健康生活TOP パーキンソン病 パーキンソン病は投薬治療の他「脳に電極を埋める」手術が効果的

パーキンソン病は投薬治療の他「脳に電極を埋める」手術が効果的

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近年の日本の社会問題と言えば「少子化」と「超高齢化」の2つがあります。この2つの問題は互いに連携しており、社会の中に子供が少ないことが原因で高齢者の割合が増しているのです。

その中で特に問題視されているのが、高齢者特有の病気である「認知症」です。

ここでは認知症の種類の一つであるパーキンソン病について、様々な治療方法についてお話したいと思います。パーキンソン病は誰でもかかる可能性のある病気ですので、他人事、関係ないと思わずに是非ご一読ください。

認知症には種類がある!脳の障害が起こす認知症の数々

認知症のイメージは記憶障害や運動機能障害などですが、そのほとんどが脳に関する病気が原因となっています。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も発症数が多いのが「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症の特徴は脳細胞が萎縮してしまうことで、脳機能や身体機能が低下してしまいます。

原因は確定されていませんが、特殊なタンパク質が脳細胞に蓄積することで発症すると考えられています。

脳血管性認知症

症状はアルツハイマー型認知症と同じですが、原因が予め判明しているのが「脳血管性認知症」になります。脳血管性認知症は脳の血管に異常があり、脳細胞がダメージを受けることで発症します。

特に「脳梗塞」「脳出血」など脳血管疾患を発症した後に現れることが多く、いわゆる後遺症と考えても良いと思います。

脳の血管が詰まる(梗塞)ことで脳細胞に栄養や酸素が十分に運ぶことができなくなります。この結果、脳細胞が萎縮したり死滅したりして、脳機能の低下を招いてしまいます。

これが脳血管性認知症の原因とされています。

レビー小体型認知症

大脳皮質の神経細胞にレビー小体と呼ばれる構造変化が見られることが原因で、認知症が発症することを「レビー小体型認知症」と言います。

レビー小体型認知症は他の認知症と同じく、認知障害や運動機能障害が見られますが、大きな特徴として「幻覚」があります。

誰もいない部屋で子供をみたり、人の声を聞いたりするなどの症状が多く見られるようです。また壁の模様が虫や人の顔に見えたりするような症状も見られます。

パーキンソン病

脳神経における病気の中でも患者数が多いのが「パーキンソン病」です。パーキンソン病は脳内物質の低下によって起こる病気とされていますが、確定した原因は未だに解明されていません。

日本の高齢化社会において、パーキンソン病は年々増加傾向にあります。厚生労働省の調査では平成17年には約15万人の患者数がいますが、現在では20万人に近い発症者が推定されています。

パーキンソン病は誰にでも起こる可能性がある病気です。この病気の特徴と現在の治療法を紹介しましょう。

老人のイメージ=パーキンソン病!?パーキンソン病の4大症状

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皆さんは老人のイメージをどの様に思っていますか?見た目では「小さい」「シワのある皮膚」「薄毛や白髪」などが多いと思います。また「忘れっぽい」「動きがスロー」などの機能的な印象もあるかも知れません。

実はまさしくそれがパーキンソン病の症状なのです。

パーキンソン病はイギリスのパーキンソン医師によって発見された病気で、この医師の名前を取って命名されました。パーキンソン病の特徴は一般的な老人のイメージである、「手足のふるえ」や「ゆっくりしたスローな動き」になります。

パーキンソン病には4つの代表的な症状(4大症状)があります。代表的な症状を紹介しましょう。

振戦(しんせん)

振戦はいわゆる「ふるえ」の症状を表しており、筋肉の収縮、緩和が繰り返されることで手や足に震えが出ます。パーキンソン病の初期に現れる症状で最も多く、じっとしていても手だけが震えたりしてしまいます。

固縮(こしゅく)

筋肉がこわばって手足をスムーズに動かせなくなってしまいます。また肘や膝などの関節を動かすと「カクカク」とした抵抗感を感じることがあります。

固縮は徐々に進行することから本人が気付かないことも多く、家族がぎこちない歩き方や動作を見て発覚することが多いようです。

無動(むどう)

日常生活における動作が全て遅くなります。また感情も乏しくなり、「まばたきの回数減少」や「声が小さくなる」などの症状も出てきます。

例えば椅子から立とうとしてもワンテンポ遅くなってから動き出したり、シャツのボタンをかけたりできなくなる状況は無動に当てはまります。

姿勢反射障害

運動機能が低下したことで反射機能が正常に働かないのが「姿勢反射障害」です。これは普段の姿勢が維持できなくなることが原因で、歩く時も頭を前のめりにヨチヨチとした歩き方をしてしまいます。

ちょっとつまずいたりしただけで姿勢を崩してしまい、棒のように倒れてしまいます。倒れる時も防御の姿勢を取ることができないので、頭部へのダメージや骨折など大きな障害を受けてしまいます。

パーキンソン病から認知症に・・・50代からも発症するパーキンソン病

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パーキンソン病は認知症の一種であると扱われています。しかし正確にはパーキンソン病は認知症の一種と言うよりも、パーキンソン病の発症者が認知症になりやすいと考えた方が良いでしょう。

パーキンソン病は高齢者に多い病気ですが、実は50歳代から見られる病気です。一般的には50歳~60歳代での発症には認知障害は少なく、以降徐々に認知障害が増加する傾向にあります。

パーキンソン病の認知症リスクは高く、一般人と比較して5倍以上も発症しやすいとされています。そして加齢を重ねることで認知症は増加して、最終的にはほぼ全員のパーキンソン病患者が認知障害を発症させます。

パーキンソン病の原因と治療

パーキンソン病は脳内伝達物質の分泌が低下することで発症すると推定されていますが、その原因となる物質こそが「ドーパミン」です。ドーパミンは脳内伝達物質であり、運動機能調節や快感、意欲などに関わる働きを行います。

何らかの原因により中脳の黒質の細胞が減少してしまうと、このドーパミンの分泌が少なくなってしまい、脳の神経伝達系に乱れが生じてしまいます。これがパーキンソン病の発症に繋がるのです。

パーキンソン病の直接原因がドーパミンの不足であれば、その治療としてはドーパミンを補うことで症状は改善します。

しかし、ドーパミンをそのまま服用しても脳内には到達しないことから、現在ではドーパミンの分泌を促す薬や脳内でドーパミンを生成する薬が使用されています。

ドーパミン薬で問題も・・・

ドーパミンを補う薬で一定の改善は得られますが、中には

  • 薬の効果が低い
  • 副作用が強い
  • 長年の服用で薬の効果が低下した

などの問題が発生します。このように薬での治療に問題が見られる場合には、脳外科手術が有効な治療となることがあります。

電極を脳に埋め込む!「脳のペースメーカー」でパーキンソン病を緩和

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パーキンソン病の脳手術では「定位脳手術」と言って、震えを引き起こす脳細胞を特定し破壊するものが一般的でした。しかし効果の反面、副作用の問題もあり現在では「脳深部刺激療法(DBS)」が多く行われています。

電極を脳に埋めるDBS

皆さんは「ペースメーカー」をご存知でしょうか?ペースメーカーとは心臓の働きをアシストする医療機器で、心筋に電気刺激を与えることで心臓の収縮を促します。

実はDBSは「脳のペースメーカー」とも言える存在で、同じく電気刺激を脳に与えることで症状を抑えるのです。

仕組みもペースメーカーと同様に電極は脳の特定場所に埋め込み、本体(刺激装置)は胸の皮下に埋め込みます。直接脳に電気信号を送ることで、脳から手足に送る電気信号を調律させる作用があり、パーキンソン病の症状を緩和させるのです。

DBSはパーキンソン病を治す夢の治療法ではありませんが、以下のような効果が期待できます。

  • 効果の薄くなった薬が効果的になる
  • 薬の量を減らすことが可能
  • 副作用の減少
  • ドーパミンの必要量が少なくてすむ
  • 4大症状の緩和

DBSは治療開始時点に戻す

パーキンソン病の発症が見つかっても直ぐにDBSを行うことありません。4大症状が出ていなかったり、僅かであったりした場合にはまず薬での治療が優先されるでしょう。

しかし、何年も薬を服用していると当初効果的だった薬が効かなくなってしまうこともあります。対策として薬を変えたり、量を増やしたりすることで対応を行いますが、その裏では徐々にパーキンソン病が進行してしまうことも考えられます。

そしてDBSの適合となります。つまり、パーキンソン病の薬物療法に効果が見られなくなったタイミングで行われるのです。

DBSを実施することで少ないドーパミンでも症状が出にくくなりますので、効かなくなった薬も効果的になります。これはDBSの電気信号がドーパミンの働きを補っているためで、この作用により薬も少なくてすむようになるのです。

多くの医師がDBSの効果を「治療開始直後の状態に戻す」と表現しており、これは治療を開始した数年前の状態に戻ることができると言うことです。

「なーんだ!」なんて言っている人もいそうですが、大部分の患者は発症直後には不自由なく日常生活を送れていることから、これは画期的な効果であり通常の生活に戻れる可能性を示唆しているのです。

また、年々薬の効果が薄れていて、薬の量を増やしていた人には副作用を抱えている場合もあります。しかし、DBSを行うことで薬の量を減らすことができることから、副作用の軽減にも繋がることが指摘されています。

パーキンソン病はやっぱり早期発見が鍵!心当たりがあれば専門医へ

パーキンソン病は早期発見が重要な病気です。姿勢の変化や少しの震えなどは、なかなか自分では判別できないものかも知れません。また原因を単純に加齢のせいにすることもあるでしょう。

しかし、そうやって放置することでパーキンソン病は徐々に悪化してしまうことが考えられます。

現在では有効な薬物治療や今回紹介したDBSなど様々な治療法が確立されていますが、悪化してしまっては適合する治療法も少なくなってしまうのです。

DBSについても認知障害を発症した場合には適用外となるため、早期に発見して薬物療法によるコントロールを開始することが重要です。

もし自分の症状に心当たりのある場合には専門医での検査をオススメします。

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