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息苦しい胸痛症状!肺に穴があく肺気胸の原因はストレス?

胸をおさえ苦しそうにする高齢の男性とそれを心配する若い男性

「いい息してますか?」なんだかガムのCMみたいですが、息とは呼吸のことを指していますよね。それでは呼吸とは何でしょうか?

私達人間が生きていくためには様々な条件が必要です。中でも細胞がエネルギーを生成するために必要なのが、「酸素」と「栄養」と言われています。

呼吸とは口や鼻から地球の大気である「空気」を体内に取り入れて、そこから「酸素」を抽出する行為です。そしてその空気から酸素の抽出を行うが「肺」と呼ばれる臓器になります。

肺は酸素を抽出する大切な働きを行いますが、もし肺の細胞が破れてしまったら身体はどうなるのでしょうか?

陸で溺れる肺気胸という病気について、そのメカニズムと原因、対処法について知っておきましょう。

空気を取り込むとき肺の中ではどういう働きが起きているのか

人間は生まれた時から当たり前のように呼吸を行っており、それは赤ちゃんでもお年寄りでも変わりはありません。

皆さんは自分の動作は自分で考えてコントロールしていると思っているかもしれません。確かに「腕を動かす」「歩く」「話す」など一般的な動作は、自分で考えて脳によってコントロールされているでしょう。

しかし、呼吸はどうですか?深呼吸や腹式呼吸など特別な呼吸は別として、日常的に行っている呼吸を意識したことがあるでしょうか?

呼吸は24時間365日行わなくてはならない動作で、それを意識していたら眠ることもできなくなります。無意識下で行われている呼吸、そして同じく休みなく酸素を抽出している臓器が肺なのです。

肺の構造と空気の流れ

肺は胸のあたりに配置されている臓器で、心臓を挟んで左右に1つずつ合計2個存在しています。

人間は呼吸をすると「気管」を通って肺に空気が送られます。喉から伸びる気管は肺の上部で左右の肺に分かれ「気管支」となります。

さらに気管支が細かく分かれて「細気管支」となり、肺の隅々まで空気を送るのです。細気管支の先端には数本の「肺胞道」が繋がっており、その先端には「肺胞」の集まりである「肺胞嚢」があります。

肺の構造と空気の流れ

ちょっとややこしいので簡単に空気の流れを紹介しましょう。

  1. 鼻や口から空気を吸う
  2. 喉にある気管に空気が入る
  3. 左右の肺に送られるために気管支で分けられる
  4. さらに細気管支に入り肺の隅々にまで送られる
  5. 肺胞道に入り肺嚢へ到着する
  6. 沢山の肺胞によって空気から酸素を抽出する

このように呼吸で得た空気は、様々な器官を通過してやっと肺胞に到着していたのです。なかなか長い道のりですね。

肺胞は肺胞壁で包まれている組織

肺胞は肺の容積の80%を占めており、その数は3億個以上もあると言われています。肺胞の直径は約300μmですが、全ての面積を合計すると成人で70㎡~100㎡までになるそうです。

肺胞を包んでいるのが薄い組織である「肺胞壁」で、そこには動脈、静脈の毛細血管が集まっています。肺胞壁を構成する細胞は「Ⅰ型肺胞上皮細胞」と「Ⅱ型肺胞上皮細胞」の2種類ありますが、その95%程度がⅠ型肺胞上皮細胞です。

この2つの肺胞上皮細胞の働きは以下の通りです。

  • Ⅰ型肺胞上皮細胞:血液中のガス交換を行う細胞
  • Ⅱ型肺胞上皮細胞:肺胞を滑らかにして潰れない物質を分泌する

肺はどのようにして酸素を抽出しているのか?

肺胞内に集まった空気は肺胞壁に集まった毛細血管と接することで、酸素を血液中に送り込みます。また反対に血液中にある二酸化炭素を肺胞内へ抽出して、体外へ排出する働きも行うのです。

この動作を「ガス交換」と言い、血液中に含まれている二酸化炭素を抽出して酸素を取り込む作業を行っているのです。

呼吸によって肺胞内に空気が集まれば肺胞内には酸素が多くなります。そうなると酸素は酸素濃度の低い静脈血へと自然に取り込まれます。反対に血液中の二酸化炭素が高いと、二酸化炭素は肺胞へと抽出されるのです。

この働きは「拡散」と呼ばれ、「濃度の高低によって物質が移動する現象」です。呼吸とは拡散によって成り立っていたのです。

肺は空気をためてガス交換することで酸素を抽出しています。しなやかな膨らみこそが大切なのです。

息ができない!肺に穴が開き酸素を取り込めなくなる病気とは

なんとなく息苦しいことは珍しいことではありませんよね。湿度が高く空気が重かったり、花粉症の季節でも息苦しく感じたりすることがあります。

しかし、普通に生活していてある日、急に息が苦しく呼吸ができなくなったらどうでしょう?これはもう死を意識するしかないのかもしれませんね。

血液中に酸素が少なくなる血中濃度

人間の血液には酸素が含まれており、全身の細胞へと運ばれています。血液に含まれる酸素濃度のことを「血中酸素濃度」と言い、正常者では96%~99%の数値となります。

血中酸素濃度に問題が生じる原因とは、大きく分けて3つあります。

呼吸する空気に含まれる酸素量が少ない
空気中に含まれる酸素量が少なく、同じように呼吸をしても酸素量が欠乏してしまうものです。これは高山における登山が該当しますが、中にはトンネル工事などでの酸素欠乏でも見られます。

エベレストなどの高山では空気に含まれる酸素が少ないので、いくら呼吸を行っても必要な酸素を得ることは難しく、常に血中酸素濃度を計って登山を行うそうです。

酸素の消費が多く呼吸が間に合わない
過度な運動によって大量の酸素を消費した時に生じる現象で、特にマラソンなどの競技で見られます。運動によって消費される酸素と、呼吸で得る酸素のバランスが崩れると血液酸素濃度はみるみる低下してしまいます。

マラソンで息が「ハァハァ」早くなってしまうのは、酸素が足りなくなって補充するための動作だったのですね。

肺の異常で空気から酸素が抽出されていない
問題がこの3つ目です。これは肺の異常でせっかく呼吸を行っても、上手く酸素を取り入れることができない状態です。

この状況を「陸で溺れる」と表現した人がいましたが、いくら呼吸をしても十分な酸素得られず、「ハァハァ」と呼吸が速くなるだけで、一向に楽になりません。

まるで自分だけが富士山やエベレストに瞬間移動したみたいな状況に追い込まれてしまうのです。

この状況こそ肺に穴が開いてしまった病気、「肺気胸」の発症です。

空気が漏れて陸で溺れる…肺気胸が起こるメカニズム

肺気胸は肺に穴が開くことで発症する病気で、特に前触れもなく突然呼吸困難に陥ることで発覚する病気です。

肺気胸が起こると呼吸が困難になることから、血中酸素濃度も低下して頭痛や意識障害などの症状をもたらす可能性があります。

肺気胸が発症すると血液酸素濃度が低下してしまいますが、皆さんはなぜそうなると思いますか?「空気が漏れているのだから当たり前だろ!」と声が聞こえてきましたが、実はもうすこし複雑なメカニズムがあります。

肺には肺の内側を覆う「肺胸膜」、肺の外側を覆う「壁側胸膜」と呼ばれる膜があります。その膜の間には「胸膜腔」と呼ばれる隙間があり、この胸膜腔の圧力によって肺に空気を取り込むことができるのです。

正常時には肺胸膜と壁側胸膜の2枚の膜は密着しており、胸膜腔内に空気は存在していません。

肺気胸は呼吸で肺に取り込んだ空気が漏れてしまう病気ですが、それは肺胞壁が破壊されることで起きる現象です。

肺胞壁が壊れるとそこに穴が開いた状態になり、呼吸で吸い込んだ空気が肺の外へと漏れてしまいます。

肺の外と言っても肺の周りには胸膜があり、そこから外に漏れることはありません。つまり、もれた空気は肺胸膜と壁側胸膜の間にあるスペース、胸膜腔に溜まってしまうのです。

胸膜腔に溜まった空気は呼吸の度に膨らみますが、人間の身体は骨で守られており、肺の周りには肋骨があります。つまりいくら膨らんだと言っても肋骨を超えることは不可能であり、それが内側の肺に対する圧力になってしまうのです。

要は肋骨で押さえつけられた胸膜のバルーンが、内側を圧迫することで肺自体を潰してしまう現象が起きると言うことです。

正常な肺の働きと肺気胸の空気の流れ

押しつぶされた肺は膨らむことができずに、空気を取り入れることもできなくなります。いくら息を吸っても肺に空気が溜まらないのですから、血液酸素濃度もドンドン低下してしまうでしょう。

苦しいから「ハァハァ」息を吸おうとしますが、空気は肺には入りません。血液酸素濃度も低下してしまい頭痛や吐き気が襲うかもしれません。そして陸で溺れてしまう…これが肺気胸です。

いくら息を吸っても肺が膨らまないなんて…こわいですよねぇ。

突然発症したらパニック症状を起こす可能性もあります。

肺気胸にはいくつかの種類がある!それぞれの原因は

多くの肺気胸は突然発症する病気と考えられていますが、実は以下の通りいくつかの種類があります。

  • 自然気胸
  • 続発性気胸
  • 外傷気胸
  • 医原性気胸
  • 月経随伴性気胸

突然発症して息が苦しくなる「自然気胸」

特に原因が解明できずに発症する気胸が「自然気胸」であり、病気や怪我などの外傷もなく、突然発症し呼吸困難に陥ります。

これは肺胞にできる「ブラ」と呼ばれる膨らみが破裂することが原因であり、肺胞の炎症が引き金になっていると推測されています。

ブラが作られる仕組みとしては、肺胞の炎症によって肺胞道や細気管支が狭くなります。呼吸によってそれらの圧力が高まると、内圧が高まり肺胞と肺胞の間に風船のような空気溜まりができてしまいます。

これが呼吸を続けることで段々と大きくなってブラが作られ、最終的に破裂して自然気胸が発症するのです。成人病の一つで血管を膨らませる「動脈瑠」と同じような状況だったのです。

自然気胸の発症は比較的若い男性に多く見られ、特に10代後半から30代前半に集中しています。また、体型が「痩せ型」で「長身」であることも発症リスクを高める要因となっています。

自然気胸は前兆がないので、肺に穴が開いた状態にならないと自覚するのは難しいかもしれません。自然気胸を自覚できるサインを紹介します。

  • 息を吸っても吸った感じがせず、呼吸が苦しく感じる
  • 胸に痛みを感じる
  • 背中の肩甲骨部分に痛みを感じる
  • 顔色が悪い
  • 心臓がヂキドキする
  • 肩や鎖骨の周辺に違和感
  • 「コンコン」と乾いた咳をする
このような症状が表れたら自然気胸を発症している可能性がありますので、早急に病院で検査を受けるようにしましょう。

医学用語で原因の解らないことを「特発性」と呼びます。つまり、「特発性~」と言う名前の病気は、「原因の解らない疾患」と考えて良いのです。上手いものですね。

自然気胸も正確には「特発性自然気胸」であり、はっきりとした原因は解明されていません。しかし、いくつかの体型以外にもリスク要因は指摘されていますので、予防の観点から紹介させていただきます。

  • 日常的に喫煙を行っている
  • 睡眠時間が短い
  • 疲労が蓄積されて休みが取れない
  • 常にストレスにさらされている
  • ストレス発散ができない
  • 運動を行わない
  • 食生活が乱れている
  • その他

喫煙が自然気胸と関係しているのは、発症者の約70%が喫煙者であることからも解ります。タバコに含まれるタールや一酸化炭素が肺細胞に悪影響を与えていることが原因ではないでしょうか?

またストレスや過労も自然気胸を誘発させる原因です。「タバコを控えてストレスを発散させる」、つまり健康的な生活を送らなくてはいけないと言うことですね。

ちなみに自然気胸のリスクに「イケメン」があるとの噂が巷にあるようですが、これはイケメン芸能人が相次いで発症したことから生まれた都市伝説です。

イケメン芸能人は「1.長身」で「2.痩せ型」、そして仕事も忙しく「3.睡眠時間が短い」、さらに「4.疲労」と「5.ストレス」を溜め込んでいるのがリスクを高めていたのだと思います。

単純に考えて5つもリスク要因に該当しています。自然気胸を発症して「俺はイケメンだぁ」と浮かれている人は…大間違いです。

高齢者に多く見られる続発性気胸

自然気胸が原因不明なのに対して、続発性気胸は持病が関係している病気です。特に肺が繊維状になる「肺繊維症」や「肺ガン」「肺気腫」などの病気を発症している患者に多く見られ、その治療の経緯で発症することも多いようです。

これらの病気は病変により肺胞を硬くしたり、もろくしたりすることで、肺に穴を開けやすくしてしまいます。

自然気胸と違い続発性気胸は高齢者に多く見られる病気ですが、その理由は発症原因である病気が高齢者に多いことからだと考えられます。

外傷による怪我が原因の外傷性気胸

外傷性気胸とは物理的に肺に穴を開けてしまう症状のことで、開いた穴から空気が漏れてしまいます。原因として多いのは「交通事故」で、事故の衝撃で肋骨が折れて肺に刺さることで穴があきます。

また高いところからの「転落」や道路での「転倒」など、事故で胸部を強く打った時も起こることがあります。さらに事件により刃物で胸部を刺された場合も同様に外傷性気胸と分類されます。

「交通事故で肺が潰れた」などと聞くことがありますが、多くは肋骨などで肺に穴が開いた状態が多かったのです。

これは怖い!医療事故で気胸が起こる医原性気胸

医療の進歩は面白いところにもその影響が出てきています。それが「医療事故」であり、昔なら誰も気が付かないようなミスでも明らかになってきています。

近年でも2015年に話題になった群馬大学病院での医療事故を覚えている人も多いのではないでしょうか?

私の推測では手術における医療事故は少なからず発生していると思います。例えば「手術中に他の組織を傷つけた」などのミスは、若干であれば外科医にとっては小さなミスかもしれません。

しかし、これが肺に穴を空けるようなミスでは患者の命に関わる事態になります。

最近の手術で特徴的なのが「入院日数の減少」ですが、これは手術が「開腹手術」「開胸手術」から「腹腔鏡手術」「胸腔鏡手術」へシフトしているのがその理由と考えられます。

お腹や胸を開腹して手術を行うのと違い、腹腔鏡(胸腔鏡)手術ではお腹に3つの穴を開けて腹腔鏡(胸腔鏡)で手術を行います。この手術では傷が小さいことから患者の負担が減り、術後の回復も早くなります。

しかし、腹腔鏡(胸腔鏡)での手術は直接臓器を見ることができないため、医師は高度な技量を求められることになるのです。

医原性気胸は手術などの医療行為によって肺に穴が開いてしまう気胸で、近年では腹腔鏡(胸腔鏡)手術において誤って肺を傷つけるケースが見られます。

患者にとって負担の少ない術式であっても、術者(外科医)が未熟であれば、恐ろしい状況を生んでしまうのですね。

女性は特に気をつけたい月経随伴性気胸

男性と女性では身体の構造に様々な違いがありますが、その中の一つが「子宮」です。生殖器である子宮は妊娠には不可欠な器官であり、受精卵を着床させて出産まで胎児を育てます。

女性にとって大切な子宮ですが、ここにも特有の病気がいくつか存在しています。その中の1つ「子宮内膜症」は、本来子宮の内側にしか存在しないはずの「子宮内膜組織」が、子宮以外の場所に定着してしまう病気です。

子宮以外に子宮内膜組織ができる可能性のある場所を紹介します。

  • 卵巣
  • S状結腸
  • 直腸
  • 膀胱
  • 腹壁
  • その他

子宮内膜組織がこのような場所に定着すると、その組織では子宮と同じ変化を行うようになります。女性は一定周期で月経が起こりますが、これは子宮内で起こる生理現象であり、子宮内膜組織が剥がれて排出されてしまいます。

子宮内膜症ではこの月経と同じ現象が他の場所でも起こり、子宮内組織が腹壁や肺にできた場合に月経随伴性気胸が発症するのです。

つまり、子宮内膜症が「横隔膜」に定着した場合、一定の周期で月経と同じく剥がれ落ちてしまいます。そうなると横隔膜に穴が開いて空気が胸膜腔に漏れてしまいます。また、肺に子宮内膜症を発症したケースでも同様のことが言えます。

女性は男性と比較して気胸が少なく、リスク的には心配することはないのですが、もし女性で気胸の症状が出た場合は月経随伴性気胸を疑った方がよいでしょう。

肺気腫にも様々な原因がありそうです。しかし自然気胸ではまだ明らかな原因は解明されていません。

肺気胸の治療は症状によって判断される

肺気胸には気胸の進行具合からいくつかに分類されており、治療もその重症度によって違います。大きく分けて4つの分類があり治療方針が立てられることが多いようです。

  1. 軽度気胸
  2. 中等度気胸
  3. 高度気胸
  4. 緊張性気胸

1.軽度気胸では自然治癒が選択される

気胸の診断では胸部レントゲン撮影で判断されることが多く、肺の頂点である「肺尖」が鎖骨よりも上にあるケースでは、症状の軽い「軽度気胸」と診断されます。

これは肺尖が鎖骨の上にあると言うことで、肺は不十分ながらにも膨らんでおり、気胸の原因である穴が小さいことが推測できるからです。

軽度気胸では基本は自然治癒が選択されることが多く、特に症状も軽いケースでは入院の必要もありません。しかし、体力の低下した高齢者などでは少しの気胸でも呼吸困難などの症状が出ることもあり、その場合は入院して空気を抜く治療を行います。

2.3.積極的な治療が必要な中等度気胸、高度気胸

「中等度気胸」「高度気胸」は肺尖が鎖骨の下にあり、明らかな気胸の症状が見られる時に診断されます。中度と高度は症状の重さで判断され、入院して積極的な治療が行われます。

基本的な治療としては「胸腔ドレナージ」で、胸膜腔に溜まった空気を排出させるために、胸膜腔内にチェストチューブを取り付けます。

チューブの先にはチェストドレーンバッグを装着して、胸膜腔内に溜まった空気を逆流しないように抜くのです。胸腔ドレナージは肺に開いた穴が塞がり、チェストチューブから空気の漏れが確認できない限り続ける必要があります。

4.命の危険もある緊張性気胸とは

高度気胸の症状が悪化しているものを「緊張性気胸」とよびます。高度気胸で症状が進行すると、胸腔内の圧力がどんどんと増してしまい、肺だけでなく「肺静脈」などの血管に対しても圧迫をかけるのです。

こうなると心臓に血液が循環しないことになり、最悪ではショック症状を起こし死に至る可能性があります。

緊張性気胸と診断された場合、一刻の猶予もなく胸腔ドレナージを行わなくてはいけません。また胸腔ドレナージが間に合わない場合には、胸に注射針を挿して緊急的に空気を抜く応急処置も行われます。

緊急処置を行うことで胸腔内の空気が排出され症状が安定したら、その後は高度気胸と同じ治療が行われます。

気胸の問題は再発!手術の選択もある

せっかく肺気胸が治っても数年後に再発するケースは珍しくはありません。肺気胸の問題点の中で再発は最も憂慮される問題で、特に若い人が発症したケースでは再発が多く見られるのです。

特に完全に治る前に「飛行機に乗る」「スキューバダイビングを行う」などと急激に気圧を変えた場合においては、再発リスクが高まるので注意が必要です。

肺気胸の再発を防ぐには手術で、気胸の原因となっているブラを取り除く必要があります。手術が必要と考えられる症状を紹介します。

  • 肺気胸の再発が見られる場合
  • 左右の肺で気胸が発症した場合
  • 胸腔ドレナージを行っても改善が見られない場合
  • その他

手術は気胸を起こしているブラを取り除くことが目的で、現在では「胸腔鏡下手術」が一般的な術式です。しかし、病変が多い場合や広範囲にある場合には「開胸手術」を選択することもあります。

また手術を行ったからと言って再発が完全に無くなる訳ではありません。実は胸腔鏡を使用した手術と開胸手術では、胸腔鏡手術に再発が多いとのデータもあるので全面的に安心することはできません。

胸腔鏡下手術は日々進歩しており、現在では再発のリスクも低下したと指摘する医師も多いのですが、手術前には十分に医師と相談して術式を決めるようにしましょう。

接着して胸腔をなくしてしまう胸膜癒着術

「体力が低下しており手術に耐えられない」、「肺気胸の原因が肺ガンで病変が肺全体に広がっている」などのケースでは手術を行うことができません。

このようなケースでは「胸膜癒着術」を選択する場合があります。胸膜癒着術とは胸膜を癒着させることで胸膜腔をなくしてしまう治療です。

簡単に説明しますとチェストチューブから薬を入れることで、胸膜と肺を癒着させ空気が溜まるスペース(胸膜腔)をなくしてしまい、肺気胸を起こさせない」治療法です。

この治療法は比較的古くから行われておりますが、効果は不確実とされており癒着が不十分なケースでは再発が見られるようです。

しかし、重度の病気(肺ガンなど)が原因で肺気胸が発症した場合では、身体的負担を軽減させる意味合いから胸膜癒着術を勧められることが多く見られます。

治療の基本は胸膜腔に溜まった空気を抜き、呼吸を楽にすることです。

手術は自然治癒が難しいと医師が判断した時に選択されます。

まずはストレスを発散して肺気胸を予防しよう!

ストレスから解放された自由な男性

肺気胸は男性が多いなどのリスク要因がいくつかありますが、これに該当するからと言って全ての人が発症することはありません。まず一番大切なのが「ストレス」を溜め込まないようにすることです。

多くの自然気胸発症者に見られる状況として「疲労」が上げられています。仕事や学校などで毎日のように浴びるストレスは、現代病と言ってもよいくらい私達を悩ませています。

その時は感じない小さなストレスが少しずつ蓄積して大きな精神的負担に変わります。それを放置すると身体的疲労となり、肺気胸を起こしてしまうのですね。

まずはスポーツや趣味でストレスを発散して、楽しい毎日を謳歌することが大切なのです。そして他人に何を言われてもクヨクヨしないことも忘れてはいけません。

「あの人に言われたことで胸にズキンッと刺さった」と言う人がいますが、その時本当に肺に穴が開いているのかも知れないのですから…

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