健康生活TOP 骨粗しょう症 みかんで骨粗鬆症予防!ビタミンAに変換される色素が大活躍

みかんで骨粗鬆症予防!ビタミンAに変換される色素が大活躍

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骨粗鬆症、ある程度以上の年齢に達した女性にとっては皆さんが予備軍と言っても良いほどの、加齢が原因になる症状です。

基本的には適切な栄養と運動、それに医学的な対応である程度回避できるのですが、ここにきて意外なものが有効らしいと言う研究が発表されました。

それはビタミンA前駆体(プロビタミンA:代謝されてビタミンAに変わる物質)の一つ、β(ベータ)クリプトキサンチンです。

ちょっと舌を噛みそうな名前ですね。でも手軽に摂れて有効ならばこれほど良い事はありません。

まずは、名前について最初に統一します

栄養素や化学的な名前などをカタカナで書く際に、日本ではかつてドイツ語読みが一般的でした。しかし、最近では英語読みにすることの方が多くなってきています。

まだ完全に英語に統一すると言うルールができたわけじゃないとは思いますが、英語名の採用が増えてくると思うので、この記事でも英語読みで統一します。

今回の記事で関わってくる名称を

ドイツ語   英語

リコピン → リコペン
カロチン → カロテン
カロチノイド → カロテノイド

この三つに統一させていただきます。

カロテノイド?カロテン?名称説明

最初にちょっとだけ難しいお話を。

βクリプトキサンチンは、ニンジンなどに含まれるβカロテンやトマトのリコペンなどの仲間で、カロテノイドに分類されています。

カロテノイドとは赤から黄色の範囲の色素で、ビタミンAの前駆体です。

ただ、βカロテンは正式にはβ,β-カロテン、リコペンはψ(プサイ),ψ-カロテンと言う名前で、カロテンの仲間の物質ですが、βクリプトキサンチンは化学構造が異なり、キサントフィルと言うグループに入っています。

骨の入れ替え

骨の形成について説明しましょう。

人間の骨は常に古い材料と新しい材料が入れ替わっています。成長期にはどんどん骨を大きくする方向で材料の入れ替えが行われるため、身体が大きくなってゆくんですね。これには成長ホルモンが大きくかかわっています。

さらに、成長が終わって大人になると、完成した骨の大きさや形、強さを維持するように材料の入れ替えが行われるのです。

この時、破骨細胞と言うものが古くなった骨の部分を分解して吸収し、そこに骨芽細胞と言うものが新しい材料で骨を作って埋めて行きます。

この働きで一年間に20~30%の骨が更新されていると言います。

ホルモンの働き

その骨の更新と言う働きの中で、重要な役割を果たしているのが女性ホルモンのエストロゲンと副甲状腺ホルモンのパラトルモンです。

特に女性においては更年期を境に大きくホルモンバランスが変化するため、このエストロゲン分泌量の変化によって骨量が急激に減少し、骨粗鬆症を引き起こすとされています。

男性においても、男性ホルモンのテストステロンからエストロゲンが作られますが、相対的に大きな増減がないため骨粗鬆症への影響も女性よりは少ないのです。

そのため、骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い症状と言う事になるんですね。

余談ですが、骨粗鬆症の80%は女性ですので女性に多い症状と言えるのですが、それでも2割は男性が患っています。

ホルモン補充療法の危険性

更年期のさまざまな症状を軽くするために行われる女性ホルモンや卵胞ホルモンの投与、いわゆるホルモン補充療法ですが、骨粗鬆症の予防や軽減にも役に立ちます。

しかし、副作用として子宮がんや乳がんのリスクが高まるため、現在、骨粗鬆症に対する治療としては行われていないようですね。

もう一つのホルモン

副甲状腺ホルモンのパラトルモンですが、連続投与すると骨吸収が活発になり、骨量が減ると言う骨粗鬆症を進行させる働きを持っています。

ところが、一定の間隔を置いて投与すると逆に骨芽細胞の働きが活発になって骨密度が上がる働きがあります。

このことを利用して骨粗鬆症治療薬が開発されています。お医者様が処方される薬ですね。

骨粗鬆症にビタミンAが効くの?

骨の形成、ホルモンについての関係がわかったところで、骨粗鬆症の予防に有効とされているものを見てみましょう。

  • カルシウムを摂る
  • ビタミンDを摂る
  • ビタミンKを摂る
  • ホルモン補充療法を行う

このようなものが一般的には有効であるといわれています。ですので冒頭、「ビタミンAが役に立つ」ということに疑問をもたれるのはもっともでしょう。

しかし、統計研究によってどうやらこのビタミンA前駆体にも骨粗鬆症を予防する効果が期待できそうだと言う発表がなされたのです。

生活習慣から予防

私たちにとってお薬やホルモンと言うのは難しい存在ですが、骨を強くすると言う事であれば生活習慣からも改善できそうですね。

その中で、今まで注目されることのなかったβクリプトキサンチンを上手に利用して骨粗鬆症を予防してみましょう。

何を食べればいいのか

それは温州みかんです。

温州みかんと言うとブランドっぽく聞こえますが、実際のところカタカナでウンシュウミカンと言う事になり、それはすなわちお正月にこたつの上に乗っかっているオレンジ色のアレです。

有名な「有田みかん」、「愛媛みかん」、「三ヶ日みかん」など、いわゆる「みかん」と呼ばれているのは大体すべて温州みかんです。

βクリプトキサンチンはかんきつ類に豊富なカロテノイドなんですが、その中でも温州みかんには特別豊富に含まれているのです。

みかん産地の研究

静岡県で様々な人を対象に、骨粗鬆症について4年間の追跡調査が行われました。静岡県ですから三ヶ日みかんですね。

その結果、残念なことに男性には特別な効果はなかったそうです。もっとも大きな効果が表れたのは閉経後の女性でした。でも、閉経後の女性こそがもっとも骨粗鬆症のリスクが高いわけですからそれはもちろんですよね。

βクリプトキサンチンの血中濃度が高い人と低い人の二つのグループで追跡、分かれ目は1.07μg/mLだったと言う事です。

それによると、血中濃度が低かった人の骨粗鬆症発症を100とした場合、高かった人のグループでは8と、明らかな差があったと言う結果が出ました。

なぜ有用なのか?

実はまだそのメカニズムは解き明かされていません。しかし、統計的には明らかな結果が出ていますので、今後の研究が待たれるところです。

なぜ今まで知られなかったのか

それほどまでに有効なら、なぜ今まで研究されなかったかと言う疑問が出てきますよね。それはβクリプトキサンチンを含む食べ物にその理由があったのです。

含有率の差

βクリプトキサンチンが温州みかんに多く含まれていると言うことは先に紹介した通りですが、他にはどんなものに多いのでしょう。

  • 早生温州みかん:2200mg/可食部(100g)
  • 普通温州みかん:1800mg/可食部(100g)
  • ミネオラ:1300mg/可食部(100g)
  • ぽんかん:1000mg/可食部(100g)
  • 清見オレンジ:880mg/可食部(100g)
  • パパイヤ:820mg/可食部(100g)
  • びわ:600mg/可食部(100g)
  • 柿:500mg/可食部(100g)
  • ネーブルオレンジ:210mg/可食部(100g)
  • バレンシアオレンジ:130mg/可食部(100g)
  • レモン:13mg/可食部(100g)
  • グレープフルーツ:0mg/可食部(100g)

ご覧になってお気づきでしょう、みかんが圧倒的に多く含んでいるわけです。そして、柑橘系と言ってもグレープフルーツやレモンにはほとんど含まれていません。

そして、何よりも食べやすさに大きな差がありますよね。みかんならお正月にこたつとテレビがあれば一日に10個や20個…(笑)

それほど極端なことはしなくても、一日に1個や2個食べるだけでもたくさんのβクリプトキサンチンが摂れます。

仮にネーブルから同じだけ摂ろうと思うと10倍前後食べなきゃいけなくなるわけですから、温州みかん、優秀ですね。

日本の有利さ

外国では日本ほど食べ物からたくさんのβクリプトキサンチンを摂っていると言う人がそれほど多くなかったので、これまで注目されることがなかったんですよね。

と言うのも、日本のみかんは食べる時に包丁やナイフなどの道具が必要ないと言うのが大きいですね。

だから日本では顔が黄色くなるまで食べそうな人もいるくらいみかんは普通の食べ物です。そこで研究が進んだと言うわけです。

カルシウム・パラドックス

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もちろん骨を作るのにカルシウムは欠かせません。しかし、カルシウムだけをたくさん摂ろうとすると逆に骨をダメにすることがあるのです。

また、カルシウムの摂り方が足りないと、逆に血中カルシウム濃度が上がって高血圧や動脈硬化の原因になるのです。

こうした一見矛盾する現象をカルシウム・パラドックスと呼ぶのです。

牛乳の摂り過ぎ

牛乳をよく飲む人は骨粗鬆症になりやすいと言う、一見おかしな現象があります。これは動物が持つ「これまでと同じ状態を維持」しようとする働きが原因です。

大変効率よくカルシウムを摂れる牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度が上がり、身体はそれを補正しようとしてカルシウムを排泄してしまいます。

その際、勢い余ってカルシウムを捨てすぎることがあり、そうした場合、骨から血液中にカルシウムを補充するからなのです。

一緒に摂るものが問題

カルシウムをよく摂っているのに、逆に骨粗鬆症が多い国と言うのは、主に動物性の食品からカルシウムを得ていることが多いようです。

世界保健機関はその原因として、肉に含まれるアミノ酸類の影響を指摘しています。また、その悪影響を打ち消すために野菜や果物のカリウムが必要であるとも言っています。

温州みかんは果物としてはそれほど多くカリウムを持っているわけではありません。

バナナの4割強しか含まれていませんから、いわゆる一日摂取量の目標を達成しようと思ったら、みかんしか食べなければ13個くらい必要になります。

それでも他の食材から摂る分を考えればβクリプトキサンチンの効果と相まって充分役に立ちそうですね。

カルシウムを含む食品の選び方

やはり効率よく摂るには骨ごと食べられる魚がベストです。しらす干しとか煮干しなどですね。でもそれだけではやはりアミノ酸の悪影響が出ますから野菜や果物は必須です。

牛乳やチーズも効率よくカルシウムが摂れますが、先に言ったように吸収効率が良すぎるので、空き腹に飲んだり食べたりするのは避けましょう。

みかんは最高!

カルシウム、カリウムの関係から、”みかんを入手しやすい季節には常に食卓のお供にする”と言う習慣が高齢の女性を骨粗鬆症から守り、ひいてはご家族にも役に立つと言うわけなのです。

また、みかんは季節ものですが、四国の方にみかんを原料にした有名なジュースもあるようですので、季節はずれには利用価値があるかもです。

また、男性や閉経前の女性においても、βクリプトキサンチンの効果が統計的には表れていませんが、カルシウム・パラドックスの解消と言う意味において手軽なカリウム源として考えられてはどうでしょう。

さらに骨粗鬆症以外の分野、例えば糖尿病の予防や脂質異常症の改善など、生活習慣病を予防改善する効果も期待されていますから、みかんは意外と次世代の万能薬になるかもですね。

なお、飲酒喫煙はやはりβクリプトキサンチンの効果を台なしにしてしまいますので、やめていただく方が良いでしょう。

手軽に実践できる健康法、温州みかんを是非お試しくださいね。

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