健康生活TOP 姿勢・身体のゆがみ 【専門家直伝】ストレートネックを改善するストレッチ【写真付き】

【専門家直伝】ストレートネックを改善するストレッチ【写真付き】

ストレートネックという言葉を最近ネットでも見かけるようになりましたが、医学文献でも以前から論文として多数の報告があります。

首の研究は他の身体の関節に比べると報告の数は少ないのですが、海外では特にオーストラリアの方で専門的な研究が進んでおり、痛みとの関連や関節の動きに関して詳しく知られています。

首の正常な弯曲を維持するのは首の前後にあるインナーマッスル

首は身体の中でも非常に重い頭の重みを支える関節なので、ここが弱くなることで肩こりや頭痛の原因にもなりやすいです。また、交通事故後などむち打ち症状とも関係が深いので、重症にならないように知識を持つことは大切です。

首のまっすぐの位置というのはいまだに医学的には確立されていませんが、弯曲に関する研究は行われており、様々なことが報告されています。

背骨の首の部分を「頸椎」と言いますが、この2番目の頸椎の後ろにある筋肉を手術ではぎ取ってしまうと弯曲が少なくなったという報告があります。

▼頸椎の位置(C1~7)
人体の脊柱の位置と番号

首の後ろ側にある深い部分についている筋肉(インナーマッスル)が、首の後ろへ反っているカーブを作るのに適した作りになっています。この筋肉は「頸半棘筋」といって縦にバンド上に頸椎の関節の突起をつないでいます。

▼頸半棘筋頸半棘筋の位置と形状を表すイラスト

この後ろ側にある筋肉と、前側にある筋肉が一緒に働くことで首のカーブを中間の位置に安定させています。

前側にある筋肉にもインナーマッスルがいくつかあり、この筋肉は頸椎のカーブが強くなりすぎる(反り過ぎる)ことを防いでいます。

実際に、この前側にある筋肉の断面積(太さ)が小さいほど、首のカーブの角度が強くなっていた(反っていた)という研究報告があります。

ストレートネックになると首の骨や椎間板の圧迫力が強くなる

首のカーブが理想的な角度の場合は、首にかかる負担が前後にちょうどよく分散します。ところが、カーブが少ないストレートネックになると頸椎の前側にある骨の部分と骨の間にある椎間板に圧迫力が強くかかります。

また、ストレートネックでは首の後ろ側にある部分には引き伸ばされる負担がかかります。

頸椎は後ろ側に関節があり、カーブが強くなっていると逆にこの関節面に圧迫が強くかかります。このような負担のかかり方の偏りが、実際に座った姿勢によっては生じてしまうと言われています。

頭痛や肩の痛み、関節・椎間板・靭帯・筋肉などの関連痛かもしれません

頭痛や肩こりといった症状はストレートネックが原因かもしれないと考えている方は、原因は頸椎の関節や椎間板、靭帯、筋肉などの障害による「関連痛」が原因かもしれません。

頸椎の上から3番目までに障害がある場合は頭へ、5番目から頸椎の一番下までの障害は腕へ関連痛という痛みが生じることがあると医学的には報告されています。

首の痛みと、首の姿勢の違いに関係があるかということは、医学的には関係があるという報告もあり、一方で無いという報告もあります。

また、表面的に見た首の姿勢と、実際にレントゲンを撮って見た姿勢には違いがあったという報告もあります。首の状態や痛みが気になっている方は、整形外科で診察を受けてきちんと調べてもらうことをおすすめします。

ストレートネックの原因、交通事故後は特に要注意

京都大学とダイハツとの共同研究で行われた実験では、時速5.7kmの追突で首の前後の靭帯に引っ張られる力が働いていたことが明らかになっています。

交通事故のむち打ちの場合、このような靭帯だけではなく筋肉にも異常が発生することが報告されています。

むち打ちの患者さんの首のMRIを撮った海外の研究では、首の後ろ側の筋肉に脂肪が入り込んでしまったり、筋肉の太さも小さくなったりしてしまうことも確認されています。

先に解説した首のカーブを保つための筋肉に異常が生じることでストレートネックの原因となることが考えられます。追突事故で首の異常を感じた方は特に専門的な治療が必要と思われるので専門医療機関での治療をおすすめします。

止まった姿勢だけではなくまずは全体の動きの硬さを見てみましょう

ストレートネックの特徴は止まった姿勢で頸椎のカーブが少ないだけではなく、うなずいたり頭を倒して首をそらしたりした時の動きが硬いということもポイントです。

うなずく動きでは、頭の動きと首の動きを別々に見てみると、頭の動きだけでうなずき動作が出来るかがポイントになります。

この動きが出来ない場合、首のカーブに関わる首の前の筋肉が働いていないか、後の筋肉の硬さがあるかなどの原因を疑います。

頭を後ろに倒して首を反らす動きをした場合に、動きが不十分で、首に痛みが出るという場合は、首を反らせないことが理由でストレートネックになっている可能性があります。

この動きの問題は首の前側のインナーマッスルや関節の動きの悪さの原因を疑います。

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首だけではなく背骨全体のストレートを矯正、筋力と弯曲を改善

頸椎の動きはその下にある背中の部分の「胸椎」という背骨の影響を受けます。首の土台となる部分なので、胸椎が前に傾いていると首も前に傾いてしまいます。

いまはどちらかというと猫背姿勢になりやすい方が多いので、胸椎が前に傾くパターンを解説します。

胸椎が前に傾くというのは簡単に言うと猫背で背中が丸まっているという姿勢の事です。この姿勢では、首の下の方が丸くなり、上の方が反った形になり、頭が前に出た姿勢になります。

このような姿勢は、例えばパソコン画面に顔を近づけるように、頭を前に無意識的に出してしまっているときに起こります。これを猫背姿勢とは分けて「頭位前方位姿勢」と医学的には言います。

解剖学的にはこの姿勢で頭蓋骨と頸椎の一番上の骨をつなぐ関節と、その下の関節は最大まで後ろに反った形になることが確認されています。逆に、頸椎の下の方の関節は最大まで曲がった形になります。

このように、首の関節というのは全部で7つの骨がつながっているので、上の方と下の方でそれぞれ逆の動きをするので単純にストレート(まっすぐ)なのではありません。

その為、あなたが何の症状で困っているのか、それを改善する為にはどこの関節の動きを大きくしたり、筋力を付けたりすればよいのかを個別に考える必要があります。

また、何もしていない時の姿勢は問題なくても、何かをしているときに痛みの原因となる姿勢になっていることを改善することの方がもっと大切な場合もあります。

首の正常な弯曲を作るにはまず骨盤から意識してみましょう

このような背骨全体の姿勢を改善するにはどうしたら良いでしょうか?まずは骨盤の位置から気にしてみる事をお勧めします。

骨盤が後ろに傾いて、背骨が乗っている土台の部分が後ろに傾いていると、そこから伸びる腰の骨も後ろに傾きます。

その状態のまままっすぐ背骨が伸びていると上半身が後ろに倒れてしまいますから、人間は無意識にバランスをとるために背骨を曲げて頭の位置を前に持っていこうとします。

そのために猫背姿勢になり、先に述べたような姿勢になってしまいます。

骨盤をまずはまっすぐにおこして、出来れば前に倒すように意識すると、腰の骨が本来の弯曲である反った状態になり、背中の部分の背骨は曲がる弯曲になり、それに合わせて首が反ったカーブとなります。

これが、いわゆる背骨のS字弯曲です。しかし、中にはカーブが全て少なく、全体的にまっすぐになっている姿勢のタイプの人もいます。例えば腰と背中の背骨がまっすぐで首だけが反っているカーブになると、常に顔が上を向いてしまいます。

腰や背中の部分の弯曲が少ない場合は、首のカーブもあわせて少なくなります。腰の弯曲が少ない場合も、背中だけを丸くすると上半身が前に倒れて首を持ち上げる姿勢になるので不自然です。

このように背骨の弯曲は他の部分からの影響を受けるので、首の弯曲が少ないストレートネックの姿勢は背骨全体的に見ても弯曲が少ない姿勢になります。このような姿勢をフラットバックと言います。

背骨全体の弯曲を支えるための腹筋・背筋を強化する

背骨のひとつひとつは靭帯でもそれぞれが繋がっていますが、それだけではなく筋肉でも背骨が曲がらないように支えています。例えば、背中を丸くする姿勢では背筋が働き、腰を反らす姿勢では腹筋が働きます。

もし、これらの腹筋・背筋が働かなければ身体はそのまま倒れてしまいます。そのため、弯曲できるだけの柔軟性があったとしても、筋力が無ければ普段の生活で弯曲するような姿勢を取らないようにヒトは無意識的に姿勢を変えてしまいます。

例えば交通事故で首の筋肉が弱くなることや歳を取って腹筋や背筋が弱くなることによって、弯曲が支えられない身体になってしまいストレートネックやフラットバックにならざるを得ないという場合もあります。

首の弯曲を改善するための下準備として、背骨全体で弯曲の少ない方は腹筋・背筋のトレーニングを行ったり腰や背中のストレッチを行ったりして土台となる部分の弯曲が出来るようにすることも大切です。

猫背姿勢のストレートネック改善&首の前後方向の柔軟性改善ストレッチ

いわゆる猫背姿勢の改善には、まず頸椎の下の方の反るカーブを作ることが必要です。背中の部分の胸椎が曲がって丸くなるカーブをしていると、その状態から首がまえに倒れている状態になるので、胸を張るような形に修正していきます。

首の下の方の反る動きをだすには、その部分の関節を支点にして後ろに頭を倒す動きを行います。

首の弯曲を作る、頸椎の関節の動きを改善するバスタオルを使った体操

首の後ろへの動きを出すための自分で出来るストレッチ法は、バスタオルを使って首の動かしたい部分に支点を作ります。

【バスタオルを使った首の柔軟運動】(10回1セットとして3セット)

① バスタオルを両手で端を持ち両手で外側へ引っ張りながら、マントを羽織るように中心の部分を首の一番下の部分に当てます。

② 両手を外側へ引きながらやや前方へ手を動かし、首の下の部分にタオルが押し付けられるようにしながら、首を後ろに倒します。

バスタオルを使った首の柔軟運動写真

③ 首を倒したらまた元の位置に戻し、くり返し後ろへ倒す動きを行います。

もし、この体操を行っているときに痛みがある場合は無理して行わないでください。繰り返し行うことでだんだんと首の動きが大きくなってくるかを感じながら行いましょう。

顎を引いた姿勢を作る、頭を抱えて下に倒す首の後ろの筋肉のストレッチ

猫背姿勢の場合、頸椎の下の部分は前に倒れて、そのままでは顔が下を向いてしまうのでバランスをとるように頸椎の上の部分は反る形になります。そのため、顎が前に出て顔を前に突き出した姿勢になります。

この姿勢を長く続けていると、首の上の部分の筋肉は短い状態が続くので短縮してきます。

そのため、顎を引く姿勢をとろうとしても首の後ろ側が硬くて突っ張るので行いづらくなってしまいます。このような状態を改善するために、首の後ろの筋肉をストレッチして顎を引いた良い姿勢をしやすくします。

【首の後ろの筋肉のストレッチ】(20~30秒を3セット、一日2~3回)

① 両手を頭の後ろに組みます。手は後頭部にある骨の出っ張りに下から引っかけるようにします。

② 顎を引きながら下を向くように頭を両手で下げて、両肘は内側にしぼるようにします。

首の後ろの筋肉のストレッチ写真

痛みやしびれが出る場合は無理をせず中止してください。ストレッチ後に顎を引く姿勢が楽に出来るようになったか確認してみましょう。

首の弯曲を支えるインナーマッスル、首の前側の筋肉のトレーニング

弯曲を作ることが出来たら、それを支える筋肉を付ける必要があります。首の前側にある筋肉が、首の反った弯曲を支える筋肉です。

この筋肉は顎を引く動きで使われて、うなずく動作を頭だけを動かして行う動作になります。あまり強い力を入れずに、軽い力を入れて長時間保持する機能があります。この筋肉を椎前筋といい、いくつかの細かい筋肉の総称です。

実際にこのトレーニングは海外で多く研究がおこなわれており、血圧計のような空気の入った袋を首の下に入れて、顎を引く運動をしてどのくらいの力で押しているのかを計測し、筋力を測ったりトレーニングの強さを決めたりしています。

首の痛みがある患者さんではこの椎前筋の筋力が低下していたり、交通事故のむち打ち後ではこの筋力が弱いままでは姿勢が治らなかったりということも報告されています。

日本ではよほど専門性のあるところでなければ筋力を測る器具を置いている所は少ないので、ここではタオルを使った簡単な方法を紹介します。

【椎前筋トレーニング】(10秒間力を入れた状態を保持して、5セットくり返す)

① 首の下にバスタオルを半分丸めて残り半分は伸ばし、丸めた部分が首の下、伸ばした部分が頭の下に来るように仰向けに寝る。両膝は曲げる。

② 指先で首の側面にある太い筋肉を触る。

③ 顎を引いて首の下のタオルを押しつぶすようにする。この時に指先で触れた首の表面の筋肉に力が入らないように行う。

このトレーニングでは、首の表面にある太い筋肉に力が入らないように注意します。

なぜこのようなことに気を付けるのかというと、首の表面の強い筋肉は頭蓋骨に付いている筋肉で、力を入れると頭を前に引き出して猫背姿勢にしてしまうからです。

首の表面の太い筋肉は、普段の姿勢を正しく保つために使われる筋肉ではなく、頭を動かしてある程度強い運動を行うための筋肉です。

そのため、なるべく太い筋肉ではなく、小さなインナーマッスルを使うようにすることが良い姿勢を作るために必要です。

ストレートネックの改善には首の柔軟性・筋力と背骨全体の姿勢を直しましょう

このように、ストレートネックには様々な原因があり、それぞれに対応した改善法を行うことが必要です。

首の痛みなどで困っている方はまずは医療機関を受診することをおすすめしますが、姿勢を改善したい方はタオルを使った簡単な方法で出来ることばかりなので、ぜひ試してみてください。

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