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胃潰瘍の原因はピロリ菌!更に胃がんのリスクを高める3つの条件

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ピロリ菌が胃かいようの最大の原因であることがわかってきました。とはいってもピロリ菌が胃ガンにまで進行してしまうことはほとんどありません。しかし、ある条件が重なることで胃ガンに進行するリスクが大きく高まってしまうのです。

ピロリ菌に感染している人は減少してきていますが、まだまだ感染率は高いため、決して他人事ではありません。

ピロリ菌と胃ガンの関係性を解こう!胃ガンの発症リスクをグンと上げてしまう3つの条件

ピロリ菌とは1982年にオーストラリアで発見された細菌です。ヒトの胃の中で生息し、らせん状のねじれた体にべん毛とよばれるものを使って活発に動きます。

胃かいようは長らくストレスが原因とされてきましたが、じつはこのピロリ菌が元凶であることがわかってきました。しかしこのピロリ菌が原因で胃ガンにまで進行する人はほとんどいません。

ですが、現在では胃ガンの原因のほとんどがピロリ菌の感染からきていることから、胃ガン予防策としてピロリ菌の除菌が広く叫ばれるようになりました。

皆さんも、最近よく、テレビやネットなどで各医療機関、医師などが胃ガンで苦しんで亡くなる人を少しでも減らそうと警告を発信しているのを見聞きしたことがあると思います。しかしまずはなぜ胃ガンにまで進行してしまうのかを考えましょう。

ピロリ菌の保有者であっても胃ガンを発症する人が少ない中、なぜ発症してしまう人もあらわれるのか、それは以下の3つの条件が加わることで胃ガンの発症がグンと上がってしまうことがわかってきたのです。

  1. 高血糖
  2. 喫煙
  3. 塩分

これら3つの条件とピロリ菌が合わさることで胃ガンになるリスクが倍増してしまうといわれています。ではどのくらい倍増してしまうのでしょうか?

研究結果から見えた3つの怖い条件

高血糖、喫煙、塩分の3つは今や現代病の要因となっているものばかりです。ではこの3つの要因がピロリ菌と合わさることで胃ガンの発症率はどのくらい増加するのでしょうか?

胃がんを起こす危険性を高めるものが、最新の研究で、3つ明らかになっています。

まず高血糖。「ピロリ菌感染+高血糖」の人は、「ピロリ菌なし+血糖正常」の人の4倍、「ピロリ菌感染+血糖正常」の人の2.2倍胃がんになりやすかったのです。

次に喫煙。「ピロリ菌感染+喫煙」の人は、「ピロリ菌なし+非喫煙」の人の11倍、「ピロリ菌あり+非喫煙」の人の1.6倍胃がんになりやすいのです。

最後に塩分のとりすぎ。これは動物実験ですが、「ピロリ菌感染+がんになりやすい薬+塩分とりすぎ」は、「ピロリ菌+がんになりやすい薬+塩分正常」に比べて3倍も胃がんになったのです。

 
ピロリ菌にたとえ感染していても、胃かいようなど、胃の壁にダメージを与えるだけでは胃ガンにまで進行しにくいのですが、高血糖・喫煙・塩分の3つの条件が合わさることでこのような倍率で発症が増加してしまうのです。

世界でも日本でもその50%が感染しているピロリ菌の感染経路とは

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ピロリ菌は世界の人口の50%、日本でも同じく50%が感染しているといわれています。発見されたのは1982年とごく最近ですが、大昔から人類とともに一緒にいた身近な菌でもあります。

主に衛生環境が良くないところに繁殖する傾向があり、世界的にみても先進国よりも発展途上国の方に感染者が多くいるのが特徴です。ですから日本でも衛生管理の良くなった現代では急速に感染率が低下してきています。

そのため若い人の感染は少なく、40代以上が7割を占めています。日本は超高齢化社会に入りました。40代から50代の人はピロリ菌に自分が感染しているのかどうかが胃の状態を知ることに繋がり、元気に長生きするこにも繋がっていきます。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌のはっきりとした感染経路はまだ解明されていません。しかし衛生状態の悪い場所での感染が多いことから、経口感染が主だと考えられています。しかし大人になってからの感染は少なく、幼児時代のみというのが大きな特徴です。

これは母親からの口移しによる栄養補給。また保育園や幼稚園などで子供が吐いた嘔吐物を他の子供が触り、その手で他の子を触り、食べ物にも触り、じょじょに感染していくことも考えられます。

なぜピロリ菌は害があるの?胃ガンにまで進行してしまうその作用

ではピロリ菌は胃の中でどのように活動し、私たちの健康を害する結果になってしまうのでしょうか?

ヒトの胃の中はとても強力な胃酸があり、ピロリ菌が発見されるまでは細菌などは生息していないとされていました。しかし、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を作り、それで胃酸を分解させてアンモニアを生み出し中和させてしまうのです。

このようにして強力な胃酸の中であっても、独自に快適な環境を作り出すことができるピロリ菌は胃壁に取り付き、毒素を出しながらじょじょに胃壁の細胞を弱めていきます。

そしてピロリ菌を駆除しようとやってきた白血球との戦いも繰り返され、胃壁はじょじょに炎症していきます。

なぜ胃ガンにまで進行するの?

ピロリ菌が胃壁に取り付くことにより慢性的な炎症という刺激が続くと、ヒトの体は何とか防御していこうと組織を変化させていきます。しかしこの変化の過程がスムーズにいかず、胃の粘膜が壊れてじょじょに萎縮していきます。

これを萎縮性胃炎といい、これが胃ガンの前段階となります。ピロリ菌による胃壁の潜伏期間が長ければ長いほど萎縮は進みますから胃ガンに進行するリスクも拡大していきます。

ピロリ菌を除菌する有効性とは?ただ除菌で安心・・・はいけません!

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2013年2月にこれまでピロリ菌の除菌による保険適用が胃かいよう、十二指腸かいようなどの病気のみだったのが慢性胃炎も新たに対象になりました。

ピロリ菌で繰り返す胃炎に薬による除菌の有効性と安全性が認められたからです。そしてなによりも胃炎から胃ガンを発症するリスクを低下させることがピロリ菌を除菌することで有効的に予防できるとわかってきたからです。

では、ピロリ菌を除菌すれば胃ガンは発症しなくなるのか?というと、それはNOです。胃ガンの前段階である萎縮性胃炎はピロリ菌がいようがいまいが、年を重ねるとどうしても萎縮してしまう傾向にあるからです。

このため高齢者はたとえピロリ菌を除菌したからといっても油断はできません。また高齢者だけでなく若い人であってもファーストフードやコンビニ食などの悪い食生活が影響して胃が萎縮してしまうことがあるため油断できません。

つまりピロリ菌による胃ガンの発症は原因のひとつにすぎず、除菌によって胃ガンを発症するリスクが全くなるといった誤解は非常に危険な考えです。

全体的な原因を考える

ピロリ菌に感染している人であっても実際に胃ガンにまで進行するのは年間たったの1%にしかすぎません。ということはほとんどの人の場合、たとえピロリ菌が胃の中にいても平気だということになります。

先に述べたようにピロリ菌が胃ガンにまで進行する理由は高血糖・喫煙・塩分ですが、この3つが起こると体の抵抗力が弱まり免疫力を下げてしまうことになるからだと思います。

ピロリ菌は体の免疫がしっかりしている時は活発な活動はやめておとなしくしているのですが、免疫が下がれば、暴れだす日和菌なのです。この日和菌というのは善玉にも悪玉にも属さない菌であり、体の体調によって善悪に変わる菌のことです。

ですからピロリ菌を悪者扱いばかりするのは間違っているといえるでしょう。実際、ピロリ菌を除菌してしまうと逆流性食道炎を発症、もしくは悪化してしまうという症例も出てきています。

つまり免疫力が高ければピロリ菌も日和菌としておとなしく胃の中にいて、逆に体にとってなんらかの良い働きをしていることも考えられるのです。

暴れるピロリ菌を抑えつけろ!胃かいようと胃ガンの発症予防に有効な除菌

ピロリ菌がたとえ良い働きをしていることがわかっても、このように悪者扱いされてしまう原因はなぜでしょう?ピロリ菌が発見される以前から、胃かいようの再発に苦しむ人はたくさんいました。

近年では医学が進歩したため、抗かいよう薬などが開発され、胃酸を抑えることができるようになりました。しかしどうしても再発から逃れることはほとんどなく、「再発→治療→再発→治療」というサイクルが出来上がっていました。

ですが、慢性的に続く胃かいようはピロリ菌という細菌が暴れだしたことによるものだとわかり、それにより除菌することで、このサイクルに歯止めをかけられることがわかったのです。

つまり原因はともあれ、暴れだしてしまったピロリ菌を除菌することは胃かいよう、そしてそれに続く胃ガンの発症を抑える予防策としては非常に有効であることがこのような症例からわかってきたのです。

ピロリ菌の検査方法は内視鏡を使う方法と使わない方法との2つ

ピロリ菌の検査方法は大きく分けて「内視鏡を使わない方法」と「内視鏡を使う方法」の2つがあります。ではそれぞれの方法を詳しくみていきましょう。

内視鏡を使わない方法

内視鏡を使わない方法はさらに以下の3つに分かれます。

尿素呼気試験法

尿素呼気試験法は最も手軽にできる検査法です。診断するための薬を服用し、呼気を集めて診断します。感染が見つかった場合は除菌治療後の4週以降に再び呼気を集めて判定します。

抗体測定

抗体測定は血中や尿中を調べる方法です。ピロリ菌に感染すると、それに抵抗するために体は抗体を作ります。血中や尿中にその抗体がいるかいないかでピロリ菌の有無を判定します。

糞便中抗原測定

糞便を調べることでピロリ菌によってできた抗体を判定します。

内視鏡を使う方法

内視鏡を使う方法も以下の3つがあります。

培養法

内視鏡を使い、胃の粘膜を採取し、それを5日~7日、培養することでピロリ菌の有無を判定します。

迅速ウレアーゼ試験

ピロリ菌が胃酸を中和するために使う酵素ウレアーゼの活性を利用して判定する方法です。内視鏡で採取した胃の粘膜を特殊な反応液を使ってピロリ菌の有無を判定します。

組織鏡検法

内視鏡で採取した胃の粘膜の組織標本に特殊な染色をして、顕微鏡によりピロリ菌を探す組織診断法です。

進化してきた内視鏡

2013年2月にピロリ菌の除菌が保険適用となった慢性胃炎ですが、「内視鏡検査で確定診断された」ということが条件となります。つまり内視鏡によって見つかったピロリ菌のみが保険適用となります。

内視鏡というと体に負担がかかるイメージが強いため、敬遠する人が多いものです。しかし現在では、内視鏡は病気の早期発見、早期治療、そして検査を受ける人の負担を軽くするために飛躍的に進歩してきています。

最近の内視鏡では胃に特定の波長をあてると毛細血管などの組織が鮮明に見えて、肉眼によって悪性なのか良性なのかを判断できる機能を備えたものになってきました。

また鼻から入れる経鼻内視鏡は直径がわずか約5mmと細く、口から入れる内視鏡よりもグッと負担が軽くなりました。

ピロリ菌の除菌方法は実は完璧ではない?治療の流れを見てみよう

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ピロリ菌の除菌方法は薬の服用です。とても手軽におこなえる治療方法ですが完璧にすぐ除菌できるのか?といえばそうではありません。

  • 除菌療法は一週間抗生物質と胃薬を内服
  • 成功率は80%~90%です
  • 途中で止めてしまうと失敗しやすいので継続して内服することが大切です

 
では具体的にどのような流れで除菌治療がおこなわれるのかみていきましょう。

一次除菌方法

  • 2種類の抗生物質と胃酸をおさえる薬の合計3種類の薬を一週間、服用
  • 欠かさずしっかりと飲み続けることで約80%~90%の人はピロリ菌を除菌できる
  • 除菌治療後、4週間以上あけて再検査
二次除菌方法

  • 一次除菌に失敗した場合、内服薬を変えて服用
  • 成功率は90%で、4週間あけて再検査

ピロリ菌の除菌中の注意点

ピロリ菌の除菌治療している間は喫煙は控えなければいけません。胃粘膜の血流が低下してしまい除菌の成功率が低下してしまうからです。

二次除菌までいった場合は、使用する薬にアルコールとの相互作用があるので、喫煙に加えてお酒も控えなければいけません。

除菌治療の副作用

ピロリ菌は強い胃酸の中でも生息する手ごわい細菌です。そのため使用される抗生物質もそれなりに効果があるものを求められるため、中には以下のような副作用がみられることがあります。

1.下痢・軟便
下痢を起こしたり、便がゆるくなったりします。

2.味覚異常
食べ物の味を苦く感じたり、おかしいと感じたりすることがあります。

3.AST(GOT)/ALT(GPT)の変動
肝機能の検査値が上がることがあります。

ピロリ菌を活発にさせない生活習慣と食習慣を!慢心せずに検査へ行こう

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現在では胃ガンの発症のほとんどがピロリ菌によるものだということがわかっています。しかしそれにはご紹介してきたようにピロリ菌に加えて、高血糖・喫煙・塩分のとり過ぎなど、私たちの生活習慣が大きく影響します。

誤解していただきたくないのは、ピロリ菌を除菌すれば、「高血糖でも大丈夫」「タバコを吸っても大丈夫」「塩分をとり過ぎても大丈夫」という考え方になることです。胃ガンの前段階である萎縮性胃炎はピロリ菌の有無でもおこります。

まずはピロリ菌がいても活発化させない生活と食生活のみなおしが基本となるべきではないでしょうか?しかしすでに胃かいようなど症状が出ている人はピロリ菌の検査を強くおすすめします。

辛い胃かいようはピロリ菌を除菌することで完治させることも可能ですし、胃ガンの予防策にもなります。しかし症状がなくてもピロリ菌を除菌したい場合は医師とよく相談をしてリスクと効果の両方の面から考えて決めるようにしましょう。

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