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指先が白くなる、しびれる!女性がなりやすいレイノー現象

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レイノー病またはレイノー現象と言う物があります。いわゆる冷え症と強く関連付けられるものですが、もっとひどい症状をもたらし、最悪指先などが壊死してしまうものです。

普通の冷え症と異なるところは、指先が蒼白になり、さらには紫色に変色してしまうと言う強い血流不全が起こるところです。単に冷えるだけでなく、このような色の変化としびれがあったらレイノー現象の疑いが非常に強くなります。

こうした症状がある方は、レイノー現象とその陰に潜むがんや難病と呼ばれるような原因疾患の関係について知っておくべきなのです。

レイノー病とレイノー現象・症候群は少し異なる状態

名前について、いろいろな表現をされることが多いので混乱を招いている印象がありますが、レイノー現象と呼ばれる状態が引き起こされる状態には多くの病気と同じように2通りの原因があります。

1つは何かの病気があって、その症状の一つとしてレイノー現象が現れる「二次性レイノー症候群」または「○○病によるレイノー現象」ですね。これはレイノー現象がみられるもののうち、20~25%程度です。

もう1つは、原因となる病気が見当たらない「一次性レイノー症候群」または「レイノー病」と言う物です。こちらの方が圧倒的に多く、75~80%を占めています。

一次性の方は、原発性や本態性と言う呼び方をされる場合もあります。

レイノー現象は強烈な冷え症と思われがちな症状

レイノー現象とは、寒冷刺激や精神的な緊張によって、手足の末梢の細い動脈の血管が強く収縮することで、手足の指先に次のような症状が現れるものです。

  • 皮膚色の変化(蒼白→暗紫→赤)
  • 強い冷感
  • しびれ感
  • 痛み

イメージとしては冷え症そのものですね。でも、もし紫色に変色すると言う症状が顔に起こっていたら「チアノーゼ」ですよね。実はレイノー現象は手足の指先にチアノーゼが起こっている状態なのです。

検査してみると冷え症なのかレイノー現象なのかははっきりするので、生活に支障が出るくらい強い症状であれば一度確定診断を受けるため検査してもらうのも良いでしょう。

検査は氷水に手を突っ込んで、その後の色調の変化を観察したり、サーモグラフィーを使って体表温度の回復スピードを測ったりして行われます。レイノー現象を持つ人にとって、ちょっとつらい検査かも知れませんね。

しかし、ただの冷え症なのかレイノー現象なのかの見分けは病院での検査が必須です。症状がはっきりすればお薬の処方もありますので、「もしかして」と思ったら、できるだけ早めに検査を受けて下さい。

多くの病気に良くある通り、この名前も報告したお医者さんの名前から来ています。フランス人医師のモーリス・レイノー博士が28歳の若さにして報告された症状です。

時に1862年、彼はこの病気に関する論文で博士号を受けています。150年以上昔から知られた病気なんですね。

二次性レイノー現象の原因はかなり種類が多い

レイノー現象がレイノー病(原発性レイノー症候群)に起因しているのを確認するためには、まず二次性でないことを確認しなければなりません。そのために、さまざまな原因疾患の可能性を排除することから始めます。

二次性レイノー症候群は、割合難しい病気によって起こることが多いので、いずれにせよしっかりした検査を受けた方が良いですよ。

レイノー現象が現れることの多い膠原病はすべて難病

何かの病気がもとでレイノー現象が起こることは、レイノー現象の中では少数派ですが、原因の種類は割合多く見つかっています。

まず最も多い原因として問題になるのは膠原病ですね。まずは膠原病の中でも強皮症(全身性硬化症)です。この病気は日本国内に3万人弱の患者さんがいると推定されています。

この病気の初期症状として半数以上の患者さんではレイノー現象が見られたと言うことです。この病気は全身にコラーゲン繊維が全身の臓器に過剰に蓄積することで硬くなってしまい、臓器としての働きが失われるものです。

レイノー現象の後、手先の皮膚が固くなり、それが腕の方にまで広がってきたらこの病気が疑われます。

同じ膠原病で、多彩な炎症の症状が出る全身性エリテマトーデスは膠原病の代表選手と言っても良いでしょう。この病気でもレイノー現象が現れることがあります。

全身性エリテマトーデスが10万人以上の患者さんが推定されているのに対し、1万人前後だと推定されている混合性結合組織病は全身性エリテマトーデスや強皮症とよく似た症状が現れることがあります。

症状は似ていますが、検査で調べられる原因抗体が異なるため別の病気と言う扱いになっています。この病気ではほぼすべての患者さんにレイノー現象が初期症状として見られます。

膠原病はいずれも難病指定されている厄介な病気で、自分自身の免疫が自分の身体を攻撃してしまう自己免疫が原因で起こると考えられています。

膠原病を原因とするレイノー現象では、指がソーセージのように腫れたり、関節に痛みが出たりすることも多いので、こうした症状があればすぐに内科を受診して下さい。

動脈にトラブルが起こって血液が流れなくなることもある

動脈硬化や動脈塞栓症は、血流を阻害することでレイノー現象を引き起こします。ですので、普段から動脈硬化の危険性を指摘されている生活習慣病のある人は、こうした現象が起こる前に治療しましょうね。

また、心房細動(不整脈)のある人は塞栓症の原因になりますから、適切なお薬を処方してもらうなどの対策を行って下さい。レイノー現象はまだしも、大きな血栓が脳で詰まると生命が危なくなります。

難病の膠原病はいずれも女性に多い病気でしたが、動脈のトラブルである難病のバージャー病は、男性に圧倒的に多い病気です。しかも30代から40代と言う働き盛りに多い病気ですね。

原因は血管の炎症によるものと言うことしか判っていませんが、受動喫煙を含めて喫煙が大きな発病・増悪因子であることは確定的です。

ですのでバージャー病と診断されたら、第一の治療は完全禁煙・受動喫煙の防止から始めることになるでしょう。

神経疾患によって冷感や血流不全が発生する

手根管と言う、手首の神経の通り道が圧迫されることによって起こる手根管症候群でもレイノー現象が発生することがあります。手根管症候群の主な症状は人差し指と中指の痺れですが、症状が進むと小指と薬指の外側以外全部に痺れが出てきます。

原因はよく判っていませんが、妊娠出産期と更年期の女性に多発するようです。整形外科の範疇になる病気ですので、手首を軽く叩いてみて痛みが走るようであれば受診されることをお勧めします。

神経に関係する原因では、末梢神経の炎症もありますが、整形外科で調べてもらえば、見分けがつくと思われます。

胸郭出口症候群が進行するとレイノー現象が現れる

なで肩の女性に多い胸郭出口症候群は、腕を挙げる動作で腕や手が痺れたり、背中や肩に痛みが出る症状です。最近よく聞くようになったんじゃないかと思います。

胸郭出口症候群は神経と血管の両方が圧迫されてトラブルが起こる病気ですので、レイノー現象ともかかわりがあるんです。

初期の状態でも肘を肩より上に挙げると、手の部分が蒼白になりますが、症状が進むと完全なレイノー現象が起こることもあります。吊革につかまる動作で痛みが出る場合は、早いうちに整形外科を受診して下さい。

血液に関係する病気もレイノー現象を引き起こす

クリオグロブリン血症と言うあまり聞きなれない病気があります。抗体の一つクリオグロブリンが血液中で増加し、毛細血管などの細い血管に炎症を発生させる病気です。

この病気のおよそ半数にレイノー現象が見られます。関節痛や紫のアザに伴ってレイノー現象があったらすぐ内科を受診して下さい。この病気はC型肝炎ウイルス感染症と深いつながりがあります。

良く似た名前にマクログロブリン血症と言う病気もあります。これは比較的高齢の女性に見られるリンパ腫の一つで、がんです。無症状に進行することも多い病気ですが、レイノー現象の他、末梢神経症状がみられることもあります。

そして血液関係では中高年男性に多い多血症もレイノー現象の原因になります。ただ、多血症自体が非常に多様な原因によって引き起こされますので原因などは省略します。

中高年男性で喫煙習慣があり、赤ら顔の人で手作足先が痛いほど冷えると言う人は、一度内科を受診されて、血液検査を受けられることをお勧めします。

お薬の副作用でもレイノー現象が出ることがある

私の古くからの友人が大腸がんで手術を受け、そののち術後補助化学療法(アジュバント療法)で抗がん剤を投与された時、その副作用によるレイノー現象に苦しめられていました。

その症状は真夏でもドアノブをつかむと手が強く冷えて痛むため、暑いのに手袋なしで生活できないと言うものでした。汚い話ですが、外出先でトイレに行っても水で手が洗えないのです。

抗がん剤の中にはレイノー現象を副作用に持つものが少なくありません。抗がん剤と言えば脱毛や吐き気・嘔吐ばかりが注目されますが、こうした情報もあらかじめしっかり聞いておいた方が良いですね。QOL(生活の品質)に大きくかかわります。

抗がん剤以外でも、高血圧の治療に用いられる交感神経β受容体遮断薬(β遮断薬)や、ちょっと古い片頭痛のお薬のエルゴタミン製剤などがレイノー現象を副作用に持つことが知られています。

β遮断薬を使っておられる人は非常に多いと思いますので、レイノー現象が気になった時には、処方して下さっているお医者さんに相談して下さい。

職業病としてのレイノー現象

指先に衝撃を受けることの多い人、例えばピアニストやタイピストの他、振動工具やチェーンソーなどを扱われる人でレイノー現象がみられることがあります。これは末梢に繰り返し衝撃が加わることで血管に障害を負ったことによるものです。

かつて土木工事や林業従事者の間で白蝋病(現在の正式名称は振動病)が問題になり、今では労災の対象になっていますが、その診断基準の一つがレイノー現象です。

その他、重金属やヒ素などの毒物に曝露されたことでも レイノー現象が中毒症状として見られる場合があります。こうした毒性物質に触れる機会は、やはり職業的なものが多いでしょう。

いずれにせよ、整形外科あるいは内科を受診して下さい。

非常にたくさんの原因がありましたね。でも、この何倍もの「原因不明のレイノー現象」と言う物が存在するのです。

原因不明のレイノー現象はレイノー病と呼ばれる

まず、手足の指に一過性の虚血を起こすような病気やけが、職業的な要素がないかを確認します。それがない場合、指にチアノーゼが起こっているかどうかを確認します。

さらにレイノー現象が寒さや冷たさの刺激、または感情の高ぶりのような情緒的刺激によって起こることを確認します。こうした症状が左右両方に起こることも確認する必要があります。

そして、万が一壊疽にまで進行していても、その範囲は非常に小さな範囲に限られていることが確認できれば「原発性レイノー症候群」つまりレイノー病だと診断されます。

レイノー病は若い女性に多発する病気

レイノー病の男女比は1:5とされています。そして、40歳未満で発症することが多い病気です。半数くらいが20歳前後で発症していると言うデータもあります。

病気の原因は、先の説明の通り原因が判らない物をレイノー病としているため、まだ完全には解明されていません。

しかし、どうやら指の細い動脈が局所的な刺激によって、あまりにも強く反応してしまう異常感受性が原因ではないかと考えられています。

全身が暖かい状態でも手だけを冷やすと、反射的にこの症状が出てしまうのがレイノー病の特徴ですね。

レイノー現象は血流が戻る時にも特有の症状を起こす

レイノー現象では症状が始まると血流が非常に少なくなるため指先が蒼白になります。さらに血流が途絶えるとチアノーゼのために紫色になってきます。

その後、血管の収縮が収まると、血流が著しく増加する反応性充血と言う現象が起こって、指先が真っ赤になってきます。その後充血が収まって普通の色に戻るわけです。

しかし、普通の状態で見ても健常者よりずっと血流量が少なくなっているのがレイノー病の特徴です。そして、症状が出ている時には、健常者ではありえないほど指先の血流が少なくなっているのです。

レイノー病はできるだけ初期に症状を抑える方が良い

レイノー病の初期では、病理学的検査を行っても血管に異常は見られません。しかし、病気が進行してくると動脈の内膜が分厚くなり、筋層も分厚くなってしまいます。

さらに進行すると動脈の中に血栓ができて、指先に壊疽が発生してしまいます。もちろん壊疽は手術でしか対応できませんし、多くの場合患部の切除と言うことになるでしょう。

ですので、異常を感じたら少しでも早く受診し、適切な治療を開始することが非常に重要なのです。

患部が小さいとは言え壊疽はおおごとです。少しでも早く治療を開始して身体に大きな傷を残さないようにしましょうね。

レイノー病の予防と治療は保温とお薬で

厚手の靴下を履いた女性

レイノー病自体が原因不明ですので、健康な状態からレイノー病を予防することは少し難しいのではないかと思われます。ですので、ここで言う予防はレイノー現象を経験したが、次の発作を起こさせないと言う意味の予防と言うことになります。

レイノー病は初期のうちは冬の寒い時期にだけ見られることが多いので、余計に冷え症の一部と考えられやすいのですが、初期の対応も冷え症と同じような感じになるでしょう。

手先足先を冷やさないことが重要な予防ポイント

レイノー現象を起こさないためには、まず手先や足先を冷やさないことです。保温も重要ですが、必要に応じて加温することもOKです。ただし、加温を意識しすぎて低温やけどなどに見舞われないよう充分注意して下さい。

冬場の水仕事や手洗いは常にお湯を使って下さい。冬場の外出には手袋と、保温性の高い履物を忘れずに使用して下さい。足元は靴も靴下も保温重視にしましょう。外出先で室内にいる時間が長いようであれば替えの靴下があった方が良いですね。

外にいる時の足元で、保温された室内にいると汗をかきます。その状態で外に出ると冷えがひどくなりますので要注意です。

手元は、短時間の外出ならフリースの手袋で良いでしょうが、ある程度長時間外にいることになるようでしたらフリースの内張りに毛糸の外側と言う二重構造のものがお勧めです。

もっとハードな寒さになるような活動は、できればその活動自体を避けるようにした方が安全です。

また、情緒的刺激が発症の引き金になりますので、できるだけ感情の激しい動きが起こらないようストレスを避け、あるいは疲労が溜まり過ぎないような生活を心がけて下さい。飲酒喫煙はレイノー病を悪化させますので避けて下さいね。

レイノー病の治療には内服薬・外用薬・注射薬

二次性レイノー症候群の場合は、原因になっている病気を治療することでレイノー現象も治まってくれるでしょう。問題はレイノー病の方ですね。

レイノー病に関するお薬は、基本的に対症療法になります。末梢の血管を拡張するお薬や、血小板の凝集を抑制するお薬が使われます。このお薬として有名なのは生理活性物質プロスタグランジンE1を使ったものですね。

効き目は良いのですが、問題は妊娠中には使えないことです。ですので、妊娠の可能性のある人は、必ずお医者さんにその旨を伝えておいて下さい。注射薬は必要に応じて使われるかもしれません。

潰瘍ができてしまっている場合は、同じプロスタグランジンE1製剤の軟膏が使われることがあるでしょう。

その他、ビタミンE製剤は冷えの感覚を和らげ、レイノー病の進行を抑えます。ですから、お医者様で治療を受ける時にも処方されるでしょうが、普段の食事でもナッツ類を上手に利用してビタミンEを多めに摂るのが良いです。

レイノー病と言うのは意外に厄介ですね。冷え性の延長のようなイメージですが、やはり気になったら一度受診されることをお勧めします。
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