健康生活TOP 逆流性食道炎 喉に詰まる感じや痛み、異物感は食道炎の症状かも!種類と対処治療法

喉に詰まる感じや痛み、異物感は食道炎の症状かも!種類と対処治療法

胸に痛みがある、物を飲み込もうとすると詰まる感じがする…気になる症状ですね。これらは食道の炎症が原因で起こっていると考えられます。

口から飲みこんだ物の通り道である食道は、何かと刺激を受けやすい場所でもあります。今回は「食道炎」の種類と対処法について説明していきます。

最も多いのは逆流性食道炎!食道炎の種類について

食道の粘膜がなんらかの刺激を受けて炎症を起こしてしまう病気を総称して「食道炎」といいます。

食道は喉頭と胃をつなぐ長さ約25㎝の輸送管です。名前の通り「食」べ物の通り「道」になっている場所です。

口腔から胃までの身体における部位と名称

食道の入り口には上部括約筋、食道と胃の境目には下部括約筋があります。食道はこれらの筋肉を使ってぜん動したり胃の入り口をゆるめたり締めたりしながら、食べ物や飲み物を一方通行で胃に送りこみます。

このように食道は食べ物や飲み物、口から飲み込んだなどさまざまな物質と直に触れる機会が多いため、刺激を受けて粘膜に炎症が起こりやすのです。

食道炎は原因によってさまざまな種類に分類されています。

病名 原因
逆流性食道炎 胃酸の逆流
感染性食道炎 細菌・ウイルスの感染
腐食性食道炎 薬品の誤飲など
放射線食道炎 放射線療法の影響

食道炎のほとんどは「逆流性食道炎」で、それ以外の食道炎の発症はまれです。

一般に食道炎といえば逆流性食道炎を示していることが多く、今回は逆流性食道炎を中心に各食道炎の症状と対処法について説明していきます。

胸やけ・呑酸が特徴!日本人に増えている逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃から食道に胃の内容物が逆流して起こる病気です。日本人にはもともとあまり見られない病気だったのですが、発症する人が年々増えてきています。

逆流性食道炎の症状

胃の中に入っている胃液は、胃粘膜から分泌される塩酸と消化酵素(ペプシン・リパーゼなど)で構成され、胃液はpH1~1.5と強酸性です。

そのため胃液が食道の粘膜に触れると、酸の刺激や消化酵素のはたらきによって、びらん(ただれ)や潰瘍が起こります。そして「逆流性食道炎の3大症状」と呼ばれる、次のような症状がみられるようになります。

  1. 胸やけ
  2. 呑酸(どんさん)
  3. 嚥下障害
胸やけとは、みぞおちから胸にかけて焼けつくような痛みを感じる症状のこと。胃液によって食道の粘膜が傷つくために起こります。「ジリジリ「ヒリヒリ」といった痛みです。逆流性食道炎の胸やけは食後に起こりやすいのが特徴です。

呑酸は、酸っぱい液体が喉にこみあげてきたり酸っぱいげっぷが出たりする症状のことです。これは、胃液が口の方まで上がってくるために起こっています。

嚥下障害とは、食べ物や飲み物を飲み込む時に、喉に違和感をおぼえたり食道に詰まる感じがすることです。これは、炎症で喉や食道の粘膜が腫れるために起こります。

そのほかに次のような症状も起こりやすくなります。

  • 腹部膨満感・胃もたれ
  • 胸が締めつけられるような痛み
  • 喉の痛み
  • 咳・痰
  • かすれ声
  • 不眠

逆流性食道炎が重症になると粘膜の潰瘍が深くなり、強い胸の痛み、吐血、貧血が起こりやすくなります。また粘膜の炎症で食道が狭くなると、さらに食べ物が飲みこみにくくなります。

逆流性食道炎の原因

逆流性胃腸炎の主な原因は

  • 下部食道括約筋の機能低下
  • 胃液の分泌亢進(胃酸過多)
  • 腹圧の上昇
  • 食道裂孔ヘルニア
  • ストレス

です。

下部食道括約筋の機能低下

私達の胃は、食事の時以外は胃の入り口(噴門)がしまって胃の内容物が食道に出ない仕組みになっているので、通常は胃液が食道に逆流することはありません。

ところが下部食道括約筋の機能が低下すると、噴門が開きやすくなって容易に胃液が逆流するようになってしまいます。加齢や暴飲暴食でおこりやすい現象です。

胃液の分泌亢進

胃液分泌を亢進するような食事が原因で胃液が食道に逆流することもあります。胃液の分泌を亢進する食品の過剰摂取には注意が必要です。

    胃液の分泌を亢進する食品

  • 脂質
  • たんぱく質
  • アルコール
  • コーヒー
  • 香辛料

昔の日本人に逆流性食道炎が少なかったのは、現代人よりたんぱく質や脂質の摂取量が少なかったためです。

日本の食生活が欧米型に変わったことで、肉や乳製品といったたんぱく質や脂質の多い食事が中心となり、逆流性食道炎にかかる人が増えてしまいました。

中でも脂質には、幽門の括約筋をゆるめる消化ホルモン「コレシストキニン」の分泌を促進する作用があるので、脂肪の多い食事を好む人は胃液が逆流しやすくなります。

腹圧の上昇

胃が何か物理的に圧迫されると腹圧が上昇し、胃液が逆流しやすくなります。

胃が圧迫される原因

  • 猫背
  • 加齢による腰の曲がり
  • 肥満
  • 便秘
  • きついベルトによる腹部の締めつけ
  • 前かがみの姿勢で長時間作業をすること
  • 妊娠
食道裂孔ヘルニア

食道は横隔膜にある穴(食道裂孔)を通っています。通常は胃が腹腔内におさまっているのですが、圧迫を受けると胃の一部が食道裂孔内にはみ出てしまうことがあります。この状態を「食道裂孔ヘルニア」といいます。

健康な胃と食道裂孔ヘルニアを起こしている胃の比較イラスト

食道裂孔ヘルニアは自覚症状のないこともあり、症状が軽ければ特に治療の必要はない病気です。しかし胃の一部が食道裂孔にはみ出ると胃液が食道に逆流しやすくなるため、逆流性食道炎を併発することが多くなっています。

原因には加齢や妊娠・出産が挙げられるほか、肥満による腹圧の上昇でも起こりやすい病気です。

逆流性食道炎と同じ症状が起こったら炎症をしずめる治療を行ない、根本的な治療として胃の形状を正常に戻す外科手術が必要になります。

ストレス

消化器はストレスの影響で炎症が起こりやすい場所です。ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、食道のぜん動機能が低下して胃液が逆流しやすくなります。

逆流性食道炎の対処法

逆流性食道炎と思われる症状に気付いたら、消化器内科または内科を受診して検査と治療を受けてください。

逆流性食道炎と似た病気に胃・十二指腸潰瘍や胃がんなどがあります。病名を特定するためにも検査が必要です。

また、逆流性食道炎を起こすと食道の不快感や痛みに悩まされるだけでなく不眠や咳などさまざまな症状を伴い、生活の質を下げてしまうので早く治療を始めるに越したことはありません。

放置しても自然に治りにくく症状が悪化すると胃がんや食道がんのリスクが高い「バレット食道」や「食道がん」に変わってしまう危険性もあります。自己判断で胃薬を飲むなどの一時的な対処は避け、受診するのが安心です。

診察では次の検査で食道の炎症や胃液が逆流する状況を確認し、粘膜に炎症があれば逆流性食道炎、症状があるのに粘膜の炎症が確認されない場合は「胃食道逆流症(GERD)」と診断します。

  • 内視鏡検査(胃カメラ)…食道粘膜の炎症の有無や状態を確認する
  • pHモニタリング…pHセンサーを食道に24時間挿入し胃液の逆流する状況を確認する
  • PPIテスト…プロトポンプ阻害薬(PPI)を服用して症状が軽減するかどうか確認する

逆流性食道炎(GERD)の中心的な治療法は薬物療法と生活習慣の改善です。薬物療法で改善されにくい場合は手術する場合もあります。

逆流性食道炎に処方される主な薬

  • ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー) 、PPI…胃酸の分泌を抑制する
  • 制酸薬…逆流した胃酸を中和する
  • 粘膜保護薬… 食道粘膜を保護し炎症の改善を促進する
  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)…みぞおちのつかえをしずめる
  • 安中散(あんちゅうさん)…胸やけ、胃もたれをしずめる
処方された薬を数日間飲むと、食道粘膜の炎症はすぐにおさまります。しかしここで油断してはいけません。

再発しやすい病気なので炎症が消えた後も規則正しい生活習慣を心がけ、逆流性食道炎を予防していく必要があります。

逆流性食道炎の予防、改善のために日常生活で気をつけること

逆流性食道炎を引き起こしやすいタイプ(肥満体型、猫背の人など)、逆流性食道炎を経験している人は日頃から生活習慣の改善を心がけましょう。

食生活の注意点

腹八分を心がける
肉・乳製品・油を使った料理を食べ過ぎない
アルコール・カフェインを控える
辛い物・酸味のある果物を控える
禁煙する
食後は体の左側を下にしてくつろぐ
就寝前に食事をしない

日常生活での注意点

肥満を予防する
骨粗しょう症を予防する
猫背に注意する
便秘を解消する
ベルトをきつく締めない
ストレスを溜めない

このほか、食後に飴、ガム、梅干しを食べるのも逆流性食道炎の予防に良いと言われています。飴やガムを食べることによって唾液が分泌され、逆流した胃液を洗い流してくれる効果が期待できるためです。

薬用のど飴は喉の炎症をやわらげたり喉を殺菌する効果は期待できますが、食道の炎症を改善する効果は期待するものではないので、治療の代替には使わないでください。

食道が急に痛くなった時は、応急処置として白湯(さゆ)か牛乳をコップ1杯飲むと痛みがやわらぎます。

食後に飴、ガム、梅干しを食べて予防、食事を含めて日常生活を改善!

白湯か牛乳をのんで痛みを緩和できたとしても、そのまま放置せずに医師の指示に従って適切な治療を続けてくださいね。

免疫力低下時は注意!感染性食道炎

感染性食道炎は、食道に細菌やウイルスが感染するために起こる食道炎です。逆流性食道炎より発症頻度が低い食道炎です。

主な感染性食道炎

病名 原因菌 症状
カンジダ性食道炎
(食道モニリア)
モニリア・アルビカンス 嚥下困難・嘔吐
サイトメガロウイルス性食道炎 サイトメガロウイルス 嚥下困難・胸の痛み
単純ヘルペス食道炎 単純ヘルペスウイルス 嚥下困難・胸の痛み

ウイルス性食道炎の原因菌は私達の体や身の周りに常在しているありふれた菌です。健康な時には悪さをしない菌ですが、免疫力が低下すると活性化して食道に炎症を起こします。

逆流性食道炎と異なり、胸やけはあまりみられず、嚥下困難(物を飲み込む時に痛む、物が飲み込みにくい)が主な症状となっています。

原因菌に対する抗ウイルス剤を用いることで治療することができます。日頃から免疫力が急激に低下しないよう健康管理を心がけることが発症の予防につながります。

放射線治療中に起こりやすい放射線食道炎

肺がんの放射線治療中を受けると、放射線が食道の正常な細胞にも照射され、一時的に食道粘膜に炎症が起こる「放射線食道炎」を併発することがあります。

胸やけや嚥下困難が起こりやすくなり、痛み止めが投与されることもあります。放射線治療が終了すると自然におさまっていく病気です。

化学製品の誤飲事故で起こる腐食性食道炎

腐食性食道炎は、刺激の強い化学製品を飲み込んでしまった時に起こる食道炎です。食道が損傷されすぐに激しい症状を引き起こします。

重症の場合は意識障害やショックを起こして命に関わることもあり危険です。

腐食性食道炎の原因になりやすい化学製品

化学製品 症状 家庭での対処法
塩素系漂白剤 口・食道・胃のただれ
痛み
吐かせず牛乳か卵白を飲ませる
酸素系漂白剤 口・食道・胃の痛み
吐き気
吐かせず牛乳か卵白を飲ませる
トイレ用洗剤
(酸性・アルカリ性)
口・食道・胃のただれ
痛み
吐かせず水か牛乳を飲ませる
農薬 口・食道・胃のただれ
激痛
病院へ救急搬送する
ガソリン 食道・胃の火傷
肺炎
吐かせず座位で病院へ搬送する

化学製品を誤飲した時は吐かせずに口を洗浄してください。吐くと食道の炎症が広がったり気管支に入って誤嚥性の肺炎を引き起こすおそれがあり危険です。特に揮発性の化学製品(ガソリン・シンナー)は肺炎を併発しやすいので注意してください。

化学製品を飲み込んでしまったら、すぐ病院へ搬送し胃洗浄や薬品の中和を行なわなければなりません。症状によっては手術や入院も必要です。

腐食性食道炎の主な理由は成人の自殺企画ですが、子どものいる家庭での誤飲も起こりやすくなっています。危険な日用品は子供の手の届かないところに保管しておきましょう。

若い人にも増えてきている逆流性食道炎

食道炎のほとんどを占める逆流性食道炎は、中高年の男性に多い病気だったのですが、最近は若い人や女性にも増えてきています。

胸やけは単なる飲み過ぎ、喉の違和感は風邪やカラオケの歌い過ぎが原因…と軽く見過ごされやすいのですが、逆流性食道炎は食道がんのリスクがあるので早目にきちんと治療を始めましょう。

逆流性食道炎の3大症状は覚えていただけましたか?「胸やけ」「呑酸」「嚥下障害」でしたね。これらの症状がしばらく続いたら、市販の薬に頼らず受診して検査を受けましょう。

喉の不調を半夏厚朴湯という漢方薬で緩和しよう

喉に詰まる感じの対処療法として漢方薬に頼ってみてもいいかもしれません。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)という漢方薬は、喉がつかえる感じを取り払ってくれる漢方薬として有名です。

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ツムラ漢方 半夏厚朴湯エキス顆粒

神経を穏やかにしてくれ、咳やイガイガする感じといった喉の不調や吐き気を抑えてくれます。

成人で1日7.5gまでを2回以上に分けて食前か食間に服用してください。詳しいことは説明文書に有りますので、しっかり読んでからお試しくださいね。

服用に慣れるまでは以下のような症状がみられることもあります。

  • 吐き気
  • 胃の不快感
  • 食欲の低下
  • 皮膚に発疹やかゆみ

通常は慣れによって解消されるのですが、もしも症状が強く現れたり慣れずに服用がつらく感じる場合は、服用を中断するか、処方されている場合は医師と相談しましょう。

キャラクター紹介
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