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疲れやストレスが肋間神経痛の原因?あばらが痛い症状の対処、治療法

胸を痛めておさえる男性

突然の胸の痛みに襲われた経験はありませんか?例えるならば、鋭い針でブスッと刺されたような、突発的で瞬間的な痛み。胸に痛みを感じた瞬間というのは、誰でもドキッとしてしまうものです。

なぜなら胸の痛み=心臓の何らかの疾患と考えている人が多いためです。しかし、胸の痛みが心臓の疾患であるというケースはまれで、その痛みは「肋間神経痛」と呼ばれる痛みなのかもしれません。

これはビリっと鋭い痛みであることが多く、思わず声が出てしまうことも少なくありません。

この肋間神経痛は、意外にも原因がわかっていることが多いのです。その原因にはいろいろな種類がありますが、それを突き止めればそれぞれの正しい対処ができるでしょう。

肋間神経痛とは何か、痛みを引き起こす原因と、その対処法についてご紹介します。

肋間神経痛ってどこにある?肋間神経痛で痛む場所とその痛みの原因

肋間神経痛と言う名前は多くの人が聞いたことのある名前だと思います。また、ある程度の年齢以上になると、経験することも多いのではないかと思います。意外に10代の若者でも経験することがあるんですよ。

肋間神経痛自体は病名じゃなくて症状です。つまり、何か病気があって肋間神経痛と言う症状が出ているということですね。

風邪が病名で、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが症状と言う関係と考えてもらうとわかりやすいでしょう。

肋間神経痛には

  • 原因が明らかでない特発性
  • 原因になる疾患がある症候性

の二種類があります。特発性の場合、胸郭を膨らませたり狭めたりする筋肉や肋骨に神経が挟まれて起こることが多いです。(絞扼性:後に解説します)

一方、症候性の場合は感染症から骨折まで様々な原因で痛みが起こります。特に肋骨周りのトラブルが痛みを引き起こすことが多いようですね。

肋間神経と肋間筋の関係

私たちは腹式呼吸をする時は、横隔膜に力を入れてぐっと下げることで、大きく息を吸い込み、それを緩めることで息を吐き出しています。

しかし、普段呼吸のことを意識していない場合は、胸式呼吸と言う浅い呼吸になっていることが多いですね。この胸式呼吸は肋間筋と言う筋肉によって、肋骨で囲まれた空間を拡げたり狭めたりして行っています。

外側および内側肋間の位置を表すイラスト

この肋間筋をコントロールしているのが肋間神経です。

若い人の場合だと、肋間神経痛はこの肋間筋同士や肋間筋と肋骨によって、肋間神経が締め付けられることによって起こることが多いです。

また、何かのはずみで肋間筋に筋肉痛や肉離れが起こってしまうと、大変強烈に痛みます。もともと肋間筋は内外の二種類がありますが、どちらも肋骨を引きあげるか引き下ろすだけの働きを持っているだけです。

つまり、肋間筋は決して大きな力を出せる筋肉ではないのです。

そこに、例えば体をひねりながらくしゃみをするような無理な力をかけてしまうと、比較的簡単に筋肉痛や肉離れが起こります。これも感覚は肋間神経で感じ取っていますから、症候性の肋間神経痛と言って良いかもしれません。

肋間筋は一本の筋肉ではなく、一本の肋骨の後ろ側に始まり、肋骨の間の隙間を通って次の肋骨の前の方に終わる10cmほどの長さの細い筋肉です。

ですので、肋骨の間に指を沿わせて押してみれば、筋肉痛や肉離れがあれば痛むポイントが見つかるかもしれませんが、骨や筋肉に隠れて圧痛点が見つからないこともあるでしょう。

肋間神経痛は左右どちらかに出ることが多く、強いて言えば左側に出やすい傾向があります。また、12個ある胸椎のうち、上から5番目~9番目に出やすいこともわかっています。

胸椎は上から7番目までは胸骨につながる神経の、それ以降は腹部につながる神経の出発点ですから、ちょうどその境目を中心にしていると考えればわかりやすいでしょう。

骨格における胸椎の位置と5番目から9番目の胸椎の位置

姿勢の変化と痛みの変化が連動しない場合は絞扼性かも

絞扼性と言うのは「挟まれ、締め付けられる」と言うことです。最初の方でお話しした、神経が筋肉や肋骨に挟まれて痛みが出ている可能性がある場合を指します。

この場合、一瞬だけピリっと強い痛みが走り、それ以外のタイミングでは痛みがないと言うケースもよくあります。

発生頻度が高かったり、痛みが強かったりして日常生活に影響が出るようであれば、受診してお薬をもらうことをお勧めします。おそらくシップなどの外用薬と、ビタミンB群の内服薬を出してもらえるでしょう。

受診するほどではないけれど気になるという人は、浴槽に浸かりながら、痛む場所の肋骨に沿って指を這わせ、なでる程度のマッサージをしたり、市販の湿布薬やビタミンB製剤を利用するのも良いですね。

そうしたことを行っても改善しないようであれば、受診して原因を調べてもらって下さい。NSAIDsやビタミンの他、プレガバリン(商品名:リリカカプセル・ジェネリックなし)と言う神経痛治療薬の処方の可能性もあります。

ストレスや悪い姿勢は肋間神経痛の原因になり得る!

人はストレスにさらされると、特にデスクワークのように椅子に座った姿勢では猫背になりがちです。これは上や背後からの攻撃から身を守る防御姿勢なんですね。

動物であった時代の人間は、捕食者に襲われるということがストレスそのものであったわけですから、ストレスにさらされると猫背になるというのもうなずけます。

猫背は肩こりの原因にもなる悪い姿勢

ストレスを受けたら必ず猫背になるのかと言うと、そこは定かじゃありませんが、少なくともストレスにさらされた状態でおなかを見せてふんぞり返る人は少数でしょう。

猫背になると肩が凝ります。肩こりと言うと首の方、つまり頸椎への負荷が問題になりがちですが、頸椎の下に12個もある胸椎にも少なからず悪影響があるのです。

見目智紀博士らが行った研究では、被験者の首を保持しながら、被験者の胸椎を動かすという介入を行いました。

その結果、介入後の胸椎運動の範囲とVAS(Visual Analogue Scale:痛みの主観的評価)との間に有意な関係がありました。

胸部の移動度の向上が、首と肩のこりの大幅な改善をもたらしました。この結果によって、胸部運動機能の喪失による姿勢制御障害が、首や肩こりの重要な要因の一つであったが示唆されたのです。

(参考…「胸椎の可動性不良と原発性肩こりの関連性についての検討」(英文) – 見目智紀博士ほか)

このように、悪い姿勢などが原因で胸椎の動きが悪くなっていると、肩こりや首のこりが発生することが実験観察からわかりました。

そして、胸椎の動きが悪くなるということは胸椎椎間関節症の原因にもなってしまうので、肩こりになる姿勢は肋間神経痛の原因にもつながりかねないのです。

ストレスは思わすところに緊張をもたらしていることがある

皆さんもストレスに襲われたときには、無意識に身体に力が入っていませんか。ストレスを感じているときは何かを握りしめたり、貧乏ゆすりしたり、おなかに力が入ってしまって呼吸が浅くなったりと言うことはよくあることじゃないかと思います。

呼吸が浅くなるということは、おなかだけじゃなく胸郭のあたりにも、無意識の緊張が発生している可能性は高いですね。そうした場合、背骨から出て肋骨沿いに走る肋間神経を、どこかで緊張して腫れた筋肉が圧迫するかもしれません。

筋肉同士で挟まれたり筋肉と骨で挟まれたり、その様子によって痛みの質や継続性などは変わるでしょう。しかし、緊張がほぐれればそうした圧迫も解消され痛みが出なくなるという訳です。

しかし、その緊張状態が持続する、つまりストレスから解放されないということになると、同時に肋間神経痛の原因になっている筋肉の緊張や腫れも慢性化しかねません。

肋間神経痛は痛みっぱなしにはなりにくい

肋間神経痛に限らず多くの神経痛では、一定の痛みが継続的に発生することはなく、強まったり弱まったりすることや、まったく痛みがない状態から突然チクチクっと痛みが出て驚くこともあります。

肋間神経痛に多いのは後者の方ですね。継続的に痛みがないのは助かりますが、突然針で刺されたような痛みが電撃的に起こるので、思わず声が出てしまうこともよくあります。それはそれで困りものです。

一方、痛みと言うのはそれ自体がストレスになります。肋間神経痛のようにいつ襲ってくるかわからない痛みと言うのはさらに精神的ストレスをもたらしますね。ですから、可能な限り排除しておきたいものなのです。

肋間神経痛は突然来ますからびっくりします。坐骨神経痛のように鈍痛が続くものに比べると、驚きと言うストレスも無視できないんじゃないでしょうか。

肺炎や胸膜炎が肋間神経痛の原因になることもある

肺炎や胸膜炎が肋間神経痛の原因になることは割合多いようです。肺炎はよく知られている通り、様々な原因菌に感染することで肺が炎症を起こすものです。

原因菌はウイルスから細菌、真菌、寄生虫に至るまで幅広く存在しています。そのほか、年配者の誤嚥性肺炎や喫煙によるもの、肺炎自体が他の病気を原因として起こるものなど多岐にわたります。

肺炎から肋間神経痛へのメカニズムはいくつかの経路があるようですが、詳細については症例ごとに対応が異なります。治療に当たったドクターに相談してもらうのがいいと思いますが、実際のところ積極的な対応は少ないようです。

と言うのも、こうした原因の病気がある肋間神経痛は、病気本体が治るといずれ消えてゆく症状だからなんですね。多くの場合鎮痛剤系のシップやカイロを勧められると言う経験談をよく聞きます。

肺炎だけでなく、肺がんに伴う肋間神経痛も有名です。ただ、これは肺がんの手術に伴って神経が傷つけられることに原因がありますので、傷が治って行くに従って軽快します。

胸膜炎は気を付けた方が良い病気

肋間神経痛の原因になる胸膜炎は、それ自体が他の重い病気に続発して起こることが多い病気です。年配の方の場合「肋膜炎」と言う名前でご存知の人も多いでしょう。

胸膜炎は二枚の胸膜の間にある胸水が増えることで痛みをもたらすことが多いですね。腹膜の中にあって内臓の動きをスムーズにする潤滑液のことを腹水と言いますが、これが増えすぎる「腹水が溜まる」と言う症状は皆さんよくご存知でしょう。

これと同じように肺の動きをスムーズにするための潤滑液が胸水です。腹水と同じように量が増えすぎると問題が出てくるんですよ。

感染によって起こった胸膜炎の場合、胸水のあるべき部分に膿が溜まってしまうこともあります。こうした場合は、危険性があるため膿を抜く手術対応になります。

胸膜炎は肺炎や肺がん、膠原病、結核菌の感染、心臓の疾患などが原因で起こる病気です。ですので、肋間神経痛は、胸膜炎と言う病気を間に挟んで、より重い病気を知らせている可能性もあるのです。

ただ、胸膜炎自体が胸の痛みをもたらす病気ですので、病気による痛みなのか肋間神経痛による痛みなのかも見分ける必要がありますね。これをテストするにはシュベルマン徴候と言う物を見ます。

肋間神経痛は左右非対称に、つまり左右どちらかに発生します。その時、痛くない側に身体を曲げて痛みが増えるようであれば胸膜炎による痛み、痛い側に身体を曲げると痛みが増えるようであれば肋間神経痛だと区別します。

実際には椅子に座って体を左右に曲げてみます。曲げた側に痛みが出れば肋間神経痛、伸ばした側に傷みが出れば胸膜炎による痛みの可能性があります。

背骨に原因がある肋間神経痛は加齢が原因

背骨は椎骨と言う30個ほどの骨が、椎間板と言う軟骨を挟んで積み上げられてできています。複数の骨が、軟骨をクッションに積み上げられているので、自由に曲がることができるようになっているのです。

このうち首の骨である頚椎と、腰の骨である腰椎の間にある12個の骨のグループを胸椎と言います。この胸椎の骨や関節に加齢による変化が現れると、肋間神経痛の原因になる場合があります。

変形性胸椎症は無症状のことも多い

年齢を重ねると、あちこちの骨や関節に変形や摩耗が発生します。これ自体は病気ではなく、自然な加齢現象です。しかし、痛みや動きにくさと言うものが現れると治療の対象になります。

変形性の病気では、歩行にトラブルが起こる変形性膝関節症が有名ですね。一方、脊椎に起こる変形性脊椎症の症状では、神経の圧迫によって症状が発生していることが多くなっています。

椎骨には、真ん中に脊髄などの重要な神経組織が貫通する椎孔と言う穴が開いています。また、骨の左右には半円形のくぼみがあって、上下の骨のくぼみが合わさって、椎間孔と言う穴ができます。脊髄から分岐した神経は、この椎間孔を通って脊椎の外に出てきます。

肋間神経は脊髄から枝分かれした胸神経に属する神経で、第1胸椎から第12胸椎の椎間孔から出てきているのです。ですから、変形性胸椎症で椎間孔が狭まると、姿勢を変えた時などに、肋間神経の根元が圧迫されて肋間神経痛を引き起こすことがあります。

このような脊椎に原因のある肋間神経痛では、時として肩甲骨あたりの凝りや筋肉痛、腹筋の痛みのように感じられることもあります。痛みが続くようであれば受診して下さい。

こちらもNSAIDsの内服薬・外用薬やビタミンB群の他、プレガバリンのような神経痛治療薬などが用いられます。

麻痺や歩行困難が起こったら手術を考える

胸椎を含め、椎骨には脊髄が通るための穴が真ん中にあいています。この穴が縦に並んだ管状の部分を脊柱管と呼び、中には脊髄や馬尾神経が通っています。腰の部分の脊柱管が狭まって起こる腰部脊柱管狭窄症と言う病気で有名かもしれませんね。

この脊柱管は、胸椎のあたりでは上から下まで脊髄が通っているのですが、椎骨の変形で胸部脊柱管が圧迫されると神経麻痺が起こります。腰部脊柱管狭窄症と同じですね。

これは肋間神経痛と同じように椎骨の変形や周辺組織の変形で起こるのですが、神経の麻痺が起こり歩くこともできないと言った症状が出るもので、肋間神経痛とは異なるものです。

服薬で治療を開始しますが、場合によっては手術で圧迫されている部分を矯正する必要が出る場合もあります。

胸部脊柱管の圧迫は肋間神経痛とは直接関係ないものの、原因は同じ椎骨にありますから紹介しました。こうした神経症状は早いうちに対策しないと、身体の機能が衰えてしまいますので、早いうちに受診して下さいね。

治りにくい肋間神経痛は腫瘍によって起こっていることがある

お医者さんに通って治療を受けているのに肋間神経痛が改善せず、どちらかと言うと、じくじく痛み続ける症状があるといった場合には、悪性良性を問わず神経の近くに腫瘍ができていることがあります。

特に神経ブロックのような強力な痛み止めを行っても、しばらくすると痛みが戻ってくるような場合、MRIなどを使ってしっかりした検査を行う必要があります。

腫瘍ができる位置は肋骨と脊髄

肋間神経痛は、筋肉や骨によって肋間神経が締め付けられることで起こりますが、肋骨に骨腫瘍が発生した場合、やはり神経を圧迫して痛みを起こす可能性はあります。

また、脊髄に腫瘍ができて脊髄を圧迫した場合には、痛みだけでなくしびれやマヒと言った症状が現れることもあります。

具体的にどのような病気がそうだと決めつけることはできませんが、長引くような痛みや治療効果が現れない場合には、お医者さんが検査を提案してくれるでしょう。

腫瘍はMRIで検査することが多いのですが、脊椎(骨の部分)から出た腫瘍の可能性がある場合はCTやレントゲンを用いることもあります。

治療は腫瘍の摘出手術になります。取り出したものを病理検査して、悪性でなければOKですし、悪性であれば手術後の化学療法や放射線療法と言った治療が継続されます。

脊椎と脊髄のどちらにも腫瘍ができる可能性がある

良く混同されるこの二つですが、脊椎(せきつい)と言うのは「背骨」のことです。つまり骨と軟骨でできた構造物です。人間を含めた脊椎動物の、体幹を支える中心になる部分ですね。

この骨の部分に腫瘍ができると、場合によっては身体を支えることができなくなって痛みを出す場合もありますし、腫瘍によって神経が圧迫されて痛むこともあります。

一方、脊髄(せきずい)は、脳の下から腰に向けて伸びる神経の集まりです。ここから多くの神経が、全身に枝として伸びてゆきます。脊髄と脳を合わせて中枢神経と言います。そこから枝分かれした神経が末梢神経です。

脊髄は脳と同じように髄膜に包まれていて、その髄膜の内外に腫瘍ができると、神経を圧迫して痛みが出ます。

脊椎・脊髄にできる悪性の腫瘍は、他から転移してきたものが多く見られますので、大元の腫瘍を治療することも並行して行われなければなりません。

背骨にできる腫瘍は、悪性・良性にかかわらず、重要なのは脊髄に対して強い圧迫が続かないようにすることです。強く圧迫された状態が続くと脊髄が損傷して、腫瘍を取り除いても、立てない・歩けないなどの神経症状が治らなくなります。

胸の痛みは比較的早い段階から出ますので、その症状を見落とさないことが早期発見の重要なポイントになるでしょう。

肋間神経痛とがんは、イメージ的に繋がりにくいのですが、実際に胸の脇の方の痛みとして肋間神経痛がある場合は、警戒の対象になるんです。

痛みが骨折から来ていることもある

姿勢を変えると痛みが強くなる場合、このように肋間筋が傷んでいるケースが考えられます。ただ、肋間筋の負傷は外傷性になりますから、もしかすると同時に肋骨が折れているかも知れません。

肋骨はわりあい簡単に折れますし、折れても内臓に刺さらない限りそれほどダメージは大きくありません。

ですからついつい軽視しがちですが、胸に痛みがあり、姿勢を変えると痛みも変化するといった症状がある場合は、整形外科を受診して骨折がないかを確認してもらいましょう。

折れていればバストバンドと呼ばれるサポーターを巻いて、若い人なら2~4週間、高齢の方の場合4~6週間、患部を固定します。バストバンドは骨折の場合だけ健康保険が効くことがあります。

装具メーカーのアルケア株式会社によると、性別や体格に応じて、様々なタイプのものを準備しているそうです。

このバストバンドは、骨が折れていなくても、軟骨の損傷や肉離れなどで動かすと痛みがひどい場合にも使われることがありますが、その場合は残念ながら全額自費になるでしょう。

▼胸部固定帯・バストバンド|アルケア株式会社

痛みに対してはNSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛薬)の外用や内服で抑えることになります。

昔は肋骨が折れたら「さらし」を巻くのが基本だったんですけどね。バストバンドは便利で簡単ですが、さらしは使い終わったあと木綿布として使えるんでそれはそれで便利なんですよ。

女性は特に骨粗しょう症に注意が必要

女性は更年期を迎えるとホルモンバランスの関係で、閉経に向けて徐々に骨密度が下がってゆきます。いわゆる骨粗しょう症の入り口ですね。

一方、現在ではこうした年齢であっても元気に活動的な生活を送っている人がほとんどです。そうなってくると、活動的な生活が原因で弱った肋骨に微細な不完全骨折、つまりひびが入ってしまうこともあるんです。

しかしその骨折部分が小さいため、X線検査などで確定診断がつかないことも少なくありません。この小さな骨折が原因で神経を痛め、それが肋間神経痛を引き起こしていることがあります。

特に更年期後半から閉経後の女性の場合はこうしたことにも注意が必要でしょう。

感染症でも起こる肋間神経痛!帯状疱疹や感染性脊椎炎も原因に

神経痛と感染症と言えば、ヒトヘルペスウイルス3型感染症である水痘(水ぼうそう)の再燃である帯状疱疹が有名ですね。

帯状疱疹ではお腹や背中、胸にブツブツができて激しく痛むというのが特徴ですが、この領域は実は肋間神経領域なのです。

水ぼうそうが治ったあと、ウイルスは神経に潜伏感染を続けますが、このとき一番多いのが肋間神経への潜伏なのです。次に多いのは顔の三叉神経です。

ブツブツが出ないケースもある

帯状疱疹を発症したとしても、典型的な症状である、神経に沿ったブツブツと強い痛みがあれば、ほとんどの人はすぐに皮膚科を受診して事なきを得ると思います。

また、痛みがないケースでも、見た目が派手なのでこれもまた皮膚科のお世話になるでしょう。しかし、皮膚症状が現れず神経の痛みだけが出た場合迷いますね。

もちろん、整形外科でも開業医さんの「内科・外科」のクリニックでも、受診さえすれば正しい答えを導いてくれるでしょうから、それは問題ないのです。

問題なのは市販の痛み止めを飲んで我慢してしまうことですね。強い痛みがある場合にはまず受診して検査を受け、原因を突き止めてもらった方が、重症化を防げるので良いのです。
非常に痛く、眠れないほどという人も珍しくありません。もっとも危険性が高いのは顔の三叉神経に出る帯状疱疹ですが、この肋間神経に出るものも痛みは非常に強いので厄介ですね。

感染性脊椎炎でも似たような症状が起こる

ブドウ球菌や大腸菌などのありふれた細菌が身体のどこかに感染し、血液に乗って脊椎に感染を起こす場合があります。こうした場合に多く見られるのは腰痛なのですが、時として肋間神経痛かと思うような痛みが出る場合もあります。

元になる感染は外傷性のものから腎盂腎炎、大腸がんなど多岐にわたりますので、一般化してはお話しにくいです。

ただ、背骨を誰かに軽く叩いてもらった場合に、90%の人に痛みが感じられるというデータがあります。さらに化膿性の感染症ですので、発熱が見られることも少なくありません。

胸や腰が神経痛のように痛み、背中を叩くと一部に痛みがあって、発熱が見られたらすぐに受診して下さい。初診は一般のクリニックの外科、または大きな病院の総合内科で良いでしょう。

多くの場合、抗生物質・抗菌薬の処方で治療できると思われます。

帯状疱疹の痛みはひどいケースが多いですね。皮膚症状が現れると判りやすくていいのですが、そうでなくても強い痛みがある時には必ずお医者さんに出掛けて下さい。

肋間神経痛を治療するには原疾患を取り除くことから

どんな症状にせよ、それを解決するのはもとになる疾患を取り除くことです。それができない場合、症状を緩和する対症療法が次善の策として用いられます。

最初にお話ししたように、肋間神経痛は胸周りの重病によっても引き起こされますから、まずはそのような病気がないかをチェックすることが大事です。ですので、痛みに悩んだらまずは内科を受診しましょう。

内科的に異常がなければ整形外科の担当

内科で検査などを受けて、目立った病気がなければ担当のお医者さんから紹介を受けて整形外科を受診して下さい。おそらく、ここで原発性の肋間神経痛と言う診断が下されるでしょう。

肋間神経痛は背骨から出る神経が圧迫されて起こる症状ですが、その神経はたくさんありますし分岐もしています。そこでどの神経が痛んでいるのかを探る必要が出てきます。

その際「ヴァレーの圧痛点」と言うものを参考に、押して痛みが強くなる場所を探ることで痛んでいる神経を探し当てます。背骨の両側やわきの下の前側から大胸筋に沿ったライン、胸骨の両側や腹直筋の真ん中あたりにある点です。

しかし、素人にそれを探り当てるのは難しいし、そもそも背骨の両側は自分では触れませんよね。ですから、専門家に診断してもらって、この辺りにある神経だという場所を教えてもらいましょう。

その場所は最初マジックで印をつけてもらってもいいくらいです。そのラインに沿って湿布を貼ったり薬を塗ったりするのが効果的なんです。

治療は鎮痛剤・シップ・塗り薬

多くの場合、原発性の肋間神経痛の場合は治療と言っても対症療法になります。シップと痛み止めの飲み薬が中心になりますね。塗り薬が出ることもあるかもしれません。

多いのはNSAIDsに分類される

  • ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)
  • ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)

です。どちらも効きますが、やや副作用が強いお薬でもあります。副作用は胃腸症状が多いようです。

また、最近よく使われるのはプレガバリン(リリカカプセル)と言う神経痛に特化したような特殊なお薬です。非常によく効きますが副作用が多いのはちょっと気になります。

  • 眠気
  • 視力障害
  • 意識喪失

など様々な物が報告されています。

さらに、NSAIDsに関しては外用薬として塗り薬や湿布薬として処方されることもあります。いずれにせよ適用範囲が決まっていますし、持病によっては使えないものもあるのでお医者様によく相談しましょう。

神経ブロックはペインクリニックで

こうしたお薬が効かない場合、胸椎に麻酔薬を注射する神経ブロックと言う治療が行われます。何度が注射する必要があることもあるようですが、大変優れた効果をもたらします。

この神経ブロックは整形外科などから紹介を受けて、ペインクリニックで行うことになることが多いでしょう。ペインクリニックは疼痛対応専門の麻酔外来のことです。

痛みを止めるプロですから、最小限のリスクで最大限のベネフィットを得られるように対応して下さるでしょう。

そして、神経ブロックにはもう一つの効果があります。それは隠れていた病気を見つける効果です。肋間神経痛の対処として神経ブロックを行っても、まったく効果が出なかった場合、それは肋間神経痛ではなく別の病気です。

万が一そうした症状である場合は、今度は逆にペインクリニックから内科や整形外科に戻してもらうと言う方法も悪くありません。

肋間神経痛であれば数度の神経ブロックで、必ずある程度は痛みが弱まるのです。ですので、お医者様から神経ブロックを提案されたら、それに乗ってみる方が良いと思います。

よく診察科のたらい回しと言うことが問題視されますが、本来は患者の方から求める科を要求して回してもらうのがベストなのです。

たらい回しは「される」より、「するように要求する」と言う能動的な姿勢が病気を改善する方法です。ただし、飽くまでお医者様とよく話し合って治療方針を決め、決めたからには従うと言うアドヒアランスを守って下さいね。

治療方法もずいぶん進歩していますので、病院では遠慮なくいろいろ相談してみて下さい。きっとあなたに遭う方法が見つかりますよ。

病院に行くほどじゃないけど痛みはいやだという場合

実際このレベルの方が一番多いんじゃないでしょうか。先にお話ししたように、それほど頻繁じゃいないものの、突然やってくる痛みに時と場所をわきまえず声が出てしまうというのは恥ずかしくもありますよね。

そうなった場合、対処の基本は昔ながらの

  1. 栄養
  2. 姿勢
  3. 温熱

でしょう。

1.ビタミンをいくつか意識して摂ることは悪くない

神経痛と言うとビタミン剤が良いんじゃないかと言う考え方はあります。実際、神経痛用のお薬として、鎮痛剤と合わせてビタミンB1・B2・B6・B12の複合ビタミン剤が処方されることが多いです。

また、神経痛に直接効くものではありませんが、ビタミンEとナイアシンの複合ビタミン剤が血行改善を目的として処方されることもあります。血行改善はさまざまな痛みやしびれ感に有効ですので、これも意識しておきましょう。

多く含まれている食品は以下のとおりです。

ビタミンB1 豚肉
ビタミンB2 アーモンド
川魚
ビタミンB6 まぐろ、かつお類
ピーマンやカブ
ビタミンB12 魚介類やレバー
ビタミンE ナッツ類
魚卵
ナイアシン 魚卵を筆頭に魚介類

こうしたものをうまく組み合わせて摂ることで、栄養素の面から軽度のものであれば肋間神経痛を改善することができるでしょう。

もちろん総合ビタミン剤を利用するのもOKですよ。ただ、総合ビタミン剤で摂るとビタミンAやDのような脂溶性ビタミンを含んでいますので、過剰摂取に注意が必要になります。そのあたりには注意してくださいね。

2.肩甲骨を動かすというのは肋間神経痛にも効果

まず、まっすぐ正面を見て下さい。その状態のまま両腕をまっすぐ上にあげて、耳の横に沿わせ、ひじをぴんと伸ばしてしっかり頭を挟んでみて下さい。スムーズにできますか?

肩関節・肩甲骨・胸椎のあたりの動きチェック方法

これに筋肉の強い緊張があったり、背骨や肩が鳴ったり、まったくできないという人は、肩関節・肩甲骨・胸椎のあたりの動きが悪くなっているということです。

まずはこの姿勢を取っては元に戻るということを何度か繰り返すと、そうした部位の動きが良くなります。そのほか、胸を張って肩甲骨を合わせるような体操も有効です。

さらに。テニスボールを床に置いてその上に仰向けに寝るセルフマッサージも効果的です。ボールを肩甲骨の間で挟むようにしてコロコロすると、胸椎の動きが良くなります。強い痛みを感じたらすぐにやめて下さいね。

3.下着とベストを工夫して保温効果を上げる

身体は冷えると筋肉が緊張します。筋肉の緊張は先にお話しした通り神経を挟んでしまうことの原因になります。

ですので、肋間神経痛の原因になる上半身の体幹部分を冷やさないように保温するのが効果的なんです。

冬場はインナーに一枚追加するのが良いのですが、女性の場合ちょっと問題があります。それはキャミソールタイプでは肝心の胸椎の部分が半分保温できないからなんですよ。

できればベストのようなデザインでもいいので、肩をしっかり覆うものを着用しましょう。ヒートテックのようなものでも、アウターへ響くことを嫌ってデザイン優先になり、肩周りの保温ができないものが多いんですよね。

夏場の場合も保温すべき部分は必ず覆うようにしてください。その時保温性よりも透湿性重視にすることが重要です。汗をかいた時、水分が長く下着に留まるとかえって体を冷やしてしまうからです。

この二つの点に留意して、体幹部と肩を冷やさないようにするのが肋間神経痛の改善には重要になります。

おばあちゃんが言う「身体は冷やしちゃいけない」的な内容ですが、もともと神経痛と言えばおじいちゃんおばあちゃんのものでしたからね。その意見は大事にしましょう。

肋間神経痛はバリエーションが豊富

他に原因になるような目立った病気がない原発性の肋間神経痛や、何らかの病気が肋間神経を刺激して痛みを出している症候性肋間神経痛、さらには肋間神経痛のような症状が出るまったく別の病気など、意外にバリエーションが豊富です。

ですので、痛みが強い・痛みが長引くといった場合には必ず受診して原因を探って下さい。

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