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親のしつけが子供の脳に障害を負わせる!虐待が脳と精神に与える影響

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子供が言うことを聞かない時、ついつい叩いたりした経験はないでしょうか?子を持つ親なら少なからず、しつけということで軽い「痛み」を与えた経験がある人も多いと思います。

昔は、指導のために大人が子供を叩くことなんて日常茶飯事でした。むしろそれが当たり前で、そうやって育ってきたからこそ自分の子供も叩いて教育する人も多いそうです。

しかし、この「叩く」という行為は、残念ながら百害あって一利もありません。そもそも肉体的痛みを伴う行為は暴力と表現され、子供にとっては例え小さな痛みであろうと大きな傷を受けてしまうのです。

体罰のような痛みを伴う指導、また物理的な体罰ではなくても虐待にあたる行為は教育につながらず、それどころか子供に対して悪影響となってしまうのです。

親には虐待している意識がなくても、子供が恐怖を感じている場合は虐待です。これが子供の脳へ影響し様々な病気や障害を引き起こすという事実を知ってください。

しつけ?虐待?その行動が子供の脳に影響します

厳しいしつけでも子供がそれを虐待だと思わず親の愛情と思っている場合は虐待にならない、と考えがちですが大人と子供では考え方が違いますので、安易に決め付けるのは良くありません。

虐待にも種類はありますが、親から虐待を受け育った子供は、脳にも大きなダメージを受ける事が確認されています。

子供はまだ成長途中ですから、親の虐待が原因で脳に大きなダメージを受けた場合、脳が傷つき障害が出るリスクも高まってしまいます。

自身も子供の頃は親のしつけが厳しかったからと、自分の子供にも同じように厳しくしつけをする人もいます。親は虐待をしている意識がなくても、体罰を伴う厳しいしつけは心だけでなく脳にもダメージを与えています。

この事はある研究結果としても発表されていますし、虐待を受けて育った人と全く虐待とは無縁で育った人とでは、知能にも差が出る事が確認されています。

今は昔と比べて子供と接する時に、何でもかんでも虐待と決め付ける傾向もありますが、逆に全く叱らず、子供の自主性に任せていると今度は育児放棄とみなされます。

実は育児放棄も虐待になるのですが、これに関しても見極めは慎重さが必要です。

家庭の事情や環境による違いはありますが、子供は親の愛情を必要としていますので、しつけのつもりでも叱り方には注意べきであり、虐待と紙一重だという事は頭の片隅に置いて欲しいと思います。

殴る、罵声、放置・・・様々な虐待が脳に与えてしまう深刻な影響

子供の頃に親から虐待を受けていた人は、大人になってからもそれがトラウマとなり、親と離れて生活していても常にその影響を受け苦しむ傾向があります。

親から虐待を受けた人は、自分が親になっても虐待する可能性があると言われていますが、すべての人がそうなるとは限りません。

実際に子供の頃親から虐待を受けていた人がトラウマを克服し、自身が親になっても子供といい関係を築いている人もいます。

人による違いは虐待によるダメージの違いや、その後の人間関係、生活環境なども影響してきますので一概には言えない部分もあります。

しかし虐待が脳にどのように影響を与えるかは、虐待とは関係ないという人にも是非知っていただきたい事なのでいくつかを紹介しておきます。

言葉の暴力による影響

体罰は一切していないから虐待ではない、自分は口が悪いだけだという人もいますが、言葉の暴力も立派な虐待です。

殴られたり蹴られたりしなければ子供は傷つかないと思ったら大間違いです。子供に暴言を吐くと、それを聞いた子供の心も深く傷つきますが、言葉の暴力は聴覚野を萎縮させる事がわかっています。

聴覚野はその名の通り聴覚を司る部分ですが、聞きたくない暴言を避けるために聴覚野を萎縮させ自分自身を守ろうとする防御反応とも考えられます。

育児放棄による影響

育児放棄をしてしまう理由もいろいろありますが、親が育児放棄をすると子供が必要としている愛情を受ける事ができません。

この場合は扁桃体という部分が萎縮する事が確認されています。扁桃体というのは記憶力や学習能力を司るところです。扁桃体にダメージを負った時、情緒不安定になるとも言われています。

勉強しても覚えられない、情緒不安定になりやすいという場合は日常生活にも支障が出てしまいますので、子供も苦労する事になります。

性的虐待の影響

子供への虐待はあってはならない事ですが、中でも性的虐待は本当に心が痛みます。出来ることならこの世からなくなって欲しいものですが、性的虐待を受けた場合は、視覚野が萎縮することが確認されています。

これも見たくないという防御反応の現れだという説がありますが、幼児期の性的虐待ほど萎縮の割合が大きいという結果も出ています。

これは毎日のよう激しい夫婦喧嘩を目撃した子供にも見られる現象だと言われています。父親が母親に暴力を振るっているところを見るのは、子供にとってとてもショックな事ですし、それを見たくないという心理がそうさせるのかもしれません。

虐待を受ける年齢が幼いほど、早い段階で脳に傷を負うことになりますので、成長にも影響が出るという事は素人でも理解できます。

しかし脳の一部が萎縮しても、早い段階で適切なケアができれば萎縮を改善できる可能性は高いと言われています。

命の危険があるような場合は親から引き離し、施設で保護するという方法もありますが、ここも介入できる範囲に限界があるので難しいところです。

虐待は子供の体や心だけでなく、脳にも深刻なダメージを与えるという事を知ってください。

身体的虐待の影響

身体的虐待は、叩いたり足で蹴ったりする事ですが、しつけのために子供を叩く場合は力も加減しますし、叩くとしてもお尻を軽く叩くか、ゲンコツで頭を叩いても力は入れません。

大人が力いっぱい子供を殴ったり、足で蹴り転倒させたりすればこれは完全に虐待です。この場合は打撲や骨折という体に傷を負う事もありますが、脳の前頭葉が萎縮する事が確認されています。

前頭葉というのは感情をコントロールする部分ですから、萎縮する事で性格が荒くなったり、暴力的になったりする事があります。

虐待をする人は1回や2回ではなく、日常的に虐待を繰り返す傾向があります。本来親は守ってくれる存在であり、甘えられる存在なのに身体的虐待を長期間に渡り受け続けたとしたら、その恐怖は計り知れません。

体罰は百害あって一利なし!体罰がもたらす精神疾患

文部科学省によると、体罰とは「肉体的苦痛を与えるような懲戒」を意味するそうです。懲戒とは、不当・不正な行為に対して戒めの制裁を加えることです。例をあげて簡単に説明すると、子供が間違ったことをした罰として、叩くことが体罰にあたります。

次のような行為が体罰にあたります。

  • 叩く、殴る、蹴る、投げるなど
  • 長時間にわたる正座・起立など

体罰は指導や教育が目的で行われる行為です。指導も教育もない暴力は体罰と表現せず、虐待といいます。虐待はもちろんですが、しかし指導や教育になるなら体罰は大丈夫、とはなりません。

いかなる理由であろうと暴力が正統化されることはないのです。それは倫理的な面でもそうですが、指導や教育の効果で考えても体罰は意味がありません。

アメリカで行われた研究によると「体罰は、子どもたちにいかに振る舞うべきかを教えるどころか、実際は、大人が教えようとしていることを学ばなくなってしまう」という結論が出ているそうです。

体罰は指導にも教育にもなりません。それどころか、大きな悪影響を及ぼします。

体罰は共感性や道徳的概念を低くする可能性があり、青少年のいじめ、うそ、不正行為、家出、不登校、学校での問題行動、犯罪などの行為の要因となることもまた、研究によって分かっています。

体罰は何一つとして良い効果は出ないのです。ついつい子供に手を出してしまうのは、愚行としか言いようがありません。体罰は指導や教育などではなく、未熟な大人の癇癪でしかないということです。

体罰による子供への悪影響は大きいです。肉体的な苦痛を与えている時点で、怪我などの恐れがあるのは明らかですが、実は体罰は精神疾患の要因ともなっているのです。

それだけ、体罰は子供の心に大きな衝撃を与えるということなのでしょう。体罰がもたらす精神疾患について、ご紹介します。

抑うつ

抑うつとは、気分が落ち込んでしまって普段通りに活動できなくなる状態のことです。体罰を受けると子供は非常に落ち込みます。それが酷くなると、抑うつという精神疾患に陥る可能性があるのです。

抑うつになると不眠、食欲不振、全身倦怠感、胃炎、頭痛、吐き気、発熱などの身体的症状もあらわれます。心は体と直結していますから、心を病むことで体もボロボロになってしまうのです。

こうまでなってしまうと、指導や教育どころではなくなってしまいますね。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

体罰は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こすこともあります。いわゆるトラウマです。体罰は時に子供にとって辛い記憶となり、大きな傷跡を残します。思い出すだけで、自分の体をコントロールできなくなってしまうのです。

PTSDの特徴的な症状として、入眠困難や中途覚醒、怒りの爆発、集中の困難さ、過覚醒、強い驚愕反応があります。

例をあげると、トラウマの記憶が勝手に思い浮かんできて動揺する、その時の悪夢を見る、ふとした拍子にトラウマを再び受けているような感覚に襲われる、思い出すだけで恐怖、怒り、哀しみ、罪悪感のような強い感情を感じる、汗が吹き出したり動悸がする、などがあります。

双極性障害

体罰は双極性障害の原因にもなり得ます。かつては「躁うつ病」と呼ばれていた精神疾患です。抑うつ状態だけでなく、躁状態という高揚した状態にもなります。この二つの状態が周期的に入れ替わるので、精神がとても不安定となるのです。

双極性障害は単なる抑うつ状態より危険な精神疾患です。躁状態からうつ状態に陥る時、躁状態の自分を思い返して激しく自分を責めてしまい、自己破壊的な行動を起こしてしまうそうです。

また、躁状態とうつ状態の症状が同時期に入り混じる混合状態は、自殺の危険性が高くなります。体罰は命さえも脅かす可能性があるということですね。

摂食障害

摂食障害とは、食べ物を極端に食べなくなる、または過剰に食べてしまう状態のことです。前者を拒食症、後者を過食症といいます。

過ぎた体重が健康を損なうのは当たり前ですが、拒食症は特に命を脅かします。食べられなくなってしまうので、栄養をとることができずに、時には死んでしまうこともあります。

この摂食障害になる大人は、子供のころに体罰を受けて育って人が多いといわれています。体罰によって抑圧された自分の感情を処理する力が十分に育たなかったために、食事で感情を処理するようになって摂食障害になってしまうそうです。

結果、過食症や拒食症となってしまうというわけです。

人格障害(パーソナリティー障害)

人格障害とは、変わった言動や考え方、衝動的な行動を繰り返してしまって周囲の人と、それから自分自身も苦しむような精神疾患です。パーソナリティー障害とも呼びます。

症状としては、過剰な被害妄想や、態度が演技がかっていたり、自身の感情をコントロールできなかったりと、様々です。

人格障害は、幼少期のトラウマや、受けた苦難などの育ってきた環境が一つの原因であるといわれています。体罰もまた、人格障害の要因となるのです。時間とともに回復する可能性もありますが、放っておくと摂食障害やうつ病を引き起こすこともあります。

強迫性障害

自分ではつまらないことと分かっていても、そのことが頭から離れずに固執してしまうことを、強迫性障害といいます。例えば、「鍵をかけ忘れたかな?」と何度もかかっていることを確認してしまうことも、強迫性障害といえます。

一度確認して安心できるなら問題ありません。しかし、不潔恐怖から手を何度も洗ってしまったり、ガス栓や戸締りなど確認行為をやめられず、常に不安を覚えているような、日常に支障が出る状態になってしまうと問題です。

強迫性障害の原因には性格や生まれ育った環境が大きく関わっているそうです。こういった強迫性障害もまた、体罰によって引き起こされる精神疾患の一つとなります。

知的障害

知的障害とは、認知能力(理解・判断・思考・記憶・知覚)が全般的に遅れた水準にとどまっている状態のことです。例えば、理解力や表現力が乏しかったり、記憶量が少なかったり、大人になっても子供らしさが抜けなかったりすると、知的障害の可能性があります。

この知的障害の原因は明確にされていないのですが、やはり幼い頃の養育環境は関係しているのではないかといわれています。統計的なデータでも、関連性があるとされています。

叱らないのが良いのではない!大切なあなたの子供への接し方

母親と子供

どんなに可愛いわが子でも、やってはいけない事をしたり、人に危害を加え危険な目に合わせたりした時には叱る事も必要です。

ただし叱り方を間違えると虐待になってしまう可能性があり、知らない間に子供の脳を傷つけていたとしたら・・・後悔してもしきれませんね。

ただし時には叱る事だって必要です。逆に全く叱らずやりたい放題に甘やかしてしまえば別の問題も出てきますので、子供との接し方や叱り方のコツは覚えておきましょう。

子供を叱る時、体罰は必ずしも必要ではありませんが、子供の性格やその時の状況によっては必要になる場合もあります。

叱る時は本気で叱るのもポイントです。感情的になったりヒステリックになったりではなく、毅然とした態度で叱ります。ダラダラといつまでも叱らず、その瞬間で叱り終えましょう。

叱る事も必要ですが、叱りっぱなしは良くありません。叱った後は理由を話て聞かせながら優しく抱きしめてあげるのが最大のポイントです。

叱られて怖い思いをしても、きちんとフォローできていれば子供は安心できます。叱られてもその後に抱きしめられれば親の愛情を感じられますし、子供の心にも脳にも傷を残さずに済みます。

どこまでがしつけでどこからが虐待になるかの見極めも難しい部分はありますが、子供は大人が思っている以上に弱くデリケートだという事は理解してあげて欲しいと思います。

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