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デリケートだからこそ知っておきたい!性感染症の種類別、症状と対策

次なる生命の誕生を脅かす問題にも発展しうるのが、今回のテーマとしてお話しする「性感染症」です。

性感染症の代表ともいえるエイズがにわかに流行しはじめた当時、真剣に人類の行く末を案じた学者も事実多かったです。エイズに関しては、もちろん撲滅までは至っていないものの、従来の「不治の病」のイメージはやや薄れました。

「一番怖い性感染症の脅威が薄らぎつつあるのだから、性感染症は恐るに足らないのではないか」と、そう解釈する人もいるのかもしれませんね。

しかし性感染症の脅威のポイントはそこではありません。性感染症である以上は「感染症」である、というところが最大の脅威なのです。

感染症ということは、目に見えないウイルスや細菌類が相手になることを意味します。しかも個人レベルにとどまらず、人類の未来を脅かす種類の脅威です。

もともと感染症にはそういう側面が少なからずありますが、性感染症はその傾向が顕著化します。これが性感染症の最大の脅威であると考えます。

具体的な性感染症について、エイズウイルスから順に、その脅威を個々に検証していきましょう。

致命的な後天性免疫不全の脅威「HIV感染症」

地球の将来を脅かす後天性免疫不全症候群・エイズ(AIDS)は、現在のところ最も怖い性感染症の1つであるとされます。エイズは、エイズウイルス(HIV)が感染することで発症することから、「HIV感染症」と呼ばれます。

HIVの感染経路は性交渉(性行為、性的行為などの粘膜感染)、輸血などの血液感染、そして母子感染です。いずれも人類の誕生や繁栄のいとなみにかかわるところそのものが感染経路となります。だからこそ大きな脅威となりえるのです。

HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。しかしこれが逆にさらなる大きな脅威を呼びます。HIVキャリアーの治療が遅れる、さらに新たな性的接触による感染リスクが極めて高まるからです。

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免疫というのは、主に白血球が担う、外敵から自分の身体を守るための防衛機能です。エイズの症状は、「CD4陽性細胞」と呼ばれる免疫機能の指令を送る細胞が破壊されて発症します。

エイズの症状の詳細については、非常に怖い病気だけに、これまでにもいろいろ紹介されてきたと思います。大まかな流れだけでも知っておくとよいかもしれませんね。

自分、もしくは愛する人、大切な人、そして人類の生命にかかわることですから、万一感染が発覚したとしても、ひとりで落ち込まず、しっかり治療をすることが何よりも大切です。

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長い時間をかけて徐々に肉体をむしばむ「梅毒感染症」

劇症型のような急性症状を伴う感染症は確かに怖いですが、その分医療機関での治療は比較的早いタイミングで確実に行われることになります。ところが性感染症の場合、多くは発症までの潜伏期間が長いです。

これが最終的に致命傷に至ってしまうリスクになります。中でも「梅毒感染症」は、何年もかけて肉体をむしばみながら進行します。梅毒の病原菌は「トレポネーマ」と呼ばれる微生物です。

梅毒感染は、性行為によって起こります。あらゆるタイプの性行為が梅毒感染の可能性をはらみます。感染リスクは男女とも同じです。

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感染からの経過時間に伴う症状を時系列でまとめてみますと・・・

時期 状況・症状
性交渉当日 皮膚および粘膜の微小な傷口から感染し、血中に侵入して全身をむしばんでいく
第1期梅毒(感染から約3週間経過) 感染部位(性器、口、肛門、手指など)の皮膚および粘膜にしこりが現れ、太ももの付け根などにリンパ節の腫れが起こる(放置しても2~3週間で消滅)
第2期梅毒(感染から約3か月経過) 身体の中心線周辺にピンク色のあざが現れ、赤茶色の発疹や脱毛症がみられる(放置しても3か月~3年で鎮静化)
第3期梅毒(感染から3年以上経過) 「結節性梅毒疹」、「ゴム腫」などと呼ばれる大ぶりのしこりができる(現代の梅毒で現れる患者さんはほぼいない)
第4期梅毒(末期的症状) 心臓、血管、神経、目など全身に現れる重篤な症状がみられる(現代の梅毒で現れる患者さんはほぼいない)

(参考:感染したらどうなるの?-STD研究所)

性交渉をきっかけとして上記の症状が現れるようになった、もしくは何んとなく不安を感じたら、必ず病院で検査し、万一陽性であれば、しっかりと治療していただきたいと思います。

また、現在は自宅で簡単に検査できる検査キット(梅毒以外の性病も対象)も利用できるようになっていますので、ぜひご活用ください。検査キットに関する詳細はSTD研究所様のサイトをご覧ください。

上記以外にも、性病をはじめさまざまな病気(がんやピロリ菌など)の検査キットがありますので、参考にしてみてください。

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不安な「しこり」が現れる女性特有の感染症「バルトリン腺嚢胞」

身体のどこかに「しこり」ができたりすると、男性でも女性でも少し背筋が寒くなるような恐怖を覚えますよね?そんなものが女性のデリケートゾーンにできたりすると、生きた心地がしないと思います。

しかし実はそういう望まざる事態を招く女性特有の感染症があります。「バルトリン腺嚢胞(のうほう)」と呼ばれる感染症です。「バルトリン腺」というのは、性交時に粘液を分泌する分泌腺です。

嚢胞というのは、バルトリン腺嚢胞だけに限らずいろいろな病気で現れる病変ですが
、これは簡単にいえば「少し大きな水ぶくれ」もしくは「肉腫(しこり)」のイメージになります。

バルトリン腺の開口部は小陰唇の内側に、左右対称に位置しています。このバルトリン腺の出口というか入り口というか、いずれにしてもその開口部が細菌感染することで起こる感染症が「バルトリン腺嚢胞」です。

バルトリン腺開口部は肉眼でようやく確認できる程度の大きさです。しかし相手が微生物ともなると、引き起こされる症状は想像のレベルを超えて大きくなります。

その原因菌となる微生物は、大腸菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、さらには淋菌などの細菌です。ただし、トリコモナスや真菌のカンジダ菌などは、バルトリン腺嚢胞の原因菌にはなりえません。

しこり以外の症状としては、患部に熱感や痛みを感じたり、症状が重くなると化膿して膿が出たりすることもあります。ただ、しこり自体は触れても無痛の場合が多いです。

感染症ですから、自覚症状の如何によらず、病院で治療してもらうことが何よりも大切です。バルトリン腺嚢胞は、症状の進行によっては患部を切開して膿を出したり嚢胞を摘出する手術を行ったりすることもあります。

場所が場所なので、重症化してやっかいなことにならないよう、早めの治療が望まれます。

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常駐菌による自己感染が原因!?異色の性感染症「性器カンジダ感染症」

一般的に性感染症というと、主に性的接触によって「もらう」形で細菌やウイルスが感染するイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

性器に常駐している細菌が自身の性器に感染する「自己感染」によって発症することが多い感染症が、「性器カンジダ感染症」です。

「カンジダ」という微生物は真菌(カビ)の一種で、特に女性器は、構造上どうしても男性よりも常駐率が高くなる常駐菌ですから、男性よりも女性のカンジダ菌の感染リスクが高くなります。

とはいえ、適切な避妊具を用いない性交によっても当然感染することがありますので、ほかの性感染症とくらべれば少々異色な印象もありますが、性器カンジダ感染症もやはり性感染症といえます。

女性の性器カンジダ感染症は、発症すると外陰部および膣の強いかゆみが引き起こされます。それ以外の症状もいくつかありますので、まとめてみましょう。

女性の性器カンジダ感染症の症状
  • ヨーグルト状のおりものが多く分泌される
  • 熱感や痛みなど、性器の炎症
  • 性交時の痛み
  • 排尿時の痛みなどがみられる排尿障害

(参考:主な症状-STD研究所)

男性の場合、カンジダ菌のキャリアーであったとしても、感染症による症状を発症するケースはまれです。発症すると、亀頭部のかゆみやただれ、色の変化やカスが出る、水泡、(まれに)尿道炎などの症状がみられます。

女性にもいえますが、キャリアーだからといって必ず発症するというわけではないのが性器カンジダ感染症の特徴です。疲労や体調不良など、免疫力低下がみられる状況では発症リスクが高まります。

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性器カンジダ感染症は、自覚症状が比較的明確な性感染症なので、治療の遅れのリスクは小さいです。とはいえ、比較的起こりやすい性感染症なので、症状を自覚したら恥ずかしがらずに病院にいきましょう。

また、特に女性の場合、「自分のデリケートゾーンにカンジダ菌(要はカビ!)が常駐している」と考えると、デリケートゾーンの衛生への配慮が過敏になることもあるでしょう。

しかしあまりにも洗浄力が強いせっけんを使用したり力ずくでゴシゴシ洗ったりするのは、めぐりめぐって最終的には逆効果になってしまうことも想定されます。この点には十分注意してください。

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それと、カンジダ菌は性器だけに常駐しているわけでもなく、また別の疾患もしくはその治療が原因で感染することもあります。性器に限らず、粘膜がある部位は感染リスクがあると考えるべきです。

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国内最大の感染者数!感染リスクの高さは脅威!「性器クラミジア感染症」

性感染症である以上、どんな感染症でもその脅威は計り知れないものがありますが、一番怖いのが、「気づかないうちに自分が感染し、気づかないうちに誰かに感染させている」というパターンでしょう。

その可能性が最も高く、日本で最大の感染者数を抱える性感染症が、「性器クラミジア感染症」です。性器クラミジア感染症は、比較的奔放に性交渉を行う10代後半~20代にかけてのリスクが高いです。

性器クラミジア感染症のキャリアーが多い明確な理由があります。もちろん、適正な避妊具を装着せずに性交渉を持つことも大きな原因になりますが、それはほかの性感染症も同じことです。

性器クラミジア感染症は、自覚症状がほとんど現れないことが多いという特徴があります。そのため、知らずに自身が感染し、知らずに他者を感染させてしまうのです。

女性が性器クラミジア感染症にかかると、不妊症や子宮外妊娠の原因となりえますので、自覚症状に乏しいだけに十分警戒が必要になります。

性器クラミジア感染症は、あらゆる形の性交渉が感染の原因になります。性器だけでなく、のどに感染することもあります。梅毒感染なども同様ですが、性器クラミジア感染症はエイズのリスクを高めるという臨床データがあります。

無症状であることが多いですが、軽度の自覚症状や異変が見られることもあります。

性器クラミジア感染症の症状
  • 男性・・・尿道から膿が出る、排尿痛、尿道のかゆみ、熱間や痛みその他の異変
  • 女性・・・おりものの増加、不正出血、性交痛、下腹部の痛み

(参考:性器クラミジア感染症の症状-STD研究所)

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一般的にはそこまで重症化しない性器クラミジア感染症ですが、将来もし菌が変異するようなことがあったとしたら・・・そう考えると、感染力が高い性器クラミジア感染症は、たいへんな脅威になりますよね・・・

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男性の発症率が高く、クラミジアとの関係も強い!?「淋菌感染症(淋病)」

性感染症は、男性にも女性にも起こりえます。しかし細菌などの微生物やウイルスが感染して起こる感染症の場合、性器の構造上の理由からどうしても女性の感染リスクのほうが高くなりがちです。

ところが、なかには男性のほうに強い症状が現れる性感染症もあります。淋菌(りんきん)と呼ばれる細菌が感染して起こる「淋菌感染症」です。淋菌感染症は「淋病(りんびょう)」と呼ばれることもあります。

淋菌の感染力は非常に高く、淋菌キャリアーと1回の性交渉を持つことで、実に30%の確率で感染すると考えられています。それだけに、非常にリスキーな細菌なのです。それゆえ性風俗店を利用する男性にはより高いリスクがあります。

男性の淋菌感染症には非常に激しい症状が現れます。淋菌が尿道に感染すると、激痛を伴い、感染部位が化膿して膿が出ることもあります。一方女性の場合無症状のままのケースも珍しくありません。

逆にそれだけパートナーの男性に感染させるリスクがあると考えるべきでもあります。また、自覚症状には希薄であるものの、不妊症や子宮外妊娠のリスクを招きますので、女性もやはり十分警戒する必要があります。

淋菌感染症の症状
  • 男性・・・尿道から膿が出る、排尿痛(激痛)、尿道のかゆみ、熱間や痛みその他の異変
  • 女性・・・おりものの増加、不正出血、性交痛、下腹部の痛み

(参考:淋菌感染症の症状-STD研究所)

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そしてもう1つ注意したいのが、性器クラミジア感染症とのかかわりです。淋菌キャリアーの実に20~30%にも相当するキャリアーが、性器クラミジアに感染しているという臨床データがあるのです。

男性と女性とで大きく症状が異なること、そして性器クラミジア感染症との関係が、淋菌が感染しやすい(感染予防されにくい)重要な要因になっているのかもしれないですね・・・

それだけに、上記の症状に思い当たるフシがあったら、できるだけ早く医療機関で検査(もしくは自宅で検査キットを利用)してみてくださいね。

日々のいとなみの中に潜む脅威の意味をよく理解すべき

男性女性にかかわらず、性衝動は人間の本能に由来します。というより、動物が種を保存するために不可欠な衝動です。それゆえ、オスとメスが交わりを持つことは必然であり、ある意味日常でなければならないとも考えられます。

しかし人間には「理性」があります。日常のいとなみの中に潜む性感染症蔓延の脅威は、私たち人間の性衝動に対する理性の欠如の一端として現れてしまっているような気もします。

性衝動が種の保存を目的として神様が与えた衝動であるとするならば、性感染症を蔓延させないことは、理性によって私たち人間が種を保存するための大きなテーマであるといっても過言ではないのかもしれませんね。

「避妊具」は、文字通り「妊娠を避ける器具」では確かにあります。と同時に、性感染症を予防する「性感染症予防具」でもあるはずです。私たちは、自らの理性によってリスクを回避することを前提として、本能に忠実でありたいものです。

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