健康生活TOP 副作用 脱毛症治療の漢方薬で女性の死亡例!使用前には必ず薬局で相談を

脱毛症治療の漢方薬で女性の死亡例!使用前には必ず薬局で相談を

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今回は漢方薬をサプリとして使っていたアメリカ人女性が、大きな健康被害を受けてしまったと言う事故のご紹介から始めます。

日本では漢方薬との付き合いが歴史的に長いため、多くは医薬品として取り扱われています。一方、海外からの通販でサプリなどが個人で簡単に輸入できる現在、正しく使わないと健康被害にあう可能性も少なくありません。

脱毛症に効果があると言うサプリで発生した死亡事故

今回はまず、アメリカで発生した事故の報告書の抜粋からです。

(抜粋)

アメリカの中年女性が、腹痛などで救急搬送されました。家族によると、その3日前には全身倦怠感、下痢、筋肉痛や関節痛を訴えて地元医を受診していました。

地元医は全身性エリテマトーデス紅斑と言う仮診断の元、デキサメタゾンとプレドニゾンを処方していました。救急搬送時、患者は腹痛を訴え、混乱・譫妄・無気力と言う精神状態でした。

また、腹部の膨張、発疹や黄疸、発熱なども見られました。彼女はこれまで健康であったと家族は述べており、飲酒喫煙もありません。

彼女は脱毛症の対策として2~3か月前から漢方薬の斑禿丸(Ban tu wan)を使っていました。

その後、彼女は急性肝不全と腎不全を起こして死亡しました。

さて、かなり怖い症例ですね。日本でもこの漢方薬は売られているのでしょうか。私が調べた範囲では販売はされていないようです。

しかし、中国からの個人輸入代行と言う名目で、簡単にインターネット通販で入手できます。

斑禿丸は中医薬としては一般名称の薬で各製薬会社から出ている

ネット上でも数社の製品写真が見つかりました。しかし、ちょっと気になるのは医薬品メーカーだけではなく、貿易業者の名前で販売されている商品もあることですね。

結構、輸出用としても一般的なのでしょうか。とは言え、その割には英語表記のあるものが少なく、ほとんどが中国語表記の物ばかりでした。

「斑禿丸」と言う名前ですが、日本語に訳すと「円形脱毛症の丸薬」と言う意味です。

もともとは広州敬修堂薬業株式会社と言う18世紀創業の上場企業が開発した薬だと言うことですが、現在では製薬会社のブランドではなく、中医薬の一般名称になっているのではないかと思います。

本来なら通販で売って良いような物じゃない

斑禿丸の配合材料は以下の通りです。配合量は判りません。

  • 白芍
  • 丹参
  • 当帰
  • 地黄
  • 熟地黄
  • 木瓜
  • 羌活
  • 五味子
  • 制何首烏
白芍は、シャクヤクの根を、皮を剥いて乾燥したものです。円形脱毛症に効きそうなのはストレス性潰瘍の抑制と抗炎症効果ですね。日本では一般市販薬で第三類医薬品に指定されています。

丹参はセージの仲間の植物の根を乾燥したもので、活血、つまり血行促進効果があります。日本では一般市販薬で第二類医薬品に指定されています。

当帰はカラトウキの根を乾燥したものです。やはり血行促進効果のある生薬で、日本では一般市販薬で第三類医薬品に指定されています。

地黄と熟地黄は、どちらもアヤカジオウの根です。熟の方はお酒で蒸してから乾燥させたものです。どちらも血行促進効果のある生薬で、日本ではどちらも一般市販薬で第二類医薬品に指定されています。

木瓜はボケの花ではなくカリンのことです。咳止めでおなじみですが、鎮痛効果やむくみとりの効果があります。これは日本では医薬品ではありません。

羌活はシシウドの根を乾燥させたものです。脂質の酸化を抑える作用があります。日本では一般市販薬で第二類医薬品に指定されています。

五味子はチョウセンゴミシの果実で、ストレス性潰瘍の抑制効果があります。日本では一般市販薬で第三類医薬品に指定されています。

制何首烏は何首烏の加工品です。何首烏はもともと黒髪を取り戻すと言う意味の名前ですので、発毛効果のある中医薬ですね。日本では一般市販薬で第二類医薬品に指定されています。

一応、日本でもルールさえ守っていれば通販でも売れる物ばかりですが、製品として配合されたものは、完成品が医薬品としての認可を受けていない限り売れません。

一方、成分中に処方箋薬としての医薬品はなく、一般市販薬ばかりですので、60日分までなら自分が使うためであれば個人輸入が可能です。

いずれにせよ立派に医薬品ですから、安易に海外から輸入して飲むようなことをするのは大変危険です。

漢方薬は漢方医の診察を受けてから

漢方薬は自然の生薬を活かしたものだから副作用がないなどと信じている人もまだまだ多いようですが、それはとんでもない間違いです。

漢方薬であろうが西洋薬であろうが、程度の差こそあれ、薬効が期待できるものに副作用は必ずついてきます。

それどころか、病気や症状に対して薬効成分を対応させる方式の西洋薬より、個人の体質やそれによって現れる症状を見て処方を判断する漢方薬の方が、よりお医者さまや薬剤師さんの判断が重要になります。

ですので、漢方薬系のお薬を使う場合は必ず最初は漢方医の先生に診断を仰ぎ、処方を頂くことが必要になるのです。

もちろん、それ以降については、同じ処方のお薬が市販されていれば、市販薬や通販で求めることも可能かもしれません。

しかし、素人が市販薬を購入する場合、より判断を誤りやすいのが漢方薬だと考えておいた方が安全だと思います。最低でも薬局の薬剤師さんにしっかり相談しましょうね。

個人輸入サイトは信頼できない場合が少なくない

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今回見つけた個人輸入サイトを見ると、取扱商品はオリジナルの広州敬修堂薬業株式会社製の製品を取り扱っていました。

しかし、用法用量と使用に際してのアドバイスと言う項目があるものの、「使用上の注意」「副作用情報」については全く記載がありません。

中国のメーカーも情報は説明書にしっかり記載している

では元の中国のメーカーがそれを示していないのかと言うと、中国国内向けの説明書には、しっかりと詳しい情報が載っていました。

  1. 糖尿病患者は使用してはいけません
  2. 服用中は、香辛料の強いもの・生もの・油の多いものを避けて下さい
  3. 風邪の症状がある時は服用しないで下さい
  4. 高血圧、心臓・肝臓・腎臓疾患のある人は使用前に医師と相談して下さい
  5. 慢性疾患がある人は、使用前に医師と相談して下さい
  6. 2週間使っても効果が現れない場合、病院を受診して下さい
  7. 子供や妊産婦は医師の指導の下で服用して下さい
  8. 原材料にアレルギーのある人は使用しないで下さい
  9. 過敏体質の人は少量から様子を見て服用して下さい
  10. 見た目が変化してしまった薬は使わず捨てて下さい
  11. 子供には大人が監督して服用させて下さい
  12. 子供の手の届かないところに保管して下さい
  13. 他の医薬品やサプリなどと相互作用を起こす可能性があります
  14. 投薬治療を受けている場合は事前に医師・薬剤師に相談して下さい

極めて常識的で親切な説明だと思います。にもかかわらず、日本の個人輸入サイトはこのような情報を掲載しないだけではなく、2か月以上連続して服用と言うメーカーの指導とは異なる説明までついています。

これはおそらく、10箱(約23.3日分)か20箱(46.7日分)の注文しか受け付けていないため、それを顧客に納得させるためでしょう。

売らんがために、中国語では2週間で効き目が出なかったら病院に行くよう注意しているにもかかわらず、2か月以上の連続服用を勧めると言うのは言語道断と言わざるを得ません。

個人輸入サイトで購入する場合はサイトで製品情報の確認を

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先に紹介したアメリカでの死亡事故の例でも、2~3か月飲み続けての事故だったと言うことですから、アメリカの販売業者も誤った服薬指導を行っていた可能性がありますね。

まだ日本人なら中国語の説明は、漢字で書かれている分ある程度見当が付きます。

例えば、「服薬2周症状無緩解、応去医院就診」と書いてあった場合、たとえそれが中国の漢字であっても「2週間使っても効果が現れない場合、病院を受診すること」かも知れないと想像がつく可能性はあるでしょう。

しかし、普通のアメリカ人がそれを理解できる可能性はかなり低いでしょうね。

こうしたことは、中国語圏や英語圏のみならず、個人輸入代行と言う形での、実質上の通販で購入する場合の最大のリスクと言っても良いでしょう。

ですので、どうしてもその製品に興味がある場合、その製品のメーカーのサイトを探して、そこに書かれている注意書きなどをしっかり読んで、理解した上で購入しましょう。

多くの場合、メーカーの存在する国の言語と、良くて英語とフランス語の併記程度ですので、それらが自分にとって理解できない言葉であった時は購入そのものをあきらめましょう。

そんなことに命を賭ける必要なんてどこにもないのですから。

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