健康生活TOP 卵巣がん 睡眠が卵巣がんのリスクを下げ予防する!禁酒禁煙より効果的

睡眠が卵巣がんのリスクを下げ予防する!禁酒禁煙より効果的

sleep women

日本人には比較的少ない女性の病気、卵巣がん。乳がんの生涯罹患率が5%くらいであるのに対して1%程度です。また、アメリカ人の生涯罹患率が1.4%であるのに比べても高いですね。

そのせいか、これまで卵巣がんのリスクファクターについての研究は、欧米のデータを引き写したものが多かったのですが、これでは日本人の生活に合わない恐れもあります。また、同じ日本人でも海外在住だとリスクが変化することも珍しくありません。

そこで国立がん研究センターは多目的コホート研究のデータを用いて、日本在住の日本人女性について、卵巣がんのリスク要因を探る研究を行いました。果たしてその結果は…?

飲酒喫煙は関係ない?欧米では様々なリスク要因が知られている

欧米では日本に比べて卵巣がんが多いため、様々なリスク要因についての研究が発表されています。しかし、がんのリスク要因と言うのは、たとえ女性特有のがんであっても他の生活習慣と関連することも十分考えられます。

食の欧米化が言われて久しいですが、まだまだ日本人と欧米人では生活習慣や体質に違いも少なくありません。はたして欧米で知られているリスク要因は日本人にも当てはまるのでしょうか。

欧米との共通要素は出産回数だけだった

欧米で示されている卵巣がんのリスク要因には次のようなものがあります。

  • 出産経験がないこと
  • 低い初潮年齢
  • 高い初産年齢
  • 母乳の授乳を行っていないこと

しかし、今回の日本の研究では出産数が多くなるほどリスクが低くなると言う傾向が見られた以外、他の要因は当てはまりませんでした。しかも、出産経験の有無だけで比較した場合明らかな差は出ていません。

初潮年齢については14歳を基準に、14歳未満でも15歳でも微妙に高くなっているかもしれないと言う程度で、統計的に意味のある数値ではありませんでした。

初産年齢についても、22歳~25歳を基準にして、22歳未満と26歳~29歳ではわずかにリスクが下がるものの、ほとんど意味のある数値ではなく、30歳以上でも少し高いのかなと言うレベルです。

さらに母乳による授乳についてはほとんど差が出ていません。

4人以上産んだ人は明らかにリスクが下がっていた

この研究によると、1人産んだ人では逆に少しリスクが上がっていますが、統計的に意味のあるデータではありませんでした。2人の場合少し下がっていて、3人になると減少傾向がはっきりしてきます。

そして4人以上産んだ人では統計的に有意なデータとして、卵巣がんの罹患リスクが下がっていたのです。これは単純に出産経験の有無で見た場合、出産経験がない人は卵巣がんに罹りやすいと言う欧米の研究と、方向性は一致していますね。

驚くべきことに飲酒喫煙は影響を及ぼしていない

ほとんどすべての病気において悪影響を及ぼすとされているたばこや、妊娠出産に関わる部分では決して良くない物であるお酒については、こと卵巣がんについては影響がみられていません。

欧米の研究でも飲酒喫煙に言及したものは見当たらないようですが、日本の研究でも、毒にも薬にもならないと言う結果が得られています。

そして、もう一つ驚くことは、肥満や痩せも、さらには運動習慣ですら影響しないと言うことですね。どのBMIグループに属する体型であっても、運動をしていようがいまいが、卵巣がんリスクに有意の差が表れていません。

たばこさえ影響しないがんってものすごく意外な気がしますね。

やっぱり子供を産む能力に関した女性の身体って神秘的です。

卵巣がんリスクに大きく影響したのは睡眠時間だった

一方、欧米の研究では現れてこなかった卵巣がんリスクに「睡眠時間」があります。日本の研究では睡眠時間が一番大きなリスク要因になっていたのです。

睡眠と言うのは性ホルモンだけではなく様々なホルモンに影響すると言いますから、その影響があるのかもしれません。でも、まだ理由は判っていないのです。

睡眠時間が7時間を超えていると卵巣がんリスクが大幅に減る

睡眠時間が6時間未満の人のグループが卵巣がんに罹るリスクを1とした場合、6~7時間のグループではリスクがほぼ0.5になっていました。しかし、わずかにデータのばらつきが多かったので有意であると言うところには少し届いていません。

一方、7時間を超える睡眠時間を持っていた人のグループでは、リスクが0.3くらいに減っており、データのばらつきを計算に入れても統計上有意であると言う数値が採れています。

睡眠時間の長さがなぜ卵巣がんリスクに関わるのかは、まだこれからの研究に待たないといけませんが、こうした傾向はかなり顕著に表れているようです。

可能性として考えられるのは、睡眠によって分泌が増えるホルモンの働きです。成長ホルモンとプロラクチンと言う2つのホルモンは、睡眠に依存して分泌量が増えます。

このうちプロラクチンは主に女性の妊娠・泌乳に関する働きを持っていますので、もしかすると関係があるのかもしれませんね。

やっぱり充分な睡眠は大切ですね。私も良く睡眠をとることにしましょう…元気くんも深夜アニメに夢中になって夜更かしはダメですよ。

その他のリスクファクターは卵巣の働きと関係しているかも

この研究では、日本人女性において卵巣がんが少ない病気であることから、もしかすると欧米で見つかっているリスクが浮かび上がってこなかったのかも知れないと言う可能性にも触れています。

日本人女性に卵巣がんが少ないのは、それ自体は良い事なのですが、それでも生涯罹患率(一生の間に卵巣がんに罹る確率)は1%、つまり100人に1人です。ですから、よりリスクを減らしておきたいものですよね。

そこで、欧米で認められたリスクファクターについて見てみましょう。

卵巣が働きすぎるとがんになりやすい?

女性には排卵と言う身体のリズムがあります。この時、卵胞を覆っていた卵巣の壁も破れます。そのあと、黄体の成長と、妊娠がなかった場合の黄体の退縮を経て、次の排卵の準備が始まるわけですね。

仮に14歳で初潮を迎え36年後の50歳で閉経するとした場合、28日周期であれば生涯を通じておよそ470回の排卵があることになります。

実際には、最初と最後の方でリズムが狂ったり、無排卵と言うことがあったりしますから、400回ぐらいが上限とも言われていますね。

この400回と言う排卵回数を基準に考えた場合、1回妊娠・出産すると、個人差はあるものの、卵巣は十数回の排卵をしなくていいことになります。もちろん、この際個人差は無視して、判りやすいように単純比較してみましょう。

標準的な妊娠出産の期間で考えた場合、11回パスすることになりますが、出産後すぐに排卵が再開されるわけでもありません。

仮に20回の排卵をパスしたとすると、卵巣にとっては生涯の仕事のうち5%を免除されたことになります。これで、仮に4人産んだとしたら、卵巣の仕事だけで見た場合2割も少なくなると言うことなんです。

その分、卵巣がんに罹りにくくなると言うのはうなずけますね。

逆に、初潮が早いとリスクが高まるのは、この妊娠回数と逆のことが起こるからです。最近では10歳くらいで初潮を迎える人も珍しくないそうですね。その場合、14歳で迎えた人に比べると52回も排卵回数が多いことになります。

400回に対して52回と言うことになると13%アップです。仕事を1割以上増やされては、卵巣だって疲れちゃうかもしれませんね。

晩婚化・少子化の現在、卵巣がんリスクは上がっているのか

卵巣がんの大半を占める上皮性卵巣がんについては、近年急速な増加傾向があるようです。

(抜粋)

日本全体でも卵巣がん患者さんは増え続けていると想定されます。

卵巣がん患者さんが治りにくいのは、進行した段階で見つかって来られる方が多いからということがよく解ります。即ち、卵巣がんは、早く見つかればよく治るがんである可能性が高いのです。

少子化そして未婚・晩婚化の著しい現代の女性の現状を鑑みると、昔の女性達に比べて、いかに排卵回数が多いかが解ります。これは即ち昔の女性と比べて現代の女性は、非常に卵巣がんになり易い状況にある事を示しています。

遺伝性卵巣がんについては、この様な患者さんはそれ程多い訳ではありませんが、血縁には、乳がんと卵巣がんの患者さんが多くおられることが解っています。

考えてみれば、欧米で見られた「高い初産年齢」がリスクファクターになると言う現象は、出産回数が少なくなると言うことによって発生しているのかもしれません。

欧米の研究では出産回数ではなく、出産経験の有無と言う形で統計を取っているのが多いため、こうした傾向が浮かび上がらなかった可能性があると言えるでしょう。

1人、2人ならいざ知らず、4人以上ともなると初産が30歳前後になってしまうと、条件としては大変厳しくなります。やはりたくさんの子供を持つには、20代前半での初産が有利になることは間違いありませんね。

その結果出産回数がふやせて、卵巣がんリスクがうんと減らせると言うことになるわけです。

出産と女性のがんとの関係

卵巣がんは出産数が多いほどリスクが下がることは判りました。では女性に固有のがんである後の3つ、「子宮頸がん」「子宮体がん」「乳がん」は出産数に影響されるのでしょうか。

illustration of the risk of birth number of times and cancer

統計的にわかっているのは、子宮頸がんは妊娠出産の回数が多いとリスクが増え、子宮体がんと乳がんは妊娠出産の回数が多いほどリスクが減る傾向にあります。

この中で子宮頸がんだけはウイルス性の感染症であることが判っています。そのため妊娠以前に、感染機会が多いことが問題だと考えられているようですね。
全体としては赤ちゃんを多く産んだ人の方が女性のがんのリスクが下がるんだね。

子宮頸がんワクチンには副反応の問題があるからあまり強くお勧めもできないし、人間関係の築き方で感染予防が上手くできるといいですね。

今の日本では難しいかもしれないけれど健康は自分で守ろう

卵巣がんのリスクを減らすのに有効な手段の一つは、3人、できれば4人以上の赤ちゃんを産むことです。しかし、高学歴化した今の日本では、初産年齢も高くなりますし、経済的な条件からも困難な要素が多いですね。

そもそも、今ごろこれが判っても遅いよって言う人だって、たくさんおられるでしょう。そうした場合はやはり、1日7時間以上の睡眠を確保することです。

とは言うものの、これもなかなか厳しいものがありますよね。女性の場合、お休み前のお肌や髪のお手入れに時間を取られることも、男性よりは多いでしょう。

でも、健康に替えられるものはありませんから、何とか工夫してみませんか。

平日に無理をして、土日に睡眠不足を解消するのは健康的でも効率的でもありません。逆に土日に回しても問題ない用事は溜めておいて、平日も土日も同じリズムでしっかり睡眠をとる方が好ましいのです。

自分のルールと言う物は誰にでもあるのですが、それに縛られるのではなく、時としてそれを組み替えてみるのも悪くありません。一度、自分の生活リズムをチェックしてみて下さい。

何事にもリズムは大切です。ご家族と一緒に住んでいる方は、皆さんで話し合って見られてはいかがでしょうか。

案外、ご家族皆さんの健康を向上させるきっかけになるかもしれませんよ。

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