健康生活TOP 副作用 薬の副作用で音が低く聞こえる!異常が起きるテグレトールなどの薬

薬の副作用で音が低く聞こえる!異常が起きるテグレトールなどの薬

音の聞こえ方が変だと言う事があった場合、あなたはそれが本当に変に聞こえていると自信を持って言えるでしょうか。

例えば、音楽の音が低く聞こえてきたと思った時、手元に楽器と楽譜があってそれを弾いて比べてみようとしても、その楽器の音自体が低く聞こえていたのでは比べようもありませんよね。

でも、音楽や音に関わる仕事をしている人の場合、何らかの原因で音の高さの感覚が変わってしまったら、生活にも仕事にも差し障ります。

この「音が低く聞こえる」と言う現象はお薬の副作用で現れることが知られています。聴覚異常を起こす薬は多いですが、音程の感じ方が変わるのは2~3種類しかありません。

そのお薬を紹介しながらこの症状を見て行きましょう。

絶対音感がある人ほど聞こえのトラブルには敏感

例えば鍵盤を見せずに、ピアノでG・A・B・C・D・E・F#・Gと弾いて聞かせ、音名で歌うように指示した時、これをド・レ・ミ・ファ…と歌うのが絶対音感を持たない人、ソ・ラ・シ・ド…と鍵盤通りに歌うのが絶対音感を持つ人です。

つまり、音を並びの比較で聞いているのではなく自分の中にある基準との比較で聞いているのが絶対音感を持つ人です。

音が低く聞こえるのは自分の中にある基準と比べた時

絶対音感を持つ人は、耳や聴覚神経のトラブルで音が低く聞こえた場合、すぐに気が付きます。もちろん、生演奏を聴いたときには「アレンジかも」って考えるかも知れませんが、録音の音源を聞いたときにはすぐに自分の耳のトラブルに気付くはずです。

一方、絶対音感を持たない人でも、効き慣れた単純な音であれば異常に気付くことも多いでしょう。例えば、電子レンジの「チン」でも電子音でも良いですし、洗濯機の洗い上がりアラートでもOKです。

毎日聞いている単純な音であれば、音程が下がったら誰でもすぐに違和感を覚えるでしょう。それは自分の中にある音の高さの記憶と比較しているからです。

こうしたことは、人の話し声に対しても気づきやすい可能性があります。何かと対比するのではなく「○○さんの声」と言う印象が脳の中に形作られているので、それとの対比で変に聞こえるんですね。

音が低く聞こえる現象は薬の副作用で起こる

さて、この現象ですが、実はお薬の副作用で起こることが知られています。なぜ薬の副作用で音が低く聞こえるのかと言うメカニズムは、まだ完全には判っていません。

いくつかの仮説はあるので、ご紹介しておきましょう。まず、聴覚の伝導路には異常が見られないところから、音を感じ取っている認知レベルの障害ではないかと考えられています。

また、記憶を司る働きも持っている大脳辺縁系にお薬が働きかけて、入ってきた情報の処理に失調を起こしているのではないかとも考えられています。

一方、耳の機能として内耳にある蝸牛のコルチ器官と言うところに生えていて、音の高さを感知するための増幅を担当する外有毛細胞が薬の影響を受けているのではないかと言う説もあります。

この細胞のてっぺんには、長さの異なる感覚毛と呼ばれるものが長さ順に生えていて、それが音を増幅したり感知したりしています。外有毛細胞は主に音の増幅を担当しています。

増幅の際に、この細胞が音の周波数ごとの特徴を増幅することで、コルチ器官自体が「今どの高さの音が届いているのか」を感じとることに貢献しています。

つまり、お薬がこの細胞の働きを狂わせているために、音が低く聞こえるのではないかと言う考え方もあると言う事です。

原因はつかめていませんが、音程が下がって聞こえると言う、少し複雑な副作用なので調べるのも難しい部分があると思われます。

音程が下がって聞こえる副作用を持つ薬は2~3種類

音程が下がって聞こえると言う副作用が確認されているのは2種類、それとは別に、うわさ的にそうした副作用があるようだと言う体験談がネット上で広がっている物が1種類あります。

いずれも、お薬の量を減らしたり、服用をやめたりすることで副作用は消えるようです。個人差があって、症状が消えるまでの時間はまちまちですが、概ね1週間から10日程度で消えることが多いようですね。

また、人によってはお薬に慣れることがあるせいか、服用を続けていてもこうした現象が消えたと言う報告もあります。

咳止め薬だけに一般的と言えるフラベリック錠

フラベリック錠は非麻薬性の咳止め薬です。コデインリン酸塩のような、麻薬性の咳止めとは違って妊娠授乳中でも使えるお薬です。それだけによく処方されるのですが、このお薬に音程が半音ほど下がって聞こえると言う副作用が報告されています。

成分名はベンプロペリンリン酸塩ですが、2016年6月現在ジェネリック医薬品はありません。

この副作用は、臨床実験などで統計を取られたものではなく、処方された人からの副作用の訴えによって確認されたものですので、発生頻度は不明です。

患者さんが気づいていないケースが相当数あるかも知れませんので、もしかすると報告されているよりずっと多くの件数が起こっている可能性も否定できません。

てんかん発作予防薬として有名なテグレトール

てんかんによる運動障害・感覚異常・自律神経失調・精神変調・無反応などの、部分発作と呼ばれる症状を予防するお薬です。その他、てんかんと言えばよくイメージされる、全身をこわばらせて痙攣が起こる強直間代発作(大発作)の予防にも有効です。

その他にも、躁うつ病の躁状態など、興奮性の精神疾患で興奮を治めるために使われたり、顔の神経痛である三叉神経痛のお薬としても用いられます。

テグレトール(細粒・錠)は先行医薬品の商品名ですが、成分名の「カルバマゼピン」(細粒・錠)と言う名前で数社からジェネリック医薬品も出ています。

このお薬でも音程が半音~1音下がって聞こえると言う現象が報告されていますが、やはり頻度は不明です。女性の発症が多く、男性の2倍くらいになっています。ただ、やはり絶対音感の持ち主に限って副作用の訴えがあるため、実際の頻度などは判りません。

副作用が出た人は幼児から中年の女性が多く、音楽を仕事や趣味としている人からの報告が多いようです。特にどの病気や症状に対して処方されたものと言う傾向は見られません。

副作用は、服用してから数時間後に現れることもあれば、2週間以内と言う少し長いスパンののちに現れることもあります。いずれにせよ、お薬を減らす・止めると言う対応を取れば、特に後遺症もなく数日から数週間以内には治るようです。

但し、他のお薬による場合にも言えることですが、長い間音程が下がった感覚が続いていた後で、音程が元に戻ると、そのことに対してしばらく違和感は残るようです。

このお薬はてんかん発作の予防薬と言う性質上、長期にわたって服用することも多いので、咳止めのような短期間の服用で済むお薬に比べると副作用が出やすいとも考えられます。

風評だけかもしれない抗ヒスタミン剤のプロメタジン

大学などの研究機関からの情報ではありませんが、いわゆるネット情報では抗ヒスタミン剤のプロメタジンでも同様の症状があったと言うことが伝えられています。

今のところ正式な副作用情報には掲載されていませんが、もしこうした症状に気付かれたら、処方して下さったお医者さんに報告して下さい。

フラベリック錠も最初はこうした副作用は知られていませんでしたが、患者さんからの副作用に関する訴えがあちこちから届いたためか、メーカーからの届け出によって、2006年7月に「その他の副作用・聴覚異常(音感の変化等)」と言う項目が副作用情報に追加されました。

この抗ヒスタミン剤は様々なお薬に配合されています。ですから、風邪薬などを含めて、アレルギーや炎症を止めるお薬でこういった症状が出た場合は副作用を疑って下さい。音程以外の一般的な聴覚障害の副作用はこのお薬でも報告されています。

ただ、風邪を引いたときに音程がおかしく感じられても、「風邪のせいかな?」と思うのが普通です。そして、風邪が治るころにはお薬も飲まなくなっていますから副作用も消えている可能性があります。ですので、過敏になる必要はありません。

音が低く聞こえると言う症状は、患者さんもどう説明していいのか困ると言った部分もあるでしょう。でも、異常を感じられたら、それは報告しておいた方が良いんですよ。

この副作用は予測も予防もできないのでお医者さんに相談する

メカニズムが良く判っていないので、この副作用をあらかじめ予測したり、何らかの方法で予防したりすることはできません。

ですので、音楽関係の仕事についておられたり勉強をしておられる方は、あらかじめお医者さんに相談して別のお薬に変えてもらうのが良いかもしれません。

また、特に仕事や学業は関係なくても、絶対音感をお持ちの方は、日常生活でもストレスがたまると思いますので、副作用についてお医者さんに相談することは大切です。

自分の意見を通せない子供に配慮しなければいけない

特に小さい子供で、バイオリンなどの楽器を学んでおられる場合、音程の聞こえ方がおかしくなるのは非常に具合が悪いです。指導者からは突然下手になったように映り、無用な厳しさで指導される可能性が高いです。

演奏している子供は、楽譜を見てその音の通りに耳から聞こえるように演奏します。その時、実際に出ている音と子供が感じている音にずれが生まれると、例えば指導者からは全体が半音上がった状態で演奏しているように聞こえるかもしれませんね。

もちろん最初にチューニングをしていますから、開放弦との音の距離で正しい音は出せるでしょう。それでも子供にしてみれば、いつも練習している指の位置で弦を押えているのに、いつもより低い音しか出なかったら混乱してしまいます。

こうしたことは管楽器でも起こる可能性はあります。吹奏楽や管弦楽のように周りの音の影響がある場合、それが修正する方向に働くか、逆に自分だけが音をずらしてしまうかはケースバイケースでしょう。

そんなことが積み重なると、子供の将来にも悪影響が出るでしょうから、親御さんが充分注意してあげて下さいね。何かのお薬を飲み始めてから、楽器の演奏が下手になったと言う場合には副作用を疑って下さい。

但し、ピアノなどの鍵盤楽器の場合は、音を決めているのは楽器の方ですから、音程が狂うことはありません。もし、薬の副作用で演奏に問題が出た場合、それは運動機能の方を疑うべきでしょう。

てんかんの予防薬が一番問題になるかも知れない

先にもお話しした通り、てんかんの予防薬は長期にわたって飲み続けることが想定されます。ですので、副作用も出やすい可能性が高くなるんですね。

一方、咳止めの場合長期連用はしないと考えても差し支えないので、万が一副作用が出ても、お薬を使わなくなればそれで解決します。そして、つぎに咳が出て受診した時には問診票に「副作用の経験あり」に○をして、「フラベリック錠」と書いておけばOKです。

違う咳止めを処方して頂けるでしょう。非麻薬系の咳止めと言えば有名なデキストロメトルファン臭化水素酸塩・先行医薬品名メジコンがありますから、そうしたものに振り替えてもらえると思います。

一方、てんかんの予防薬でこうした副作用が出たからと言って、自己判断でお薬をやめたり減らしたりすると、反動で激しい発作が発生する場合もあり大変危険です。

ですので、音程がずれて聞こえると困ると言う場合には、あらかじめお医者さんにそのことを相談して最初から違うお薬を処方してもらえるようにしましょう。

ただ、このお薬は第一選択薬になることも多いので、お医者さんに対して、なぜ音を大事にしなければいけないのかをしっかり説明して理解を求めて下さい。

神経痛についてこのお薬が処方された場合には、「リリカカプセル」と言う有名なお薬がありますので、それに振り替えてもらえるかどうかを相談されることをお勧めします。

この副作用については充分な情報があるとは言えない

この副作用が現れたと言う事は、患者さん本人が気づかない限り判りません。世の中に絶対音感を持っておられる人は、音大生ですら半分ぐらいと言いますから、かなり少ないと言っていいでしょう。

そして、この副作用は絶対音感を持っていない人では気が付にくいのは、これまでお話ししてきた通りです。そうなってくると、まずます副作用情報が集まらないため、対策も取られにくいと言う事になります。

世の中の人は、レベルの差こそあれ、皆さん相対音感は持っておられます。相対音感の場合、音程が下がって聞こえた場合でも、比較する対象の音も音程が下がって聞こえるので気にならないんです。

そうなってくると絶対音感をお持ちの方は、ことこのような現象に関しては損な気もします。この現象に関しては、メーカーや研究機関からも充分な情報が得られませんでした。それだけ重要視されていないのかも知れません。

ですので、違和感を覚えたら、処方して下さったお医者さんに報告して、対策を求めると言うことが唯一取れる手段と言うことになってしまうのです。

お薬の副作用によって音の高さが違って聞こえると言う副作用は、なかなか難しいところがありますので、まずは処方して下さったお医者さんに全部お話しして相談して下さいね。
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