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お腹の赤ちゃんのために妊娠中にしっかり摂取したい栄養素と食べ物

お腹の中の赤ちゃんは、自分で物を食べることができないので胎盤とへその緒を通してお母さんから栄養をもらいながら育ちます。

健康な赤ちゃんを産むためには、お母さんが食事から栄養をしっかりとることが大切です。

妊娠中はほとんどの栄養素を多めにとる必要が出てくるのですが、その中でも赤ちゃんの体を作るため不足してはいけない重要な栄養素がいくつかあります。この記事では、胎児の発育に重要な栄養素について説明していきたいと思います。

妊娠中は赤ちゃんの体を作る栄養素が必要!実際にはどんなものがあるの?

妊娠すると、女性は自分の体に必要な栄養にプラスして赤ちゃんの体を作るための栄養も必要になります。

赤ちゃんは、へその緒でつながっている胎盤を通してお母さんの血液から栄養をもらうので、お母さんは赤ちゃんに送る血液がたくさん必要になります。また、その血液を作る栄養も必要になります。

お母さんは、赤ちゃんを10ヶ月間保護し母子とも健康に分娩の日を迎えるために、自身の体調を整える栄養もしっかりとっておかなければなりません。

妊娠すると体に必要な栄養素はどのように変わるのでしょうか。

私達の体に必要な栄養素(必須栄養素)は46種類あり、そのうちの33種類は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によって1日の摂取推奨量が設定されています。この数値は、私達が健康のために食事の栄養バランスを調整する目安になります。

「日本人の食事摂取基準」では、妊婦・授乳婦に対し、赤ちゃんの発育に必要な栄養を確保するため、脂質・炭水化物・飽和脂肪酸・食物繊維・ナトリウム・カルシウムを除くほとんどの必須栄養素を妊娠前より多く摂取するよう推奨しています。

妊婦向けに設定されている食事摂取基準の特徴は、エネルギー源となる炭水化物や脂質の摂取量は妊娠前と同じで、体を作るたんぱく質と体の調子を整えるビタミン・ミネラルはしっかり摂取するところです。

特にビタミンやミネラルは、受胎後から胎児の脳・神経や骨、血液など重要な機能の形成に関わるため、赤ちゃんの形がはっきり確認できない初期の段階でも不足しないよう摂取しておく必要があります。

その中でも特に胎児の体の形成に欠かせないのは、次に挙げる栄養素です。

  • カルシウム
  • 葉酸
  • 亜鉛

お母さんの食事に栄養が不足している場合、赤ちゃんはどのような影響を受けるのでしょう。

もしも栄養が欠乏すると、赤ちゃんに発育不良や先天異常が起こりやすくなり、重篤な場合は流産や死産になる確率が高くなってしまいます。

ただ、お母さんが食品からとった栄養は赤ちゃんの体に優先して送られるので、つわりなどで一時的に食生活が少し不安定になった程度ならば、すぐに赤ちゃんが発育不良に陥る心配はありません。

その代わり、栄養不足があるとお母さんのほうが犠牲になって体調を崩しやすくなります。栄養が大きく不足すると、妊娠時特有の病気(妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・子癇前症など)や流産・早産・異常分娩のリスクも高くなってしまいます。

栄養の偏った食生活が長く続くのは好ましくありません。お母さんの体が健康でなければ赤ちゃんもすくすくと育つことができないので、妊娠したら、ご自分のため、お腹の赤ちゃんのため、栄養と愛情たっぷりの食事をとるようにしてくださいね。

次に赤ちゃんの発育に特に重要な4つの栄養素について説明していきます。

赤ちゃんに栄養を送る血液にはたくさんの鉄が必要

鉄は、貧血を予防することでよく知られているように血液を作るために欠かせない栄養素です。妊娠中は、お母さんの血液を増やすためにたくさんの鉄が必要になります。

しかし鉄は不足しやすく、女性の6割、妊婦の約3割は鉄が不足しているといわれています。

鉄の効能
鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンを作ります。ヘモグロビンは酸素を細胞へ送り届け、体の組織を作る細胞ひとつひとつを活性化します。すると体には次のような作用がもたらされます。

  • 成長を促進させる
  • 各器官をスムーズに機能させる
  • 免疫力を高める
  • 体温を保つ

赤ちゃんの成長に鉄が必要な理由

妊娠すると、赤ちゃんの体に貯蔵するための鉄と、赤ちゃんの体を送る血液を増やすための鉄が必要になります。

また妊娠後期からは、分娩に備えて体に鉄を貯蔵しておかなければなりません。

  • 赤ちゃんの体に必要な鉄を摂取する
  • お母さんの鉄欠乏性貧血を防ぐ
  • 微弱陣痛を防ぐ
  • 分娩時の出血に備え鉄を貯蔵しておく

妊娠中に必要な鉄の量

日本人の食事摂取基準では、妊婦の鉄摂取量を次のように推奨しています。

鉄の摂取推奨量(mg/日)

女性
(15歳以上で月経がある人)
10.5
 妊娠初期 12.5(+2.5)
妊娠中期・後期 25.5(+15.0)

妊娠中期・後期になると、妊娠前の2倍以上もの鉄が必要になるのですが、多くの女性は鉄をしっかり摂取することができていません。

厚生労働省の「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、成人女性の1日の鉄摂取量は平均して7.6mg と、摂取推奨量より約3mgも不足していることが分かります。

女性は、かなり意識して食生活を改善しなければ、どうしても鉄不足に陥りやすくなります。妊娠が分かったら鉄の多い食品をどんどん食べるようにしましょう。

もしも妊娠中に鉄が不足すると

妊娠して血液が増えても鉄の摂取量が妊娠前と変わらなければ、血液の水分だけ増えてヘモグロビンはほとんど増えないので、血液中のヘモグロビンの濃度が低い状態になってしまいます。

ヘモグロビンの濃度が低いと血液の循環量に対して酸素の運搬量が不足するため、お母さんの体が酸欠状態となり、倦怠感、めまい、息切れなどの貧血症状が起こりやすくなります。

鉄は赤ちゃんに優先して送られ、お母さんが軽い鉄不足なら赤ちゃんの発育に影響する心配はありません。しかし重度の貧血になると、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を送ることができなくなり、低体重児や早産のリスクが高まってしまいます。

また、鉄欠乏性貧血のまま分娩を迎えると、さまざまなトラブルが起こりやすくなり母子に大きな負担がかかる可能性も生じます。

鉄が欠乏していると微弱陣痛が起こりやすくなり、分娩が長引いて吸引分娩や帝王切開の措置をとる確率が高くなります。

また、赤血球が不足しているために分娩時の出血が止まりにくくなったり、免疫力が低下して敗血症にかかったりして、時にはお母さんの命に関わるほど分娩が重くなってしまう可能性もあります。

赤ちゃんに必要な鉄をしっかり補給するには

鉄は、これらの食品に豊富に含まれています。

食品名(1食分) 鉄の含有量
(mg)
鶏レバー 40g 5.2
豚レバー 50g 4.5
がんもどき大 1個 3.6
ひじき 5g 2.8
輸入牛肉ひれ 100g 2.8
豆乳 200ml 2.4
あさり 50g 1.5
納豆 1パック 1.3
卵黄 1個 1.2
こまつな 50g 1.1
ごま 大さじ1(7g) 0.7
ミルクココア 1杯分20g 0.6
レーズン 20g 0.5
黒砂糖 小さじ1(6g) 0.3

鉄は、動物の内臓(レバーなどのホルモン)や魚介類をはじめ動物性食品に多く含まれています。特に血液が多く必要になる妊娠後期は、レバーから鉄を効率良く補給するのがおすすめです。

ただし、後期に入るまではレバーの食べ過ぎに注意してください。レバーに豊富に含まれる動物性のビタミンA「レチノール」は、妊娠初期・中期に大量摂取すると胎児の奇形のリスクを高めてしまうためです。

妊娠初期・中期にレチノールの過剰摂取を防ぐためには、動物性食品・植物性食品から少しずつ鉄を補給していくことをおすすめします。

植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」より吸収されにくいので、鉄の吸収を促進するビタミンCと一緒に摂取することをおすすめします。ビタミンCは柑橘類、ピーマン、ブロッコリー、いちごなどに多く含まれます。

血液検査で貧血が見つかった場合は、病院で処方された鉄剤を服用します。サプリメントはなるべく使わず、食事から鉄を摂取するのが安心です。

母子ともに健康に出産の日を迎えるにはお母さんの体にしっかり鉄を補給することが大切だということを覚えておきましょう。

赤ちゃんの骨や歯を丈夫にするカルシウム

カルシウムは、骨や歯を丈夫にすることでおなじみのミネラルです。体内に存在するカルシウムの98%は骨と歯に含まれています。

カルシウムの効能
カルシウムは骨や歯を作るほか、神経や筋肉の動きを調整する作用もあります。

  • 骨や歯を丈夫にする
  • 筋肉をスムーズに収縮させる
  • 止血しやすくする

赤ちゃんの成長にカルシウムが必要な理由

カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を形成するために必要不可欠です。

妊娠初期から赤ちゃんの骨や歯にカルシウムが蓄積し始め、生まれるまでにお母さんから30gくらいのカルシウムをもらいます。

またカルシウムをしっかり補給することは、早産のリスクを高める「妊娠高血圧症候群」や妊婦の痙攣・脳出血を起こす危険な「子癇」から母子の健康を守ることになります。

妊娠中に必要なカルシウムの量

食事摂取基準では、妊婦のカルシウム摂取量を次のように推奨しています。

カルシウムの摂取推奨量(mg/日)

女性(15歳以上) 650
妊婦 650(+0)

赤ちゃんの成長のためにはたくさんのカルシウムが必要なのですが、妊娠してもカルシウムの摂取推奨量は非妊娠時と同じ650mgです。

これは、妊娠すると腸管からカルシウムが収集されやすくなり、妊娠前と同じ量のカルシウムを摂取していても赤ちゃんにカルシウムが行き届きやすくなるためです。

ただし「妊娠前と同じ摂取量で良い」というのはカルシウムが十分に摂取できている場合の話です。

カルシウムは不足しやすい栄養素で、日本人のカルシウム摂取量は1970年代から常に不足している状態が続いています。

「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、成人女性の1日のカルシウム摂取量は平均して506mg と、摂取推奨量より約140mgも不足していることが分かります。しかも妊娠適齢期の20~30代は約430mgしか摂取できていません。

もしも妊娠中にカルシウムが不足すると

赤ちゃんは、胎盤を通してお母さんの血液中のカルシウムを受け取って成長していきます。もし赤ちゃんに必要なカルシウムが欠乏すると、赤ちゃんの骨格や歯といった体の基礎が形成されなくなってしまいます。

カルシウムが不足するとお母さんの血圧が上昇しやすくなり、さらに高血圧とたんぱく尿で起こる「子癇前症(子癇の前駆症状)」のリスクも高めてしまいます。

またカルシウム不足だと分娩時に子宮の収縮が弱くなってしまい、陣痛が不規則になってお産に時間がかかるようになるので、母子に大きな負担がかかりやすくなってしまいます。

赤ちゃんに必要なカルシウムをしっかり補給するには

カルシウム不足にならないよう、カルシウムの多い食品を積極的に食事へ取り入れましょう。出産後は母乳を作る重要な栄養素にもなります。

カルシウムは、これらの食品に豊富に含まれています。

食品名 カルシウム含有量
(mg)
干しえび 5g 355
さば水煮缶 100g 260
普通牛乳/低脂肪乳 200ml 227/268
脱脂粉乳 大さじ4杯(20g) 220
モロヘイヤ 50g 130
プロセスチーズ 1個(20g) 125
木綿豆腐 1/3丁(100g) 120
ヨーグルト(100g) 120
凍り豆腐 1枚(17g) 112
ししゃも 1匹 105
水菜 50g 100
ごま 大さじ1(7g) 84
こまつな 50g 75

カルシウムが効率良く摂取できるのは乳製品です。ただ、妊娠中に牛乳の摂取を控えることは生まれてくる赤ちゃんの牛乳アレルギーの予防につながるといわれているので、乳製品・野菜・豆類など幅広い食品から少しずつカルシウムを摂取するのがおすすめです。

乳製品を摂取する場合は、脱脂粉乳(スキムミルク)や低脂肪乳を利用すると、カロリーや脂質を控えることもできます。

カルシウムで骨や歯を丈夫にするには、ビタミンD、マグネシウムも必要です。ビタミンDは、鮭、いわし、さばなどの魚やきのこ類に、マグネシウムは貝類や大豆製品に多く含まれています。

またカルシウムは乳酸菌と一緒に摂取すると吸収されやすいので、乳製品をとるならヨーグルトを食べるのがおすすめです。

カルシウムは大きな不足が起こりやすいことを意識し、妊娠中は食事からしっかりカルシウムが摂取できるように心がけましょう。

妊娠前・妊娠初期にしっかり摂取しておきたい葉酸

葉酸(プテロイルグルタミン酸)はビタミンBの一種で、特に妊娠初期には赤ちゃんの発育に重要な役割を持つ栄養素です。

葉酸の効能
葉酸はたんぱく質の合成に関与して細胞分裂を促進させることで、体に次のような作用をもたらします。

  • 子どもの体を成長させる
  • 血液を作る
  • 胎児の体を形成する

赤ちゃんの成長に葉酸が必要な理由

葉酸は細胞の増殖を促進させるので、成長がめざましい赤ちゃんや子どもには十分な葉酸が必要です。

また葉酸は、口唇・口蓋裂、先天性心臓疾患、神経管閉鎖障害(二分脊椎・無脳症)などの先天異常が生じるリスクを下げることが分かっています。

特に、妊娠4~5週頃に起こりうる先天異常「神経管閉鎖障害」のリスクを下げるはたらきがあり、女性はこの時期に葉酸を十分に摂取することが強く推奨されています。

神経管閉鎖障害とは、脳・脊椎など中枢神経のもとになる「神経管」に起こる障害のことです。

神経管は受胎後28日頃に完成しますが、それまでに神経管が完全に閉鎖しないと、流産や死産のリスクが高い無脳症、生後に下肢障害や排泄障害を伴う二分脊椎を発症してしまいます。

生まれた赤ちゃんに神経管閉鎖障害の見つかる確率は1万人に6人くらいとそれほど高くはないのですが重篤な障害になりやすいため、妊娠の可能性がある人は神経管閉鎖障害の予防を意識することがのぞまれます。

妊娠中に必要な葉酸の量

食事摂取基準では、女性の葉酸摂取量を次のように推奨しています。

葉酸の摂取推奨量(mg/日)

女性
(18歳以上)
240
妊娠を計画している女性
妊娠の可能性がある女性
(18歳以上)
240+加工食品から400
妊婦 480(+240)

妊娠の予定がある女性は、胎児の先天異常を予防するために妊娠の1か月前から妊娠3ヶ月頃まで葉酸を通常より多く摂取しておくことが推奨されています。

その際には、食べ物に含まれる食事性葉酸(プテロイルグルタミン酸)240μgに加え、工業的に製造されている「プテロイルモノグルタミン酸」を加工食品から400μg摂取するのが良いと言われています。

妊娠が分からない時点での葉酸摂取が推奨される理由は、胎児の先天異常が起こりやすい妊娠4~5週目というのはまだ妊娠に気付かない人が多い時期だからです。

また食事性葉酸ではなくサプリメントなどから葉酸を付加することが推奨されるのは、プテロイルモノグルミン酸400μgは食事性葉酸800μgに相当し、食事性葉酸だけで800μgもの葉酸をまかなうことが難しいと考えられるためです。

一方、妊娠中にサプリメントを利用することは必ずしも安全とは言い切れず、添加物の作用や栄養素の過剰摂取による胎児の健康被害も懸念されているので、加工食品に頼り過ぎるのもあまり良いことではありません。

独立行政法人国民生活センターの発表では、「妊娠後30~34 週に葉酸のサプリメント(1mg のプテロイルモノグルタミン酸)を飲むと、子供が 3.5 歳の時点で喘息を発症するリスクが約1.3 倍高くなった」という報告もあります。

また国立健康・栄養研究所 情報センターによると、最近の研究結果により、錠剤やカプセルのようなサプリメントで葉酸を摂取することが胎児になんらかの影響を及ぼす可能性も示唆されています。

ただし、通常の食事、葉酸が強化された食品から摂取すれば、そのような心配はありません。

葉酸をしっかり摂取することが第一の目的ですが、やはり赤ちゃんのためには、食事から天然の葉酸を摂取したほうが安心といえるかもしれません。

もしも妊娠中に葉酸が不足すると

妊娠中に葉酸が不足すると、お母さんの体で赤血球の数が減ってしまう「巨赤芽球性貧血」が起こりやすくなってしまいます。

神経管閉鎖障害などの先天異常は、遺伝などさまざまな要因が複合して起こるため、食生活だけが原因で発生するとは限りませが、赤ちゃんの細胞分裂が活発な妊娠初期に葉酸が欠乏してしまうと、先天異常の発生リスクも高くなる可能性があります。

赤ちゃんに必要な葉酸をしっかり補給するには

葉酸は身近な植物性食品・動物性食品に幅広く含まれているので、通常の食生活をとっていればあまり不足することはありません。

「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、成人女性の1日の葉酸摂取量は平均して299μg と、摂取推奨量の240μgに達することができています。

ただし妊娠中は妊娠前の2倍の葉酸が必要になるので、葉酸が豊富な食品を意識して食事に取り入れ、食事で葉酸を不足なく摂取することが難しいようであれば、補助的にサプリメントを利用していくのが良いでしょう。

葉酸は、次に挙げる食品に豊富に含まれています。

食品名 葉酸の含有量
(μg)
鶏レバー 40g 520
えだまめ さや付き100g 260
モロヘイヤ 50g 125
アスパラガス 3本(60g) 108
ほうれんそう 50g 105
ブロッコリー 1/5個(g) 94
さつまいも 1/2本(150g) 71
いちご 5個70g 63
焼き海苔 1枚分(3g) 57
豆乳 200ml 56
ホタテ貝柱 3個60g 49
納豆 1パック 48
アボカド 1/2個(50g) 42
卵黄 1個 28

葉酸は緑黄色野菜と果物に多く含まれています。毎回の食事に緑黄色野菜をふんだんに取り入れ、食後のデザートや間食には果物を積極的に食べるようにすると、無理なく葉酸を摂取していくことができます。

葉酸が最も多く含まれる食品はレバーですが、レバーはレチノールが大量に含まれるので妊娠初期には食べ過ぎないようにしましょう。

葉酸は時間の経過や調理によって損失しやすいので、新鮮なものや生食できるものを選ぶのがおすすめです。サラダや果物がおすすめです。

また、葉酸の吸収率を高めるビタミンC、ビタミンB12を一緒に摂取するのが効果的です。ビタミンB12は貝類、魚、レバーに多く含まれています。

サプリメントに含まれるプテロイルモノグルタミン酸は過剰症を起こす可能性があるため、耐用上限量が1,000μg/日と設定されています。サプリメントは葉酸の含有量を確認し、飲み過ぎないように注意しましょう。

一方、食事性葉酸は過剰摂取の心配がなく安心して摂取することができます。

葉酸が多く含まれる緑黄色野菜や果物は、妊娠中に必要なビタミンや便秘・高血圧・糖尿病を防ぐ食物繊維も豊富に含まれているので、積極的に食べましょう。葉酸のサプリメントも上手に活用してください。

胎児の細胞分裂を促進させる亜鉛

亜鉛は、あらゆる細胞の新陳代謝を促進させる栄養素です。

亜鉛の効能
亜鉛は、体内に存在する200種類以上の酵素の材料になります。酵素のはたらきを促進させることで、さまざまな機能がスムーズにはたらきます。亜鉛は体に次のような作用をもたらしています。

  • 成長を促進させる
  • 骨を丈夫にする
  • ホルモンの分泌を促進させる
  • 舌にある味蕾を発達させ、味覚を正常に保つ

赤ちゃんの成長に亜鉛が必要な理由

亜鉛は細胞分裂に必要な栄養素で、胎児は細胞がめざましいスピードで増殖していくので、妊娠中はそれだけ多くの亜鉛が必要になります。

また赤ちゃんの免疫力を高め、生まれてから病気やアレルギーになりにくい体にする作用もあります。

妊娠中に必要な亜鉛の量

食事摂取基準では、妊婦の亜鉛摂取量を次のように推奨しています。

亜鉛の摂取推奨量(mg/日)

女性
(12~69歳)
8
妊婦 10(+2)

もしも妊娠中に亜鉛が不足すると

妊娠中に亜鉛が欠乏すると細胞分裂がスムーズに行われず、赤ちゃんの発育不良や先天異常を起こすリスクが高くなってしまいます。

赤ちゃんに必要な亜鉛をしっかり補給するには

亜鉛は、通常の食生活から比較的摂取しやすいミネラルです。

「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、成人女性の1日の亜鉛摂取量は平均して7.3mgと、摂取推奨量を少し下回るものの、多くの人はおおむね摂取することができています。

ただし妊娠中は体内で亜鉛を消費しやすくなるので、不足が起こらないように意識して亜鉛を摂取する必要があります。

亜鉛は、次に挙げる食品に豊富に含まれています。

食品名 葉酸の含有量
(mg)
牡蠣 3個(60g) 7.9
牛肉(肩)100g 4.9
牛肉(もも)100g 4.2
豚レバー 40g 2.8
とうもろこし 1本分の実(175g) 1.8
スパゲティ(乾麺)100g 1.5
鶏レバー 40g 1.3
胚芽ごはん 茶碗1杯(140g) 1.0
凍り豆腐 1個(17g) 0.9
牛乳(普通・低脂肪乳)200ml 0.8
いわし(焼)1尾の可食部(50g) 0.8
えだまめ さや付き100g 0.7
プロセスチーズ 1個(20g) 0.6
ごま 大さじ1(7g) 0.4

牡蠣は亜鉛の含有量が豊富で、牡蠣を4個食べただけでも妊娠中に必要な10mgの亜鉛を簡単に摂取することができます。旬の冬には、食中毒に注意してしっかり加熱してから牡蠣料理を楽しみましょう。

亜鉛の吸収率を高めるビタミンCやクエン酸と一緒に摂取するのが効果的です。カフェインやタンニンは亜鉛の吸収を阻害するので、コーヒーや緑茶と一緒に摂取するのは控えましょう。

亜鉛の多い食品は、ビタミンCやクエン酸が多く含まれるのはかんきつ類と一緒に食べるのがおすすめ。料理にレモンを添えたり、食後にオレンジを食べるのも良いですね。

お子さんの未来のため栄養に配慮した献立作りを心がけましょう

新しい命が胎内に芽生えてから赤ちゃんの誕生までの10ヶ月間、赤ちゃんとお母さんの体には急スピードで目まぐるしい変化が起こります。この変化に対応するためには、体のもととなる栄養が十分に必要です。

好き嫌いが多いと、どうしても栄養バランスが崩れやすくなってしまいます。どなたも多少は苦手な食べ物があると思いますが、妊娠を機に「赤ちゃんのためだ、よーし頑張るぞ!」という気持ちで苦手を克服してみるのも良いかもしれませんね。

また、妊娠中はへその緒を通して赤ちゃんに栄養を送っていましたが、分娩後は母乳から、離乳後はお母さんの作る料理から、と形を変えながらずっと赤ちゃんに栄養を与え続けていくことになります。

妊娠されたら、それぞれの食材・含まれる栄養素が持つ大切な役割に目を向け、お子さんの未来のため栄養バランスの良い献立作りを心がけていただきたいと思います。

※各栄養素の摂取推奨量・食品に含まれる栄養素の含有量の各データの参照元
鉄の食事摂取基準(mg/日)| 日本人の食事摂取基準(2015年)
日本食品標準成分表2015年版(七訂)| 文部科学省

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