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ママになる人必見!妊婦に必要な栄養・過剰摂取に注意したい栄養

妊娠すると産婦人科からの栄養指導を受けたり、プレママ向けのリーフレット、本などを見たりして、妊娠中は赤ちゃんのために栄養バランスの良い食生活が必要だということが分かります。

妊婦さんは、元気な赤ちゃんを産む責任を感じつつ、妊娠中は食生活について色々と勉強することがあって戸惑ってしまいますよね。

この記事では、妊婦さんに特に必要な栄養素、過剰摂取にも気を付けたい栄養素についてまとめています。どのような食べ物をどれくらい食べれば良いのか参考にしてみてくださいね。

妊娠したら「2人分」ではなく、妊娠に必要な栄養素だけを付加

妊婦さんは、母子ともに健康で安全な出産を迎えるため、妊娠する前よりも多くの栄養が必要になります。

妊娠・出産のために栄養素が多く必要になるのは、具体的に次のような理由があるためです。

  • 胎児の発育
  • 子宮や胎盤、母体の血液を作る溜めの材料
  • 産後に母乳を分泌するための準備
  • 分娩時、産褥期に必要な体力の確保

特に妊婦さんが意識したいのは、赤ちゃんの発育に必要な栄養をしっかり摂取することです。

昔は、妊娠すると「妊娠中なんだから2人分食べなきゃ」と周りから言われていたようです。

しかし「2人分食べる」というのは、栄養状態が悪かった昔のお話。妊婦さんが2人分食べる必要はありません。妊娠中の体重増加は9kg以下に抑えることが勧められているので、食べ過ぎれば体重オーバーになって、医師に叱られてしまいますね。

妊婦さんの理想的な食生活は「適正な体重を維持しながら妊娠中に必要な栄養が不足なく摂取できる食生活」です。

妊婦の食事摂取基準

まずは、1日に推奨される栄養素の基準を定めた「日本人の食事摂取基準」をご覧ください。(日本人の食事摂取基準2015 年版を参照に、見やすく一部を編集しています。)

非妊娠時の成人女性と妊婦の1日当たりの食事摂取基準です。表中の「+」は、妊婦が成人女性の摂取基準に追加する量です。「-」は成人女性の摂取基準を安量とすれば良い場合を意味します。

▼エネルギー・3大栄養素・食物繊維

栄養素 成人女性 妊娠初期 妊娠中期 妊娠末期
エネルギー(kcal) 2,000 +50 +250 +450
たんぱく質(g) 50 +0 +10 +25
脂質(g) 44~67
炭水化物(g) 200~325
食物繊維(g) 18以上

▼ビタミン

栄養素 成人女性 妊娠初期 妊娠中期 妊娠末期
ビタミンA(μgRAE) 650 +0 +0 +80
ビタミンD(μg) 5.5 7.0 7.0 7.0
ビタミンE(mg) 6.0 6.5 6.5 6.5
ビタミンK(μg) 150 150 150 150
ビタミンB1(mg) 1.1 +0.2 +0.2 +0.2
ビタミンB2(mg) 1.2 +0.3 +0.3 +0.3
ナイアシン(mgNE) 12
ビタミンB6(mg) 1.2 +0.3 +0.3 +0.3
ビタミンB12(μg) 2.4 +0.4 +0.4 +0.4
葉酸(μg) 240 +240 +240 +240
パントテン酸(mg) 4 5 5 5
ビタミンC(mg) 100 +10 +10 +10
▼ミネラル

栄養素 成人女性 妊娠初期 妊娠中期 妊娠末期
カリウム(mg) 2,000 2,000 2,000 2,000
カルシウム(mg) 650 +0 +0 +0
マグネシウム(mg) 290 +40 +40 +40
鉄(mg) 10.5 +2.5 +15 +15
亜鉛(mg) 8 +2 +2 +2
銅(mg) 0.8 +0.1 +0.1 +0.1
ヨウ素(μg) 130 +110 +110 +110
セレン(μg) 25 +5 +5 +5

参照…厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)

※エネルギーは30~49代の女性で身体活動レベルⅡ(ふつう)に該当する場合で算出
脂質は、kcal×(20~30%)÷9(脂質1gのエネルギー)で算出
炭水化物はkcal×(50~65%)÷4(炭水化物1gのエネルギー)で算出

…表をざっと見ていただいて、実際に妊娠中の食生活がどれくらい変化するかイメージすることは難しいと思いますので、妊娠中に付加される栄養素にはどのようなものがあるか、まずは名前をチェックしていただけると嬉しいです。

食生活は豊かでありながら栄養が不足しやすい女性

実際のところ、食事摂取基準の通りに栄養をしっかり摂取できていない妊婦さんが多のではないか、と考えられています。

近年は妊娠適齢期の女性に低体重、栄養の偏った食生活が増えているためです。

こういった事情から、厚生労働省は女性が妊娠した時の健康上の問題が示唆し、2006年に「産婦のための食生活指針」「妊産婦のための食事バランスガイド」を策定しています。

近年は若い女性に、美と健康のため食事に気を使っている人、生活習慣病の原因となる肥満を予防するためカロリーコントロールや運動を頑張っている人、おしゃれなカフェをめぐってスイーツを楽しむ人が増えているのはとても良いことなのですが…

実際のところ、厚生労働省の平成26年度「国民健康・栄養調査 栄養素等摂取量」を見ると、30代女性の食生活では、いくつかの栄養素が摂取基準を下回っていることが分かります。

30代女性で食事摂取基準よりも不足がみられる主な栄養素は次の通りです。(妊婦の食事を対象にしたデータはないため、成人女性の一般データを参照しています。)

▼30代女性の食事摂取基準よりも不足がみられる主な栄養素

 

栄養素 摂取基準 栄養素等摂取量
食物繊維 18以上 12.3
ビタミンA 650 413
ビタミンE 6.0 5.8
ビタミンB1 1.1 0.72
ビタミンB2 1.2 0.93
ビタミンB6 1.2 0.9
葉酸 240 232
ビタミンC 100 69
カリウム 2,000 1,834
カルシウム 650 407
マグネシウム 290 199
10.5 6.3
亜鉛 8 6.9

特にカルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維の不足が立ちますが、これらはどれも母子の健康を維持するため特にしっかり摂取していただきたい栄養素です。

日本は「先進国の中でも妊婦の栄養状態があまり良くない国」と言われています。これは、若い人に行き過ぎたダイエットによる栄養不足、栄養が偏りやすい外食やファストフード中心の食事などが増え、妊娠後も食生活の改善が難しい人が多いことが影響しています。

また、健康意識が高く妊娠が分かってからは栄養バランスの良い食事をとっている女性も増えてはいるのですが、妊娠中の体重増加を気にして食事を制限しているために肝心の栄養素が不足してしまっている 妊婦さんも意外と多いのです。

妊娠が分かった人、 妊娠を予定している人は、妊娠中にどれくらい栄養を摂取すれば良いのか、日本人の食生活ではどのような栄養素が不足しやすいのか把握して理想的な栄養状態を指しましょう。

そうすれば、健康な赤ちゃんが生まれるだけでなく、妊婦さんがつわりや妊娠高血圧症候群などのトラブルを防ぎ、快適なマタニティライフを送ることにもつながります。

骨や歯を作るカルシウムとマグネシウムは2:1で

カルシウムとマグネシウムは日本人が不足しやすいミネラルです。しかし、カルシウムとマグネシウムは赤ちゃんの骨や歯を作る材料になるため、お母さんは不足なく摂取しなければなりません。

骨や歯の材料と言えばカルシウムがよく知られているのですが、カルシウムから骨を作るにはマグネシウムも必要になります。

カルシウムとマグネシウムが2:1の割合で補給されなければカルシウムはスムーズに吸収されません。

カルシウム不足を自覚する人は多くてもマグネシウム不足を自覚する人はなかなかいません。しかし、カルシウムだけ摂取してマグネシウムが不足すると骨が作られず、骨折や骨粗しょう症が起こりやすくなるので、2つをバランス良く摂取する必要があるのです。

食事摂取基準では、妊婦さんは1日にカルシウムを650mg、マグネシウムを330mg摂取することが推奨されています。カルシウム・マグネシウムの含有量が多い食品を積極的に食べましょう。

カルシウムは乳製品・大豆製品・魚介類・海藻類に多く含まれます。マグネシウムは貝類・海藻類・大豆製品に多く含まれます。

▼カルシウムの含有量が多い食品と1食分相当のカルシウム含有量

食品 カルシウムの含有量(mg)
1日の摂取推奨量 650
スライスチーズ2.5枚 315
さば水煮缶100g 260
牛乳200ml 227
モロヘイヤ50g 130
厚揚げ50g 120
こまつな50g 75
ひじき5g 70
桜えび1g 69

▼マグネシウムの含有量が多い食品と1食分相当のマグネシウム含有量

食品 マグネシウムの含有量(mg)
1日の摂取推奨量 330
あおさ3g 97
玄米ご飯1膳 74
ゆで大豆50g 55
干しえび1g 52
あさり50g 50
豆乳200ml 50
納豆1パック 40
ひじき5g 31

大豆製品と海藻類は、カルシウムとマグネシウムがまとめて摂取しやすい食品です。マグネシウムを効率良く摂取するなら、主食を玄米ご飯に切り替えるのもおすすめです。

カルシウムが不足すると、お母さんの体に蓄積されたカルシウムが赤ちゃんの発育に使われ、お母さんの骨や歯がもろくなってしまいます。しっかりカルシウムとマグネシウムを摂取してくださいね。

多くの女性が潜在的な鉄不足!しかも妊娠すると2倍も必要に

妊娠前の成人女性は1日に10.5mgの鉄が必要ですが、妊娠初期ではさらに2.5mg、妊娠中期以降ではなんと15mgもの鉄を付加しなければなりません。

このようにたくさんの鉄が必要になるのは次のような理由があるためです。

  • 妊娠に伴う体の変化に伴い血液量が増えること
  • 分娩時の出血に備えて血液を体内に確保する必要があること
  • 赤ちゃんの発育に鉄が必要なこと

もし妊娠中に鉄が不足するとどのような影響が起こるのでしょう。

「鉄欠乏性貧血」になり、酸素を運搬する赤血球のヘモグロビンが不足するために体が酸欠状態になってしまいます。

貧血になると頭痛、立ちくらみ、倦怠感、息切れなどの症状が起こるほか、何らかの原因で妊婦さんの貧血が強くなると、早産や赤ちゃんが低体重児になるリスクも高くなってしまいます。

妊婦健康診査では妊娠初期と妊娠後期に必ず、血液検査でヘモグロビン濃度の検査を行います。妊娠時はヘモグロビン濃度が11・0g/dl未満が貧血で、貧血治療には鉄剤が処方されます。

女性は潜在的に鉄が不足しやすい

妊婦さんは、ヘモグロビン濃度が正常範囲でも貧血になりやすいので油断はできません。

女性は妊娠前に生理による鉄の喪失があるほか、鉄を含む食品が思うように摂取できていないことが多く、貧血ではなくても体内に予備として貯蓄されている鉄が潜在的に不足しやすいためです。

妊娠すると体の変化に応じて血液量が増えるので、ヘモグロビン濃度を保つために大量の鉄が必要になります。しっかり鉄を補給しなければ、貯蓄されている鉄だけでは足りなくなる可能性もあります。

鉄不足を解消するには体外から食事などで鉄を摂取するしかありません。特に妊娠中期以降は妊娠前の2倍もの鉄が必要になるので、血液検査の結果に満足せず食事から鉄をしっかり摂取する必要があります。

鉄を多く含む食品とは

多くの女性が貧血または潜在的に鉄の不足した状態になっています。月経のある成人女性は1日に10.5mgの鉄を摂取することが推奨されていますが、実際には平均して6mgくらいしか鉄が摂取できていません。

妊娠したら、鉄の多い食品を意識して数多く取り込み、不足している分まで鉄をしっかり補給しましょう。

▼鉄の含有量が多い食品と1食分相当の鉄含有量

食品 鉄の含有量(mg)
1日の推奨摂取量 妊娠初期 12.5
妊娠中期・後期 25.5
鶏レバー40g 5.2
豚レバー50g 4.5
がんもどき大1個 3.6
ひじき5g 2.8
輸入牛肉ひれ100g 2.8
豆乳200ml 2.4
あさり50g 1.5
卵黄1個 1.2
納豆1パック 1.3
こまつな50g 1.2

ヘム鉄と非ヘム鉄について

鉄は吸収されにくいミネラルです。動物性食品に含まれる「ヘム鉄」の吸収率は10~20%、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」はたった5%以下しかありません。

鉄を効率良く摂取するならレバー、肉、魚、卵などの動物性食品を食べるのがおすすめです。

ただし、鉄がたくさん必要だからといって動物性食品ばかり食べると、脂質やビタミンAなど妊婦さんが摂取し過ぎてはいけない栄養素も摂取してしまうので、妊婦さんは植物性の食品も食べ、ヘム鉄と非ヘム鉄の療法を摂取するのがおすすめです。

ビタミンCは鉄の吸収率を高めるので、鉄を摂取する時はビタミンCを含む食品も一緒に食べると良いでしょう。また、調理に鉄鍋を使うと自然と鉄が補給できますよ。

不足しやすいビタミンC・食物繊維を補給して体調を整えましょう

ビタミンCと食物繊維は、食事摂取基準によると妊娠したことで特に摂取量を増やす必要はない栄養素ですが、不足しやすく妊婦さんの体調を整える作用が大きいので、妊娠を機に意識して摂取することをおすすめします。

免疫力を高めるビタミンC

ビタミンCには次の作用があります。

  • 免疫力を高め、お母さんを病気から守る
  • コラーゲンを生成させ、赤ちゃんやお母さんの体の組織を作る
  • ストレスへの抵抗力を高める
  • 鉄の吸収率を高める
  • 妊娠中に増えがちなシミを緩和する

成人が1日に必要なビタミンC量は100mgですが、成人女性は平均して30mg程不足しているので、ビタミンCが多く含まれる食品を意識して食べるようにしましょう。

▼ビタミンCの含有量が多い食品と1食分相当のビタミンC含有量

食品 ビタミンCの含有量(mg)
1日の摂取推奨量 100
パプリカ1個 240
柿1個 84
ブロッコリー1/4個 72
いちご5個 47
ピーマン2個 58
キウイフルーツ1個 54
さつまいも1/2本 40
レモン果汁1個分 15

ビタミンCは加熱すると減ってしまうので、できれば生食できる食品を選ぶのがおすすめです。

ビタミンCは大量に摂取しても、余ったビタミンCは尿として排出されるので過剰症の心配はありません。

便秘を予防する食物繊維

食物繊維は吸収されないので体の栄養になりませんが、体の調子を整える作用があります。

  • 便通を促進させ、妊娠中に起こりやすい便秘を予防する
  • 血圧の上昇を抑え、妊娠高血圧症候群のリスクを下げる
  • 血糖値の上昇を抑え、妊娠糖尿病のリスクを下げる
  • 腸内環境を整え、免疫力をアップさせる

成人女性が1日に必要な食物繊維量は18g以上ですが、平均して6g程度も不足しているので、食物繊維が多く含まれる食品を意識して食べるようにしましょう。

▼食物繊維の含有量が多い食品と1食分相当の食物繊維含有量

食品 食物繊維の含有量(g)
1日の摂取推奨量 18以上
ゆであずき50g 5.9
おから50g 5.7
さつまいも1/2本 5.4
ごぼう50g 3.1
納豆1パック 2.7
アボカド1/2個 2.7
ひじき5g 2.2
こんにゃく100g 2.2
妊娠するとホルモンの影響や子宮の圧迫による腸の血行不良によって便秘や下痢が起こりやすくなります。食物繊維で腸の機能をサポートしましょう。

妊娠前~妊娠初期にとても重要な役割を持つ「葉酸」

厚生労働省によって平成12年から、妊娠前~妊娠初期の女性は「葉酸」を十分に摂取することが推奨されています。

妊娠前から妊娠初期にかけての葉酸摂取量が十分だと、胎児に「神経管閉鎖障害」が発症するリスクの下がることが、各国の研究によって確認されているためです。

胎児の先天性障害「神経管閉鎖障害」とは

受精から約2ヶ月間(妊娠3週~妊娠12週目頃)は、胎児の細胞分裂が最も盛んに行われ、重要な器官が形成される期間です。

この時期の赤ちゃんは、お母さんが摂取した栄養素や薬の成分の影響を強く受けるため、栄養不足や薬の使用が原因で器官が正常に形成されず、先天性の障害を引き起こす可能性が出てきてしまいます。

葉酸不足の影響を受けて発症しやすいのが神経管閉鎖障害です。

脳や脊椎のもと「神経管」が正常に形成されないために起こる先天性の障害で、脳が欠損する「無脳症」や脊椎の一部が変形して内臓や脳の機能に障害を起こす「二分脊椎症」があります。

妊婦に必要な葉酸の特徴とは

葉酸は胎児の細胞分裂に関与するビタミンBの一種。 ほうれんそうから発見されたことから葉酸という名前がつけられたように、緑黄色野菜に多く含まれている栄養素です。

葉酸は、たんぱく質の合成に必要なアミノ酸(メチオニン)の生成を促進する作用があり、たんぱく質を増やして胎児の細胞分裂を促進させるはたらきに関与しています。

また赤血球を作る役割も持っており、欠乏すると赤血球不足で「葉酸欠乏性貧血」を起こし、鉄欠乏性貧血のような倦怠感やめまいを伴う場合があります。

神経管閉鎖障害は、ちょうど生理が遅れる妊娠4~5週に起こりやすい障害です。まだ妊娠に気付かない女性もいる時期ですね。妊娠の予定がある女性は妊娠4週目に入る前の時期から食事に注意することをおすすめします。

女性は葉酸が十分に摂取できている?

妊娠前の成人女性に必要な葉酸は240μg/日、妊娠中には480μg/日dす。

平成26年国民健康・栄養調査のデータによると、20~30代の女性は平均して242μg/日の葉酸を摂取しており、食事摂取基準は満たしていることが分かります。

ただし厚生労働省は、神経管閉鎖障害の発症リスクを下げる目的で妊娠を予定している女性には1日あたり400μgの葉酸を食品から摂取することを推奨しているので、赤ちゃんが欲しいと思っている女性はもっと葉酸を摂取しておくのが安心です。

葉酸は水溶性で余りは尿として排出されるので、過剰摂取による健康障害の心配はありません。注されるようになってからもまだなじみの薄い栄養素ですが、女性はもっと意識して葉酸を摂取する習慣をつけていただきたいと思います。

妊婦に必要な480μgの葉酸を摂取するには

葉酸の主な補給源は野菜です。厚生労働省は、350gの野菜を食べるなど栄養バランスのとれた食生活を心がけることで400μgの葉酸が摂取できると提唱しています。

ただし野菜を何となく食べているだけだと、頑張って食べているつもりでも思うように栄養素が摂取できていないかもしれません。どの食品にどれくらいの葉酸が含まれているのか把握し、効率良く葉酸を摂取していきましょう。

葉酸は野菜のほか果物、豆類、海藻類からも摂取できます。80μgの葉酸が含まれる食品の一例を表にまとめました。妊娠を予定している女性は表の食品を1日に計5個以上、妊婦さんは1日に計6個以上食べると葉酸が効率良く摂取できます。

▼80μgの葉酸が摂取できる食品

食品名 80μgの葉酸を含む食品の重量 100gあたりの葉酸含有量(μg)
えだまめ 31g(15さやくらい) 260
モロヘイヤ 32g(8本くらい) 250
ほうれんそう 38g(2茎くらい) 210
アスパラガス 44g(2~3本) 180
ブロッコリー 66ℊ(1/5個) 120
かぼちゃ 93ℊ(煮物サイズ角切り2個分) 75
赤ピーマン 118g(大きなもの1個分) 68
納豆 66g(通常サイズのパック1個半) 120
やきのり 4ℊ(1/8枚切り10枚) 1,900
鶏レバー 6ℊ(焼き鳥串の1個分) 1,300
アボカド 95g(小さめのアボカド1個分) 84
いちご 88g(6個くらい) 90

葉酸はにつけると流出しやすく熱でも損失されるので、加熱が必要な食品は栄養バランスに注意しながら多めに摂取することをおすすめします。

またビタミンCと一緒に摂取すると葉酸の吸収率が高まるので、ビタミンCも豊富な赤ピーマンやいちごは葉酸の補給源にぴったりです。

神経管閉鎖障害は、国内では1万人に4~5人の割合で発症するまれな障害ですが、発症すると流産や死産になったり誕生してから重篤な障害が残る場合があります。

摂りすぎ注意!妊娠中に付加する必要のない栄養素

妊娠しても特に意識して付加する必要のない栄養素もあります。

これらは、常食する食品(米・小麦粉・油脂・砂糖な・卵など)に大量に含まれていたり、身近な食品に幅広く含まれているため、通常の食生活から自然に摂取しやすくなっています。

主要な栄養素 ビタミン 多量ミネラル 微量ミネラル
  • 炭水化物
  • 脂質
  • ビタミンK
  • ナイアシン
  • ビオチン
  • ナトリウム
  • リン
  • ヨウ素
  • クロム
  • モリブデン

中には、自然と大量摂取になりやすく妊娠したら摂取を控えめにしたほうが良い栄養素もあります。以下の食品は食べ過ぎに注意してください。

  • 炭水化物…ご飯・パン・小麦粉・砂糖・麺類
  • 脂質…油、バター、マーガリン、揚げ物、肉や魚の脂、スナック菓子、スイーツ
  • ナトリウム…塩分の濃い食事
  • リン…加工食品、清涼飲料水、ファストフード
  • ヨウ素…海藻(日本人は常食しているので過剰摂取になりやすい)

特にナトリウム・リンは幅広い食品に含まれ、ナトリウムは早産や低体重児のリスクを高める妊娠高血圧症候群の原因に、リンのはカルシウムの吸収を阻害し母子の骨や歯を弱くしてしまう原因になってしまうので、妊婦さんは意識して控えていただきたいです。

ナトリウム・リンの大量摂取を防ぐため、外食・レトルト食品・冷凍食品・漬け物・ハム・スナック菓子・ファストフードを減らし、その分を不足しがちな野菜のおかずや果物に代替することをおすすめします。

妊娠初期はサプリメントを使用しない

こんな時に助けてくれるのがサプリメントなのですが、妊娠初期の女性はビタミンAをサプリメントで補給することがおすすめできません。

サプリメントは低カロリーで大量の栄養素を補給できる点がメリットなのですが、それだけに常用すると必要以上に摂取してしまいやすく健康障害を引き起こす「過剰症」が問題になっています。

そのひとつがビタミンAです。妊娠初期に大量摂取を続けると、余ったビタミンAが体内に蓄積し胎児の奇形のリスクが高まるのです。

妊娠3ヵ月前から妊娠3ヵ月までの間にビタミンAを1日10,000国際単位(3,000μgRAE相当)以上摂取した妊婦から生まれた児に先天異常の割合が上昇したとの報告があります

ビタミンには体の蓄積される「脂溶性ビタミン」と、すぐ体から排出される「水溶性ビタミン」があります。

ビタミンAは脂溶性ビタミンで、必要以上に大量に摂取すると余りが体の脂肪組織や肝臓に溶けるので排出されず、どんどん蓄積され過剰症による健康障害が起こりやすくなってしまいます。

ちなみにビタミンB群・Cは水溶性で尿と一緒に排出されやすいため、過剰摂取によって障害を起こす心配はありません。

日本人の成人女性の1日当たりのビタミンA摂取量は400μgRAEほど。サプリメントは、メーカーによっても異なりますが1日あたり500~1000μgRAEくらいのビタミンAが補給できるようです。

妊婦のビタミンAの耐容上限量はが1日あたり1,500μgRAEとなっているので、通常の食事にサプリメントを併用すると上限を超える場合が出てきます。

妊娠初期は妊娠前と同じ650μgRAE摂取できれば良く、妊娠前の成人女性に平均して不足している240μgRAE程のビタミンAは食事の改善で補給できます。

ビタミンAの蓄積される性質を考えれば妊娠初期はあえてサプリメントを併用する必要がないと考えられます。

ビタミンAはβカロテンから摂取を

不足しても過剰摂取しても赤ちゃんの発育に影響が出てしまうビタミンA。安心できる形で摂取するには、サプリメントを使わず食事から「βカロテン」の形で取り込むのが一番です。

βカロテンはビタミンAの「前駆体」と呼ばれ、体内に入ってから必要な分だけビタミンAに変わる栄養素です。βカロテンそのものは過剰症による健康障害を引き起こさないので、安心してビタミンAの補給をすることができます。

βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれています。全てが吸収されてビタミンAに変わるわけではないため、1日あたりの上限量は定められていません。

「 21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、βカロテンを含む各栄養素を十分に摂取するため、安として1日に緑黄色野菜を120g食べることを推奨しています。

ビタミンAが不足しやすいことを考え、妊娠したらβカロテンが多く含まれるものを積極的に摂取していきましょう。

▼主な緑黄色野菜の重さとβカロテン・レチノール活性当量の値

食品名 重さ βカロテン含有量(μg) レチノール活性当量(μgRAE)
に換算
1日の摂取推奨量 650~720
ほうれんそう1/2束 100g 4,200 350
こまつな1/3束 100g 3,100 260
かぼちゃ1/16個 75g 3,000 248
にんじん1/5本 30g 2730 228
ブロッコリー1/4個 90g 730 60
赤ピーマン1/2個 60g 660 53

※レチノール活性当量=ビタミンAとして体内で活性化される量

みかん、柿、すいか、マンゴーなどの果物からもβカロテンが摂取できます。

妊娠初期は動物性ビタミンAを控える

なお動物性ビタミンAのレチノールは体に蓄積されるビタミンなので、妊娠初期はレチノールの多い食品を常食しないよう注意しなければなりません。

▼レチノールを含む食品

食品名 重さ レチノール活性当量(μgRAE)
1日の摂取推奨量 650~720
鶏レバー1個 40g 5,600
豚レバー 50g 6,500
ウナギかば焼き1串 100g 1,500
ぎんだら一切れ 50g 550
バター大さじ1杯 13g 66
プロセスチーズ1個 20g 52

レバーは少量でもレチノールがかなり含まれ、1日の摂取推奨量を大幅に超えています。ただ「毎日、毎食」といった食べ方さえしなければ、すぐに健康障害が出る心配はありません。

レバーや魚にも体の必要な栄養素が含まれているので、完全に避けるまでの必要はありません。妊娠中期に入るまでは、βカロテンでのビタミンA補給を中心に心がけましょう。

妊婦の食事はバランス良く、準備が難しい時はサプリメントも

「妊産婦のための食事バランスガイド」では、妊産婦と赤ちゃんの健康なからだづくりのために次のような食生活を推奨しています。

妊産婦のためのバランスガイド
  • 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
  • 不足しがちなビタミンミネラルを「副菜」でたっぷりと
  • からだづくりの基礎となる「主食」は適量を
  • 牛乳・乳製品など多様な食品を組み合わせて、カルシウムを十分に
  • たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
  • 妊娠前から、健康なからだづくりを
  • 母乳育児も、バランスの良い食事のなかで

食事バランスガイドは、栄養バランスの良い食事をとるには何をどれくらい食べたら良いのかを「コマ」のバランスで分かりやすく表現した栄養教育教材です。

妊婦さんが完璧な食生活を指すのはとても大変で、医師や管理栄養士など専門家の指導を受けながらキッチリ栄養計算をすることが必要になってしまいます。

特に食事療法の必要がない妊婦さんは、バランスガイドを参考に充実した食生活を心がけると良いですよ。

バランスガイドでは、妊娠初期の女性に葉酸の栄養機能食品を併用することも推奨しています。

つわりやライフスタイルの都合で栄養の摂取量が不足しそうな時は、信頼おけるメーカーのサプリメントを上手に併用しましょう。

例えば、バイエル薬品株式会社の「エレビット」というサプリメントは、葉酸、カルシウム、鉄をはじめ妊婦さんに必要な栄養素がバランス良く配合され、おすすめです。剰摂取が気になるビタミンAもβカロテンの形で配合され安心して利用できます。

お母さんが規則正しい食生活を心がければ、お腹の赤ちゃんも喜び、10ヶ月間のマタニティライフもより充実した期間に導かれます。栄養バランスはもちろん、食事を楽しむことも忘れないでくださいね。

キャラクター紹介
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