健康生活TOP 逆流性食道炎 逆流性食道炎の寝る向きは?胃に負担をかけないのは左を下にする寝方

逆流性食道炎の寝る向きは?胃に負担をかけないのは左を下にする寝方

近年、テレビで様々な病気についてのコマーシャルを見かけることがありますよね。これらは製品としての市販薬を宣伝するのではなく、病気を告知することで病院での治療を推進していることが目的のようです。

代表的なもので「禁煙」や「AGA(薄毛)」などがありますが、胃や腸など消化器に関するものも多く見られます。

「逆流性食道炎」をご存じでしょうか?今やテレビでもお馴染みの病気になっていますが、多くの人がこの病気に苦しんでいると考えられています。

私達でできる簡単な対処法はないのでしょうか?

逆流性食道炎のプロセスと原因

朝起きると胸焼けを感じることがありませんか?もしかしたらそれは、逆流性食道炎が発症しているサインかもしれません。逆流性食道炎の症状のサインについていくつかを紹介します。

こんな時は逆流性食道炎を疑え!

病気は気が付かないところで発症し、少しずつ症状が重くなることが多いのですが、ちょっとしたサインを見逃さないことで早期発見が可能になります。

逆流性食道炎を見逃さないサインをぜひ覚えておきましょう。

【逆流性食道炎のサイン1.】胸焼け

逆流性食道炎では胃酸が食道を逆流してこみ上げてきます。そうなると食道組織は酸で傷ついてしまい、それが痛みとなり「胸焼け」や「胸痛」を引き起こす原因になります。

特に身体を横にしている就寝時や起床後に胸焼けがする場合は、食道に胃酸が流れているサインかもしれません。

「飲み過ぎ」「食べ過ぎ」など心当たりがない胸焼けには十分注意しましょう。

【逆流性食道炎のサイン2.】口の中がすっぱい呑酸

テレビCMで有名になった「呑酸」症状ですが、これは口の中がすっぱくなったり、喉が酸でヒリヒリしたりする症状のことを言います。

また症状が酷いケースでは喉の奥が焼けるように痛んでしまうことも珍しくありません。このような症状は胃酸が食道を通過して、喉や口腔内に流れ込むことが原因です。

口の中がすっぱいのは胃酸が原因かもしれないのです。

【逆流性食道炎のサイン3.】コンコン咳が出る

胃酸が逆流すると食道だけではなく、気管を傷つけてしまう原因にもなります。そのため気管支を刺激して咳や喘息のような症状をもたらすことになるのです。

風邪などの感染症でない咳は、胃酸で気管が傷つけられているサインの可能性があります。

【逆流性食道炎のサイン4.】臭いゲップが出る

胃酸が食道を逆流すると胃の中に溜まっているガスがゲップとして、口から出されることがあります。このゲップは胃酸の臭いであり、すっぱいようなツンとした刺激臭である場合が多いようです。

普段のゲップと違い刺激臭のするゲップが出る場合は、胃酸が食道を逆流しているサインと思ってもよいでしょう。

【逆流性食道炎のサイン5.】声がかすれて出ない

逆流した胃酸は気管を痛めて咳の原因になりますが、さらに進行すると声帯まで痛めてしまい声を出す機能に障害を与えてしまうことがあります。

「ガラガラ声」や「しわがれ声」など急に声が変わったり、出しにくくなったりした場合は、逆流性食道炎の発症が原因かもしれません。

お酒をしこたま飲んだ翌日など口がすっぱく感じている時ありますよね。これも胃酸が逆流していた証拠だったのです。

家庭でできる簡単な逆流性食道炎対策とは?

突然症状のサインが出る逆流性食道炎ですが、早期に対策を取ることで重症化せずに沈静化させることも可能です。

「もしサインが出たらどうすればいいの?」イザその時がきても困らない家庭でできる対策を紹介します。

【家庭でできる対策1.】寝る前の食事は止めるようにする

逆流性食道炎は胃酸の分泌が活発な状況下で起こりやすく、特に食事の後に横になることでリスクは高まってしまいます。

またお腹一杯食べてしまうことも逆流性食道炎の原因になります。最低でも就寝時間の3時間前には食事を終わらせるようにして、消化を促進させてから横になるようにしましょう。

規則的な食生活は逆流性食道炎の重要な対策だと理解しましょう。

【家庭でできる対策2.】アルコールを控えることで予防が可能に

アルコールは胃を刺激して胃酸の分泌を促進させます。また胃と食道の間の筋肉を緩めて、胃の内容物を逆流させてしまう作用も考えられるのです。

逆流性食道炎のサインが出たら、アルコールは控えて胃を刺激しすぎないようにしましょう。

【家庭でできる対策3.】肥満対策が逆流を予防する

実は逆流性食道炎を発症している人の多くが、肥満傾向にあり、肥満との間に何らかの関係性があると疑われています。

もちろん、過食によって肥満が起きれば、食べ過ぎによる逆流も考えられるでしょう。また肥満による筋力低下も、胃と食道の筋肉を緩めてしまう可能性も否定できません。

さらにお腹に溜まった皮下脂肪や内臓脂肪は、座ることで胃を押し上げて胃の内容物を逆流させてしまうこともあります。

もし逆流性食道炎のサインが出た人がメタボ体型であったら、それは「減量をしなさい」と言う合図なのかもしれませんね。

【家庭でできる対策4.】締め付ける服装はNG

最近身体のラインを強調したスリム系のファッションが人気ですが、逆流性食道炎のサインが出た人は避けた方が無難なようです。

体を締め付ける服装は、胃を圧迫して胃の内容物を逆流させてしまう原因になります。

男性であればベルトをきつく締めすぎると、座った時やしゃがんだ時に胃に大きな圧迫がかかってしまい逆流の原因になります。女性でもきついガードルやボディースーツには注意が必要です。

逆流性食道炎のサインが出たらまずは身体を締め付けない服装に心がけましょうね。

人間の身体もポンプと同じで、押されると胃の内容物が口から飛び出してしまいます。身体を締め付けないことも大切だと思って下さい。

寝方でできる逆流性食道炎対策がある

家庭でできる逆流性食道炎の対策には上記のようにいくつかありますが、これら以外にも効果的な対策があります。それが「眠り方(寝方)」です。

実は逆流性食道炎で注意しなくてはいけない時間帯が、就寝中と考えられており、寝方を変えるだけで思いもよらない効果が見込まれるのです。

逆流性食道炎対策に効果のある寝方とはどのようなものなのでしょうか?

【逆流を防ぐ寝方1.】少し上半身を高くして寝てみよう

食道と言っても考えて見れば特別にポンプがある訳ではなく、基本的には重力に従って物が流れます。つまり逆立ちしていれば誰でも胃の内容物が逆流してしまう可能性があるのです。

そこで対策として重要なのが、上半身を少し高くして眠ることです。頭~肩、背中の上部にかけて、タオルなどで10cm~15cm程度高くすることで、胃の逆流を防ぐことができます。

特に胃と食道の間にある筋肉が緩んでいる場合、頭が下になっていることで逆流が起こりやすくなる傾向があります。

昔から「頭を高くして眠る…」は、安心して眠れることを意味していますが、これは逆流性食道炎の対策にも効果的な話しだったのですね。

【逆流を防ぐ寝方2.】うつ伏せで寝るのは逆流の元

最近では赤ちゃんでもうつ伏せで寝せることがあるようですが、うつ伏せで寝ることは胃を圧迫して食道へ逆流を促進する原因になります。

特に布団やタオルケット、抱きまくらを間に入れると、ボディーブローのような圧迫が胃を襲う結果になってしまいます。

ボクシングでもボディーブローをくらうと、「オェッ」と吐いてしまいますが、うつ伏せ寝においても同様のことが起こるかもしれません。うつ伏せ寝は「ボディーブローに注意せよ!」です。

【逆流を防ぐ寝方3.】これは注目!逆流する人は左を下に寝るべし

寝る時の姿勢には「仰向け」「うつ伏せ」「横向き」がありますよね。え~っ斜め45℃ですか?それはあまり聞いたことがありません。

それでは横向きの姿勢の場合、どちら方向に向いて寝ることが多いのでしょうか?

私は何となく聞いた話しで「人間の心臓は左にあるので、心臓を圧迫しないためには、右側を向いて寝る方がよい」と理解しています。たしかに何となく左を下にして寝ていると、胸が苦しい感覚を覚えることもありますよね。

しかし、逆流性食道炎対策ではこれは間違っているかもしれません。実は胃と食道の連結部分が右方向から左方向に向かっているので、右側に寝ると食道が下になってしまい、重力の関係で逆流しやすくなってしまいます。

反対に左向きに寝ると、食道が胃よりも上になるために、逆流が起こる危険性が減少するのです。

レントゲンで胃を撮影してみると、左側が膨らんで見えることが多く、この膨らんだ部分に胃酸が溜まっていたのです。

逆流性食道炎のサインが出た人は、意識して右向きではなく左向きの姿勢で寝ると、症状が改善する可能性があります。ぜひ試して見て下さい。

逆流性食道炎は寝ている間に症状が進行することもあります。寝方を工夫するだけで効果的な対策ができます。

逆流性食道炎とは食道と胃の門に問題がある病気

このように突然胸焼けや痛みなどの症状を引き起こす逆流性食道炎ですが、その原因は一体何なのでしょうか?調べてみましょう。

人間の食道は一方通行なのを知っていますよね?

人間は食べ物を食べることでエネルギーを得ています。そのためにはまず食べ物を消化して、吸収できる形態に変化させなくてはいけません。

胃は強力な胃酸でエネルギー源を一時消化する臓器で、そこに食べ物を運ぶのが食道の役目です。食道とは口から摂取した食べ物を、胃に運ぶ通路であり「道」です。

もちろん食道は一方通行でなければ、せっかく胃で消化しても腸に送ることはできません。そこでこの一方通行を厳格に運用するために、胃と食道の間には門番を置くことにしました。

そしてこの門番が食道からの旅人(食べ物)には門を開いて「ウェルカム!」と導き、胃から逃げ出そうとすると「ノォ~」と言ってきつく門を閉じるのです。

でも皆さんちょっと考えて見て下さい。この門番がボケてしまったらどうなるでしょうか?

逆流の原因は門番の衰えが原因

逆流性食道炎の原因にはいくつかありますが、最も多い症状が「門番の衰え」です。そうおじいちゃんに門番させることで、泥棒が入り放題で…イヤイヤ違います!

胃と食道の間には「噴門(ふんもん)」と呼ばれる関所により、一方通行になるように仕切られています。

この噴門は「下部食道括約筋」でできており、この筋肉が何らかの原因で異常が起きると一方通行だった食道に「リバース現象」が起きてしまうのです。

門番の衰えとは下部食道括約筋の衰えや異常であり、これが門をしっかり閉じられなくなることで、逆流の原因を作っていたのです。

下部食道括約筋が上手く働かなくなる理由には以下のことが考えられます。

  • 加齢が原因で筋力の低下が起きた
  • 脂肪分の多い食生活
  • 肥満体型
  • 普段の姿勢や運動不足
  • その他

筋力の低下は加齢だけでなく、運動不足や肥満でも同じことが起こります。門番の衰えとは下部食道括約筋の異常であり、それが噴門をきちっと閉めることができなくなり、逆流性食道炎を引き起こしていたのです。

単なる逆流と侮るな!逆流が食道ガンの多くに関係していた

逆流性食道炎の症状を見てみると、「胸焼け」「呑酸」、中には「臭いゲップ」など重症な症状に見えないこともあります。特に「臭いゲップなんて冗談ですよね?」などと軽んじてしまうこともあるでしょう。

しかし逆流性食道炎はそれ自体の病気よりも、それによる弊害がもたらす病気が恐ろしいと言うことを忘れてはいけません。

「食べ物は溶けるのに、なぜ胃は胃酸で溶けないのでしょうか?」この話は誰もが持つ疑問だと思います。答えは胃の粘膜には酸を中和する成分が分泌されており、そのおかげで胃は消化されないで済んでいるのです。

しかし食道はどうでしょうか?本来食道には胃液を入りこまない設計になっているはずです。そこに胃液が入り込むと胃とは違い酸を中和させる術はないのですね。

つまり胃とは違い食道の細胞は胃液により傷ついてしまうのです。そしてその状況が慢性化することで癌(がん)を発症させるリスクが高まります。

「食道がん」「咽頭がん」「喉頭がん」などの原因と一つとして逆流性食道炎が関係していると見られています。

食道がパレット食道になることの恐怖

食道の細胞は胃酸に耐えられるものではなく、「扁平上皮」と呼ばれる組織で作られています。ここに胃酸が入り込むと扁平上皮細胞が炎症を起こすようになります。

そしてこの炎症が繰り返されると食道の扁平上皮細胞は、胃酸に耐えられるように組織を変異させてしまうのです。

これが「パレット食道」です。胃は「円柱上皮」と呼ばれる粘膜組織で作られていますが、食道も同様に円柱上皮に変化してしまうのですね。

しかし食道の細胞がいかに変化しても、粘膜の構造自体を変えることはできません。つまり、胃酸が入り込むことによる炎症が治まることはなく、さらに腫瘍などを作り出す原因になってしまうのです。

先に紹介した「食道がん」「咽頭がん」「喉頭がん」はアルコールなどが危険因子として有名ですが、これにパレット食道が重なることでそのリスクは一段と高まると指摘されています。

一度緩んでしまった下部食道括約筋を元に戻すのは難しいかもしれません。最悪では手術で門を狭くする方法もあります。

寝方を変えただけでは症状が治まらない時には

このように胃液が食道に流れてくる逆流性食道炎は単に一過性の病気ではなく、放置すると思いがけない重病へ進行することもあります。家庭でできる対策を行っても症状が治まらない時には、どうしたらよいのでしょうか?

胃酸を薄めるために唾液や水を飲む

寝方を変えるなどの対策をとっても、なかなか症状が改善されない場合にはどのような方法があるのでしょうか?逆流性食道炎を発症している人を見てみると、胃酸の分泌が一般の人と比較して多くなっていることがあります。

つまり胃酸が何らかの刺激によって過剰に分泌されている可能性があるのですね。そこで2つの対策があります。

【水を飲んで胃酸を薄める】

逆流症状については生活習慣をあらためても直ぐに効果がでるものではありません。ダイエットなどは半年程度の期間が必要ですからね。

しかしその間も逆流性食道炎の症状が辛い場合は、水を多めに飲むことでそれを解消できる可能性があります。

つまり胃酸が多少逆流していても、そこに含まれる酸が弱ければ、食道を傷つける危険性が低下し刺激も少なくなるのです。

特に食後は胃が活発で多くの胃酸を分泌します。さらに逆流性食道炎の患者では、空腹時にも多くの胃酸を分泌する人がいるようです。

何となく逆流の兆候を感じたら、少し多めの水を飲むように心がけましょう。

【唾液は胃酸を中和する】

唾液は弱アルカリ性で胃酸の力を多少弱める働きが期待できます。普段から唾液の分泌を促進して、飲み込むことで逆流した胃酸から食道組織を守る効果が期待できます。

そこでオススメしたいのが「ガム」です。ガムを噛むと自然に唾液の分泌が促進されて、胃に流れ込みます。普段から習慣づけることで、逆流しても食道を傷つけにくくしてくれるのです。

普段からノンシュガーガムを持ち歩いて、胃がムカムカする場合にはよく噛んで唾液を出すようにしましょう。

病院で検査を受けるようにしよう

一過性の逆流性食道炎であれば、寝方などの対策を取ることで収まることがありますが、1週間も続くようであれば病院で検査を受けた方がよいでしょう。

担当する診療科目は「内科」「消化器内科」で、問診や検査によって確定診断を行います。

症状が酷いケースでは「上部内視鏡検査(胃カメラ)」により、直接胃の中や食道の状態を確認することもあります。

治療は薬剤による薬物治療が基本で、現在使用されているものは以下の通りになります。

  • フロントポンプ阻害薬(PPI)
  • ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)
  • その他、アルギン酸塩など
【フロントポンプ阻害薬(PPI)】

フロントポンプ阻害薬は胃の壁面にあるフロントポンプ(胃酸を分泌を促す組織)を邪魔することで、胃酸の分泌を抑える薬です。近年では逆流性食道炎の治療に最も使用されている薬になります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気においても使用されており、強い作用が特徴です。特に夜間だけでなく昼間の食事による刺激に対しても効果を持続させることができます。

(主な商品名:タケプロン、オメプラール、パリエット、ネキシウム、タケキャブなど)

【ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)】

H2ブロッカーは胃薬として一時代を築いた薬です。PPIが胃酸を出す全て刺激をブロックするのに対して、H2ブロッカーではその中の一部をブロックすることで効果を出します。

つまりH2ブロッカーでは得手不得手があり、一定の刺激に対しては胃酸を抑制する効果は期待できなかったのです。特に夜の就寝中は効果があっても、昼間の食事おける刺激には効果が少なくなることもありました。

現在では市販薬として人気の商品ですが、病院での処方ではあまり見かけなくなったと思います。

(主な商品名:アルサメック錠、タガメット、ガスター、ザンタック、アバロンZなど)

【その他、アルギン酸塩など】

アルギン酸塩は「ぬめり成分」が特徴で、海藻に含まれるヌルヌル成分はこれです。これを服用すると食道の粘膜がぬめり成分でコーティングされることから、胃酸が原因のダメージを防止してくれます。

ダメージが軽減すると痛みも少なくなり、細胞の修復も進むことで症状が改善するのです。

(主な商品名:アルロイドGなど)

症状が辛い時や、軽くてもなかなか治まらない場合には、病院で診察を受けましょう。放置するとがんへ進行する可能性もあるのですから。

軽い症状であればまずは家庭でできることから

はじめから症状が中程度以上である場合は、迷わず病院で診察してもらうことが大事ですが、もし症状が軽く「ちょっと変だな!」くらいであれば、家庭でできる対策を行うのもよいかもしれません。

食事の時間に気を付けて規則的な生活を心掛けます。次に食事後は最低でも3時間は横にならないようして、十分消化して腸に送り込むのです。

そして今回のポイントでもある「寝方」。寝る時には上半身を10cm程度上げて、食道を持ち上げるようにするのです。

横になって寝たい時は…もうお解りですね。右を下にするのではなく、左を下にして下さい。そうすれば就寝中の逆流を予防することができるでしょう。

おっと忘れていました…うつ伏せも駄目ですよ。

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