健康生活TOP 膵臓に関する病気や症状

【膵臓に関する病気や症状】今、膵炎を予防すべき理由

人間の臓器や器官はとかく、心臓や脳、あるいは肝臓など、トラブルが起こると一大事になりやすい臓器のほうに注目が集まりやすいものです。しかし実際には、ありとあらゆる臓器、器官が互いに連携しあっています。

そのため、こっちの臓器や器官がより重要で、あっちの臓器や器官は別にどうってことないよ、というようなことは絶対にありえません。心臓だって脳だって、いきなりパンクするわけではありません。

どちらかというと、あまり目立たない臓器のひとつに、「膵臓(すいぞう)」があります。膵臓の疾患というと、真っ先に思い浮かぶ膵臓がんは当然としても、それ以外の疾患はすぐに思い浮かばないという人もいるでしょう。

糖尿病も厳密には膵臓のトラブルであるといえるわけですが、どちらかというと「血糖値の問題」と認識されがちです。しかし忘れてはいけない膵臓の疾患、「膵炎(すいえん)」があります。

今回は怖い膵炎についてお話しします。

意外と知られていないけれど意外と怖い膵炎!その症状は?

膵炎というと、「膵臓が炎症を起こして腫れる感じの疾患ですよね?」というニュアンスでとらえる人もいます。もちろん、そういう軽度の症状にとどまるケースも膵炎であることに違いありません。

ところが、死の一歩手前のいわゆる「多臓器不全」のような重篤な病態を招く可能性があるのも、膵炎の特徴です。そうなると膵炎は「非常に怖い」という認識で一致をみるところかと思います。

膵臓は、人間の身体の外側から表現するなら、「みぞおちとへその間」に位置している臓器です。膵臓目線でいえば、胃や肝臓、十二指腸などに囲まれるような位置になります。

膵臓は横長の臓器であり、十二指腸に近いほうから頭部、体部、尾部の3つのパーツに分けて説明されることが多いです。問題が起こっているパーツによって症状が異なることがあります。

膵臓の最も重要な働きのひとつに、血糖値のコントロールがありますが、血糖値上昇を食い止める働きがあるインスリンを分泌するのは、体部から尾部にかけて位置しているランゲルハンス島のベータ細胞と呼ばれる細胞です。

ですから当然、体部や尾部の膵炎は糖尿病との関係が非常に密接です。一方、頭部は十二指腸から栄養が運ばれ、その栄養を補給する役割を担います。

冒頭で「多臓器不全のような重篤な病態」と述べましたが、周囲の臓器とのかかわりが密で、インスリンなどホルモンのコントロールも担う臓器なのだから、それは膵炎が重篤な病態を招くのも当然と直感できますよね。

さて、ここまではお医者さんなど、患者さんご本人以外が見た膵炎の一般的症状でしたが、膵炎には自覚症状もありますので、しっかりとチェックして、早めの対処ができるよう心がけたいものです。

膵炎の自覚症状
  • 腹痛(ときにみぞおちあたりの激痛、個人差アリ)
  • 吐き気・嘔吐(腹痛が継続してなおかつ)
  • 食欲不振・膨満感

(参考:急性膵炎の症状-増えている急性膵炎(財団法人脳神経疾患研究所総合南東北病院))

腹痛に関しては、非常に個人差が大きいため、「こういう痛みが膵炎の痛みですよ!」とはっきりしたことが言えないのが実際のところなんですね・・・

また、多くはみぞおちあたり(上腹部)が痛みますが、痛むエリアについても個人差や、あるいは移動性の腹痛だったりすることもあり、へその周辺の腹痛が起こることもあります。

これも膵臓という横に長い臓器の構造的な理由が考えられる気がしますが、痛みと膵臓の形状との因果関係に関しては、残念ながら今のところ定かではありません。

上にまとめた膵炎の自覚症状は、慢性的な症状も多いですが、近年特に急性症状として報告されることが多くなっています。食事や飲酒のあと、数時間経過して突然上記のような症状に見舞われることがありますので、要注意です。

それと、膵臓疾患で忘れてはいけないのが、「背中の痛み」です。膵炎ばかりでなく、膵臓がんなども、背中の疼痛にはほんとうに苦しめられなければならないという話もときおり耳にします。

▼関連記事
「腹痛と同時に背中に強い痛み」は命に関わる膵臓の病気かも!?

背中の痛みを含め、上記の症状が現れたら、膵炎や膵臓の疾患であるかどうかは別にして、まずはしかるべき医療機関(内科、消化器科など)で検査と診察、問題があれば治療を受けていただきたいと思います。

とにかく、膵炎をはじめ、膵臓の疾患はできる限り症状を軽度で抑えて悪化させないこと、そしてできることなら何事も起こらないうちに予防することが望まれます。

なぜ膵炎が起こる?そのメカニズムと原因を知る!

膵炎が起こる外的な原因は、たとえば過度の飲酒などが代表となるリスクですが、実は膵臓という臓器の特殊な機能自体にも、少し関係しているのです。

膵臓は、インスリンだけではなく、食べ物の消化を助ける「消化液」も分泌しています。膵臓の場合「膵液(すいえき)」と呼ばれる消化液で、膵液に含まれる消化酵素が主に食べ物の中のたんぱく質を分解する役割を果たします。

消化液や消化酵素を分泌する臓器は膵臓以外にもいろいろありますが、どれも丈夫にできています。何しろ、消化酵素や消化液によって自分が消化されてしまうリスクがあるわけですから、丈夫でなければ消化器としての職務が務まりません。

ところが膵臓は、ある条件の変化によって、自分自身を消化しようというとんでもない暴挙に出ます。その結果起こるのが、膵臓のむくみ、出血、壊死などという恐ろしい病態であり、この病態を指して「膵炎」と呼ぶのです。

すると、膵臓から質の悪いさまざまな物質が分泌され、また膵臓自体の機能も当然停滞することから、さまざまなほかの臓器へも悪影響が及びます。その究極が、上でお話しした「多臓器不全」なのです。

では、膵臓をそんな暴挙に駆り立てる条件を作り上げている要因はなにかというと、そこで「飲酒」をはじめとするさまざまな生活習慣がリスクとなってくるのです。

アルコール抜きでは膵炎を語れない!膵炎と飲酒習慣の関係は?

特に急性膵炎の場合、飲酒によって発症リスクが飛躍的に上昇します。適量のアルコール(純アルコール量の目安として上限20mL/日)であれば、そこまで心配する必要はありませんが、問題は、過度なアルコール摂取の習慣がある人です。

たとえ少量のアルコールであったとしても、膵臓はアルコールに対して反応し、正常な膵臓であれば必ず膵液を分泌します。多量のアルコールであれば、アルコールへの反応時間が長くなるため、それだけ多量の膵液を分泌することになります。

とすると、過度なアルコール摂取の習慣を継続すると、膵液で満たされた膵臓の内圧が上昇するようになります。これが上で触れた「ある条件の変化」です。まもなく膵臓の暴挙がはじまり、膵炎を起こします。

▼関連記事
なぜアルコールを飲むと膵炎になるの?飲酒と膵炎の関係とその症状

アルコールによる膵臓への悪影響は、急性膵炎ばかりにとどまりません。飲酒習慣がある人は誰でも、慢性膵炎へのリスクも考慮しながらお酒を楽しむようにしていただきたいと思います。

慢性膵炎の場合、急性膵炎とはまた少し症状が異なることもありますので、要注意です。慢性膵炎の症状の詳細については、以下の記事をご参考ください。

▼関連記事
こんな症状は慢性膵炎かも!お酒好きは肝臓以外に膵臓も注意

もうひとつ、飲酒習慣以外にも膵炎の原因となるリスクはいくつか考えられます。たとえば「胆石」が原因となる症例は非常に多く、また、「原因不明」という少々不吉な膵炎も比較的多く起こるとされます。

胆石が原因となる膵炎は、胆石が膵液の出口をふさいでしまうことによって起こります。飲酒習慣が原因になっているケースとは異なり、膵臓自体はそこまで深刻な状態には至っていないことのほうが多いです。

▼関連記事
膵炎の原因はお酒だけじゃない!胆石が膵炎を引き起こすことも

とはいえ、胆石がいつまでも膵液の出口をふさいでいるとすると、近い将来深刻な状況に陥りますので、注意しなければなりません。

という具合に、飲酒とは無関係の膵炎にも十分注意していただきたいと思います。

怖い膵炎・・・だからこそ「膵炎の診断」には冷静に対処を!

ここまでは、客観的、主観的な角度で膵炎の症状をご紹介してきました。膵臓が自分を食い始めるようなお話しをした上、出血したり壊死したりと、なにかとてつもなく怖い病気である印象を与えてしまったかもしれませんね。

もちろん「膵炎は怖い」という事実は、いろいろな見方があるとしても、ほぼゆるぎないものです。とはいえ、仮に膵炎ですよとその診断を受けたとしても、冷静に対処するよう心がける必要があります。

怖い疾患であることは否定できません。ただ、悪化させるとさらにその怖さが増すという意味でも、「膵炎ですね」の診断には冷静に、なおかつ積極的に治療していただきたいと思います。

急性膵炎の場合、急性症状なので「治療はしません!」などという選択肢はないでしょう。ただ、慢性膵炎の場合は、「忙しいから」という理由にはじまり、なんだかんだで治療が先延ばしにされることもあり得ます。

膵炎を悪化させて「もっと怖い状況」を招かないよう、慢性膵炎でも、いや、慢性膵炎だからこそ早めの治療が必要です。

膵炎の症状レベルはかなり幅広く、「このままいけば膵炎になりますよ」という前段階の症状からはじまり、「軽い膵炎ですね」、というレベルの膵炎もあります。このあたりの段階で悪化を食い止める必要があります。

急性膵炎や、慢性でももっと本格的な膵炎の場合、信頼できる医師のもとで厳密に治療が行われる必要があります。ただ、「これ以上悪化させないようにしましょうね」というレベルの膵炎であれば、比較的簡単な治療になることが多いです。

病院で出してもらった薬を飲むことはあるかもしれませんが、基本的には「食生活の見直し」がベースになります。暴飲暴食は絶対にNGですが、アルコールや資質摂取の制限は比較的厳しいことが多いです。

▼関連記事
慢性膵炎と診断されたら!食事、生活を見直し悪化を防ぐ具体的な方法

膵炎が悪化しかかっているケースでは、「禁酒」の令がくだることもあります。そのときには、ご自身の身体のことを思うなら、1滴たりともアルコールは口にしないという決意が必要になります。

どうか頑張って断酒し、膵炎の改善へ向けて努力していただきたいと思います。

膵炎は予防できる!膵炎の予防方法は?

ここまでのお話しで、膵炎の予防方法についてもなんとなく想像できた読者の方も多いと思います。予防方法についてはこれからお話しますが、ここまでの内容で「わかったこと」についても再確認しておきましょう。

膵炎についてわかったこと、ぜひ覚えておいていただきたいことは、膵炎は悪化すると非常に重篤な病態を招く可能性があるということです。最悪の場合、生命が危ぶまれる事態に至ります。

それだけ膵炎の予防は重要なのです。膵炎に限らず、内臓疾患の多くに当てはまる予防方法ではありますが、ぜひ実践していただき、重篤な症状に至らないよう留意していただきたいと思います。

膵炎を予防するポイント
  • 過度なアルコールの摂取習慣を根絶する
  • アルコールだけに限らず、暴飲暴食をしない(腹八分目の習慣を!)
  • 肉や魚などの脂肪食の過剰摂取を避ける
  • 上記の症状が出たらすぐに病院で検査・診察を受ける

(参考:膵臓を悪くしないためには-増えている急性膵炎(財団法人脳神経疾患研究所総合南東北病院))

近年は男性だけでなく、女性にも飲酒習慣がある人が増加の傾向にあるといわれますが、女性にくらべると、長い時間をかけた飲み方(ダラダラと飲む)は男性のほうに見られる傾向のような気がします。筆者の偏見かもしれませんが・・・

その理由が当てはまるか否かはわかりませんが、膵炎の発症率は、女性よりも男性のほうが高いというデータがあります。もちろん女性だから安心ということはありませんが、データだけからいうなら、男性は特に注意してください。

▼関連記事
怖い膵炎はサラリーマンに多い!予防のために避けたい5つの要因とは

将来のために「今」膵炎を予防する!

今回は膵炎にまつわるお話しをしてきました。少々怖い内容の部分もあったかもしれませんが、膵炎にならないためにも、その「怖さ」を知ることはむしろ重要でしょう。

膵炎が悪化すれば、悪化に伴い膵臓が正常に機能しなくなります。繰り返しになりますが、膵臓が悪くなれば、近所の臓器もみな悪くなってしまいます。最終的に至るのが、多臓器不全です。

膵臓を悪くしたことをきっかけに、長年病気とともに暮らさなければならなくなってしまった人は多いです。糖尿病はその典型です。そうならないためにも、今できるだけの予防はしたほうがよいことだけは間違いありません。

今、膵炎の予防をはじめてみませんか?

新着記事はこちらになります!気になる記事は要チェック!

キャラクター紹介
ページ上部に戻る