健康生活TOP 膵炎 「腹痛と同時に背中に強い痛み」は命に関わる膵臓の病気かも!?

「腹痛と同時に背中に強い痛み」は命に関わる膵臓の病気かも!?

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お腹が痛いと言う症状ほど誰もが経験するものはないでしょう。それこそ食べ過ぎによるものから、生命の危険があって一刻を争うようなものまで、まさに千差万別、さまざまな原因があります。

その中でも、比較的重い病気が原因のことが多い、「お腹と背中が同時に痛む」と言う症状について見て行きましょう。

「右下は盲腸」とかって本当?痛む場所と病気の関係を知って症状をしっかり理解しよう!

お腹が痛いと言う時、その痛む場所によって原因の病気を推定すると言うことは一般的ですね。例えばお腹の右下が痛かったら盲腸だなんてことはとても有名なんじゃないでしょうか。

でも、実際に盲腸(虫垂炎)の場合は、最初みぞおちが痛むんですよね。痛みが移動して行って、最終的に痛い場所が右下腹部に落ち着くところから「右下は盲腸」と言う言い伝えになったわけです。

お腹が痛い時の場所別分類

お腹が痛いとき、どの部分が痛むのかを正確にお医者様に伝えることができるだけで、診断がより速く正確になります。ですから、まずそのことを意識して痛む場所を特定しましょう。

次のように、お腹の痛む場所は9か所に分類されています。カッコ内はアナログ時計に例えた場所です。

  • おへそを中心としたお腹の真ん中(時計の中心)
  • みぞおちを中心としたお腹の上の方(0時)
  • 肋骨の真下あたりの右側(2時)
  • 腰骨より下の右側(4時)
  • 恥骨とおへその中間より下の方(6時)
  • 腰骨より下の左側(8時)
  • 肋骨の真下あたりの左側(10時)
  • お腹全体
  • お腹と背中同時

この中のどの部分に痛みがあるのかをお医者様に伝えましょう。

上のリストのカッコの中に書いたように、おへそを中心に、0時の位置(みぞおち)から10時の位置まで2時間刻みの6か所と、全体(8か所目)と背中も併せての合計9か所と覚えておくのが判り易いと思います。

お腹が痛い時の追加情報

その他、次のような情報も大事です。

  • ずっと痛いのか、痛みが引いたりまた出たりするのか
  • いきなり強い痛みが来たのか、弱い痛みがだんだん強くなってきたのか
  • どんより痛い、鋭く痛い、焼け付くように痛いなどの感覚
  • 痛む場所は一定なのか、移動しているのか
  • 吐血や血便が出たか
  • 便秘や下痢をしたか
  • 吐き気があったり、吐いたりしたか
  • アレルギーはあるか
  • 手術を受けたことはあるか
  • これまでにかかった大きな病気やけが
  • 現在処方されているお薬
  • 女性の場合、妊娠の可能性の有無

これらの情報を、最初に病院で正確に伝えられるだけで、どのような検査を行うのが適切かの絞り込みが行われるので時間を無駄にせず、素早く適切な手当てを行ってもらえるでしょう。

場合によってはその情報のおかげで命拾いできると言う可能性すらあるんですよ。

そんなことを言ってられない場合

腹痛がひどくて、そんなのんびりしたことを言ってられないと言う場合もありますね。そんな時でも最低限、以下の情報は準備しましょう。

できればご家族など、付き添える方が把握していることがベストです。

  • いつどのように痛みが始まったか
  • アレルギーはあるか
  • 現在処方されているお薬
  • 病気と怪我を含めた重病・重傷または慢性病・後遺症の経験
  • 最後に食べた食事の内容
  • 腹痛を起こすまでのいきさつ

この情報があると、お医者様は緊急手術の必要性を含めて、手術が必要かどうかを判断されるための情報として活用して下さると思います。

どの場所にでも起こる腹痛

病気によってはどの部分が痛むのかに関係せず、お腹のどこかが痛くなる病気と言うのもあります。これはこれからお話しする背中の痛みを伴う場合もありますが、違う場合もあるので今回は外します。

  • 腹膜炎
  • 帯状疱疹
  • ヘルニア
  • 腸閉塞
  • ポルフィリン症
  • 炎症性腸疾患
  • 重金属中毒

などですね。いずれも他の症状から診断がつくと思いますので、お腹と背中が痛いと言うことはお医者様に伝えて下さい。

お腹と背中が同時に痛む病気は危険!痛み方別に見る恐ろしい病気

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お腹と背中が同時に痛む病気はそれほど多くありません。そして、比較的重病が隠れていることが多いのも特徴ですので、お腹と背中が同時に痛くなったらできるだけ早く病院に行きましょう。

全身を動き回るように痛む

この症状は大動脈解離(だいどうみゃくかいり)である可能性があります。ザ・ドリフターズの加藤茶さんが、この病気から復帰された際に、このような痛みであると言われました。

表現者である加藤さんのことですから、なかなかに正確なのではないかと個人的には思っています。しかし、大動脈は長い血管ですので、その解離が起こる場所によって痛む場所が変わります。

お腹と背中が同時に痛いと言う症状の場合は、鎖骨下大動脈から腹部大動脈の間で起こっている可能性が高く、その場合手術なしの治療の可能性も残されてはいます。

いずれにせよ、この病気の場合、大半が非常に強い痛みを伴いますので病院に行くのをためらう方はおられないでしょう。

大動脈解離は、もともと三層の膜が重なってできている大動脈の壁の、内側の膜にひび割れができて血液が入り込み、はがれてしまう病気です。

その「内側の膜のひび割れ」ですが、今のところ動脈硬化が大きな要因になっていることは判っていますが、それ以上の情報はあまりありません。

お腹と腰中央部に激しい痛み

これも大動脈に関する病気の一つ、腹部大動脈瘤破裂(ふくぶだいどうみゃくりゅうはれつ)である可能性があります。前兆は全くなく、ある時突然呼吸困難を伴うくらい強烈な痛みが発生します。

ただ、その痛みがすっと引くことがあるんですね。それは最初の破裂による出血が少なかった場合です。そして、怖いのはその段階ではなく、次の痛みが来るときなんです。

一旦痛みが引いたあとしばらくして、同じような痛みが来たときには、大出血を起こしていて、生命に関わる場合もあるので、このような痛みがあった場合は、一旦痛みが引いても病院へ行きましょう。

これも原因は動脈硬化だと言われています。

左わき腹を中心に前後まで痛む

子供のころ体育のマラソンなどで長時間走った時「わき腹が痛くなった」と言う思い出をお持ちの方も多いでしょう。わかりやすい場所で示すとすれば、あの場所のことです。

あれは脾臓と言う、血液に関する様々な働きを持っている、循環器系の内臓が痛んでいたんですよ。子供の頃は脾臓への動脈が完成されていないので、運動によって脾臓の血液が全部出て行っちゃって痛んでいたんですね。

そして、大人になってからここが痛むと言うのは脾梗塞(ひこうそく)である可能性があります。手術が必要になる病気なので早めに病院へ行きましょう。

特徴としては、痛みがある割に発熱は起こりません。そして、循環器なので当然と言えば当然なのですが、お腹が痛いのに下痢や嘔吐は伴わないのです。

どちらかの脇腹を中心に前後まで痛む

上の脾臓と良く似た場所ですが、左右どちらに起こるかは判りません。また、悪寒・嘔吐・発熱などを伴い、場合によっては血尿や血圧上昇がみられることもあります。

これは腎梗塞(じんこうそく)の疑いがあります。腎梗塞がそれだけで起こることは少なく、多くの場合心臓でできた血栓が流れてきて腎臓で詰まることで起こります。

ですので、症状があったら比較的軽い痛みであっても、早めに病院に行き、原因となった病気を探ってもらう方が良いでしょう。血液検査の後MRIなどで確定診断が付けられます。

痛みの王様と言われるレベルの強烈な痛み

腰からわき腹、太ももの付け根にあたる下腹部にかけての、左右どちらかに非常に強烈な痛みがある場合は、腎臓・尿管にできた結石が疑われます。

痛みの王様と言われるぐらい、あまりにも強烈な痛みが発生する割に、現在では手術対応になることはほとんどない病気です。超音波で結石を砕く方法や、溶かす薬を飲むことで治療できます。

非常に強い痛みなので、救急車を呼ぶことになるかもしれませんね。

身体を動かすと痛むもの

これは骨粗鬆症による圧迫骨折の可能性があります。

悪い場合は脊髄に損傷が及び神経症状が出たり、原因ががんの転移によるものであった場合には全く違った対応になります。

基本的には背中・腰の痛みがお腹に響くと言った方が適切かもしれません。

このような痛みの場合は、内科と整形外科の両方がある総合病院に行くことをお勧めします。まずは内科で診断してもらって、適切な診療科へ回してもらうのが良いでしょう、

みぞおちから背中へ抜ける痛み

この痛みは膵炎(すいえん)の可能性があります。ただし、慢性膵炎と急性膵炎では痛み方の度合いが全く異なるので、痛みの激しい急性膵炎で病院に行かない方はおられないでしょう。

一方、比較的緩やかな痛みの慢性膵炎は、ついつい放置して手遅れになってしまうこともありますから要注意ですね。

膵臓が出す消化液で膵臓自身が消化される!?命に関わる膵臓を蝕む膵炎とは

膵炎、聞いたことがあるようなないような、知名度的にも微妙な病気ですが、一つ間違うと生命に関わったり、その後の生活品質が大きく落ちたりする病気ですので油断しないようにしましょう。

膵炎とは文字通り膵臓に炎症がおこる病気です。その炎症とは、膵臓が出す消化液によって膵臓自体が消化されてしまって起こるものなのです。

膵臓の働き

膵臓と言うと、一番に思い浮かぶのは血糖値をコントロールしてくれているインスリンを分泌する器官と言うイメージでしょう。しかし、膵臓には大きく分けて二つの働きがあるのです。

一つはインスリンなどのホルモンを分泌する内分泌機能で、これは膵臓の中にあるランゲルハンス島と言う組織が担っています。ランゲルハンス島には5種類の分泌細胞があって、それぞれホルモンを出しています。

  • α(アルファ)細胞:血糖値を上げるホルモン、グルカゴンを分泌
  • β(ベータ)細胞:血糖値を下げるホルモン、インスリンを分泌
  • δ(デルタ)細胞:ホルモン分泌や栄養吸収を抑制するソマトスタチンを分泌
  • ε(イプシロン)細胞:成長ホルモン分泌や食欲を増進させるグレリンを分泌
  • PP細胞:まだ生理的意義の判っていない膵ポリペプチドを分泌

もう一つの機能は、食べたものを大まかに消化分解する消化液を分泌する外分泌機能で、これは膵臓本体の大半を形成する外分泌部で行われます。

ここで分泌される消化液は、きわめて強力な消化力を持っているため、膵臓自体を消化してしまわないように、不活性な状態の酵素として分泌され、それが胃や腸に届いたとき、そこで初めて活性化される仕掛けになっています。

  • 糖質を分解するアミラーゼ
  • たんぱく質を分解するトリプシン
  • たんぱく質を分解するキモトリプシン
  • たんぱく質を分解するエラスターゼ
  • たんぱく質を分解するカルボキシペプチターゼ
  • 脂質を分解するリパーゼ

これだけの消化酵素が膵臓から出ています。特にたんぱく質分解酵素が多いわけですが、膵臓自体もたんぱく質でできていますから、膵臓の中で活性化すると大変ですよね。

その自己消化現象が起こってしまったのが膵炎と言うことになるのです。

飲酒の量が多い人は危険!肥満も注意したい膵炎の原因

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膵炎には慢性型と急性型がありますが、どちらもその原因の半分までがお酒を飲んだことによるものです。膵炎の患者数は、統計によると年間およそ5万人、そのうち1割に当たる5千人が急性膵炎だったそうです。

一方、膵炎自体の起こりやすい年齢は男性で50代、女性で60代ですが、お子さんから高齢者まで幅広く起こるのも事実で、そのことからも判るように、お酒以外の原因もあることはあるようですね。

酒量の多い人は注意

アルコール摂取量が多いとなぜ膵炎になるかと言うメカニズムについては、いくつかの仮説がたてられているものの、まだよく判っていません。しかし、統計的にお酒をよく飲む人によく起こる病気ですから、注意が必要です。

ましてや、メカニズムがよく判っていないのに、アルコールが原因であると言うことが統計的に出ていると言うことは、対応策としては禁酒以外にないと言うことでもあるんですね。

高脂肪と肥満も危険因子

次に多い原因は胆石がある方です。

胆石は胆嚢にできる結石で、コレステロール性のものが7割を占めています。それ以外は感染などが原因になるようです。胆石症は肥満気味の中高年女性に多いのですが、逆に急な減量を行った際にできることも多いので注意しましょう。

胆石は、膵臓から十二指腸につながる膵管と、胆嚢から十二指腸につながる胆管の出口が共通であるため、ここに詰まることがあるんです。

そのせいで、膵液が流れにくくなったり、胆汁が膵臓の方に入り込んだりして炎症を引き起こすのです。

胆石症は、みぞおちや右わき腹の痛みが中心ですが、この病気も背中に痛みが出ることがあるので、一応今回紹介する病気のラインナップに入れておいても良いかもしれません。

胆石の原因の多くはコレステロールが結晶化したものです。したがって、高脂肪食は胆石症の原因になりますので、中高年になったら油は控えめにしましょう。

また、高トリグリセライド血症も胆石の大きな原因ですから、お酒や糖質の取り過ぎには注意が必要ですね。特に、ここでもお酒に注意が必要なようです。
危険

膵炎は生命に危険が及ぶことも・・・すぐに禁酒、禁煙と高脂肪、高糖質食の回避を!

急性膵炎は、中等度以下の症状の場合、生命に危険が及ぶのは数%程度ですが、重症の場合3割以上の方が亡くなるという統計もあります。決して油断できませんね。

慢性膵炎は、完治しない病気です。最初のうちはそれほど大きな症状は出ませんが、膵臓がんなど悪性腫瘍に進んでしまうことも多い病気ですので、予防が第一です。

急性膵炎の現れ方

急性膵炎は。特段の予兆なくいきなり症状が現れます。37~38℃の発熱を伴って、みぞおちに激しい痛みが起こり、その痛みが背中に突き抜けるようだと表現されます。

泣き叫んでのたうちまわると言うような症状も特徴の一つですね。嘔吐しても楽にならず、激痛が続き、ひどい場合精神錯乱を起こすとまで言われています。

特に危険なのは、おへその周りや左わき腹に赤黒いしみが表れた時です。これは膵液によって身体が溶かされたことによるものですので、かなり危険な重症であることが想像されます。一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります。

まれではありますが、事故や虐待、暴力などで膵臓が物理的に壊された場合にも起こります。

一方、軽症であれば、全く後遺症を残すこともなく治ることもありますので、指示された生活習慣を守り、お薬をしっかり飲んで、治療に取り組みましょう。

慢性膵炎の予防と治療

慢性膵炎は、急性膵炎ほど激しい症状ではないものの、同じようにみぞおちから背中に抜けるような痛みが現れます。実は、慢性膵炎は非常に小さな急性膵炎が起こり、それが自然に治ってはまた起こると言うことを繰り返しているのです。

そのため、だんだんと膵臓の組織が線維化して役に立たなくなってくるため、完治させることは不可能な病気なのです。初めは消化液を出す外分泌部から壊れてゆきますが、それが内分泌部に及ぶと糖尿病や低血糖症も出てきます。

原因の多くは飲酒・喫煙・高トリグリセライド血症です。まさに生活習慣病ですね。そのほか、急性膵炎から回復した後の不節制や、慢性腎不全などの病気に続いて起こるものも、少数ながらあるようです。

従って、お薬を飲み、生活習慣を改善するのが治療の中心になります。禁酒・禁煙・高脂肪食の禁止、そしてお医者様の指示がある場合は糖質制限も候補になるかもしれません。

合併症は糖尿病や膵臓がんがあります。特に膵臓がんについては、慢性膵炎の患者はそうでない人に比べて最大26倍の発病率という数字もあります。

膵臓がんはがんの中でも極めて治りにくく助かりにくい病気(5年生存率5%)ですが、やはり膵炎の進行状況にも左右されることがあると考えられます。

慢性膵炎と診断されても、適切な治療と生活習慣の改善さえ行われれば、悪化を最大限抑えた生活を維持できます。ですので、まずは慢性膵炎を発症しないような生活習慣を心がけましょう。

基本はすべての生活習慣病と同じですね。禁酒・禁煙と高脂肪・高糖質食の回避。それに尽きます。

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