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女性の5人に1人はかかる!膣カンジタの症状、治し方と市販薬

悩む女性

女性の体はデリケートなので、ちょっとしたことで不快な症状が起こりがちです。人に相談しにくいデリケートゾーンのむずむず・おりものの悩みも少なくありませんね。

いつもと違う症状は、治療が必要な病気が原因になっている可能性があります。ここでは、女性の5人に1人がかかるとされながらも、病気の特徴や正しい治し方は詳しく知られていない「膣カンジダ」について説明したいと思います。

5人に1人が経験!年齢に関係なく発症する「膣カンジダ」とは

膣カンジダ(膣カンジタ)は、カンジタ膣炎とも呼ばれる女性器の病気で、「カンジダ・アルビカンス」などカンジダ属の真菌が膣に増殖することが原因で発症します。

大正製薬の調査によると、調査の対象となった女性の約16%が過去1年以内に膣カンジダを経験、約6%が過去1年より前に経験しているとのことです。

女性の5人に1人は膣カンジダを経験しており、女性器の病気の中でも頻繁にみられる病気のひとつとなっています。

感染症といっても性交渉による性感染症ではなく、すでに自分の体にすみついている菌によって発症する病気のため、女性なら年齢に関係なく誰でも発症する可能性があります。

膣カンジタなど、性器にカンジタ菌が感染して起こる病気を「性器カンジタ症」といいます。男性にもみられますが、男性より女性に多い病気なんですよ。

膣カンジダの症状

膣カンジダはごくありふれた病気でありながら「カンジダという名前は知っていても、どのような特徴を持つ病気なのか詳しく知らない」という女性が多いようです。どのような症状があるのかチェックしておきましょう。

膣カンジダの主な症状は、強いかゆみと特徴的なおりもので、次のような症状がみられます。

  • 膣の内側や入口の強いかゆみ
  • 膣がヒリヒリするような刺激
  • 膣の熱感
  • カッテージや酒粕に似たポロポロした白いおりものの増加
  • 外陰部の赤みや発疹
  • 排尿痛
  • 性交痛
  • 性交後の出血

膣カンジダでみられるおりものは、一般に臭いはそれほど強くなく、膣内ではどろっとしたヨーグルト状、下着に付着した物は白いカス状になっているのが特徴です。健康な時にみられる黄色味を帯びたクリーム色のおりものとは違う印象を受けるはずです。

激しいかゆみがあるために外陰部をかいて傷ができ、膣に近い部分に発疹ができたり痛みが強くなったりしてしまうことも少なくありません。

膣カンジダの原因

膣カンジダは、膣内の常在菌のバランスが変わった時にカンジダ菌が増殖して起こります。

カンジダというのは酵母やカビの仲間で、カンジダを起こすカンジダ菌はヒトの粘膜に常在する悪玉菌の一種ですが、普段は無害です。これは、常在する善玉菌(乳酸菌)によって膣内が弱酸性に保たれ、酸の殺菌作用によって悪玉菌の増殖が適度に抑制されているためです。

しかし何らかのきっかけで常在菌のバランスが変わると、カンジダ菌が過剰に増殖して暴れ出し、膣の粘膜に炎症を起こすようになってしまいます。

膣内の常在菌のバランスが変わるきっかけには次の原因が挙げられます。

  • 病気・疲労・ストレス・加齢による免疫力低下
  • 妊娠中や生理前などに起こる、女性ホルモンのバランスが変化
  • 膣や外陰部の蒸れを起こす、きつい下着や服装の締め付け
  • 洗い過ぎによる善玉菌の減少
  • 抗生物質の副作用による善玉菌の死滅
  • HIVウイルスの感染
免疫力が落ちた時に病原性の弱い常在菌が増殖して病気を引き起こすことを「日和見感染」と言います。日和見感染には、カンジダ症のほか口唇ヘルペスや緑膿菌感染症、ネコから感染する「トキソプラズマ症」などが知られますね。

膣カンジダは自分で治せる?病院の治療が必要?

膣カンジダは誰でもちょっとしたことでかかりやすい病気で、症状がごく軽い場合は自然治癒することもあります。

ただし膣カンジダの根本的な治療には、カンジダ菌を殺菌する専用の薬が必要になるので、いつもと違うかゆみやおりものがある場合は必ず婦人科を受診して治療を受けてください。

受診が必要な理由

婦人科の受診には少し抵抗があるかもしれませんね。ですが治療が遅れて症状が悪化するともっと大変です。すぐ治せるよう早めに婦人科を受診しましょう。

かゆみやおりものの原因が膣カンジダに似ていても、もしかしたらほかの病気にかかっているかもしれません。病名を明確にして適切な治療を受けるためにも、自己判断をせず受診することが必要になることは理解していただきたいと思います。

例えば、おりもの・かゆみを伴う女性器の病気はこのように多数あります。

病名 炎症 おりもの かゆみ
膣カンジダ 外陰部の発赤・ただれ 白濁して酒粕状 強い
かぶれ
(接触性皮膚炎)
外陰部の発赤・腫れ 特になし ある
外陰掻痒症 特になし 特になし 強い
腟トリコモナス症 膣壁の発赤 黄緑色で悪臭がある 強い
細菌性腟症
(非特異性腟炎)
刺激を感じる 灰白色で魚臭がする ある
萎縮性腟炎
(炎症性腟炎)
膣入り口の乾燥感 少ない ある
子宮頸管炎 膣のただれ 薄黄色で膿っぽい 特になし
外陰ページェット病
(外陰パジェット病)
外陰部の湿疹・灼熱感 特になし ある
ビダール苔癬
(慢性単純性苔癬)
外陰部の硬く厚い湿疹 特になし 強い

※「特になし」と記載された症状も、病状によっては伴って表れる場合があります。

この中で誰もが日常的に経験しやすいのは、ちょっとしたかぶれ(接触性皮膚炎)です。外陰部は汗や経血などで蒸れてかぶれやすく、すぐにかゆみが起こりやすい場所です。

かぶれなら軽症で、市販のかゆみ止めを塗って自分で治すこともできます。しかし膣カンジダは通常のかゆみ止めでは根治できないので、おりものを見過ごして膣カンジダとかぶれを勘違いしないように気を付けたいものです。

また、かゆみを伴う病気に「外陰ページェット病」もありますが、放置すると「外陰がん」に移行するおそれがあるので、この病気は見過ごすことができません。

膣カンジダの診察と検査

診察では、問診・所見・顕微鏡によるおりものの検査・菌の培養検査などによって、病名を診断します。痛みを伴うような検査はありません。

医師が患部の炎症やおりものを見れば膣カンジダと判断することも容易ですが、さらに膣内のpHを調べたり、おりものを顕微鏡で見てカンジダ菌の存在を確認したりして、膣カンジダと確定することができます。

膣カンジダの治療法

病院での治療は、膣の洗浄と「クロトリマゾール」などイミダゾール系の抗真菌薬の投与が中心です。膣を洗浄した後に外用薬の膣剤(膣座薬・膣錠)を挿入し、家庭からは処方された軟膏や内服薬を使用します。

1週間ほど同じ抗真菌薬を使って症状に改善の見られない場合は、治療期間を延長したりほかの抗真菌薬に変えたりして引き続き様子を見ていきます。

薬を使用し始めて症状が消えたように見えた場合でも、内服薬がまだ残っている場合は自己判断で使用を中断しないで、処方された分は全て飲み切るようにします。

中途半端に治療を切り上げてしまうとカンジダ菌が再び増殖し、かえって治療が長引いてしまうおそれがあるためです。

膣カンジダは常在菌によって起こるため、再発しやすい病気です。再発しないようにきちんと治しておきましょう。

膣カンジダを早く治すために家庭で実践したいこと

膣カンジダにかかる人は、いつもよりカンジダ菌が増殖しやすい体調に傾いています。そこで、膣カンジダの治療を薬に頼るのではなく、薬の治療に併せて家庭ではしっかり体調を整えてカンジダ菌の増殖を阻止していきましょう。

薬の治療を終えて症状が消えても、発症してから1ヶ月くらいの間は再発しやすいので、次のケアを実践して早く膣カンジダが根治できるように努めてください。

膣カンジダを早く治すためにできること:免疫力を高める

免疫力が落ちている時にカンジダ菌が増殖しやすくなるので、膣カンジダの治療中はなるべく安静にして免疫力を高めましょう。

睡眠不足、ストレス、不規則な生活リズムは免疫力の低下を招きます。規則正しい生活を心がけましょう。

免疫力をしっかり高めておけば膣カンジダの予防にもつながります。また発症してもごく軽いまま自然治癒することも可能になります。

膣カンジダを早く治すためにできること:外陰部は石鹸を使わずに洗う

膣カンジダの治療中に外陰部を石鹸で洗うのはNGです。石鹸は洗浄力が強く、カンジダ菌だけでなく膣を弱酸性に保つ乳酸菌まで洗い流し、かえってカンジダ菌やその他の雑菌に感染しやすくなってしまうためです。また石鹸の刺激で患部の炎症が悪化する場合があります。

外陰部は石鹸を使わずにお湯で洗い流すだけにしましょう。膣剤を使っている間はおりものが増えるので、清潔にするために石鹸でしっかり洗いたくなってしまうかもしれませんが、お湯だけで十分に清潔になるので石鹸を使わなくても大丈夫です。

膣カンジダを早く治すためにできること:ビデや膣内洗浄を使わない

ウォシュレットについているビデ機能、使い捨ての膣洗浄ビデを使って膣を洗い流すのもやめましょう。膣内の乳酸菌やせっかく挿入した薬が洗い流されてしまい、膣カンジダが治りにくくなってしまいます。治療中はタンポンの使用も控えてください。

膣カンジダを早く治すためにできること:外陰部をかかない

どの皮膚炎にも共通することですが、患部はかいてはいけません。

膣カンジダのかゆみは強いので、我慢できずにかいてしまうことがあります。しかしかくと外陰部に引っかき傷ができて、炎症や感染が拡大する可能性があります。処方された薬を指示通りに使ってかゆみをやわらげましょう。

膣カンジダを早く治すためにできること:患部の蒸れを防ぐ

カンジダ菌は温かくて湿度の高い場所を好むので、患部の蒸れや締めつけはカンジダ菌の増殖を許してかゆみを強める原因にもなってしまいます。

膣カンジダの治療中はゆったりして通気性の良い下着や衣服を身に着け、患部がなるべく乾燥するように心がけます。おりものシートや汚れた下着はこまめに取り換えましょう。また入浴や水泳の後は患部がじめじめしやすいので、早く水分を拭き取って乾燥させておきます。

膣カンジダを早く治すためにできること:性交渉は避ける

基本的に女性器の感染症を治療している人は、医師の許可が出るまで性交渉を避ける必要があります。セックスによって男性にカンジダ菌をうつす可能性があるためです。

口腔の粘膜にカンジダ菌が感染すると「口腔カンジダ症」を引き起こす恐れがあるので、オーラルセックスも控えます。

コンドームを使用すれば男性にカンジダ菌の感染するのを予防することにつながりますが、この時期は患部を安静にしたいという意味でも、焦って性交渉をするのは良くありません。

パートナーに性器のかゆみなどがみられる場合は、カンジダ感染症にかかっている可能性が考えられるので、男性は泌尿器科の受診をおすすめします。

膣カンジダを早く治すためにできること:ほかの薬は使わない

膣カンジダの治療中には専用の抗真菌薬を使い、ほかの薬を患部に塗るのは避けてください。カンジダの殺菌力が低下する可能性があります。

特に膣カンジダの治療中にはステロイド剤や抗生剤を併用してはいけません。ステロイド剤と抗生剤には免疫力を低下させカンジダ菌を増殖させてしまう作用があるためです。ステロイドが配合された市販のかゆみ止めの軟膏も使わないでください。

治療中の薬の使い方で気になることがあれば、担当医に相談してください。

膣カンジダを早く治すためにできること:食事で体調を整える

食事から栄養を摂取して免疫力を高めましょう。免疫力を高めるため特にしっかり摂取したい栄養素は、ビタミンA、ビタミンB2、B6、B12、ナイアシン、ビタミンC、亜鉛です。これらの栄養素を多く含む次の食品を意識して献立に取り入れましょう。

  • ビタミンA…ニンジン、カボチャ、ほうれんそう、レバー、卵黄
  • ビタミンB2…レバー、納豆、卵黄
  • ビタミンB6…魚、鶏肉、牛肉、レバー
  • ビタミンB12…貝類、レバー、魚
  • ナイアシン…魚、レバー、鶏肉、まいたけ
  • ビタミンC…ピーマン、キウイフルーツ、イチゴ、ブロッコリー
  • 亜鉛…牡蠣、牛肉、卵黄、レバー

そして膣内の乳酸菌を増やすためには、食事から乳酸菌を摂取するのが効果的だと言われています。膣内の乳酸菌を急に増やすことはできないので、普段から毎日乳酸菌を摂取して膣内の常在菌のバランスを正常に保っておくことをおすすめします。

乳酸菌の多い食品

  • ヨーグルト
  • チーズ
  • キムチ
  • ぬか漬け
  • 味噌・醤油

再発してしまったら…実は市販薬で治すことも可能です!

膣カンジダが発症した人の半数には再発がみられます。体調によっては何度も繰り返す可能性がある病気で、その都度、適切な治療できちんと治さなければなりません。

ありがたいことに、膣カンジダや口唇ヘルペスのように再発を繰り返す病気の治療については、市販されている「再発治療薬」を購入して、受診せずに自分で治療することが許可されています。

市販の再発治療薬は、病院で処方される薬と同じ医療成分が使われているので効果も確か。病院に足を運ばなくて良いのは助かりますね。

市販されている膣カンジダ治療薬

各製薬会社から販売されている膣カンジダの再発治療薬を紹介いたします。

小林製薬「フェミニーナ 腟カンジダ錠」
フェミニーナ 腟カンジダ錠は、抗真菌薬「オキシコナゾール硝酸塩」を配合した膣錠です。モバイルチェックシートを使って女性が店頭で購入しやすいように配慮されています。

フェミニーナ膣カンジダ錠商品画像
小林製薬「フェミニーナ 腟カンジダ錠」

大正製薬 「メディトリート」シリーズ
メディトリートは、抗真菌薬「ミコナゾール硝酸塩」を配合した膣坐剤です。外陰部に炎症のある場合は、外陰用クリーム「メディトリートクリーム」を使用します。メディトリートと併用するとより効果が高まります。

PC・モバイルのチェックシートを使って薬局の店頭でスムーズに購入することができます。

メディトリート商品画像
大正製薬 「メディトリート」シリーズ

サトウ製薬「エンペシドL」
エンペシドLは、カンジダアルビカンスに対する抗菌作用が高い「クロトリマゾール」を配合した膣坐剤です。

エンぺシドL商品画像
サトウ製薬「エンペシドL」

田辺三菱製薬「オキゾナールL100」
オキゾナールL100はオキシコナゾール硝酸塩を配合した膣錠です。カンジダアルビカンスとカンジダグラブラタを殺菌し、優れた効果をもたらします。

オキナゾールL100商品画像
田辺三菱製薬「オキゾナールL100」

ロート製薬「フレディCC」シリーズ
フレディCC膣錠は抗真菌薬「イソコナゾール硝酸塩」を配合した膣錠です。外陰部に炎症のある場合は、外陰用クリーム「フレディCCクリーム」を使用します。フレディCC膣錠と併用するとより効果が高まります。

フレディCC商品画像
ロート製薬「フレディCC」

市販薬の使い方

どの製品も使い方は同じです。

膣剤は、1箱に6個入っており、1日1回1錠を就寝前に膣に薬を挿入します。薬は6日分あるので、途中で症状が消えても必ず6日分使い切ります。

クリームは1日に2~3回、患部に適量を塗布します。

膣剤は溶けてくると膣の外に流れ出るので、白いおりものが増えたように感じられますが、薬が自然に流れ出ることに問題はありません。下着やおりものシートはこまめに取り換えて患部を清潔に保ちましょう。

市販薬を使う時の注意点

市販薬を使えば通院不要で気軽に膣カンジダが治せますが、いくつか使用上の注意点があります。

再発治療薬は薬局・ドラッグストア、オンラインショップから購入できます。ただし、第一類医薬品に分類されているので薬事法により薬剤師が在籍しているお店でしか販売されていません。お店に薬剤師が在籍していることをチェックしてください。

第1類医薬品は、病院で処方される薬と同じくらいに副作用のリスクを持つ薬なので、消費者には薬剤師の説明を受けてから責任を持って使用することが求められます。

また再発医療薬は、病院で膣カンジダの診察を受けたことのある人しか購入できません。処方せんは不要ですが、第1類医薬品は店頭で薬剤師が症状を確認しなければ販売してもらうことができません。

症状の確認は自己申告です。しかし場合によっては薬剤師が再発治療薬の販売を断る場合があるので注意してください。オンラインショップも同じです。

また、次に挙げる人は膣カンジダの再発治療薬が使えません。

  • 15歳未満または60歳以上の人
  • 膣カンジダに初めてかかった人
  • 症状が膣カンジダによるものと確定していない場合
  • 不正出血、女性器の潰瘍や痛み、発熱、嘔吐など膣カンジダ以外の症状がある人
  • 妊娠中・授乳中の人
  • 妊娠している可能性のある人
  • 糖尿病の人
  • 抗凝血剤(ワルファリンなど)を服用している人
  • 配合成分にアレルギーを起こしたことのある人
  • ほかの病気の治療を受けている人
  • 2ヶ月以外に再発した場合、6ヶ月以外に2回以上発症している場合

製品の説明書にも明記されています。該当する人は婦人科で治療を受けましょう。

再発治療薬は添付されている説明書を熟読し、正しく使いましょう。膣カンジダの再発治療薬は、適切に使えば副作用で事故を起こす心配も少なく、高い効果が出やすい薬です。

再発しやすいのが厄介な膣カンジダ…予防と適切な治療が重要

カンジダ菌は常在しているため、膣カンジダを完全に予防することができません。そのために再発しやすいところも厄介です。

膣カンジダは、命に関わったり重篤な合併症を引き起こすような病気ではありません。普段から日和見感染を起こさないように体調を整えておき、運悪く発症してしまってもすぐ治すようにすれば、怖い病気ではなくなります。

膣カンジダの特徴と症状をバッチリ勉強した女性の皆さんなら、きっと膣カンジダに悩むことはなくなるはずです。

キャラクター紹介
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