摂れる食品とは

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もはやブルーベリーが目に良いと言うのは常識のようになっていますね。

しかし、国立健康栄養研究所による論文調査によると、ブルーベリーやその色素であるアントシアニンに視力改善効果は認められていません。

一方、野生種のビルベリーについては視力改善効果はないものの、加齢による黄斑変成症や糖尿病性網膜症の改善には役立つ可能性がある、と言うことが言われています。

一体、何が目に良いのか…?そこで、フルーツやサプリをどう利用したらいいのか、ちょっと探ってみましょう。

目は身体の中でも特殊な器官ですので、ちょっとだけ長くなりますがよろしくお付き合いください。

国立健康栄養研究所が発表する情報

国立健康栄養研究所とは、ざっと説明すると、何かの食品や栄養素などについて、世界中でどんな論文が発表されているかを調べてデータベース化してくれている独立行政法人です。

そのデータベースを見ることで、その論文の簡単なまとめを調べられる大変ありがたい公的な組織です。

健康にかかわる食品やサプリ、栄養素などの情報を調べる時は、国立健康栄養研究所の論文情報を調べるのが便利で確実です。ご存知ない方は是非、一度のぞいてみてください。

ブルーベリー・ビルベリーの見解

・ブルーベリーに関する脳・神経・感覚器への有効性に関する評価については、調べた文献の中で見当らない。

・ビルベリーに関する脳・神経・感覚器への有効性に関する評価:経口摂取で、糖尿病や高血圧性網膜症などによる網膜の病変の改善に対し有効性が示唆されている 。

・夜間の視力を改善する目的では、実の摂取は効果がないことが示唆されている。

まとめると、ブルーベリーに関しては目に対する有効性の研究は見つからなかったけれど、ビルベリーについては網膜の病気に効く可能性があると言うことですね。

さらにビルベリーについても夜間視力の向上には効果がないと言うことです…。

ブルーベリーが目に良いとされるのはなぜ?

ブルーベリーやその野生種であるビルベリーが目に良いと言う話を見てみると、第二次世界大戦中のイギリス空軍パイロットの話題が良く出てきます。

いわく、ブルーベリーのジャムを愛用していたパイロットが夜間飛行の折、良く周囲が見えたのはブルーベリーのおかげだ…と。

しかし、このお話はフィクションなんですよ。しかも、もともとはブルーベリーじゃなくてニンジンの効果だったんです。

キャッツアイ・カニンガムの話

このパイロットは「キャッツアイ・カニンガム」ことジョン・カニンガム英国空軍大佐(退役時)です。

彼は20機もの撃墜スコアを持つエースパイロットですが、彼の愛機はイギリス最初の夜間戦闘型戦闘機でした。まだ機上レーダーと言うものが初めて開発された時代の話です。

しかし、レーダーを搭載した夜間戦闘機と言うジャンルの存在を、敵であるナチス・ドイツに知られるのは具合が悪いです。

そこでイギリス情報部は一計を案じました。

エースパイロットに「キャッツアイ カニンガム」と言うニックネームをつけ、「イギリス空軍の迎撃部隊は、毎日ニンジンを食べて目が良いので迎撃撃墜率がすごいのだ」と言うニュースを流します。

だから、夜間迎撃戦闘における撃墜率の高さは彼に限った話じゃないんですが、もともとエースパイロットで、昼間の成績も抜群だったことから彼が広告塔にされたのです。

当時からビタミンAの欠乏によって夜盲症(とり目)になると言う事は知られていました。そこでビタミンA前駆体であるβカロテンを多く含むニンジンを毎日食べていたら夜目が効くようになった、と言う展開ですね。

こうして嘘八百をさもありそうな話にでっち上げて、新兵器である飛行機搭載型のレーダーの存在を敵から隠ぺいしようとしたのです。

ニンジン→ブルーベリーへの入れ替わりはなぜ?

ニンジンにもアントシアニンを豊富に持つ品種があることにヒントを得たのか、いつの間にかニンジンがブルーベリーに置き換わってます。

でも、ちょっとあり得ないんですよね。ブルーベリーがイギリスに持ち込まれたのは戦後です。また近縁種のビルベリーはイギリスにもありますが、栽培はされていません。

原産地は北欧なんですが、当時の北欧は枢軸国側だったり、ナチス・ドイツの占領下にあったりしてイギリスにジャムや生のフルーツを送ることは困難だったでしょうね。

そもそもビルベリーは非常に傷つきやすく悪くなりやすいデリケートなフルーツなので、ブルーベリーほど簡単に輸送できないんです。

それでも研究は続く

この逸話、もはや伝説の世界とも言うべき情報ですが、それでも友軍発信の情報なら念のためにと、20世紀の終わりごろアメリカ海軍が兵士に食べさせて研究を行いました。

その結果は「ビルベリーに夜間視力を向上させる効果はない」と言うものでした。

ニンジンについても「夜盲症を防ぐ効果はあるが、積極的に視力を向上させることはない」と言う従来の学説を裏付けるに終わっています。

目に良い・悪いの定義は?

そもそも目に良いっていうのはどういう事を指すのかがあいまいですよね。だから余計におかしなコピーがあふれるのでしょう。

目に良いと言う事には次のような内容が期待されていると思われます。

  • 近視や乱視からの視力の回復
  • 夜間視力の向上
  • 老眼の軽減
  • 疲れ目・眼精疲労の軽減
  • 光刺激からの保護
  • 糖尿病性網膜症など、他の病気からの保護
  • 白内障のような加齢による視力低下の治癒
  • 緑内障のような眼病の治療効果
  • 感染症の抑止
  • かゆみ・充血・涙目などアレルギー症状の軽減

こんなところでしょうか。ただ、アレルギー症状などは目そのものよりまぶたや結膜の部分の症状ですので今回は省きます。

そして、大まかに分類すると、

上三つの「視力に関わる部分」
次二つの「外部からの刺激による部分」
残りの「病気に関係する部分」

になりますね。

目が”良くなる”食べ物

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結論から言いますと、現段階では視力を向上させる食べ物は見つかっていません。

また、今はやりのブルーライトに代表される光刺激から目を守ってくれる食べ物と言うのも、専用サングラスほど効果のあるものはありません。

もちろん抗酸化作用を持つと言う点でブルーベリーなどの紫色の色素、アントシアニンは、網膜保護、毛細血管保護と言う面から目を守ってくれると思われます。

これと同じように、目の疲れを軽減したり、目の病気を予防・改善してくれる食べ物と言うのは存在しますから、それについて見てみることにしましょう。

DHA

ドコサヘキサエン酸。頭が良くなるとか、健康に不可欠と言う事はもはや常識になってるかもしれません。

もともとマグロの目の裏にあるゼリー状の組織にたっぷり含まれていると言う事から魚人気が高まったと言ういきさつがあります。

そして、人間の目の奥、網膜にもたくさん含まれているのがDHAです。

魚を食べたら目が良くなると言う情報はありませんが、現在のところDHAが欠乏すると視力に悪影響があると言う実験データは存在します。

DHAは青魚など油の多い魚に含まれていますからどんどん食べましょうね。

また、DHA狙いで青魚を食べていれば、たんぱく質の供給も同時にできます。身体を作っている主成分はたんぱく質ですから、もちろん目にもたんぱく質は不可欠です。

魚介類と言えばイカ・タコなどのタウリンも目に良い成分ですが、内服より外用の方が目の新陳代謝を促すようですので、今回は省きます。

ビタミンA

ビタミンAが欠乏すると夜盲症になることから、目の健康には欠かせないビタミンです。とは言え、現代において普通の食事をしている限り欠乏症に陥る心配はありません。

しかし、目のピント調節機能を司る毛様体の筋肉の柔軟性を回復させることから、積極的な摂取は疲れ目に効果がありそうですね。

ところが、ビタミンAの直接摂取は過剰摂取による副作用の心配があるので、βカロテンやβクリプトキサンチンなどのプロビタミンAを摂ることで、体内で必要に応じた量を作ってもらいましょう。

これらプロビタミンAを摂取するには、ニンジンやみかんが良いですよ。

ビタミンB群

全部で8種類あるビタミンB群ですが、いずれもコエンザイムとして働き、目にもいろいろと役に立ってくれます。

その中でも特にビタミンB2とB6は目の健康に重要な役割を持っています。ビタミンB2が欠乏すると角膜炎を起こすこともあります。

ビタミンB2は肉や乳製品、青魚に多く含まれます。野菜の含有量はそれほど高くないですが、モロヘイヤや紫蘇には多く含まれていますよ。

一方、ビタミンB6は腸内細菌が合成しますから、抗生物質の副作用でもない限り不足することはないでしょう。食べ物としてはバジル、唐辛子、にんにく、パセリ…イタリアンが良さそうですね。

ビタミンCとビタミンE

最も強力な抗酸化物質の双璧です。そしてこの2つはセットで考えた方が良い抗酸化物質ですよ。

ビタミンEは酵素に依存しない抗酸化作用で、非常に素早く活性酸素を除去しますが、同時に自分自身がラジカル化するため抗酸化能力を失います。それを元のビタミンEに戻してやれるのがビタミンCなのです。

一方、そのことでラジカル化されたビタミンCは酵素の働きで元のビタミンCに戻りますが、そのスピードはゆっくりです。

ですから排泄されてしまう分を含めて、そこそこの量を食事から摂る必要があるのです。

ご存知のこととは思いますが、ビタミンCはアセロラやグァバなどに代表されるフルーツ、お茶、ピーマンやパセリなどの野菜に含まれています。

一方、ビタミンEは植物性油、ナッツ類、お茶に多いです。こうして見ると、お茶ってかなり優秀かもしれません…葉っぱを食べる分には特に良さそうですね。

ビタミンP

ビタミンPは複数のビタミンとしての働きをする物質の混合物です。ですので、厳密にはビタミンではありませんが、便宜上昔の名前で書いています。

構成する物質にはそれぞれに特色がありますが、トクホ許可が下りている物を別にすれば、できるだけ食べ物から摂る方が良いでしょう。

ビタミンPを構成する物質には次のようなものがあります。

ルチン:そばに含まれる栄養素として有名です。

他にもクランベリーや桑の実、レモンやライム、オレンジにも含まれています。

動物実験レベルでの効果ですが、毛細血管において血行を改善し血圧を下げ、抗酸化作用を持っているため目の保護に良い影響が期待できます。

食べ物から摂る分には問題ありませんが、サプリなどで摂りすぎると頭痛や胃腸障害、最悪の場合胃がんの原因にもなるかもしれないと言う事ですので、食べ物で摂りましょう。

ヘスペリジン:みかんなどかんきつ類に含まれています。

これも動物実験レベルですが、血管に対する効果が見られます。

まず血管透過性を抑制するため、糖尿病性網膜症の予防に役立つでしょう。また、毛細血管を強化する働きがあるので、網膜への栄養供給が良くなると思われます。

ケルセチン:たまねぎに含まれている物質です。

強い抗酸化作用を持っているため、目にもいい影響があるでしょう。

ただ、合成抗菌薬、例えば商品名クラビットなどに干渉しますので、サプリとして造られたものを一緒に摂ることはいけません。食品としてたまねぎを食べる分には問題ないと思われます。

アスタキサンチン

みかんの色素、βクリプトキサンチンなどと同じキサントフィルに分類されるカロテノイド色素です。エビやカニが赤くなるのはこの色素のせいです。

また、鮭の色もこの色素ですね。この色素には目の調節機能を回復させる働きがあります。つまり、疲れた目を回復させると言うことなので、現状では一番視力回復に近いものです。

様々な実験資料を見ると、だいたい紅鮭150g~300gに含まれるアスタキサンチンを、毎日3か月くらい摂ると有効であるようです。

ちょっと厳しい量ですよね…。と言う事でサプリに頼ることになるかもしれませんが、まだ安全性についての十分なデータがないそうなので、少なくとも妊娠授乳期には避けた方が良いでしょう。

ルテインとゼアキサンチン

いずれも網膜に含まれるカロテノイドで、最近目に良いと言うサプリの宣伝によく使われています。ポストブルーベリーの座を狙っているのかもしれませんね。

加齢による視力障害の一つに、黄斑変性症と言う症状があります。お聞きになったことがあるんじゃないでしょうか。

黄斑は網膜の中心にあって、視覚の重要な部分を担っています。この黄斑は名前の通り黄色をしているのですが、その色はゼアキサンチンの色なのです。

黄斑には色覚を担当する細胞が多いのに対して、網膜周辺部に行くほど色は判らないけれど、暗くてもよく見える細胞が増えてきます。ここにはルテインが多いんですね。

実はルテインとゼアキサンチン、どちらも化学式はC40H56O2で全く同じなんです。しかし、構造が異なるため働きも違ってくるんです。

ちょうどブドウ糖と果糖の関係と同じこうしたものを、互いに異性体であると呼んでいます。違った働きがあるのはもちろんですが、互いに近い働きも多いんですよ。

この両方を多く含む食べ物はほうれん草と卵黄です。

カロテノイドは油と一緒に摂るのが良いので、「ほうれん草と卵の炒め物」中華料理のメニューにありましたよね、これが良さそうです。

偏りない食事は目も身体もつくる

ここまで長文にお付き合いいただきましたが、ざっと見渡してみると、いわゆる健康的なお食事のメニューが並びそうです。

目と言うのはたいへん特殊な器官です。身体全体を構成するのに好ましい環境を揃えても、目は加齢などに勝てないこともあります。

だからこそ、それ以外の部分では身体のコンディションをベストにしておく必要があるんですね。いわゆる「目に良い食べ物を摂っておけば目の健康が保たれたり改善されたりする」と言うことはあり得ません。

まず身体全体のコンディションを良好に保った上で、目を悪くする要因を排除すると言う考え方をベースに栄養を組み立てましょう。

もちろん、その中にブルーベリーが入っていることには何の問題もありません。各種ビタミンやミネラルも豊富ですしね。

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