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骨粗鬆症の辛い症状を少しでもやわらげたい!痛み緩和の方法とは

骨粗鬆症は、特に閉経後の女性にとって大きな問題になっています。女性ホルモンのバランスが変化することが原因で、骨からカルシウムが失われて密度が下がり、非常に弱くもろくなってしまう病気です。

もろくなった骨は、僅かな衝撃や、自分自身の体重によって骨折してしまい、その結果身体のあちこちに痛みが発生します。この骨折は衝撃を受けなくても起こることがあります。

骨折ですから、整形外科で適切な治療を受けることが必須ですが、それに加えて自分でもできる痛みの緩和について考えてみましょう。

骨粗鬆症だけでは痛みは出ない!痛みのもとをきちんと理解してから対処する

骨粗鬆症は、骨の密度が下がり強度が失われる病気ですが、それだけでは痛みが発生することはありません。痛みが発生するのは骨折が起こっているからなのです。

この骨折の中には、手足の骨折のようなイメージ通りのものばかりではなく、背骨の圧迫骨折や大腿骨の骨端でのひびのように、わかりにくい骨折が多く含まれています。

骨折の痛みは骨膜の神経によって起こる

大まかな言い方になりますが、骨そのものに神経はありません。骨の表面を覆っている骨膜という部分に、血管と神経がたくさん存在しています。

骨折すると、その骨膜に無理な力がかかったり、傷がついたりして激しい痛みが起こるのです。

骨はコラーゲン繊維で構造が作られ、そこにカルシウムが定着した、しなやかで強度の高い身体のパーツです。しかし、加齢などによって骨の密度と質が低下してゆくことで骨粗鬆症が起こります。

骨密度の低下とは、一言で言えば、骨からカルシウムが減ってしまうという現象です。私達が骨粗鬆症をイメージする時に、もっともイメージしやすいものだといえるでしょう。

骨密度の低下は、女性によく見られる、閉経によって女性ホルモンの分泌に大きな変化が起こることが最大の原因です。もちろんそれだけではなく、例えば運動量が減ることでも骨密度は下がります。

一方、骨質の低下は、「骨の骨組み」を作っているコラーゲン繊維の劣化によるものです。コラーゲン繊維は互いを結びつける「架橋」と呼ばれる構造でつながって、頑丈な構造を作っています。

ところが、老化に伴って正しくない脆弱な架橋が行われることで、骨の土台になっている部分のコラーゲン繊維が弱くもろくなってしまいます。老化架橋と呼ばれるこの現象は骨の構造の劣化で、骨密度の低下と並んで骨を弱くします。

コラーゲン分子の架橋や骨質については、別に記事に詳しいのでそちらをご覧ください。

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骨粗鬆症は正常な老化現象ではない

骨密度の低下も骨の構造劣化も、ある程度までなら、顔のシワや白髪と同じように正常な老化現象の範囲だと考えることもできます。そして、正常な老化現象の範囲であれば、それを治すことは難しいかもしれません。

しかし、骨粗鬆症と診断されるレベルの骨密度の低下や骨の構造劣化は、「骨の病的劣化」で、予防・治療しなくてはいけないものなのです。そして、骨の病的劣化は骨折という合併症を伴うものでもあるのです。

ですから、若いうちに充分な骨量になるよう、運動と栄養をコントロールすることで加齢後の骨粗鬆症を予防すると同時に、閉経という大きな発症因子を持つ女性では、そのタイミングで受診して、自分の状態を知ることが大切なのです。

もちろん男性においても、運動量の不足や糖尿病のような老化架橋の原因になる疾患がある場合には、適切なタイミングで検査を受けておくことが望まれます。

骨粗鬆症と言う名前から、それが病気であることはすぐに分かるのに、「トシだから仕方ない」で諦めている人が多すぎると思います。治療も改善も可能ですから、取り組んでみて下さい。

骨粗鬆症による身体の痛みは骨折痛だけではない

骨粗鬆症によって身体が痛むという場合、多くは腰や胴体、足の付け根、お尻あたりの痛みとして現れます。特に腰や胴体の痛みは、背骨が骨粗鬆症によって弱り、圧迫骨折したことがきっかけになっていることが多いでしょう。

もちろん腕の痛みや、膝下の痛みというのもありますが、こちらは骨粗鬆症と外部からの衝撃で、単純骨折や不全骨折(骨のひび)が起こった痛みと考えるのが妥当です。

背骨の圧迫骨折は痛みの質が違うことがある

背骨というのは7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎で構成されています。脊椎と呼ばれる場合には、その下の仙椎と尾骨を含めますが、いわゆる「背骨」のイメージからは少し離れます。

背骨はこの「○椎」と言う名前がつけられている椎骨と言う、中心部に脊髄を通すための穴が開いていて、平たく、円形から出っ張りが生えたような形をした骨が積み重なって構成されています。

単純に積み重なっているだけではなく、間には椎間板というクッションが挟まっているため、前後左右に曲がる自由度も持っています。この椎骨は名前の通り「骨」ですので、骨粗鬆症になると弱くなって骨折しやすくなります。

そして、背骨は縦に積み重なっていますので、骨粗鬆症になると、自分の身体の重みに負けて潰れてしまうこともあります。これがいわゆる「圧迫骨折」です。

手足の骨を折ったとか、肋骨や鎖骨を折ったと言う場合は、たいてい何らかの衝撃が外から加わったことが原因になっています。たとえ骨粗鬆症があったからと言って、何も衝撃を受けていないのに手足が折れてしまうのは、よほど重症でない限りないでしょう。

ですから、外からの衝撃が加わって骨が折れた場合、その外側にある筋肉や皮膚などの組織にも、衝撃が加わって組織が傷んでいます。ですから、骨折だけではなく、そうした外傷による痛みも同時に発生しますから痛みは強くなります。

一方、圧迫骨折の場合、骨折が起こった瞬間に強い痛みが起こるものの、場合によってはあまり痛みを感じず、「なんとなく腰や背中が痛い」と言う状態になることもあります。

背骨の圧迫骨折は影響が大きい

骨粗鬆症があったからと言って、骨折が治らないということはありません。基本的には若い頃と同じメカニズムで骨折は治ってゆくのですが、骨粗鬆症があると治るのに長い時間がかかってしまうと言うだけです。

実際にどのくらい治療期間が長くなるかはケースバイケースですので、一概には言えません。骨折を診断してもらったお医者さんに尋ねてみて下さい。骨粗鬆症の重症度などに鑑みた予測を示してもらえるでしょう。

そして、厄介なのは背骨の圧迫骨折です。圧迫骨折というのは椎骨がもろくなって、上下に押しつぶされた状態です。ですから、場合によっては変形したままになることがあります。

その変形によって、椎骨の間に挟まっている椎間板に物理的なストレスを掛けます。椎間板は軟骨でできていますが、やはり加齢に伴って水分を失い、弱くなっています。

その結果、変形した椎骨に押される形で椎間板ヘルニアの原因になることもありますし、脊髄が圧迫される脊柱菅狭窄症が起こるケースも見られます。

こうなってくると、痛みが骨折部位から起こっているのか、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症から起こっているのかが判らなくなります。ですので、骨粗鬆症年齢になって腰痛が発生したら、すぐに受診して検査を受けることをおすすめします。

骨粗鬆症は加齢を最大のリスク要因にしているだけに、それで受診することは、自分が年を取ったことを認めるようで嫌だと言う人も少なくないようです。それでも、後々のことを考えて、ちゃんと受診してくださいね。

尾骨は尾てい骨とも呼ばれる1個の骨ですが、もともと数個の骨であったものがつながって小さくなってしまったものです。大きくてバラバラであった時代には、きっとごきげんな時に振ったりできたのでしょうね。

骨粗鬆症の痛み解消は最初に受診することから

なんとなく腰が痛いという程度では、受診するのをためらう方も多いとは思いますが、骨粗鬆症年齢になったら、それが骨に原因があるのか、椎間板や神経に原因があるのかの切り分けをしておくことが大切です。

ですので、そうした症状があったら整形外科を受診して、骨粗鬆症についても診断を受けることをおすすめします。

一方、女性で更年期障害に悩んで婦人科を受診されている場合、折を見て骨密度の測定などを受け、痛みが出る前に骨粗鬆症の検査を受けておくのが良いでしょう。

骨粗鬆症と診断されたら女性ホルモンに関係するお薬が出る

骨粗鬆症は医薬品で改善できる病気です。ですので、骨折などのリスクがある場合には、内服薬や貼付薬が処方されることもあるのです。

閉経後の女性に処方されることがも多いのは、ラロキシフェン塩酸塩(商品名:エビスタ・ジェネリックあり)です。このお薬は面白いお薬で、骨やコレステロールに関しては女性ホルモンのように働いて、症状を改善します。

一方で、乳房では抗エストロゲン作用を示すため、乳がんの予防効果もあるとされています。ただ、閉経前の更年期で更年期障害がある人には、症状を悪化させるおそれがあるため使えません。

昔から閉経後の女性に処方されていたのは、女性ホルモン製剤です。エストラジオール貼付薬(商品名:エストラーナテープ・ジェネリックなし)やエストラジオール内服薬(商品名:ジュリナなど・ジェネリックなし)が多く使われます。

また、甲状腺ホルモンではないけれど、甲状腺から分泌されるカルシトニンと言う、ペプチドホルモンの注射が利用されることもあります。この注射は、人間のものより効果の高い、鮭から取ったものが、痛みを抑えるために使われます。

イバンドロン酸ナトリウム(商品名:ボンビバ・ジェネリックなし)は、破骨細胞の働きを抑制して、カルシウムの溶け出しを抑えるお薬です。同じ系統のビスホスホネートと呼ばれるグループに属する、別のお薬が使われることもあります。

イプリフラボン(商品名:オステン・ジェネリックあり)もカルシウムの流出を抑えると同時に、カルシトニンの分泌を促進します。もともとイソフラボンから作られた効き目の穏やかなお薬なので、初期の骨粗鬆症向けです。

男性にも使えるのはビタミン・ミネラル製剤

女性ホルモン関係のお薬が、骨の吸収を抑制する方向で働くのに対して、ビタミン・ミネラル系のお薬は、積極的に骨を作る方向で働きます。女性ホルモンに関係しないので、男性にも処方可能です。

ビタミンKと言うと、血液の凝固に必要なもので、骨の形成にも重要な働きを持っています。一方で、ワルファリンカリウムなど、血液を固まりにくくするお薬で治療を受けている人は摂ってはいけません。

商品名ワーファリンと言う抗凝固薬を処方されている人は、納豆を食べないように指導されていると思いますが、これは納豆にビタミンKが非常に多く含まれているからです。

ビタミンKはK1からK5まで5種類があります。そして、そのうちK2(物質名:メナキノン)には側鎖の長さで幾つものサブタイプがありますが、メジャーなのはメナキノン-4とメナキノン-7の2つです。

このうち、メナキノン-4、別名メナテトレノン(商品名:ケイツー・ジェネリックあり)が骨粗鬆症の治療薬として処方されます。もちろん納豆を食べるのもいいですね。

骨のビタミンと言えば、日光浴によってコレステロールから合成することもできる、ビタミンDですね。ビタミンDにはD2とD3の2種類があります。D2は植物に、D3は動物に多く見られるものです。

このビタミンD3はコレカルシフェロールと言う物質ですが、肝臓で代謝された後、ホルモンとしての作用を持つ、活性型ビタミンD3になります。

この活性型ビタミンD3がカルシトリオール(商品名:ロカルトロール・ジェネリックあり)として、骨量を増やす効果を期待して、骨粗鬆症の治療に用いられます。

さらに、胃腸の病気などで、カルシウムの摂取量が不充分な場合、乳酸カルシウム(商品名:乳酸カルシウム・先行医薬品のみ多数あり)によって、カルシウムの補充を行う場合もあります。

このように、お医者さんで処方してもらえるお薬で、骨粗鬆症の進行を抑え、少しでも骨密度を上げることができます。それによって、骨粗鬆症によって身体が痛いという症状を、根本的に改善できる可能性があるのです。
骨粗鬆症は病気なので、お薬によって「正常な老化」のレベルまで改善させる必要があると考えて下さい。それだけでは足りない場合、対症療法も検討されます。

骨粗鬆症は加齢だけが原因ではない

骨粗鬆症は、患者数で見た場合、加齢が原因で女性に起こることが最も多い病気です。しかし、他の要因で発生することもあります。

一つは医薬品の副作用です。そして、もう一つは女性を中心とした若い世代の栄養不良でスタートして、妊娠を期に発症するパターンなのです。

ステロイド薬などの副作用で骨粗鬆症が発生する

お薬の中には骨粗鬆症を引き起こす副作用を持つものがあります。ただ、服用量が少ない場合には問題が起こらないことが多いですね。

次のようなお薬を飲んでいて、身長が2cm以上縮んだとか、背中が丸くなったとかの症状があったら、すぐに処方してもらっているお医者さんに相談して下さい。その他、背中や腰、股関節の痛み・しびれ、脱力感なども要注意です。

  • ステロイド内服薬(商品名:プレドニン・プレドニゾロン錠など先行医薬品多数)
    (プレドニゾロン量として5mg/日を3ヶ月以上使用する場合)
  • メトトレキサート(商品名:リウマトレックス・ジェネリックあり)
    (リウマチ治療薬としての使用量では、骨粗鬆症の心配は少ない)
  • 抗てんかん薬
  • リチウム製剤
  • 性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬
    (子宮筋腫・子宮内膜症・前立腺肥大治療薬)
  • ヘパリン注射(抗凝固薬)
  • 乳がん治療薬

悪しきダイエットによる若い女性の骨粗鬆症

女性で、極端なダイエットによってたんぱく質やカルシウムの摂取量がひどく不足したり、生理が止まるほどのダイエットによって女性ホルモンのバランスが崩れたりすると、年齢に関わりなく骨粗鬆症のリスクが発生します。

そして、特に妊娠授乳時にはそれ以外の時期の2倍近いカルシウムが必要になるため、不足分は自分の骨を溶かして胎児や母乳に回してしまいます。

それまでにしっかり栄養を摂り、運動をして骨にカルシウムを定着させている人では、少々赤ちゃんのために骨の成分を回しても平気ですが、もともとダイエットによって骨の中身が足りていないと、若くして骨が病的に老化します。

ダイエットで体重が減ったのは良いけれど、姿勢が悪くなったと指摘されるようなことがあったら、骨粗鬆症を疑って検査を受けたほうが良いかもしれませんよ。

女性の骨粗鬆症は20歳から40歳までの間に、どれだけ骨を作っておけるかにかかっている部分もあります。BMIが25kg/m2未満なら、ダイエットという言葉は忘れましょう。

骨粗鬆症の治療には手術が行われることもある

例えば、背骨の圧迫骨折の場合、骨粗鬆症が進んでいて、安静だけでは充分回復できないと判断された場合、手術による治療が行われることもあります。

一つは背骨を金属プレートで固定する方法です。もう一つは、潰れた部分にリン酸カルシウムでできたセメントを流し込んで、補助具で固定し、安定性を得るという方法もあります。

脊椎の手術は高度な技術が必要なので専門性の高い病院で行う

金属プレートで固定する手術は、大きく切開して行われるため、出血も多く輸血を必要とするケースもある、比較的リスクの大きな手術です。その代わり、術野をしっかり目視して行うので確実性の高い手術とも言えます。

一方、リン酸カルシウムセメントを使う手術は出血の少ない手術です。しかし、セメントが予想外のところまで行き渡って、神経を圧迫し、後遺症が出るというリスクがあります。

いずれの手術も、専門医でないと行えない、高度な技術を必要とするものですから、事前にしっかり内容を聞いて、得られる効果と受け入れなければいけないリスクをよく理解しておいて下さい。

股関節付近での大腿骨骨折は厄介な怪我

骨粗鬆症の人は、僅かな衝撃で大腿骨を骨折することがあります。その骨折部位は、股関節の中、あるいはそのすぐ近くであることが多くなっています。

骨頭と言う言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これは大腿骨の一番上の丸い部分のことです。その下に細くなった部分があって、これを頸部と呼びます。

この細くなった部分は関節包の中にあって、ここには骨の表面を覆っている骨膜がありません。骨膜は骨折の際に修復のための働きを持っていますから、関節内部で骨折が起こると自己修復しにくいのです。

この骨折に対しては、折れた骨をボルトで繋いで回復を待つ「骨接合術」と、自己修復が遅い部位なので回復を諦めて、人工関節に置き換える手術のどちらかが選ばれます。

どちらも一長一短と言う要素がありますので、全身状態や骨粗鬆症の状態を見て、お医者さんが判断されます。

一方、この頸部の下で関節の外にあって大きく出っ張った、転子部(てんしぶ)と呼ばれる部位がありますが、ここも骨粗鬆症が原因になっている大腿骨骨折でよく折れる部位です。

ここは骨膜があって自己修復が盛んに行われる場所ですので、多くの場合金具で折れた部分を接合し、骨の癒合を待つという治療が行われます。

いすれにせよ、手術ということになりますが、手術が充分できなかった時代には、大腿骨骨折で寝たきりになるお年寄りが多かったのです。

それに比べれば、手術の翌日からリハビリに取り組めることもある現在では、寝たきりリスクは随分低くなったといえるでしょう。

しかし、それでも大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折の死亡率は10%以下ではあるものの、高齢者などで高くなっています。欧米の11%~35%に比べると低めではありますが、無視できません。

ですので、普段から転倒などの事故に注意し、骨密度の維持向上に務めることが大切になります。

この骨折は足の付け根に激痛が走りますが、お年寄りの場合、痛みが弱く感じられる人もおられます。激しい痛みではなくても、湿布を貼りたいとか、温めて痛みをましにしたいと言う気持ちが起こる程度の痛みがある場合、必ず受診して下さい。

痛みを抑えることは生活の品質を維持する上で重要ですが、その前に、痛みの原因が何であるかをしっかり探っておくことが非常に重要なのです。

骨粗鬆症が原因の骨折の痛みは生活の中で抑える

骨粗鬆症が原因になっている骨折などの痛みは、急性期には激痛が走るという痛みであることが多いものの、数日後には慢性的な、じわじわした痛みになることが多いようです。

しかし、それは治ってきているという意味ではないので、まずは病院で治療を開始することが先決になります。もっとも一般的な治療として「痛み止め」のお薬をもらうことになるでしょう。

適切な医薬品の使用は痛み止めに必須

痛みがあると、どうしても痛み止めの飲み薬や湿布薬、塗り薬などに目が行きがちです。もちろん、急性期の痛みにはそうした消炎鎮痛薬は有効ですので、しっかり使って痛みをコントロールして下さい。

一方、先に紹介した骨粗鬆症そのものを治療するお薬については、ちゃんと飲まない人も少なくないようです。女性に関しては、ホルモンに関するお薬が多いため、副作用を警戒している人もいるでしょう。

特に「ホルモン剤は身体に悪い」と言うイメージでお薬を嫌がり、例えば上で紹介したラロキシフェン塩酸塩も「ホルモン剤だから飲まない」と言う、誤解に基づく行動を取る人もいます。

ラロキシフェン塩酸塩は、選択的エストロゲン受容体調節薬と言って、ホルモンに関わる働きを持つお薬ですが、ホルモン剤ではありません。あくまで骨粗鬆症の治療薬なのです。

骨粗鬆症を治療せずに、痛み止めばかりを飲んでいたのでは、身体を悪くすることはあっても、痛みの原因が治ることはありえません。しっかりと「治療薬」を飲んで下さい。

男性には、やはり上でお話したビタミンK2製剤や活性型ビタミンD3製剤、カルシウム製剤などが用いられます。それを「ビタミン剤なんか気休めだ」と言い切って、飲まない人もいます。

確かにビタミンを利用したお薬ですが、これらはビタミンの特性を利用した骨粗鬆症の治療薬です。いわゆるビタミン剤に配合される、ビタミンB群やA、Cなどとは全く性質の異なるお薬なのです。

痛み止めのお薬は、こうした「治療薬」の効果によって骨粗鬆症自体が改善してくるまでの間、痛みを抑えるためにある事を忘れてはいけません。

腰痛や胸の痛みには「さらし」がお勧め

腰痛があったり、肋骨のひびなどで胸やお腹に痛みを感じたりする場合、コルセットが用いられることも多いです。

本体ベルトを腰に巻きつけておいて、外側についている強力なゴムベルトを引っ張り伸ばし、マジックテープで巻きつけた部分に固定するタイプの物がよく使われます。

腰のサポート力は抜群ですが、骨粗鬆症年齢の人には、ちょっと負荷が高い医療器具だと感じられるかもしれません。

そうした場合にお勧めなのは「さらし」です。33cm×10mくらいの木綿の布ですね。これを腰やお腹に巻いて、サポーターとして利用して下さい。それほど高価ではなく、1000円あまりで1反買えますから、洗い替えに2反買っておくと良いでしょう。

女性の場合、妊娠した時に腹帯で巻いた経験のある方も多いでしょうし、和服着用の際の補正用に使われたことのある人も多いでしょう。巻き方については、縦二つ折りで巻いてもいいですし、伸ばしたまま巻いてもいいです。

痛む場所の保温とサポートとして利用するのが良いですね。ゴムのように身体を追い込みませんから、自分の快適な巻きつけ強さを見つけて利用して下さい。

四肢の痛みにも、適当な幅と長さに切って、巻きつけるサポーターとして利用するのも悪くないですよ。

運動療法は理学療法士の先生などの指導を受けて行う

骨粗鬆症は骨密度の低下が大きな原因です。そこで、ビタミンDやK、カルシウム、女性ホルモン関連のお薬などを用いて、骨からのカルシウムの流失を防ぐと同時に、カルシウムの定着を促進します。

この際に、運動によって適切な負荷が骨に与えられると、より骨へのカルシウムの定着が進みます。一方で、すでに骨粗鬆症が進んでいる場合、過度な運動は骨折を引き起こし、逆効果になることもありえます。

ですので、きちんと骨の状態を測定してもらい、その数値を元にリハビリテーション科のお医者さんや理学療法士の先生に、適切な運動方法と運動量を教えてもらいましょう。

それを実行することで、より骨の状態の改善が早くなります。ただし、先にも言ったように、骨折の恐れが高いので、絶対に無理をしてはいけません。

さらしと言えば、お祭りの男衆のイメージもありますが、最近では後ろがゴムになって、身体を通すだけという「なんちゃってさらし」もあるようですね。

骨粗鬆症による痛みは根本治療が大切

どうしても誤解されがちなのは、骨粗鬆症が外科的な病気であって、鎮痛剤を利用して治療するものだと言う思い込みです。もちろん症状の治療には整形外科も選択肢の一つではありますが、骨粗鬆症とは内分泌に関する、どちらかと言うと内科的な病気です。

ですから、身体の痛みがあった場合、その原因である骨粗鬆症を、お薬の服用と運動療法の実行で治すことがすべての中心になります。

そして、それらを実行する上で妨げになる痛みを、消炎鎮痛薬の内服や外用、サポーターやコルセット、さらしなどの装具の利用で痛みを抑えながら行うということになります。

入浴・カイロや冷湿布など、温めたり冷やしたりということについては、症状の状況をお医者さんに見てもらった上で、適切な方法を教えてもらいましょう。

一人ひとりの状態が異なりますから、必ず冷やしたほうが良いとか、温めたほうが良いとか言うことはありません。

骨粗鬆症は「病的な老化」ですので、治療して、痛みを伴わない「正常な老化」のレベルにまでは治療できることを意識して取り組んで下さい。

最後に追加情報:お酒に弱い人は大腿骨骨折を起こしやすい

2017年3月27日に報道発表された情報によると、アセトアルデヒド脱水素酵素の遺伝子多型によって、お酒を飲むとすぐに真っ赤になってしまうと言う体質の人は、大腿骨近位骨折(先に紹介した例です)を約2.5倍起こしやすいことがわかったそうです。

これは蓄積されたアセトアルデヒドが骨芽細胞の機能不全を起こすためですが、試験管内でその骨芽細胞にビタミンEを加えると、機能不全が回避されたということです。ですので、お酒に弱い人はビタミンEも、骨粗鬆症予防に有効だといえるでしょう。

(参照:お酒をのむと赤くなりやすい人は骨粗鬆症による大腿骨骨折をおこしやすい|慶應義塾大学医学部整形外科学教室・宮本健史 先新運動器疾患治療額寄付講座特任准教授ほか)

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