健康生活TOP 性感染症 カンジダ膣炎の症状は自然治癒するの?予防する5つの方法

カンジダ膣炎の症状は自然治癒するの?予防する5つの方法

おりものやかゆみを伴う病気に「膣カンジダ」があります。女性なら誰でもちょっとしたことで発症する可能性がある感染症です。

デリケートな病気なので発症してしまうと一人で悩んでしまいがちですが、病気の特徴を理解してすぐに適切な対応を行なえば怖くありません。

自然治癒も可能なものですが、中には危険な病気も隠れているかもしれないので見極めは必要です。

膣カンジダの予防法5つと治療法について説明いたします。

原因菌はカビ?5人に1人がかかる膣カンジダとは

膣カンジダ(膣カンジダ症・カンジダ膣炎)は、膣の中に「カンジダ」というカビ菌が感染して起こる病気です。

このように書くとちょっと怖い感染症のように思われるかもしれませんが、実は健康な女性の誰もがかかる可能性を持っており、女性の5人に1人が経験しているとされるほどありふれた病気でもあるのです。

膣カンジダにかかると次のような症状が起こります。

  • 膣の内側・膣の周辺の強いかゆみ
  • 白くてポロポロした酒粕(カッテージチーズ)状のおりものの増加
  • 膣のヒリヒリする感じ
  • 膣外部の赤みやただれ
  • 排尿痛
  • 性交痛
  • 性交後の出血

膣カンジダは、カンジダを殺菌する抗真菌薬の内服や外用で比較的簡単に治すことができます。

ただし夜も眠れないほど激しいかゆみが起こり、一度治っても再発しやすいのが厄介なので、普段から膣カンジダにかからないようしっかり予防しておきたいですね。

性感染以外にも注意を!膣カンジダの予防法5つ

膣カンジダは膣に菌が感染して発症する病気のため、性交渉が原因の「性感染症」と間違えられやすいのですが、性感染で発症することは少ないのが特徴です。

どちらかというと体調やライフスタイルが影響して発症しやすい病気なので、女性は性交渉の有無や年齢に関係なく予防を心がけることがのぞましいです。

膣カンジダの予防法:免疫力を高める

膣カンジダは免疫力が低下した時に発症しやすい病気なのです。カンジダ感染を予防するには免疫力を高く保つことが大切です。

カンジダは膣内にいる常在菌です。弱い菌なので普段は悪さをすることはありません。

膣の中にはさまざまな常在菌がいますが、女性の体が健康な時は膣内の善玉菌(デーデルライン桿菌)によって酸性に保たれ、善玉菌が常在菌を適度に死滅させ異常増殖を抑えてくれているので、膣の病気にかかることはありません。

しかし免疫力が低下すると膣内の善玉菌が減ってpHが下がり、それまで抑えられていたカンジダ菌の増殖が進んでしまい、膣カンジダを発症してしまいます。

免疫力低下のきっかけになりやすいのは

  • ストレス
  • 疲労
  • 睡眠不足
  • ホルモンバランスの変化
  • 妊娠
  • 風邪

など、誰にでもあり得るちょっとした体調の変化です。規則正しい生活を送ったり自分なりのストレス解消法を実践したりして、体の調子を整えましょう。

また抗生物質を大量に服用していた人もカンジダに感染しやすくなります。それは抗生物質がカンジダを抑える善玉菌まで減らしてしまう場合があるためです。

抗生物質を服用している人は気になる症状があれば、婦人科を受診して抗生物質を飲んでいることを伝えた上で治療を受けてください。

膣カンジダの予防法:通気性の良い下着を身に着ける

デリケートゾーンは常に湿度と温度が保たれており、カンジダが繁殖しやすい条件が揃っている場所です。

下着は綿のような通気性の良い素材を選びましょう。また下着は洗濯の際にしっかり日光に当てて乾かすと、カンジダの殺菌効果が高まります。

体にフィットするジーンズやストッキングもデリケートゾーンが蒸れるので、長時間履くのは良くありません。

膣カンジダの予防法:デリケートゾーンを清潔に保つ

デリケートゾーンはなるべく乾燥させ、カンジダの増殖を抑えます。

生理ナプキン、タンポン、おりものシートは長時間つけっ放しにしているとカンジダの温床になってしまいます。こまめに新しい物に取り換えましょう。

おりものシートはかぶれを予防しますが蒸れやすいので、膣カンジダにかかったことのある人は使うのを控え、下着をこまめに取り替えたほうが膣カンジダの再発防止につながります。

入浴後、水泳後は清潔なタオルで水分を拭き取ってなるべく早く乾燥させておきます。

またカンジダは腸内にも存在しているので、排便後にトイレットペーパーで拭く時は後ろから前ではなく、必ず前から後ろに拭くようにします。

膣カンジダの予防法:デリケートゾーンを洗い過ぎない

病気を防ぐためにデリケートゾーンを洗い過ぎてしまうのも逆効果です。洗い過ぎにより、膣内の善玉菌が洗い流されてしまって自浄作用が弱くなってしまいます。

入浴時に洗う時は、弱酸性で刺激の少ない石けんで外陰部を軽く洗うか、お湯だけで洗い流すだけで十分です。

通常の石けんやボディソープを使うよりも、市販のデリケートゾーン専用の洗浄剤を選ぶのも安心ですね。

またウォシュレットや使い捨てビデを使って膣を洗浄する習慣も自浄作用を弱めるので良くないと言われます。膣の洗浄は自浄作用に任せましょう。(使い捨てビデは、どうしても汚れが気になる時だけ使うのがおすすめです。)

膣カンジダの予防法:乳酸菌を摂取する

膣内に善玉菌(乳酸菌)が十分に増えると、カンジダの増殖を抑えることができます。食事から継続して乳酸菌を摂取すると、膣カンジダの発症を予防する効果が期待できるといわれています。

実は、ある雑誌で医師が紹介した情報がきっかけで、膣カンジダの民間療法として

  • ヨーグルトを膣に塗る
  • 市販の整腸剤「ビオフェルミン」を膣内に入れる

という方法が、慢性的な膣カンジダに悩む女性の間で有名になっています。

生きた乳酸菌がカンジダを殺菌して炎症がおさまるので、カンジダの再発を予防したり病院に行かずに膣カンジダが治したりできるということで、ネットでは実際に試した人の体験談も目にします。

この方法で効果があるとすれば、その理由は「乳酸菌が一時的に膣内を酸性に導いて細菌を減らすことができたのではないか」と考えられています。同じ理論を用いた民間方法に「酢水で膣を洗浄する」という方法もあるようです。

これらの方法がおススメかどうかは、医師によって賛否両論です。少なくともヨーグルトや整腸剤は膣の中に入れる目的の物ではなく安全性が確かではないため、個人で安易に試すことはすすすめられないという意見もあります。

膣や外陰部に炎症のある場合に民間療法を行なうとかえって悪化する可能性もあるので、医師または薬剤師の指示に従って専用の治療薬を処方してもらうことをおすすめします。

ただし、乳酸菌を食品や整腸剤から経口で摂取するなら副作用の心配はありません。乳酸菌の摂取は全身の免疫力を高める効果も期待できるので大いにおすすめできます。

米国国立医学図書館 国立衛生研究所のJMed Life (PMCID:PMC4034315)には「プロバイオテクスのカプセルを膣内に投与する方法は一部の患者に有効だが、プロバイオテクスを経口で腸内へ送り込んだ方が、細菌性膣炎の改善効果が高かった」という情報も記載されています。

プロバイオテクスとは体に良い効果をもたらす生きた微生物のことです。

  • ヨーグルト
  • キムチ
  • 味噌
  • 醤油
  • 納豆

などの発酵食品から摂取できます。毎日の食卓に取り込みましょう。

受診の目安は?こんな症状があれば膣カンジダを疑って

おりものの異常や強いかゆみがある場合は、婦人科(産婦人科)を受診してください。

もともとデリケートゾーンは蒸れやかぶれが起こりやすく、カンジダに感染していなくても皮膚にかゆみが起こりやすい場所です。その場合のかゆみは性器の表面に起こりやすく、それほど激しいものではありません。

一方、膣にカンジダが感染した場合のかゆみは、膣の内側やその周辺に起こり、かゆみも強烈であることが少なくありません。夜も眠れないほど激しいかゆみが起こるなら、単なるデリケートゾーンのかぶれではなく膣カンジダを疑います。

正常なおりものは、透明から乳白色で無臭または酸っぱいにおいがあります。分泌されたものは時間が経つと、薄黄色に変わりにおいが強くなりますが、これも正常です。また排卵期には卵白状のドロッとしたおりものが増えます。

膣カンジダにかかると、おりもののにおいは正常な時とほとんど変わりませんが、白くポロポロしたおりものが固まって下着につくので、いつもと違うおりものだと判断できます。

ただ、おりものの量は生理周期や個人によって差があり、健康な人でもおりものの分泌が増えたり自分で色やにおいが気になったりすることもあるので、普段の正常なおりものの状態もチェックしておくことをおすすめします。

また膣カンジダとよく似た症状を持つ婦人科の病気も多いので、自己判断で膣カンジダと決めつけることはできません。次の表で膣カンジダとその他の病気の特徴の違いをチェックしておきましょう。

 

病名 原因菌 主な症状 おりものの状態
膣カンジダ カンジダ
  • おりもの(多量)
  • 強いかゆみ
  • カッテージチーズ状
  • 酒粕かす状
腟トリコモナス症 腟トリコモナス
  • おりもの(多量)
  • 痛み
  • 泡沫状
  • 黄緑色
細菌性腟症 大腸菌など
  • おりもの
  • 悪臭
  • 魚臭
  • 灰白色
萎縮性腟炎
  • おりもの(少量)
  • 膣の乾燥
  • 性交痛
  • うみ状
子宮頸管炎 クラミジアなど
  • おりもの
  • 陰部の不快感
  • においが強くなる
  • 黄白色

病気によってそれぞれ異なる治療法が必要になるので、該当する症状があれば早めに受診して原因を特定させましょう。

自然治癒?病院の治療?膣カンジダ症の治療法は

膣カンジダ症が初期のまだ軽症の段階なら、免疫力を高めることで自然治癒させることが可能です。

ただし「何もしないで治る」ということではありません。免疫力を高めるため、十分に睡眠をとったり栄養バランスの良い食事をとったりすることを心がけて過ごしてください。

おりものやかゆみがおさまらない場合は、すぐに治療が必要です。受診して炎症やおりものの状態、おりものの中の細菌を検査します。治療内容は、膣内洗浄と膣剤の投与です。自宅では処方された内服薬と軟膏で治療を1週間程度続けます。

すぐ症状が改善されても途中で薬を使うのをやめないで、指示の通りに使い続けましょう。膣カンジダは治ったように見えても再発しやすい病気のため、処方された薬でしっかり殺菌しておく必要があるためです。

次の受診で検査を受け、陰性ならばカンジダの治療は終了します。検査で陽性なら治療を継続します。治りにくい場合は薬の量を増やしたり種類を変えたりすることもあります。

治療中はストレスを避けて規則正しい生活を心がけ、体調を整えて回復を促進させましょう。パートナーにカンジダが感染する可能性があるため、性交渉は控えます。(男性がカンジダに感染すると亀頭炎を引き起こします。)

お求めは薬局で!再発した膣カンジダは市販の薬でも治せる

強烈なかゆみを伴う膣カンジダは1度かかるだけでもうコリゴリなのに、再発を繰り返しやすい性質があります。これはカンジダが体の中から完全に消えない細菌だからです。

再発の度に病院に行くのは誰でも気が重いですよね。しかしご安心ください。再発した膣カンジダ専用の薬は最寄りの薬局で購入することができるのです。

膣カンジダの薬には膣剤と外用薬(クリーム)があります。

膣剤

抗真菌剤を主成分とした膣剤です。使用上の注意に従って1日1回、6日間連続で使います。

  • エンペシドL(サトウ製薬)
  • フェミニーナ膣カンジダ錠 (小林製薬)
  • メディトリート(大正製薬)
  • オキナゾールL100(田辺製薬)
  • フレディCC膣錠 (ロート製薬)

外用薬

患部のかゆみをしずめるために使います。膣剤と併用することがのぞましいです。

  • メディトリート(大正製薬)
  • メンソレータム フレディCCクリーム (ロート製薬)
カンジダの再発かどうかはっきり分からない場合、1~2ヶ月に1回の頻度で再発を繰り返している場合は市販の薬を使わずに受診することをおすすめします。

再発に注意!放置せずに早めに治してしまいましょう

膣カンジダの症状に気付いたら放置せず、適切な治療ですぐに治してしまいましょう。骨盤内や全身に症状が広がる心配はない病気ですが、パートナーに感染させてしまう可能性もあるためです。

また不妊症の直接の原因にはなりませんが受精を妨げたり、妊娠すると羊水や産道を通して胎児にカンジダをうつしてしまいやすくなるので、妊娠・出産の予定があり膣カンジダにかかったことのある人は再発に注意してください。

かゆみが強烈なので、一度経験するとすっかりトラウマになってしまい、なんでもない程度のかゆみが発生しただけで「また膣カンジダになったのでは?」と不安にかられてしまう人も少なくないの病気です。

常在菌なので残念ながら発症を完全に防ぐことはできませんが、カンジダが暴れ出さないように普段から健康管理をしっかり行ってくださいね。
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