健康生活TOP 副作用 男なのに胸がある!?女性化乳房の原因は薬の副作用や危篤な病気も

男なのに胸がある!?女性化乳房の原因は薬の副作用や危篤な病気も

女性化乳房と言う症状があります。文字通り、男性の胸が女性のように膨らんでくるものです。もともと男性にも乳腺組織が存在していますので、ホルモンの関係で膨らんでくること自体は充分可能性のあるものなのです。

しかし、そのホルモンバランスが崩れる原因によっては、生命にもかかわりかねない重病が隠れていることもあります。特に成人してからの女性化乳房は、しっかり原因を突き止めないと危険性を否定できません。

【記事中 症例画像あり】

気になるのは男性乳がんだが一般人が見分けるのは難しい

男性にも乳がんが発生する場合があります。女性化乳房が起こると、気になるのは男性乳がんではないかと言うことですね。男性乳がんの特徴は、しこりと痛みです。しかし、これは女性化乳房でも見られる症状なのです。

強いて言えば、両胸に同時に現れた場合、乳がんの可能性は低いということは考えられます。女性でも両乳房に同時に乳がんができることは乳がん全体の1%以下とめったにないからです。

しかし、病院においても男性乳がんと女性化乳房の見分けには血液検査とMRI検査が必須になっています。ですので、中年以降に女性化乳房が見られたら、まず受診されることをお勧めします。

男性乳がんについては別の記事に詳しいので、そちらをどうぞ。
1年に600人の男性が乳癌に!?女性との差はその初期症状

男性の乳房が膨らむと言ってもサイズはまちまち

男性の胸が大きくなったと言っても、太ったおじさんなんか結構大きいですよね。美容整形の分野では偽性女性化乳房と呼ばれることもあるようですが、多少形がそれらしくても、これは乳房ではありません。

女性化乳房とは乳腺の発達と、それに伴う脂肪の蓄積、つまり女性のバストが大きくなるのと全く同じメカニズムで男性の胸が膨らんでくるものなのです。

女性化乳房と言ってもサイズは色々

乳首付近が盛り上がる程度から、女性顔負けのサイズになる人まで、サイズは色々です。しかし、基本的にはホルモンバランスを取り戻せば治ります。アメリカでは女性化乳房専門の整形外科医の先生もおられるぐらいで、それほど珍しいものではないんですね。

女性化乳房と言ってもピンとこない人も多いでしょうから、その整形外科の先生のサイトから画像を引用しておきます。

女性化乳房の6種類

女性化乳房の種類6つ

アンダーバストの皮膚のたるみに注目して下さい。このたるみによって、どこまで手術するのかが決定されます。

日本でも美容整形の範疇で、全額自己負担ではありますがその切除術を行っている専門病院もあります。一方、乳腺の発達がもたらされている症例では、健康保険の適用が可能な病院もあります。

初診は内科の先生で問題ありませんので、そこから女性化乳房について、健康保険適用で扱っている乳腺外来のある病院を紹介してもらいましょう。原因を突き止めずに美容整形に行くのは非常に危険です。

女性化乳房は手術で切除した方が良いこともある

女性化乳房の多くは原因が取り除かれると縮んで行き、数か月で男性の胸に戻ることが多いのですが、中には生活の品質を大きく損なうほど立派に育ってしまうケースもあります。

女性化乳房の症例写真

そうした場合はお医者さんの診断の元、切除した方が良いでしょう。女性化乳房には触れた際に痛みを感じるケースが少なくないようですので、原因を取り除いても充分回復しない場合は手術と言うことになりますね。

「これが男性?」と、ちょっとびっくりするぐらい立派なバストですが、こんなケースも見られるんですね。

ホルモンのいたずらによる女性化乳房は心配ないケースが多い

長い人生のうち、男性に生理的女性化乳房が現れやすい期間が3回あります。

  • 新生児期
  • 思春期
  • 高齢者

この時に現れるものは基本的に心配ありませんが、痛みが強かったり見た目の問題が気になるくらい大きかったり、生活に支障が出るようであれば受診をお勧めします。

男性にとっていきなり乳腺外来は敷居が高いので、まずは内科医院が良いでしょう。そこから専門性の高い病院を紹介してもらいましょう。しかし、基本的にこうした生理的な女性化乳房は心配ないケースがほとんどです。

新生児期の女性化乳房は放っておいて問題ない

最初に現れるのは新生児の時です。多いのは生後2~3日ですが、中には生まれる前から乳房が発達している子もいます。これはお母さんの女性ホルモンが、胎盤を経由して赤ちゃんに行き渡ってしまった結果現れるものなのです。

ですので、男の子に現れたら女性化乳房ですが、女の子に現れたら早発乳房と言うことになります。場合によっては乳汁の分泌が見られることもあります。お母さんからのホルモン供給によるものですので、男女差はほとんどありません。

しかし、生まれてしまうとお母さんからの女性ホルモンの供給がなくなりますので、放っておけば1週間くらいで消失します。もし数週間以上続くようであれば小児科の先生に相談しましょう。

乳汁の分泌があっても、搾ったりしないで、そっとふき取るだけにしましょう。刺激すると長引くこともあります。

思春期の女性化乳房は半数以上の男の子が経験する

思春期になると男の子は男性ホルモンのアンドロゲンと女性ホルモンのエストロゲンと言う2つのホルモンの分泌が活性化します。もちろんアンドロゲンの方がエストロゲンの100倍以上多く分泌されますから、男性として身体が完成して行きます。

ところが成長途中である思春期には、アンドロゲンとエストロゲンの分泌レベルが成人並みに増加するのに、タイミングのずれが存在しています。

その結果、一時的にエストロゲンが優位になって、女性化乳房が発生するのです。多くは乳首周辺にしこりを感じたり、少し膨らんだりと言う程度の物ですが、男の子の60%以上が経験するとも言われています。

ホルモン分泌が安定したら自然に消失しますから、全く心配ありません。痛みが強いと言った場合や、ふくらみがとても大きいと言う場合、さらには精神的に落ち込んでしまっている場合などには、小児科を受診されても良いでしょう。

高齢者の女性化乳房もホルモンバランスの変化によるもの

ある程度高齢になってくると、アンドロゲンを作っている精巣の機能低下によって、男性ホルモンが減少することで相対的に女性ホルモンが多くなって、女性化乳房を招くことがあります。

また、性ホルモン結合グロブリンと言う物質が増加してくることもあります。この物質は男性ホルモンや女性ホルモンと結びついて血流に乗って目的の組織に届ける働きがあります。

一方、性ホルモン結合グロブリンは血管外にホルモンを持ち出すことで、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスを取っています。この物質が増えると、男性において性腺機能の低下と同時に女性化乳房が見られることになります。

逆にこの物質が少なくなっていると言うのは、女性において男性化兆候を示していることがあるのです。

また、末梢の脂肪組織にあるアロマターゼと言う酵素が加齢に伴って活性化することもあります。この酵素はアンドロゲンのひとつであるテストステロンを、エストロゲンの中でもっとも活性が高いエストラジオールに代謝する酵素です。

つまり男性ホルモンを女性ホルモンに作り替える酵素だと言うことですので、これが活性化されると女性ホルモンの増加に伴って女性化乳房が現れやすくなります。

これらのトラブルはいずれも加齢に伴う生理的なものです。しかし、精巣・性腺機能の低下やホルモンバランスの崩れは様々な不調を呼びますので、見た目の問題も含めて必ず受診されることをお勧めします。
新生児の赤ちゃんから分泌される乳汁は、むかし西洋の魔女が秘薬を調合する時に使ったそうです。その言葉が直訳されて、今でもその乳汁を魔乳とよぶこともあるんですよ。

医薬品の副作用によって女性化乳房が現れる例は意外に多い

医薬品はホルモンバランスに影響を出すことが良くあります。そのため、お薬のせいで男性の胸が膨らんできてしまったと言う例も少なからず存在しているのです。

女性ホルモンが増えたり男性ホルモンが減ったりと言うのはもちろんのこと、どうやって女性化乳房が起こっているのかよくわからないけれど、そういう副作用が報告されているお薬も少なくありません。

ホルモン関連の製剤は女性化乳房を引き起こしやすい

典型的なのは前立腺がんの治療に使われる内分泌療法の薬品です。特にテストステロンが受容体に結びつくのを阻害する抗アンドロゲン薬や、女性ホルモンそのものであるエストロゲン薬は女性化乳房の副作用をもっています。

これはホルモンバランスを女性ホルモン側に傾けることで、男性ホルモンの影響で増殖することが多い前立腺がんの増殖を抑えているので、副作用として女性化乳房が現れるのはある程度やむを得ないのかもしれません。

また、性腺機能低下症に対する性腺刺激ホルモン補充療法の副作用でも女性化乳房が現れることがあります。

さらに、近年有名になってきたAGA(アンドロゲネティック・アロピ-シャ:男性型脱毛症)の治療に使われるフィナステリド(商品名:プロペシア・同成分の他の薬あり。プロペシアを含めて薬価基準未収載、保険未対応)も女性化乳房を引き起こす可能性があります。

これは脱毛の原因としてこのお薬が抑えているのがジヒドロテストステロンと言う男性ホルモンだからです。

このほかにも男性・女性ホルモンに関係したお薬では女性化乳房が引き起こされることがありますので、念のため注意しておきましょう。

お薬の副作用情報を見て女性化乳房が記載されていなくても、性機能の低下について言及がある場合、女性化乳房の可能性があると考えても良いでしょう。性機能の低下とは、具体的には次のようなものです。

  • 勃起不全(ED)
  • 射精障害
  • 精液量減少
  • 性欲減退

このような副作用の可能性が示されている医薬品を使っていて女性化乳房が現れた場合、そのお薬の副作用の可能性が出てきます。

意外なお薬にも女性化乳房の可能性が示されている

ある程度年齢を重ねてくると高血圧のお薬や胃潰瘍のお薬のお世話になる人も多いでしょう。ところがこうしたお薬にも女性化乳房の副作用が出る場合があるのです。

一般名 先行医薬品
商品名
分類 対応
ニフェジピン アダラート カルシウム拮抗薬 高血圧症
マニジピン塩酸塩 カルスロット カルシウム拮抗薬 高血圧症
レセルピン アポプロン アドレナリン作動性
ニューロン遮断薬
高血圧症
メチルドパ アルドメット 中枢性
交感神経抑制薬
高血圧症
スピロノラクトン アルダクトンA 抗アルドステロン
利尿薬
高血圧症
エプレレノン セララ 抗アルドステロン
利尿薬
高血圧症
スルピリド ドグマチール ドパミン受容体
遮断薬
消化器潰瘍
うつ病
統合失調症
エチゾラム デパス 抗不安薬 神経症
うつ病
不眠
心身症
ファモチジン ガスター ヒスタミン
H2受容体拮抗薬
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
シメチジン タガメット ヒスタミン
H2受容体拮抗薬
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
メトクロプラミド プリンペラン 抗ドパミン薬 悪心・嘔吐
ドンペリドン ナウゼリン 抗ドパミン薬 悪心・嘔吐
オキサトミド セルテクト 抗ヒスタミン薬 アレルギー

このようなお薬でも女性化乳房の副作用が出ることが知られています。もちろん良く出ると言う物ではなく、出ることもあると言う程度だとお考えください。ただ、重い副作用としては扱われていません。一般的な副作用の範疇になるようです。

いずれにせよ女性化乳房の相談で病院に出かける際は、現在飲んでいたり最近まで使っていたお薬の情報が必要です。必ずお薬手帳を持って受診して下さいね。

クラインフェルター症候群は女性因子が強くなる染色体異常

染色体異常の病気と言えばダウン症候群が有名ですが、これは21番常染色体の異常です。それに対して性染色体の異常による病気の一つに男性のクラインフェルター症候群と言う物があります。

これは生まれた時から染色体異常があるのですが、思春期になるまで症状が出ない事や、さらには大人になっても症状が現れないこともある病気です。症状が現れる場合、思春期にはっきりとした乳房の生育が見られることもあります。

47番目の染色体がトラブルの原因

人間の染色体は通常46本ですが、ダウン症候群と同じようにクラインフェルター症候群でも染色体が1本余分の47本になることが問題です。しかも、クラインフェルター症候群では2本余分の48本存在する場合もあるのです。

正常な男性の染色体の模式図
(模式図ですので実際の物と異なることがあります)

これは正常な男性の染色体です。数字が書いてあるのが常染色体、X・Yと書いてあるのが性染色体です。染色体異常のない男性の場合、このようにXとYが1本ずつ存在しています。

女性の染色体の模式図

一方、女性の場合はこの図のようにY染色体がなく、X染色体が2本あると言う染色体構成になっています。それが、染色体のトラブルで性染色体が3本または4本になってしまうことがあるんです。

通常の受精ではお母さんからX染色体を、お父さんからX染色体またはY染色体をもらうことで性別が決まります。しかし、何らかのトラブルでお母さんからXを2本、あるいはお父さんからXYの両方を貰ってしまうとクラインフェルター症候群が起こります。

クラインフェルター症候群の男性の染色体の模式図

さらに、両親から全部の性染色体をもらうと、XXXYとなって、症状の重いクラインフェルター症候群になります。

ホルモン補充療法で対処が可能

こんな変わった病気があるのか?と思われる方もおられるかもしれませんが、実は全然珍しいものではなく、男性500人に1人ぐらいの割合で存在しています。

実際に女性的な体形や性格になりやすいと言うだけではなく、男性不妊症にもなりやすい傾向があります。かと言って、生殖能力がなくなるわけではありませんので、ケースバイケースの対応になります。

一般的には華奢で背が高いと言われていますが、普通の身長で肥満体の人もいます。大人になって結婚した場合、ごく普通に性行為を行えますので、機能的には全く問題はありません。

ただし、精子の量が極端に少ないことが多く、自然な受精はちょっと厳しいようです。男性不妊を除くさまざまな弊害は、男性ホルモンを2週間~4週間間隔で筋肉注射すると言うホルモン補充療法で対処可能です。

ですので思春期において、乳首周りのしこり程度ではなく、明らかな乳房の発育が見られたような場合には、一度小児科または内科を受診されるのが良いでしょう。

その他、声変わりが起こらないとか、ひげやスネ毛などの体毛が生えないとか、さらには外性器の発育が悪いということが見られる場合もあります。

ならば、女性で同じ現象が起こったらどうなるのかと言うと、性染色体がXXXになります。これはトリプルXとか超女性とか言われますが、本人にも、その子供にも特に何かの問題が出ることはないようですね。

ホルモンとは直接関係のない病気でも女性化乳房は発生する

女性化乳房をもたらす一般的な病気と言えば肝硬変や肝臓がんと言った、肝臓の重い病気が知られています。人工透析を受けておられるような慢性腎不全の患者さんにもみられる場合があります。

また、それほど多くはありませんが、糖尿病や甲状腺疾患など代謝性疾患の一部に女性化乳房をもたらすケースがあることも知られています。

肝臓の重い病気は女性ホルモンの分解を遅らせる

肝臓は体内にある様々な物質を代謝しています。男性における女性ホルモンもその物質の一つです。ですので、肝硬変や肝臓がんと言った肝臓の重い病気にかかると、体内の女性ホルモン濃度が上昇して女性化乳房が発生すると言うわけなのです。

このことは人工透析を受けておられる慢性腎不全の患者さんでも起こり得ます。腎臓はさまざまな老廃物を漉し取って尿に捨てています。

そのため、一部の成長ホルモン様物質の血中濃度が上がってしまい、女性化乳房を招くことも知られています。

腫瘍はホルモンをつくるものがある

精巣腫瘍の場合は男性ホルモンの産生が抑制されるために女性化乳房が起こりますが、下垂体や甲状腺などに腫瘍ができるとプロラクチンと言う乳腺刺激ホルモンが過剰に分泌されることもあります。

ですので、いわゆるがん年齢になってから女性化乳房が現れた場合には、すぐに受診して原因を徹底的に追及して下さい。

美容整形の分野で女性化乳房を切除して、男性らしい身体に整えてくれる病院もありますが、そうした病院の出番は基礎疾患の治療が完全に終わってからです。

安易に見た目だけの治療を行うと生命を落としかねません。

気になれば受診すると言う程度で良いが見た目だけの治療はだめ

女性化乳房が現れた場合、生理的なものか、薬剤の副作用によるものか、基礎疾患のあるものかに分類します。

生理的なものであれば、特に治療を必要としないことが多いですが、症状の重さに応じて、ホルモン補充療法や手術による乳腺・脂肪組織の吸引除去を行うこともあります。

お薬の副作用が原因であれば、そのお薬を他のお薬に替えて経過観察と言うことになるでしょう。多くの場合、それだけで消失するようですね。

病的なものであった場合は、原因疾患の治療が第一になります。その上で女性化乳房そのものに対する治療を行うかどうかが決められるでしょう。

いずれにせよ原因をしっかり突き止めることが非常に重要ですので、大人になってから女性化乳房が阿見られた場合には直ちに内科を受診して下さい。

思春期のものについては、痛みが強かったり、本人がひどく気にするようであれば小児科または内科を受診して、お医者さんから説明を受けられることをお勧めします。

肥満してしまうと胸にも丸みが付いてきます。ですので、BMIが25kg/m2を超えている人の場合、受診と同時に減量にも取り組んで下さいね。
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