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関節リウマチの食事の要注意ポイント!食べ物で予防・改善するには

地中海での食事風景

関節リウマチと言うのは、関節の中にある滑膜が侵されてだんだん機能を失い、最後には関節が強直※してしまって全く動かなくなり、関節部分の大きな変形を伴う病気として良く知られています。

(※強直:関節にある骨や軟骨が変成したり、くっついたりして動きにくくなる現象。筋肉の障害で動きにくくなるのは硬直です。)

この病気は自己免疫性疾患です。また、原因も完全には未解明ですし、治療法も完全に確立されたとは言えません。

私たちはこの病気を生活習慣、特に食生活から、予防や悪化の防止を図れるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

関節リウマチには悪性の物が10人~20人に1人程度含まれる

一般にリウマチと呼ばれているのは関節リウマチのことで、免疫機構の不調によって、自分自身の免疫機構が関節の中を攻撃してしまうことで起こる炎症性の病気です。

炎症性の病気ですから痛いのはもちろんのこと、病気が進行すると関節が破壊され動かなくなると同時に、患部での体の形が変形してしまうこともある病気なのです。その中には、悪性関節リウマチと言う病気も存在しています。

関節リウマチの0.5%~1%程度がこの悪性関節リウマチだということです。

悪性関節リウマチは医療費の公費補助が出る難病

悪性関節リウマチと言う名前から、がんのような物を連想される方もあるでしょうけれど、そうした悪性新生物との関係はありません。また、関節リウマチが重症化したと言う物でもありません。

これは血管炎と言う病気が関節リウマチに合併しているタイプの物なのです。海外ではリウマトイド血管炎と呼ばれています。日本では関節リウマチに血管炎が原因の様々な内臓疾患を併発している重い病気だとされています。

ですので、残念ながら血管炎を伴わない関節リウマチは、いくら重症化しても公費補助を受けることはできません。

子供に多いリウマチ熱は関節リウマチには影響しない

小中学生ぐらいの年齢に起こりやすいリウマチ熱と言う病気があります。これもリウマチと言う名前が入っているので、これにかかったことがあると、将来関節リウマチになるのではないかと心配される人もおられるようです。

リウマチ熱も関節リウマチと同じ自己免疫性疾患の要素がありますが、その引き金となるのはA群溶血性レンサ球菌に感染することです。

リウマチ熱でも関節炎が起こることもありますが、関節リウマチ自体にはA群溶血性レンサ球菌への感染は関係しませんので、全く別の病気です。

ですから、子供のころリウマチ熱にかかった既往があっても、それが大人になってからの関節リウマチに影響することはありません。

関節リウマチは中年女性に好発する

関節リウマチは、おおむね30代から50代くらいの女性に起こることの多い病気です。この年代ですと、若い方ではこれから妊娠出産を希望されている方も少なくないでしょう

関節リウマチにかかっていても、妊娠出産は可能です。しかし、関節リウマチの治療に使うお薬の中には胎児に影響するものがあります。

ですので、関節リウマチの治療を開始される際には、今後妊娠する可能性があることを、必ず主治医の先生に伝えて適切な処方をお願いしておいて下さい。

関節リウマチは人口10万人あたり約800人もの患者さんがおられる、割合罹患率の高い病気です。125人に1人の割合ですね。ですので、生活習慣が影響しないかと言うことが非常に気になるところです。

関節リウマチを予防するために避けた方が良い食べ物はある

関節リウマチはかなり研究が進んでいる自己免疫性疾患ですので、今回紹介するものは、まずきちんと治療を受けることを前提の生活習慣改善であることを意識して下さい。この記事のことを実践したら病院いらずということでは決してありません。

関節リウマチを予防改善するための食生活と言う物は世界中で研究されていますが、残念ながら明らかに効果がある食べ物と言う物は見つかっていません。一方で、明らかに避けた方が良いと言う物は見つかっています。それは砂糖入り炭酸飲料とたばこです。

砂糖入り炭酸飲料は関節リウマチリスクを上げる

大半の関節リウマチでは、血清リウマチ反応が陽性になります。まれに血清反応が陰性になるものもありますが、これが厳密には関節リウマチではなく血清反応陰性関節炎と言うことになりますが、症状も治療法も関節リウマチとほとんど同じです。

この血清反応が陽性になるタイプの関節リウマチでは、砂糖入り炭酸飲料をよく飲む人ほどリスクが高くなるという研究結果が得られています。

関節リウマチのリスクグラフ

この結果は55歳以上の女性を対象にしたもので、55歳未満の女性の場合こうした傾向は認められていません。しかし、55歳以降の炭酸飲料の飲用習慣だけがリスクになるのか、それ以前からの飲用習慣が55歳以降の発症リスクになるのかは明快ではありません。

いずれにせよ、若い頃から飲み続けたものを55歳になったからと言っていきなり止められるものでもありません。砂糖入り炭酸飲料は週に1回未満に抑えておく方が安心ですね。

また、この研究データによると、甘み付けを人工甘味料で置き替えたものでは、こうした傾向は見られなかったようですので、いわゆるゼロコーラなどは、少なくとも関節リウマチのリスクを上げないことは確かであるようです。

砂糖入り炭酸飲料と関節リウマチのメカニズムは不明

ではなぜ砂糖入り炭酸飲料をよく飲むと関節リウマチを引き起こすのかと言うことについて、現段階ではそのメカニズムは判っていません。

ただ、砂糖については世界保健機関・WHOも従来からの摂取基準を半分にしようと言う方向で呼び掛けています。2013年に始まったパブリックコメントの募集ののち、2015年くらいから「砂糖半分運動」(Sugar should be halved)といった感じで呼びかけられています。

アメリカのニュース番組では「砂糖撲滅運動」(Crusade Against Sugar)と、いささか過激なタイトルが付けられているくらいです。

2013年までは、WHOでは砂糖の摂取量を1日の摂取カロリーの10%未満に抑えるように推奨していました。これは1日2000kcalを摂っている人の場合、およそ50gに相当します。

これが2015年くらいからは1日の摂取カロリーの5%未満にしましょうということになったわけです。一般的な日本人だと、1日に25g程度ということになりますね。

この砂糖には、ショ糖を主成分とする普通の砂糖(黒砂糖から氷砂糖まで全部の砂糖類)だけではなく、異性化糖(果糖ブドウ糖液糖など)や単糖類(ブドウ糖など)も含んでいます。

さらに、この砂糖は調理に使われるものを含んだ数値ですので、そうなってくると飲料から摂るのはほとんど無理なんじゃないかと思われます。

例えば、親子丼の標準的なレシピでは、みりんに含まれる糖類を合わせて、8g~10g程度の砂糖が含まれています。ブリの照り焼きでも1切れ10g~16g程度になります。

多い方の数値を摂ると、昼ごはんに親子丼を食べ、夜にブリの照り焼きを食べたら、それだけでオーバーしちゃいますね。一般的なコーラ約220mLで砂糖25gを含んでいることを考えると、嗜好性飲料から砂糖を摂る余地と言うのはほとんどないのかも知れません。

こうした砂糖を減らしましょう的な呼びかけの主目的は、やはり糖尿病対策が大きいとは思います。しかし、砂糖が様々な疾患の原因になっている要素は否定できませんから注意はしておいた方がいいでしょう。

念のため、もう一度繰り返しますが、この砂糖には白砂糖だけではなく、黒砂糖もきび砂糖もてんさい糖も、すべて含まれていますので「この砂糖なら安心」と言うものはありません。

砂糖入り飲料については、別の記事も参考になると思いますのでご覧下さい。
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世界の死者の0.3%は砂糖入り飲料が原因の病気で死んでいる!

食品ではないがたばこは関節リウマチのリスクを上げる

喫煙が関節リウマチのリスクファクターになるという可能性は、いろいろな研究で示唆されてきましたが、例えばCOPDや肺がんにかかるというリスクに比べると1段階低いものにとどまっています。

しかし、厚生労働省の発表したデータによると、喫煙が気管支喘息を引き起こしたり悪化させたりするのと同じ程度には、関節リウマチに対して悪い影響があることを示しています。

関節リウマチは女性に多い病気なので、はっきりした性別傾向に踏み込んだ研究は少ないのですが、どちらかと言うと男性に喫煙と関節リウマチの関係が強いように見受けられました。

いずれにせよ、喫煙と言うのは決して良い生活習慣ではありませんので、やめておいた方が良いです。

砂糖入り炭酸飲料と関節リウマチと言うのは、イメージがつながりにくいですが、こうした傾向がある以上注意しておくに越したことはありませんね。

地中海式ダイエットに明快な効果はないが利用してみても良い

複数のコホート研究を分析したメタアナリシスという最も信頼性の高い統計分析によると、残念ながら地中海式ダイエットでは関節リウマチの罹患率が下がることはありませんでした。

しかし、研究内容をよく読んでみると、もともと地中海式ダイエットに注目した背景を考えたとき、利用価値が全くないという訳でもなさそうです。

地中海式ダイエットによって炎症が抑えられる

地中海式ダイエットと言うと野菜や豆類、フルーツを中心に魚介類を多く摂ることが知られていますね。鶏肉を含む獣肉類は控えめに摂り、オリーブオイルと赤ワイン少々を利用することが知られています。

当初、特にアメリカで地中海式ダイエットが注目されたのは肥満に関する部分です。地中海式ダイエットでは、糖質制限やカロリー制限と、最終的には同じレベルまでダイエット効果があるということが示されたため人気を博しました。

そしてさらに、心臓病やがん、アルツハイマー病、パーキンソン病などのリスクを低減するというデータも得られています。このリスク低減の効果は抗炎症硬化による物だということが示唆されていたのです。

地中海式ダイエットでは、摂取する脂質のバランスから抗炎症効果が得られている可能性が示めされたため、炎症による関節の痛みと言うのが大きな特徴である関節リウマチの予防改善効果を調べる研究が始まったのです。

残念ながらトータルで見た場合、地中海式ダイエットには関節リウマチの予防改善に、統計的に有意な有効性は見出されませんでした。

しかし、数々の研究の中には、関節リウマチの症状の軽減や進行の抑制が示唆されるという結果は、そこここに見て取れるというデータが得られていて、それはやはり脂質のバランスにかかわっているということが判っています。

また、地中海式ダイエットと言っても、それほど厳密な食生活ではありませんので、脂質のプロフィールがまちまちであることから統計的に有意な結果が表れてこなかった可能性と言うことも論じられています。

さてその脂質バランスですが、大まかに言うと飽和脂肪酸とω6多価不飽和脂肪酸の摂取を抑制し、ω3多価不飽和脂肪酸とω9一価不飽和脂肪酸の積極的な摂取に効果があるのではないかと考えられています。

飽和脂肪酸は炎症を引き起こす危険性がある

これは摂取した脂肪酸だけでなく、体内で生合成される脂肪酸による部分を含めてのお話になりますが、飽和脂肪酸は体内での炎症を促進する働きがあります。

私たちの体内には白血球の一種であるマクロファージと言う食細胞があり、外敵を食い殺してくれています。このマクロファージにはM1タイプとM2タイプと言うものがあり、M1は炎症促進性、M2は炎症抑制性の免疫細胞です。

体内の脂肪細胞が肥大化すると、そこから飽和脂肪酸が放出され炎症促進性のM1マクロファージを誘導します。つまり、飽和脂肪酸は炎症を引き起こす働きがあるということですね。

それに対して、同じく脂肪細胞から分泌されるホスホリパーゼと言う酵素の内の1つであるPLA2G5と言う酵素は、LDLコレステロールから不飽和脂肪酸を切り出して、M1マクロファージに拮抗します。

PLA2G5はM1マクロファージを炎症を抑制するM2マクロファージに転換するように、不飽和脂肪酸を利用していたのです。

これは体内の脂肪細胞から動員される脂肪酸のお話ですが、当然摂取した脂肪酸の質にも影響されるでしょう。ですので、不飽和脂肪酸を積極的に摂るべしというお話になるのです。

ただし、飽和脂肪酸をゼロにすれば良いのかと言うとそうではありません。飽和脂肪酸が少なすぎると脳出血のリスクが上がるという研究もあるので、20~30%程度は飽和脂肪酸も食べましょう。

リノール酸の摂り過ぎに注意

飽和脂肪酸による炎症誘導を抑える効果は不飽和脂肪酸であれば、どれでも持っているようです。しかし、今一番問題になっているのは、不飽和脂肪酸で必須脂肪酸でもあるリノール酸の摂りすぎです。

リノール酸はごく一部のものを除いて、ほとんどの植物性油の中心的脂肪酸です。ですので、植物性油の摂りすぎはリノール酸の摂り過ぎにつながりやすいのです。

リノール酸は体内で代謝され、アラキドン酸と言う脂肪酸に変化します。さらに、アラキドン酸カスケードと呼ばれる多彩な代謝経路を通じで数多くの生理活性物質を産みだします。

その中には数々の炎症誘導物質が含まれていますので、リノール酸の摂りすぎは炎症性疾患を引き起こしたり悪化させたりしやすいと考えられているのです。

しかし、植物性油はもちろん食べた方が良い油ですし、リノール酸も必須脂肪酸ですからある程度は必要です。そこで、リノール酸が少ない植物性油脂に注目が集まります。

リノール酸をあまり含まない油は、ヤシ油系のココナッツ油・パーム油・パームカーネル油と、オリーブオイル・椿油、そしてエゴマ油・亜麻仁油です。中国の茶油・野茶油と言うおいしい油もありますが、これは椿油の一種なので、やはりリノール酸が少なくオレイン酸が中心の脂肪酸組成です。

ヤシ油系のものは、ラードやヘットより飽和脂肪酸が多いこともあるので、炎症が誘導されやすい可能性があるため、あまりお勧めできません。また、エゴマ油・亜麻仁油は欧米であまり食用になっていた実績がないため、この大規模研究では検討されていません。

個人的な考えですが、エゴマは日本でも古くから食用でしたから問題ないと思いますが、亜麻仁油は塗料と言うイメージが強いのでちょっと不安ですね。また椿油も欧米では使用量が少ないので研究対象外のようです。

オレイン酸とEPA・DHAそしてαリノレン酸が役に立つ

そこで注目されるのが動物性ではありますが魚介類と、オリーブオイルです。魚介類では、ω3系不飽和脂肪酸(DHA・EPA・αリノレン酸など)が多く、オリーブオイルではω9系不飽和脂肪酸(オレイン酸)が圧倒的に多くなっています。

この炎症にかかわっている部分で、リノール酸が非常に少ないオリーブオイルは、関節リウマチのリスクを上げないのではないかと考えられたのです。また、魚油のω3不飽和脂肪酸では、一部に抗炎症作用が見られるという報告もあります。

そしてさらに、オリーブオイルについてはちょっと面白い指摘もありました。

(抜粋翻訳)

抗炎症特性を持つエイコサトリエン酸に代謝されるオレイン酸はオリーブオイルに非常に多く含まれていて、そのオリーブオイルは伝統的な地中海式食生活における一価不飽和脂肪酸の中心的な供給源です。

しかし、私たちのコホート研究における一価不飽和脂肪酸の主要な供給源は、牛肉などの赤肉でした。

赤肉はまた、炎症物質の前駆物質を含むものでもありますので、一価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸のバランスからでは有意の統計的結果が得られなかったのは、複数の食物からの重ね合わせ効果によるものであるかも知れません。

意外な事かもしれませんが、飽和脂肪酸が多い牛肉や豚肉は、一方でオレイン酸を多く含む食べ物でもあるのです。

ここでエイコサトリエン酸とされているのは、オレイン酸から誘導されるとあるので、ミード酸のことだと思われます。エイコサトリエン酸とミード酸は、二重結合の位置が異なるだけで、後は全く同じと言って良い不飽和脂肪酸です。

ミード酸はどちらかと言うと異常な脂肪酸扱いされていることが多い物質です。別に毒性があるわけじゃありませんが、必須脂肪酸、特にリノール酸・アラキドン酸の摂取が不足した場合にオレイン酸から作られるという説明がほとんどです。

しかしこの論文では、抗炎症物質と言う位置づけで語られているんですね。つまり、オレイン酸にも抗炎症物質としての役割が期待されていると言うことなのです。

炎症には脂質が深く関わっていることはよく知られています。ですので、ここに示したことは関節リウマチだけではなく、すべての疾患に関係してくるかもしれません。油選びに役立ててください。

関節リウマチ予防改善に役立ちそうなのは脂質バランスと糖類の減量

ここで言う糖類の減量と言うのは糖質制限のことではありません。純粋に甘い糖類を減らしましょうということです。特に炭酸飲料に入っている糖類は要注意ですね。

そして、鶏肉を含む獣肉類をできるだけ減らし、魚を中心としたたんぱく質摂取を心掛けることです。特に青魚はω3多価不飽和脂肪酸が豊富ですので、美味しく食べて下さい。

食用油は全部オリーブオイルやエゴマ油に替えることができればベストですが、ちょっと価格的な問題がありますね。さらにエゴマ油は加熱すると酸化しやすいのでお勧めできません。かと言って加熱用にリノール酸の多い他の植物油を選んだのでは意味がありません。

基本的に生食用はお好みのエクストラバージンオリーブオイルを選んで下さい。砂糖の入っている市販のドレッシングを止め、塩とオリーブオイルでどうぞ。酸味が欲しければレモンやライムでもいいですし、アチェート・バルサミコや果実酢、米酢でも美味しいですよ。

オリーブオイルのオレイン酸は加熱でも酸化しにくい脂肪酸です。加熱すると香りは飛んで行っちゃいますから、高価なエクストラバージンである必要はありません。

炒め物などには、安価な調整リファインドオリーブオイル(日本ではピュアオリーブオイルと呼ぶことが多いようです)で充分ですね。

もし入手できるなら、調整サンサオイル(調整ポマスオイル)と言う二番絞りのものは、安価で脂肪酸組成はエクストラバージンと同じですので、揚げ物などにお勧めです。

あとは食べ物じゃないですが、直接間接を含めた禁煙生活です。

そして、関節リウマチと診断されたら、きちんと定期的に通院して治療を受けて下さい。

また、診断されていない場合でも、朝のこわばりと呼ばれる、安静にした後で手や足の指、ひざなどがはれぼったくて動きにくいという症状を感じたら、すぐにリウマチ科・整形外科を受診して下さい。

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