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足腰の痛みや痺れ「坐骨神経痛」を改善する日常生活のポイント

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日本人の80%は、一生のうちで一度は腰痛に悩まされると言われています。そして、そのうち30%くらいの人は、腰痛だけでなく股関節や下肢全体の痛みや痺れにも悩まされているのだとか。

とくに中高年の方はドキッとされたのではないでしょうか?「坐骨神経痛」と聞いて思い当たるところのある方や、そうでない方でも腰痛や下肢の痛みに悩まされている方は、是非この記事で坐骨神経痛の症状や対処法について読んでみてくださいね。

腰から足にかけて痛みやしびれが起こる坐骨神経痛

腰からお尻や太もも、ふくらはぎなど下肢全体に痛みやしびれが起こる症状のことを「坐骨神経痛」と言います。

坐骨神経痛は、背骨を通り腰から足にかけて走っている「坐骨神経」という太い神経が、何らかの理由によって圧迫されたり損傷したりすることで、坐骨神経の周りにある腰から足にかけた部分に痛みや痺れが起こる症状です。

腰の部分だけに痛みがある場合は「腰痛」ということになりますが、腰から下肢にかけて全般的に起こる痛みやしびれの症状を総称して坐骨神経痛と言います。

中高年に多い坐骨神経痛の原因とは?坐骨神経痛を引き起こす病気

坐骨神経痛は、40~50歳以上の中高年に発症することが多い病気で、体を支える骨や筋肉が衰えることで坐骨神経が圧迫され、その周りの腰や下肢の部分に慢性的な痛みが現れます。

また、坐骨神経痛は病気そのものの名前ではなく、何らかの原因によって引き起こされる痛みの総称ですから、坐骨神経痛を引き起こす病気が潜んでいることもあります。坐骨神経痛を引き起こす病気には、次のようなものがあります。

脊柱(背骨)の病気

  • 腰部椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 脊柱分離すべり症
  • 骨粗しょう症
  • 脊椎カリエス

内臓の病気

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 腸炎
  • すい炎
  • 肝臓病
  • 泌尿器の病気
  • 子宮筋腫など婦人科系の病気
  • がん・腫瘍

腰や足に痛みがある場合、思わぬ病気が原因で痛みが生じていることも考えられますから、マッサージや鍼灸など自己判断で治療を受ける前に、専門医の診断を受け、どのような病気が原因か突き止めることが大切です。

こんな症状に要注意!坐骨神経痛で起こりやすい痛みとしびれ

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腰や足の痛みやしびれを、単なる老化によるしかたがないものと考え、治療を怠っていると、症状が悪化し痛みが増すばかりでなく、下肢に麻痺が起こり歩けなくなることもあります。

次のような症状があれば、坐骨神経痛の可能性が高いと考えられるため、適切な治療が必要になります。

  • 腰だけでなくお尻や足が全体的に痛い
  • 腰をそらせると痛みやしびれが増す
  • 前かがみの姿勢をとると痛みやしびれが楽になる
  • ソファーなど柔らかいイスに座ると痛みが増す
  • 痛みがあったり、なかったりを繰り返す
  • 足を触っても、触った感覚がない

坐骨神経痛の疑いの場合、整形外科と形成外科どちらを受診する?

整形外科は骨格を作る骨や関節、筋肉、じん帯などに起こる病気や外傷、障害などを専門として手術や運動療法などによって機能を回復させる医療部門です。

一方、形成外科は骨や筋肉など骨格に関わる部分の治療はせず、病気やケガ、やけどなどによって、変形・変化した皮膚や外見を整える治療を行なう専門医です。

坐骨神経痛は、骨格に関わる病気のため整形外科を受診するようにしましょう。最近では、脊柱の病気を専門にした脊柱外科という専門医も増えています。

坐骨神経痛の改善する日常生活の送りかた

坐骨神経痛を改善するには、日常生活で背骨や腰にできるだけ負担がかからないようにするしかありません。

坐骨神経痛になってしまったのも、元はといえば、背骨や腰に負担がかかる日常生活を送ってきたからです。そして、その習慣を変えなければ、その症状もさらに悪化してしまいます。

腰痛改善に応用できるナケムソンの研究

日常の生活動作において、背骨や腰にどのくらいの圧量がかかっているかを調べた「ナケムソンの研究」というものがあります。

例えば、普通に立っているときの背骨にかかる圧力を100とすると、イスに腰掛けているときには、140の圧力がかかっています。立っているときより、座っているときのほうが、背骨や腰に1.4倍の負担がかかっていることになります。

このようにして考えると、日常生活では、背骨や腰に次のような圧力がかかって入ることが分かります。

  • 自然に立つ 100
  • イスに座る 140
  • 立って前かがみになる 150
  • 座って前かがみになる 185
  • 前かがみで荷物を持ち上げる 220
  • 咳をする 150
  • 大声で笑う 150
  • 緊張する 150
  • 仰向けで寝る 75
  • 両足を台に乗せて寝る 35
  • 寝たまま片足を上げる 25

こうしてみると、寝ているときには、背骨や腰に負担がかかっていないことが分かります。そして、足を上げて寝ることで、さらに負担が軽減することになります。

ですから、寝るときには足の下にタオルや毛布などを敷き、足が少し高くなるようにすると坐骨神経痛が改善することになります。

逆に、座って前かがみになることは、立っているよりも腰や背中に負担がかかるので、座り方には工夫が必要だということも分かります。

ケナムソンの研究を応用すれば、腰や背骨に負担をかけず、坐骨神経痛を改善するヒントが導き出されます。

普段の姿勢を再チェック!坐骨神経痛を改善するポイント

坐骨神経痛を改善するには次のような点に注意して日常生活を送ることが大切です。当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

・長時間、「立ちっぱなし」や「座りっぱなし」の同じ姿勢でいると腰や坐骨に大きな負担がかかります。1時間に1回程度、伸びをしたりかがんだりして背骨や坐骨のゆがみを整えるようにしましょう。

・デスクワークなど長時間机に向かって仕事をすることは、前かがみの姿勢になりやすく背骨に負担がかかります。机やイスの高さを調節して、できるだけ頭の位置が前に傾かない姿勢になるようにしましょう。

・お年寄りは無理に姿勢を良くしようとすると、逆に背骨や腰に負担がかかってしまいます。無理をせずカートや杖を利用して、痛みがない姿勢を維持するようにすると症状が改善します。

・イスに座るときは、浅く座ると腰に負担がかかります。できるだけ深く座り、できればタオルを丸めてお尻と背もたれの間において座るようにすると、タオルが坐骨を支えてくれ、痛みが軽減します。

・荷物など重いものを持ち上げるときに、手だけで荷物を持つと腰に大きな負担がかかります。物持ち上げるときは体に引きつけて、背中を伸ばし前かがみにならないようにすると背中や腰への負担が軽くなります。

・お腹が出ている人は、お腹をへこませてみると姿勢が変わることが分かると思います。それだけ無理な力が腰や坐骨に負担をかけているということです。肥満を改善することも坐骨神経痛の改善につながります。

こうしたことの1つ1つを地道に改善することで、日常生活での腰や背中、坐骨にかかる負担を軽減でき、坐骨神経痛の症状が改善します。

坐骨神経痛はロコモティブシンドロームの前兆!

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)は、足腰の働きが衰え歩くことが困難になる状態のことです。

ロコモになる一つの要因として、坐骨神経痛もあげられます。坐骨神経痛を放っておくと、痛みのために運動がしづらくなり、ゆくゆくはロコモと合併し、歩くことができなくなったり、寝たきりになったりしてしまうこともあります。

坐骨神経痛の症状に加え、次のような症状が出ているようであれば、既に症状が悪化していてロコモ状態になっている可能性もあるので、特に注意が必要です。

  • 家の中でつまずくことが多い
  • 手すりを使わないと階段を上り下りできない
  • 15分以上続けて歩けない
  • 買い物をしてもレジ袋が重くて持っていられない
  • たったままで靴下をはくことができない
  • 布団の上げ下げが一人ではできない

こうした症状は、坐骨神経痛が悪化して起こっていることもあるので、できるだけ早く専門医の指導を受け治療することをお奨めします。

温と冷を使い分けよう!シップ薬や塗り薬の上手な使い方

急に痛みが強くなった場合は、炎症を起こしている場合が多いので「冷シップ」を使い、慢性的な痛みには「温シップ」を使うのが基本です。どちらか分からない場合は、貼ってみて気持ちが良いと思うほうを選んで構いません。

シップが貼れなかったり、痛みの範囲が広い場合は、シップ薬の代わりに、「インドメタシン」や「フェルビナク」など鎮痛成分の入った塗り薬を使うことでも痛みを和らげることができます。

シップ薬や塗り薬は痛みの原因をとり除くわけではないので、生活上でできる工夫をした上で、あくまでも補助的に使うようにしましょう。

飲み薬の鎮痛薬で痛みをとることは、副作用の影響が起こりやすいので、あまりお奨めできません。

食生活で痛みを改善!痛みを和らげるビタミンの摂りかた

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坐骨神経痛の痛みを改善するために、食生活で工夫できることもあります。それはビタミンB12を積極的に摂ることです。ビタミンB12は過剰に働く神経を正常にして、痛みを軽減するはたらきがあります。

ビタミンB12を多く含む食品には次のようなものがあります。

  • いくら
  • すじこ
  • たらこ(明太子も可)
  • かつお節
  • のり(乾燥海苔、のり佃煮)

ビタミンB12は魚卵など海産物に多く、ちょうどご飯のおともにぴったりのものばかりですね。

また、ビタミンEも筋肉をほぐし足の血行を良くするので、積極的に摂りましょう。ビタミンEを多く含む食品には次のようなものがあります。

  • 大根の葉
  • しそ
  • 春菊
  • 菜の花
  • ホウレン草

ビタミンEは、緑色の葉物野菜に多く含まれています。

坐骨神経痛は、一度発症するとクセになることが多く再発しやすい病気です。痛みが苦痛なので、最終的には手術を選択する人も多くいます。

しかし、たとえ治療が上手くいっても、元々の原因となった悪い姿勢の癖などを改善しなければ、また再発してしまします。いずれにしても、根本的な原因を突き詰めて改善することが必要な病気です。

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