健康生活TOP 膵炎 慢性膵炎と診断されたら!食事、生活を見直し悪化を防ぐ具体的な方法

慢性膵炎と診断されたら!食事、生活を見直し悪化を防ぐ具体的な方法

慢性膵炎は、長い時間をかけて少しずつ膵臓の細胞が壊れていく病気です。一度壊れた細胞はもう元には戻らず、壊れた細胞が増えるにつれ膵臓は次第に本来の働きができなくなっていきます。

膵臓は胃や肝臓に比べると目立たない場所にありマイナーな臓器かもしれませんが、その働きは重要です。慢性膵炎に気付いた時点でその進行を食い止める努力をしなくては、膵臓が働けなくなってから何とかしたいと思っても既に手遅れなのです。

慢性膵炎の進行を止めるためには、今までの生活を見直して改善していくことが大切です。日常生活をどう改善すればよいのか、詳しくみていきましょう。

慢性膵炎は、膵臓の働きが徐々に失われていく病気

慢性膵炎はゆっくりと膵臓が壊れていく病気です。膵臓の細胞に慢性的な炎症が起き、そのために細胞は少しずつ硬い線維状に変化していきます。一度線維化してしまった細胞はその機能を失い、もう元には戻れません。

細胞の線維化が進み正常な細胞が少なくなるにつれて、膵臓は徐々に本来の働きができなくなっていきます。膵臓には消化酵素やホルモンを分泌する働きがあるのですが、病気が進むにつれてだんだんそれができなくなってしまうのです。

「慢性膵炎」と診断をされても最初のうちはまだ正常な細胞も多いため、膵臓はその働きを保ってくれています。このときすぐに今までの生活を改善してきちんと治療を行うようにすれば、膵臓の働きの低下を抑えることができます。

しかし、もしこの時期に特に生活習慣を変えることなく今までと同じ生活を続けていると、膵臓の細胞はだんだんと壊れていってしまいます。

慢性膵炎は腹痛などの症状を繰り返して進行していきます。腹痛の程度はまちまちで、数日食事を制限することで改善することもあれば、入院しなくてはいけないほどひどい場合もあります。

どちらの場合も、症状があるときには「もう二度とこうならないように気をつけよう」などと反省するでしょう。しかし腹痛が治まったときにその反省を忘れ以前の生活に戻ってしまっては、また膵炎の発作を繰り返すことになってしまいます。

膵炎の発作を繰り返すたびに、膵臓の細胞は壊れてもう元に戻ることはなくなります。壊れた細胞が増えるにつれて、膵臓の働きは低下していきます。

そうなってからでは遅いのです。そうなってから後悔しないためにも、膵臓の炎症がまだ軽いうちにできることからやってみましょう。

慢性膵炎と言われたら、まずは今までの生活を見直そう

慢性膵炎は、腹痛などの発作を繰り返すたびに進行していきます。そうならないためにも、まずは次のような生活を心がけてみてください。

慢性膵炎と言われたら:もう飲酒は絶対に止めよう!

慢性膵炎の一番大きな原因は長年に渡る大量の飲酒です。長い間、大量飲酒を毎日続けていると続けると、慢性膵炎を発症してしまうのです。

大量飲酒とは1日に純アルコールに換算して80g以上飲むことを言います。「純アルコールに換算して80g以上」は具体的には次のような量になります。

  • 日本酒で3合以上 または
  • ビールで大瓶3本以上 または
  • ウイスキーでボトル1/3以上 

このくらいの量の飲酒を毎日続けていると、10~15年くらいで慢性膵炎を発症してしまいやすいとされます。20代でお酒を飲み始めたとすると、40代になったころ慢性膵炎を発症するということが多くなるのです。

ただ飲酒と慢性膵炎発症の関係性についてはまだわかっていないこともあります。慢性膵炎患者の多くは長年大量飲酒をしてきた人ですが、大量飲酒をしている人が絶対に慢性膵炎になるというわけでもないのです。

ただ飲酒によって慢性膵炎のリスクが上がることは確実です。

このように長年の大量飲酒が原因で発症した慢性膵炎を「アルコール性慢性膵炎」と言います。飲酒以外に原因があると考えられるものは「非アルコール性慢性膵炎」と言います。飲酒以外の原因としては、胆石や遺伝などもあります。

飲酒が原因のアルコール性慢性膵炎と診断された場合には、まずは禁酒をすることが一番重要です。飲酒以外に原因があった場合にも、もうお酒は控えるようにしてください。

慢性膵炎は激しい腹痛発作のある時期と、それが治まって症状が軽くなる時期とを繰り返して進行していきます。腹痛がひどいときには、入院しなくてはいけなくなることもあります。そして激しい発作のたびに、膵臓の細胞はどんどん壊れていっています。

慢性膵炎を進行させないためには、発作を起こさせないことが大切なのです。しかし飲酒は、膵炎の発作を引き起こしやすくします。発作のたびに細胞が壊れて慢性膵炎は進行し、しだいに膵臓の機能は低下していってしまうのです。

ひどい腹痛の発作の起きない時期が長く続くと、久しぶりに少しくらいなら飲んでもいいかなと思ってしまうかもしれません。でも、そんな誘惑に負けないようにしましょう。

またお酒好きな人は、ほんの少しだけと思っていても飲み始めるとついつい止められなくなってしまうことが多いと思います。そんなことのないように、お酒は一切断ってしまったほうがよいでしょう。

どうしても飲酒を止められないという場合には、アルコール依存症になっているかもしれません。アルコール依存症の場合、自分の意志だけでお酒を断つことはとても難しくなります。一度、主治医に相談してみてください。

アルコール依存症ではなくても、お酒好きな人がひとりで禁酒を続けるのは大変です。家族や周りの人にも協力してもらって、お酒を断つようにしてみてください。

外食するとどうしても飲みたくなってしまうようでしたら、なるべく自宅で食事をするようにしてみてください。自宅での食事のほうが栄養バランスもとりやすいでしょう。

慢性膵炎と言われたら:禁煙しよう

慢性膵炎の患者のうち、8割は喫煙者だったという調査があります。日本人の喫煙率はもっと低いですから、喫煙が慢性膵炎に何らかの影響を与えていることは確かです。

喫煙を続けているとどのようなメカニズムで慢性膵炎を発症してしまうかについて、まだはっきりしたことはわかっていません。タバコに含まれるニコチンやタールなどが問題なのだろうとは思われます。

言うまでもないことですが、喫煙はがんなどいろいろな病気のリスクを高めますし、しかも自分だけでなく大切な周りの人にまで影響を与えてしまいます。

慢性膵炎と診断されたのなら、この機会に禁煙をするようにしてみてください。自分の意志だけで禁煙することが難しければ、主治医に相談してみてください。

慢性膵炎と言われたら:脂質は1日30gを目安にしよう

ステーキや焼き肉、ラーメンといったようなこってりした油っこい食事は、慢性膵炎の発作を引き起こしやすくなります。脂質の摂り過ぎは、膵臓の負担になってしまうのです。

脂質を過剰に摂ると、その脂質を消化するために十二指腸ではコレシストキニン(CCK)などの消化管ホルモンの分泌が盛んになります。

この消化管ホルモンが膵臓を刺激してしまい、消化酵素をたくさん作らせようとするのです。そして膵臓は、その消化酵素をたくさん含んだ濃度の濃い膵液を分泌するようになります。

こんなことばかりを繰り返していると、慢性膵炎の発作を起こしやすくなってしまいます。発作のたびに、膵臓の細胞は壊れていってしまいます。それを防ぐためにも、脂質の摂取はなるべく控えましょう。

脂質の摂取量は1食10g以下、1日に30gくらいがよいとされています(体重によっても違います)。以前はもっと厳しい摂取制限があったのですが、あまり極端に制限すると栄養バランスを崩してしまうということで、現在はこのようになっています。

脂質は体にとってある程度は必要なものです。細胞膜やホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンの吸収を促したりという働きもあるのです。適量で摂取するということが大切になります。

脂質の摂取量やその他の食生活のポイントは、慢性膵炎の進行度合いによっても違ってきます。慢性膵炎の激しい発作があったときには、脂肪摂取がもっと制限されることもあります。

ただこのときには入院していることが多いと思われ、病院食なので心配ないでしょう。退院して日常生活に戻ってからの食事を気をつけていくようにしてください。

慢性膵炎がもっと進行してしまった場合には、脂質の摂取量はもう少し増え1日40~60gとされます。ただしこの時期には、もう膵臓はほとんと働けず消化酵素を分泌することができなくなっています。

そのためこの時期は消化酵素薬を服用したり、脂溶性ビタミンを含んだビタミン剤を服用したりといったことも必要になります。糖尿病も合併してしまうため、それに対する治療も必要になります。そうなってしまう前に、できることをやっておいてください。

脂質を減らしてもおいしく食事をするには、いくつかポイントがあります。

  • 脂質の少ない食材を選ぶー白身魚、鶏のササミ、牛や豚の赤身など
  • 脂の少ない調理法にするー茹でる、蒸す、電子レンジ、網焼きなど
  • 下味を付けて調理する
  • 片栗粉でトロミを出す

食事の脂質を減らすためには、まず脂質の少ない食材を選ぶことでしょう。白身魚のタラやカレイなどは低脂質になります。カニやエビも低脂質です。肉でしたら鶏のササミや胸肉、牛や豚の赤身の部分がよいでしょう。

鶏皮には脂質が多いため、取り除いて調理してください。牛や豚の脂身も控えるようにしましょう。ベーコン、ソーセージなども脂質が多いため控えましょう。

調理法によっても脂質は変わります。炒めたり焼いたり揚げたりすると、当り前ですが脂質が増えてしまいます。茹でたり蒸したりといった調理法でしたら油は使いません。茹でると食材の中の脂分が流れるため、脂質を減らすこともできます。

網焼きも油を使わず、また食材の中の脂分を落とすこともできてます。電子レンジを使った調理も油を使いません。他にもテフロン加工のフライパンで調理をすれば、油はごく少量ですみます。

鶏のササミや胸肉はパサついていて好きではない人も多いかもしれません。ただ下味をつけてから調理したり、片栗粉でトロミを付けたりすることでおいしくなります。

市販のカレーやシチューのルーには、実は脂質が多く含まれています。またドレッシングやマヨネーズにも脂質は多いため、使い過ぎには気をつけましょう。レモンをかけたり、ヨーグルトなどで手作りしてもよいかもしれません。

慢性膵炎と言われたら:暴飲暴食を止めて規則正しい食事をしよう

食べ過ぎも膵臓にはよくありません。食事をすると、それを消化するために膵臓などからは消化酵素の分泌が促されます。食べ過ぎると膵臓への負担が増え、また膵液の流れが滞って炎症を起こしやすくなってしまうのです。

腹痛などの発作は食後すぐではなく、食事の数時間後に現れやすくなります。

食事は1日3食、いつでも規則正しい時間に食べることが大切です。腹八分目くらいの量にしておきましょう。寝る直前の食事もよくありません。もちろん栄養バランスのとれた食事を心がけてください。

慢性膵炎と言われたら:野菜や果物を1日400g以上摂ろう

野菜や果物に含まれる食物繊維は、コレステロールの排出を助けます。またビタミンは脂質を代謝するのに欠かせません。

野菜をなるべくたくさん摂るように心がけ、果物も適度に摂るようにしましょう。これらは便秘を予防するためにも効果的です。

慢性膵炎と言われたら:消化のよいものを摂ろう

消化の悪いものをたくさん食べると、いつまでも消化ができず長く胃に留まることになります。そうすると消化をしようと胃酸がたくさん分泌され、その胃酸の刺激によって膵液の分泌も増えてしまいます。

胃酸を過剰に分泌しないようにするためにも、できるだけ消化のよいものを摂るようにしましょう。胃に長く留まりやすいものは脂質です。油っこい食事はなかなか消化されません。反対に炭水化物は胃に留まる時間が短くなります。

またよく噛むことで消化は良くなります。食事は早食いしたりしないで、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。

慢性膵炎と言われたら:香辛料、コーヒー、炭酸飲料などは控えよう

香辛料やコーヒーなどのカフェイン、炭酸は胃酸の分泌を増やしてしまいます。胃酸の分泌は膵液の分泌も増やすため、膵臓に負担がかかることになってしまいます。

香辛料、カフェイン飲料や炭酸飲料などは摂りすぎないようにしましょう。

慢性膵炎と言われたら:ストレスを溜めないようにしよう

慢性膵炎にはストレスも関係しているとされます。ストレスを溜め込んで発散できないために自律神経のバランスが乱れてしまい、下痢や便秘、不眠や頭痛といった症状が出ていると考えられます。

アルコール性慢性膵炎の患者の場合は、ストレス発散を飲酒に頼ってしまっていることが多くなります。ストレスを発散させるために飲酒量が増えるという、悪循環に陥っています。

またストレスが溜まると、つい食べ過ぎてしまうということも多いでしょう。食べ過ぎは膵臓によくありません。

飲酒や喫煙以外で、何か自分なりのストレス解消法を見つけておくとよいでしょう。友人とのおしゃべりでもよいですし、趣味などもよいでしょう。ウオーキングなどで適度に体を動かすこともお勧めです。

このように、慢性膵炎と診断された場合にはまず日常生活の見直しから始めてみてください。何よりも重要なことは、もう飲酒は止めるということです。

慢性膵炎は発作を起こすたびに少しずつ進行し、膵臓の働きはだんだん低下していってしまいます。でも医師の指示に従って治療を受け、禁酒や禁煙、食事を気をつけるといった生活改善をしていくことで進行を遅らせることができます。

胆石が原因の場合には胆石を取り除いたり、膵液が流れる膵管に「膵石」とい結石があればそれを取り除くといった処置がとられることもあります。

これらの治療法を組み合わせて、膵臓の機能を少しでも失わないようにしていくことが大切です。

もしも慢性膵炎の進行を抑えられず膵臓がその機能を失ってしまった場合には、食事の消化吸収ができないために消化酵素薬やビタミン剤を服用します。また糖尿病を合併するため、インスリン治療を行うようになります。

ところで膵臓とはどのような働きをしている臓器で、慢性膵炎になるとどんな症状が現れるのでしょうか。

慢性膵炎が進行してしまわないように、まずはお酒を断ってみましょう。

膵臓は消化吸収を助け、血糖値の調節をしている臓器です

胃や肝臓などと比べると、膵臓は場所も働きもマイナーかもしれません。しかしもちろん、なくてはならない臓器です。

まず膵臓の場所ですが、膵臓はみぞおちの少し下、胃の裏側にあります。左右に横たわるようにあり、長さ15ー20cmくらいです。

膵臓には主に2つの働きがあります。それは次のような働きです。

膵臓の働き

  • 「外分泌」消化酵素を含む膵液を分泌し、食べ物の消化を促す
  • 「内分泌」血糖値を調節するホルモンを分泌する

膵臓の働きの1つは、消化管へ消化酵素を含む膵液を分泌することです。

食事によって口から入った食べ物は、食道や胃を経て十二指腸に送られます。膵臓で作られた「膵液」と胆のうに蓄えられていた「胆汁」は、食べ物が十二指腸へ送られてきたという信号を受けると、この十二指腸に流れ込む仕組みになっています。

膵液の中には炭水化物、タンパク質、脂肪を分解するための消化酵素が含まれています。この消化酵素のおかげで食べ物が消化され、栄養素を体内に吸収できるようになるのです。

この消化酵素がきちんと働いてくれないと、食事をしても食べ物を消化できなくなってしまいます。慢性膵炎が進行して膵液の分泌ができなくなると、脂肪がほとんど消化できずそのまま便に排泄されるようになります。

また膵液には、胃から送られてきた強酸性の食べ物を中和するという働きもあります。この中和によって、その先の小腸で消化酵素が働きやすい状態になります。

膵臓のもう1つの大きな働きは、血糖値を調節するホルモンを血液中に分泌することです。

血糖値を調節するホルモンというとインスリンを思い浮かべるかと思いますが、膵臓からは作用の違う3種類のホルモンが分泌されています。分泌される場所も少しずつ違います。

膵臓から分泌されるホルモン

  • α細胞からグルカゴン:血糖値を上げる作用
  • β細胞からインスリン:ブドウ糖の利用を促し血糖値を下げる作用
  • δ細胞からソマトスタチン:グルカゴンとインスリンの分泌を抑制する作用

血糖値を上げるホルモンと下げるホルモンという、全く逆の作用のものが同じ膵臓から分泌されていることを不思議に思われる方もいるかもしれません。しかしそれによって、血糖値は正常に調整されています。

食事をして血糖値が上がるとインスリンが分泌され、細胞がブドウ糖をエネルギーとして効率的に利用できるように促して血糖値を下げます。

しかし血糖値が下がり過ぎると、細胞のエネルギー源がなくなってしまいます。特に脳にとってはブドウ糖が唯一のエネルギー源であり、それが不足してしまうと大変です。そのためグルカゴンが分泌されて、血糖値を上げてくれるのです。

ソマトスタチンはグルカゴンとインスリンの分泌を抑制しています。これらのホルモンがバランスよく働くことで、血糖値を正常に調節することができるのです。膵臓の働きが低下するとこれらが分泌できず、糖尿病になってしまいます。

慢性膵炎はなぜ起きるのか?その原因と症状について

慢性膵炎は「膵臓の慢性的な炎症によって、長い時間をかけて膵臓の細胞が壊され、しだいに膵臓の働きが低下していく病気」です。炎症によって細胞は硬い繊維状になり、もう元に戻ることはなくなります。

基本的に慢性膵炎と急性膵炎は異なる病気と言えます。急性膵炎は慢性化して慢性膵炎になるというわけではありません。(急性膵炎から慢性膵炎に移行することもあります。)

急性膵炎は「膵臓が分泌した消化酵素によって、膵臓自身が消化されてしまう病気」です。かなりひどい腹痛や嘔吐などの症状が現れるものの、軽症ならば膵臓はほぼ正常な状態に戻ります。(重症の場合、死に至ることもあります。)

膵臓はタンパク質を消化する消化酵素を分泌していますが、通常は膵臓の中では働けず(非活性)、十二指腸に入ってから活性化する仕組みになっています。なぜなら、膵臓内で活性化しては膵臓を消化してしまうためです。

このタンパク質消化酵素が、何らかの原因で膵臓内で活性化してしまった病気が急性膵炎なのです。膵臓の作った消化酵素によって、膵臓自身が消化されてしまうのです。多くはアルコールや胆石が原因です。

慢性膵炎の場合にも、一番大きな原因はアルコールです。

慢性膵炎の最大の原因は、長年積み重ねてきた大量の飲酒にあり!

慢性膵炎は飲酒が原因となる「アルコール性慢性膵炎」と、飲酒とは関係のない「非アルコール性慢性膵炎」とに分けられます。

慢性膵炎の原因や、慢性膵炎になってしまうメカニズムなどについてはまだはっきりしていないこともありますが、次のようなことが慢性膵炎の原因になっていると考えられます。

  • 飲酒
  • 特発性
  • 胆石 など

慢性膵炎の原因として一番大きなものは飲酒です。お酒の飲み過ぎというと、肝臓に悪いというイメージが強いでしょう。大酒飲みの人は健康診断の結果が出ると、まず肝機能の数値を気にしているかもしれません。

しかしお酒の飲み過ぎは肝臓に負担となるだけでなく、膵臓にだって負担となってしまうのです。(ちなみに大量飲酒は他に食道、胃などへも問題となりますし、痛風や糖尿病など全身のあらゆる病気に悪影響を与えてしまいます。)

慢性膵炎になってしまった患者のうち、6割くらいは日頃から大量飲酒をしている人でした。男女での差も大きく、男性だけでみるとなんと7割もの人が飲酒が原因で慢性膵炎になってしまっていました。

それに対して女性で一番多い原因は特発性のものです。「特発性」とは原因がはっきりしないものということです。

男性に比べて女性はお酒が原因で慢性膵炎になってしまう割合は少ないのですが、これは女性の飲酒量が少ないためでしょう。最近は女性の飲酒量も増え、飲酒が原因の慢性膵炎も増えてきています。

女性の場合、男性よりも体内でお酒を処理する能力が低いとされます。そのため男性よりも飲酒によって慢性膵炎になるリスクは高いと考えられるため、気をつけてください。

ただし「飲酒によって必ず慢性膵炎になる」というわけでもありません。大量飲酒する人のうちの一部が、慢性膵炎になってしまうようなのです。

大量飲酒によってなぜ慢性膵炎になってしまうかなども含めてまだわっていないこともありますが、飲酒によって慢性膵炎発症のリスクが上がることは確かです。

その他には胆石が原因で慢性膵炎を発症してしまうことがあります。まれなケースですが、遺伝により発症することもわかってきています。慢性膵炎患者に喫煙者が多いことから、喫煙も関係していると思われます。

慢性膵炎は進行度合いによって症状が違う

慢性膵炎の初期の主な症状は腹痛です。しかし進行するにつれて症状は少しずつ変化していきます。かなり進行して膵臓の機能が低下してしまうと、逆に腹痛は軽くなってしまうのです。腹痛が軽くなったからと安心していては、大変なことになってしまいます。

慢性膵炎の進行度合い(病期)は次のように変化していきます。

代償期 膵臓の機能はまだ保たれていて、腹痛が続く
移行期 代償期から非代償期へ移行する時期で、少しずつ膵炎発作は減る
非代償期 膵臓の機能は低下し消化吸収障害や糖尿病が現れ腹痛は軽くなる

代償期の主な症状は腹痛です。初期には激しい腹痛が起きたり、それが治まったりという症状を繰り返します。この時期は、まだ膵臓がある程度正常に機能しています。そのため膵液がきちんと分泌され、それによって炎症が起きて激しい腹痛となるのです。

代償期の症状には次のようなものがあります。

  • 腹痛(激痛でなく鈍痛が続くこともあり)
  • 背部痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 食欲不振
  • 腹部膨満感
  • 下痢
  • 体重減少
  • お腹を押すと痛む
  • こぶしで軽く叩くと痛む など

代償期から非代償期へ移行していく時期には、少しずつ代償期の症状が軽くなってきます。これは膵臓の細胞がだいぶ壊れてしまい、正常な細胞が少なくなってしまったためです。膵液を分泌する働きも低下してきています。

この時期に、「最近痛みが軽くなったから、良くなった!」と思ってしまっては間違いで、逆に慢性膵炎は進行しているのです。代償期から移行期までの期間には個人差がありますが、だいたい数年から数十年とされます。

非代償期になると膵臓の細胞はかなり壊れてしまい、機能はほとんどなくなってしまいます。消化酵素を分泌できないために消化吸収ができません。体重は減少し、脂肪がそのまま排泄される「脂肪便(白っぽい便)」が出てしまいます。

脂溶性ビタミンのビタミンA、D、Eなどの吸収も低下します。そのため消化を助ける消化酵素薬や、脂溶性ビタミンを含んだビタミン剤を服用しなくてはいけなくなります。

また血糖値の調節もできなくなるため「膵性糖尿病」になってしまい、インスリンが必要になります。

膵性糖尿病では、インスリン投与時に通常の糖尿病よりも血糖値が不安定になりやすいという問題があります。これは血糖値を上げるグルカゴンも減少しているためで、低血糖に対しても注意が必要になります。

慢性膵炎が進行して膵臓の機能が低下してしまってから後悔しても、もう手遅れになってしまっています。そうならないためにも、膵臓の機能がまだ残っているうちに生活を改善してください。

禁酒を守り医師の治療もきちんと受けていくことで、慢性膵炎の進行は抑えられます。

今までお酒が大好きだった方にとっては辛いかもしれませんが、自分だけでなく周りの人のためにも禁酒を続けてください。

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