健康生活TOP パーキンソン病 痛風の原因、尿酸値が男性のパーキンソン病のリスクを下げる

痛風の原因、尿酸値が男性のパーキンソン病のリスクを下げる

hand to support the old man

尿酸と言えば痛風、痛風と言えば尿酸と言うぐらい悪者扱いされている尿酸ですが、実は強力な抗酸化物質であることはこれまでにもご紹介してきました。

そして、この抗酸化作用が人の脳を保護する働きがあることもある程度報告がなされています。

このほど、アメリカのペンシルバニア州立大学とハーバード大学のグループがこのことを数値化して報告しました。はたしてその報告とはどのような結果だったのでしょうか。

今回は男性のパーキンソン病罹患のリスクと尿酸値の関係についてお話いたしましょう。

尿酸はビタミンCをはるかに上回る抗酸化物質か

よく尿酸の効果を示すのに、ビタミンCより強力であるということが言われます。実際、ビタミンCでは除去できない活性酸素は、活性酸素種の中で最も毒性が強いもので、尿酸はそれを除去できます。

しかし、ビタミンCも尿酸も、それだけでは全部の活性酸素を処理できないので、これを単純に比較するべきではありません。

ビタミンがなくても人間の身体は活性酸素を処理できる

活性酸素種の主なもの4つについては、ビタミンCとビタミンEの組み合わせで全部処理できます。あるいはビタミンEの代わりにβカロテンやフラボノイドでもビタミンCが処理できないものを処理することは可能です。

一方、食べ物などから摂らなくても、人間の体内で作られる老廃物である尿酸やビリルビン(黄疸の原因になる黄色い色素)、そしてカタラーゼなどに代表される酵素によって4種類の活性酸素は処理できるのです。

けがをしたときに消毒で使う過酸化水素水溶液(オキシドール)を傷口につけると泡が出ますよね。これは細胞に含まれるカタラーゼが、活性酸諸種の一つである過酸化水素を酸素と水に分解する働きによります。

では、抗酸化物質を食べ物から摂らなくていいのかと言うとそうではありません。体内の物質だけで処理できる量には限界があります。また、体内にある抗酸化酵素の中にはビタミンなどの抗酸化物質を補助として利用するものもあります。

そう言ったことからも、体内の処理システムが有効に働くよう、また何らかの事情で活性酸素が増えた時にも、それを一定レベル以下に抑え込めるよう、ビタミンCやE、カロテンやフラボノイドなどは接触的に摂るべきなのです。

適切な濃度の尿酸は体内で抗酸化物質として有効に働く

活性酸素は、体内で作られ始めるとそれを除去するシステムも動き始めます。そのことを利用した運動の方法をご紹介した記事もありますので参考になるでしょう。
【老化防止運動】活性酸素をうまく除去できる画期的な運動法

上のリンク先の記事では、活性酸素と抗酸化物質としての尿酸についても解説していますので参考にして下さい。こうした現象を見ると、ある程度の尿酸濃度はあった方が良いかもしれないと考えられますよね。

しかし、現在のところ腎臓の異常などで尿酸値が低くなりすぎることを拾い上げるために、下限値が設定されている場合もありますが、尿酸の効果を期待しての数値の設定はありません。

必ず体内で作られる尿酸ですから、痛風の原因だけじゃなく役に立ってくれる方が良いですよね!

パーキンソン病と言う病気はもはや珍しくない

パーキンソン病と言う神経難病があります。日本全体で10万人以上の患者さんがいると推定されている、神経変性疾患としてはかなり頻度の高い病気です。

同じ神経変性疾患のアルツハイマー病の患者さんは250万人以上と推定されていますからケタが違いますが、決して無視できる数字ではありませんね。

パーキンソン病は主に運動障害が起こるが精神症状もありうる

パーキンソン病はよく知られた名前だと思いますが、一方でどんな病気であるかと言うのはあまり知られていないように思います。

この病気は、レアケースである若年性のものを除けば50歳くらいから増え始め、60歳以上になると100人に1人くらいの割合で患者さんがおられます。主な症状は、

  • 手が震える
  • 身体がこわばる
  • 動作が緩慢になる
  • 転倒しやすくなる
  • 足がすくむ
  • 身体が傾く
  • 書く文字が小さくなる

などです。

この中でも身体のこわばりは、他の人が手足の曲げ伸ばしを行わせようとすると、カクカクと歯車の引っかかりがあるような抵抗性が見られるという特徴的なものです。

また、歩くときに手を振らないとか、小刻みな歩き方になっているとか、ちょっと身体にトラブルを抱えているお年寄りと言うイメージの動作になります。

一方、こうした運動障害だけではなく、うつ症状や認知症的なもの、自発性など意欲の低下といった精神症状も起こる病気です。表情が乏しくなるという特徴も見られますから、一つの受診機会になるかもしれませんね。

難病に指定されているので重症になると医療費の公費補助がある

パーキンソン病で、自分一人では立ち上がれないというレベルの重症度になると、治療費の公費補助が行われます。

入院時の食事費用は全額自己負担ですが、それ以外の入院・通院治療費や医薬品の費用、さらに介護費用などの合計額の上限が所得に応じて減免されます。

最も高い所得グループの人でも月額3万円を超えた部分は公費で補助してもらえます。普通の所得の人なら1~2万円、低所得の人なら0~5000円レベルになるでしょう。

ある程度は原因も判ってきているが根本的な部分はまだ不明

この病気の原因は、中脳黒質という部分から分泌されるドーパミンと言う神経伝達物質の分泌不足にあるとされています。医学の分野では長音記号を省いてドパミンと呼ばれるそうです。

中脳は大脳と小脳に取り囲まれるように存在していて、脳幹と言う生命維持に重要な部分の一番上のところにあります。名前とは裏腹に、小脳より小さい部位です。

この中脳黒質の細胞が減ってくると、ドーパミンの分泌が足りなくなってパーキンソン病が引き起こされるのですが、なぜ中脳黒質の細胞が減るのかはまだ判っていません。

このように、根本的な原因がわからないため、治療も対症療法的にドーパミンの前駆物質を投与したり、手術で脳に電気刺激を与えたりと言うものが中心になっています。

パーキンソン病は、それほど大きく寿命には影響しないので、QOL(生活の品質)をいかに維持するかというところに治療の主眼点が置かれているようです。

原因こそつかめていないものの、様々な治療法が確立されてきています。また、もともと進行の遅い病気ですので、罹ったからと言って悲観的になる必要はありません。

積極的に治療に取り組みましょう。

尿酸は痛風を引き起こすと同時にパーキンソン病を防いでいた

尿酸が強力な抗酸化物質であることから、酸化ストレスに起因する神経細胞の変性を予防するのではないかと言う仮説がありました。そのことを検証するために、ハーバード大学による研究が行われました。

18000人以上の男性から血液サンプルの提供を受け、それらの人がその後パーキンソン病にかかったかどうかを確認して、血中尿酸濃度との関係を調べたものです。

高い血中尿酸レベルがパーキンソン病リスクを下げた

この研究では、血中尿酸レベルを4段階に分け、それぞれのパーキンソン病リスクを分析しています。その際に、栄養状態や喫煙など、関係しそうな他の要因は統計的な手法でできるだけ排除されました。

odds ratio of Parkinson's disease risk

その結果はこのようなものでした。グラフの中で、赤で示した数値は血中尿酸濃度が痛風を引き起こす恐れがあるとされている7.0mg/dL以上のものです。

皮肉なことに、痛風レベルの尿酸はパーキンソン病のリスクを大きく下げていたのです。この研究はいわゆる観察研究ですので、尿酸値を変動させるような介入は行われていません。

そもそも、痛風レベルの高尿酸血症は生命にもかかわりかねない危険性があるので、尿酸値を上げるような研究は行えません。

一方で、低い尿酸値がパーキンソン病リスクを上げることが示唆されている以上、積極的に下げる介入もできません。ですので、こうした傾向が見られるということ以上の突っ込んだ研究は難しいのです。

一方で、正常域の上限とも言える6%台の尿酸値の人でもパーキンソン病リスクは3/4に減っていますから、この値くらいを維持することで良い影響が出ることの証明について、さらに踏み込んだ研究は行われるかも知れません。

女性ではそれほど大きな影響が見られなかった

この研究とは別にペンシルバニア州立大学も同じような内容の研究を行っています。それによると、やはり男性では尿酸値の高い男性のパーキンソン病リスクは低い人より4割近く低かったという結論が得られています。

しかし女性については、パーキンソン病のリスクは1割余り低いだけで、しかも統計的に有意でないという残念な結果が出てしまいました。なぜ性差が現れたのかの原因は判っていません。

もともと、パーキンソン病の原因は複合的なものだと考えられていますので、そのあたりが影響したのかもしれませんね。

いずれにせよ、7.0%未満と言う適切な尿酸値レベルの中で、6%台を維持しておくことは抗酸化物質と言う意味からは良いかもしれません。

しかし、例えば5%台の尿酸値レベルの人がわざわざ尿酸値を上げるようなことをする必要はないと思います。しかし6%台の人が、危険レベルが迫っていると考えて無理に下げることもまた必要ないことだと言えます。

また、この研究結果からも抗酸化物質と言う物の重要性がよく判ります。ビタミンB2・C・E・カロテノイド・フラボノイドなどの抗酸化物質を、意識して食事に取り入れるようにすることも良い影響を与えるでしょう。

6%台後半になってくるのであれば、7%台に乗らないよう栄養などに注意を払って現状維持を意識するのが一番いいと考えられます。

コーヒーがリスクを下げるのはカフェインのおかげ?

少し前の研究ですが、ハワイのホノルルで日系人およそ8000人を対象にした研究が行われました。この際にも、中央値で2分割した場合、血中尿酸濃度が高い人は低い人より4割ほどパーキンソン病にかかりにくいことがわかっています。

さらに、このとき同時に行われた研究では、コーヒーをよく飲む人ほどパーキンソン病のリスクが下がるという結果も得られているのです。

カフェインはプリン体だからパーキンソン病のリスクを下げた?

健康生活の記事の中で、カフェインとプリン体についてお話ししたことがあります。
カフェインはプリン体!?でもコーヒーは痛風予防に効果あり!

この日系人を対象にした研究は1960年代後半から30年にわたって行われたものですので、少し前のものになります。それでも、それまでコーヒーはパーキンソン病の発症リスクを高めると信じられていた時代でしたので画期的なものでした。

その研究では、カフェインが神経伝達物質の調整を行うことが、パーキンソン病の予防効果に寄与しているのではないかという推論が行われていました。

このことは今でも否定されたわけではありません。しかし、同時にカフェインがプリン体であるということは、尿酸に代謝される物質だということにもつながりますので、そのあたりも一役買っているのかも知れませんね。

先に紹介した記事中でも書いているように、カフェインやテオフィリン、テオブロミンと言ったキサンチン系のプリン体は、痛風の原因にはならないことが判っていますので、安心して飲める物質です。

ただ残念ながら、この研究も男性を対象にしたものですので、女性に一般化することはできないかもしれません。それでも、健康的な飲料としてコーヒーや紅茶が役に立つならうれしいですね。

1日に4杯までのコーヒーと言うのは痛風予防にもなるので、おいしく飲むことはリラックス効果もあってとても良さそうですね。

でも寝る前だけはやめておきましょう。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る