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不規則な食事でも冷え性には影響しない?改善のための食生活

women eating meat

いきなり、冷え症で悩んでいる方に叱られそうな内容で始めます。実は冷え症と言う病気は存在しません。また、冷え症と言う症状を定義づけたものもありません。やや極論気味ですが「本人が冷え症だと言ったらそれが冷え症なのだ」と言うことなんです。

しかし現実に冷え症で悩む方は少なくありません。身近にいる冷え症の人の割合を見れば世界的には凄いことになるだろうに、WHOは何をしているんだと言いたくもなるでしょう。しかし、意外と日本人以外に冷え症は少ないのです。

西洋では低温感受性や寒冷不耐性と呼ばれている

実際ネットでいろいろ当たっても、海外のサイトで冷え症に近い症状について言及しているものはあまり見当たりません。個人ブログなどでは水仕事がつらいと言ったことも見受けられたのですが、それは抗がん剤の副作用の話題でした。

そこで取り敢えずWikipedia(英語版)で調べてみると、貧血や血管収縮などの他、精神活動の一種によっても起こりうる、珍しい症状として紹介されていました。レイノー現象については別の病気の扱いです。

どうやら「冷え」と言う感覚が西洋人にはないのかもしれない

やや年配者的表現ですが、日本では「女の子は腰を冷やしてはいけない」とか、「妊婦さんは冷えが大敵」などと言います。

しかし、アメリカあたりの妊婦さんは、立派に育ったお腹を覆うこともなく、セパレートタイプのワークアウトウェアでフィットネスクラブに通っていたりしますね。

そもそも冷やすことが悪いと言うのは東洋医学的な感覚なのかも知れません。では東洋医学の中医学(漢方)ではどうなのでしょう。中医学では冷え症といった漠然としたものではなく、もっと踏み込んだ分析をしているようですね。

中医学で冷え症に近い感覚を表しているのは、むくみや痛みを伴う「水毒(すいどく)」、息切れや脱力感を伴う「气虚(中国語発音 チーシー:ピンイン qi4 xu1)」、血行不良で女性の月経困難や不妊に繋がる「淤血(おけつ)」の3つではないかと思われます。

つまり、「冷え症」の一言でこの症状をまとめてしまっているのは日本だけである可能性が高いですね。

学問的にも「冷え症」は定義されていない

冷え症がどういうものであるのかはみんなが知っているのに、ではどう言うものが冷え症なのかと尋ねると、人によって感覚がずいぶん異なります。

そうなってくると、冷え症の治療法や対策を考えるために統計を取ろうとしても、その定義自体があいまいなために、他の研究との比較ができなくなったりして混乱を招くことになります。

そこで、京都大学の研究者は、過去の研究文献のレビューを通じて、冷え症の定義や測定方法などを調べ、今後の研究の方向性を定めると言う試みを行いました。その内容は、なかなか示唆に富んだものでした。

多くの女性に見られる症状であるが病気ではなく、治療の対象にはならないが,女性の健康や生活の質に悪影響を及ぼしている。

また、冷え症の定義や客観的な指標、冷え症者の特徴や健康への影響については明らかではない。

このように、序文から現在の冷え症に対する取り組みの不足を指摘した内容となっています。冷え症に悩む女性なら、思わず「うんうん」とうなずいてしまうかもしれませんね。

研究しようとしても、定義すら定まっていない物は研究するのも大変なのです。

でもこうした取り組みが実を結ぶことは多いので、今後に期待しましょう。

女性を対象におこなった研究から見えてくる”冷え性”の傾向

男性にも決して少ない症状ではない物の、やはり冷え症と言うと女性が訴えることが多いため、女性を対象にした研究が中心になりました。

対象を女性に絞った場合、年齢との関係はあまりみられなかったとか、必ずしも痩せ型に冷え症が多いわけではないとか、やや意外な結果が現れていた部分もあります。

様々な研究で一致していた要素はわりあい常識的だった

まず、冷え症の人は手先足先の他、鼻など顔の一部、ふくらはぎなど末梢が冷えていると感じており、実際に血液の循環量も悪くなっていたと言うことが共通要素として挙げられます。

そして、冷たい水に手や足を一定時間浸してから外に出し、皮膚の表面温度の回復を図る検査いくつかの研究で行われています。そして、その結果はいずれも冷え症の人の温度回復は低い傾向が観察されています。

また、すべての研究で一致していたのは、女性のおよそ50~70%に冷え症が認められたと言う事実です。

冷え症全般にみられた共通項目は冷える部位・冷房・食生活

当然と言えば当然なのですが、冷え症の定義に関わらず、冷え症の人が冷えを感じるのは手先足先や膝から下、手のひらなど末梢端部に多かったと言う結果でした。

また、ちょっと意外なのは、夏場に良く冷房を使う人に冷え症の人が多かったと言う結果が得られたことです。冷え症の人と言うのは、夏場でも冷房の効きすぎたオフィスで困っていると印象があったのに、ちょっと意外です。

このことについて研究者の方は、冷え症の人は冷房を良く使うが、冷房による冷えを感じている人も多いとまとめていて、これは寒さだけでなく暑さにも耐性が低いのではないかと推定しています。

つまり、身体全体としては、体力的に暑さが我慢できないから冷房を入れるが、冷房を入れると末梢部分に冷えの症状が出てしまうのだろうと言うことですね。

食生活では、外食が多い人や、菓子パン程度で一食を済ませるような食生活を送っている人に冷え症が多かったそうです。

冷房がないとだめだけど、冷房があると冷えると言うのは困ったものですね。

これはわがままではなく体質・体力による部分も大きいので、一番困っているのはご本人でしょう。

冷え症に関係ありそうで関係なかった飲酒・喫煙・ダイエット

実に意外なことですが、冷え症に影響がありそうなダイエット経験は冷え症に影響を及ぼしていませんでした。また冷たい飲み物の摂取量は冷え症の人の方が少なかったと言う結果が得られています。

これは、冷たい飲み物を飲んだら冷え症になるとかならないとかではなく、冷え症の人は冷たい飲み物に触れることそのものを嫌っているからでしょう。

血流量に影響を及ぼす飲酒や喫煙も影響がない

お酒を飲むと血流量が増えますし、たばこを吸うと血管が収縮するため血流量が減ります。ですので、この2つは冷え症に影響を及ぼしていてもおかしくないのですが、良し悪しに関わらず影響は見られませんでした。

これはどちらも影響が一時的だからなのかもしれませんね。いずれにせよ他の部分であまり体には良くありませんから、やめておいた方が良いと思います。

運動やダイエットも冷え症とは関連が見られませんでした。運動すれば筋肉が増えて熱産生が増えるため良い影響を与えそうですし、ダイエットについては肥満が解消したり栄養が不足したりと、善悪どちらにも影響しそうですが、これもありませんでした。

東洋医学と冷え症の関連性と利用方法

ほとんどの場合で冷え症の人は、深部体温と比べて皮膚表面の温度が、冷え症でない人より低い傾向が見られました。ですので、冷え症と言うのは皮膚の表面温度が下がることと考えてもよさそうですし、私たちの感覚ともよく一致します。

しかし、東洋医学の血行不良、「淤血」の状態では、むしろ皮膚温度が上昇するとされています。これは西洋医学と東洋医学の、症状の捉え方の違いから生まれたものではないかと考えられます。

ですので、漢方でその冷え症が「淤血」と指摘された場合には、西洋医学的な対応とは分離して考えるか、お医者さまや薬剤師さんによく相談して治療に当たるようにしましょう。

飲酒喫煙が影響なしと言うのは意外ですが、他の病気の原因にもなりますので、控えておくに越したことはないです。

不規則な生活習慣は冷え症にはつながらないが食事の内容は重要

不規則な生活と言うのは、いろいろな身体的トラブルの原因になりますから、きっと冷え症の原因にもなるだろうと思えるんですが、あまり影響はありませんでした。

睡眠時間の短さや便秘傾向は、研究によっては影響があると言う物もありましたが、影響がないとするものもあって一致を見ていません。また、食事時間が不規則でも冷え症には特に影響しないようです。

野菜や果物も冷え症には関係がなかった

冷え症傾向のある人の食生活や食事の嗜好もさまざまです。それでも、冷え症に悩む人には外食中心の食生活になっている人が多く、1日2食以上外食や出前などを含む中食になっている日が多いと言う傾向が見られました。

また、1日の食事のうちの1回を菓子パンなどのような食事とは呼びにくいもので済ますことが多い傾向がありますね。

これはある意味予想通りと言うか、栄養バランスの悪さが冷え症を引き起こしたのだろうと想定できます。そうなってくるとまず考えられるのがビタミン不足ですね。外食などと言うことになると食物繊維も不足気味になるでしょう。

そこで、野菜や果物の摂取量と冷え症の関係を見た場合ですが、これは意外なことに関係が見出せませんでした。野菜や果物の不足は動脈硬化など他の病因にはなっても冷え症には関係ないようです。

肉・魚・卵を食べるのが冷え性解決につながるかも

冷え症と食事内容との関係で明快だったのは次の2点です。

  • 魚介類,卵類を好む人が有意に少ない
  • 肉類が嫌いだと言う人が有意に多い

この2つ、まとめても良いような感じですが、実は微妙に意味が違うんです。

まず上の行は、「好きな食べ物は何ですか」と聞かれて、魚介類・卵類を挙げる人が統計学的に意味のある数値であるくらい少なかったと言うことです。つまり、積極的に魚介類や卵に手を伸ばさないけれど、出てくれば普通に食べられると言うことですね。

一方、下の方も統計学的に意味のある差が出たと言うのは同じことですが、「嫌いな食べ物は何ですか」と聞かれて、肉類を挙げた人が多かったと言うことです。つまり、肉は出てきても残す可能性が高いと言うことです。

例えば食事に誘った時、「ステーキ食べに行こうか?」と言っても断られるけれど、「お寿司にしようか?」と言ったら「別にかまわない」と言う返事をするようなタイプと言うことですね。

こうして見てみると動物性たんぱく質の摂取量がかなり少なくなってしまいそうです。また、それに付随して得られるミネラル類の不足も考えられますね。

乳製品についての言及はありませんでしたので、やはり肉・魚・卵を食べるのが、1つの冷え症解決法に繋がるのではないかと思われます。

たんぱく質は大豆だけではダメと言うことですね。でも、毎日お肉200g食べてるけど、もっと増やそうってのはダメですよ。

あくまで栄養バランスと熱量を見極めて食べて下さい。

冷え症は病気として扱われないだけに個人での対応が重要になる

最初にお話しした通り、冷え症と言うのは国際的な共通認識のある症状ではありませんので、なかなか治療と言う方向性が採られにくいものです。

また冷え症対策として血行を良くするビタミンEは必須と言っていいのですが、これは統計上現れてきていません。

  • ナッツ
  • 植物性油脂
  • 魚卵・貝類

に豊富に含まれていますので上手に利用しましょう。

さらにナイアシン(ビタミンB3)も末梢血管の拡張作用がありますので、多く含む

  • 魚卵
  • 青魚
  • ナッツ
  • レバー類

などを摂ることが冷え症の改善に繋がると考えられます。

ナイアシンについては次のような記事も参考にしてみてくださいね。
脂質異常症にたらこが良い!常識をくつがえすたらこの効能

食生活のところで説明のあった外食系は、ファーストフードなど栄養面で脂肪と炭水化物に偏り過ぎる傾向があります。

これは冷え症のみならず、あらゆる循環器・代謝機能系の病気の原因になりますから、控えめに利用して下さい。

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