健康生活TOP 栄養 世界の死者の0.3%は砂糖入り飲料が原因の病気で死んでいる!

世界の死者の0.3%は砂糖入り飲料が原因の病気で死んでいる!

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SSBと言う略語、お聞きになったことのある方は少ないんじゃないかと思います。これは「お砂糖で甘みを付けたソフトドリンク」と言うような意味です。

なぜこんな略語があるのかと言うと、SSBを多く飲むことによって死んだ人の統計と言うものが行われ、その時に使われたからなんですね。とうとう砂糖入り飲料は、略語で書かれて毒物扱いされるようになっちゃいました。

砂糖入り飲料を多く飲む人の死亡リスクは明らかに高い!

この研究は世界全体を対象に行われました。特に問題とされたのは、こうした飲料による肥満が劇的に増えているのに、充分な統計研究が行われてこなかったと言うことでした。

そして研究の結果分かったのは、それまで言われてきた砂糖の害について、その存在を裏付ける物だったのです。

2010年に世界全体で砂糖入り飲料を飲み過ぎたことによる死亡者数は、約18万4000人でした。第二次世界大戦後の国際紛争の中で、最も多くの戦死者を出したベトナム戦争ですら、1年平均にすると10万人弱です。

平和な世界では、銃弾より砂糖の方が危険なのかもしれませんね。

この砂糖入り飲料を原因とする死亡者の大半は糖尿病やその合併症によって亡くなっています。次に多いのは、脳血管障害を含む心血管疾患によって亡くなった方でした。

そして残りはBMIに関連したがん、つまり肥満によってがんを招いたことによって亡くなっています。

この傾向に男女差はほとんどありません。男女ほぼ同数が砂糖入り飲料の飲み過ぎによって病気になり、その結果亡くなっていたのです。

ここで、砂糖入り飲料の「砂糖」と言う部分ですが、元の論文の”sugar”を直訳したものなので、日本人的には少し感覚が異なります。

FDA(アメリカ食品医薬品局)では、”sugar”について、「自然の食べ物に含まれるものだけでなく、添加されたものを含んでいる。詳細は栄養表示を見るように。」とだけ言っていますが、これじゃちょっと判りませんよね。

そこで、お医者さまを中心とした医療関係者を執筆陣として発行されているアメリカの雑誌の電子版から”sugar”の意味を見てみましょう。

[Sugars] 栄養ラベルのこのセクションでは、ショ糖・ブドウ糖・果糖・コーンシロップ・メープルシロップのような、追加された糖の含有量を表示します。

 そこにはまた、果物に含まれる果糖や牛乳の乳糖など、自然な状態で原材料に含まれている糖もカウントされています。

どうでしょう、日本で言うところの「糖類」に一番近いかもしれませんね。しかし、日本ではオリゴ糖も糖類に入れていますがアメリカでは入れていないようです。

ですから厳密に同じ表現ではないと思います。ただ、アメリカの栄養成分表示では炭水化物と食物繊維の表示が行われていますので、その差が血糖値を上げる糖質になると言う計算で見てもらうのが良いと思います。

具体的に書くと【”carbohydrate”(炭水化物)-”dietary fiber”(食物繊維)=糖質】と言うことになります。

“sugar”の表示も行われていますが、そこにはでんぷんやオリゴ糖が含まれていないので、必ず【糖質量≧”sugar”】となることに注意して下さいね。

このことを頭に置いておいていただくと、輸入食料品の栄養表示を見る時の参考になると思いますよ。

さて、それでは詳しいデータについて見てみましょう。細かいデータなどに興味がない方は、次の「日本人は健康的~」の見出しまで飛ばしてください。

SSBの定義と実際の飲料との比較

SSBつまり”Sugar Sweetened Beverage”とは、先にお話ししたように、糖類で甘味を付けた飲料です。

アメリカで定義された関係から、8オンスあたり50kcal以上のものとされています。私たちが普段目にする数字に換算にすると、100gあたり22kcal以上のものがこれに当たります。ただし、100%果汁のジュースは例外とされています。

この記事を書いている最中、私の手元にも甘い飲み物がありましたので、ちょっと見てみましょう。

まずは缶コーヒーです。しかも関西限定のコテコテに甘いカフェオレです。糖尿持ちの私がこんなものを買うはずがありません。実はスーパーの景品で貰ったんですが、飲むに飲めず在庫になっちゃってるんですよね。

100gあたりのカロリーは43kcal、定義の最低数値の2倍近いもので、立派にSSBです。ついでに炭水化物は8.1g、安定剤の分を差し引いても糖質量は7.5gを下回らないでしょう。

しかもロング缶の245g入り。1本飲んだら105kcal以上・糖質18g以上。改めて見てみると結構あぶない感じがしますよね。しかし、原材料は牛乳・砂糖・コーヒー・粉乳・ミルクソース・クリーム。添加物は安定剤と乳化剤だけです。

もう一本は炭酸強めの無果汁飲料。低カロリーが売り物ですね。あんまり体に良い事はないんでしょうけれど、たまに無性に飲みたくなる時があるので買ってあります。

100gあたりのカロリーは14kcal、炭水化物はおそらくほぼ全部糖類なので3.5gと見ればいいでしょう。これは定義にある22kcal/100g未満なのでSSBにはあたりません。

甘味は砂糖や異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)も使ってありますが、アセスルファムカリウムやスクラロースの高甘味度甘味料によるところが大きいのでしょう。糖類は甘味の質を整えるために入っているのだと思います。

しかし、この飲み物は480mLのペットボトル入りです。全部飲んだとすると67kcal以上・17g弱の糖質ですね。カロリーこそ先の缶コーヒーの6割強ですが、糖質はそれほど差がありません。

さらに原材料について見れば、糖類・香料・酸味料と甘味料です。ゼロカロリーで糖質ゼロならともかく、中途半端なカロリーオフ飲料はどうなのかなと思わざるを得ませんね。

DALYと言う生命と健康に関する指数からみたSSB

DALYと言う指数があります。日本語では「障害調整生命年」と呼ばれるもので、早死にしたり病気や障害によって失われた時間を疾病負荷として換算したものです。

簡単に言うと、本来80歳まで生きるはずだった人が40歳で病死や事故死した場合、40年が失われたことになりますよね。また死ななかったけれど治療に長時間を要したり、障害を負ってしまった場合、時間を失うことになります。

これを一定の方法で数値化したものがDALYです。なお、計算の基準になる平均余命は世界で一番長い日本人の数値が用いられています。

それで見た場合、世界全体で失われた生命と健康は0.7%がSSBの摂取によるものでした。なお、死亡だけで見た場合0.3%ほどがSSBの摂取によって発生しています。

たかが砂糖入り飲料で世界の寿命に影響が出ているんですから、たとえ1%以下であっても決して無視できないですよね。

日本人は健康的な生活を送っているが今後が心配…

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これは世界全体を見渡した研究ですから、当然国ごとの差も現れてきます。研究グループはそのあたりも抜かりなく、男女別・国別・年齢層別に分析を行っていました。

年齢層は20歳から44歳までの若年層、45歳から65歳までの壮年層、65歳以上の老年層に分けられています。

ただ、悲しいことに、世界の人口の多い国ベスト20に入っている国でも、35%にあたる7ヶ国は男性の平均寿命が65歳に届いてないんですよね。

そうしたことから見ても、男性で80歳、女性で86歳を超える平均寿命を持っている日本に生まれてよかったなとつくづく思えてきます。

また、今回話題の砂糖入り飲料によって糖尿病や心血管疾患によって死亡した人の割合を見ると、日本人では世界平均よりはるかに低く、最低レベルと言っても良い状態です。

しかし、若い世代では世界的に砂糖入り飲料の消費量が増えていますので、今後こうした若者が歳を取って行くにしたがって影響が出てくることが心配されています。

ペットボトルを手放せない若者が身近におられたら、ぜひ生活を改めるようアドバイスしてあげて下さい。

例えば500mLペットボトル1本のコーラには約57gの糖質が入っています。カロリーは225kcalになりますね。

これは糖質で言えばご飯約160g分、カロリーで言えばご飯約130g分に相当します。カロリーと糖質の差は、ご飯にはたんぱく質など他の栄養も含まれているので同じカロリーでも糖質が少なくなるんです。

さらに、飲み物として入ってくる糖質は一瞬にして血糖値を押し上げるため、糖尿病へ一直線です。

また、人工甘味料で低カロリー化したものであっても、毎日飲むことが習慣化すると、結局甘いものへの依存が高まって糖尿病を引き起こしかねません。

甘い飲み物はお酒と同じで、ストイックに我慢する必要はありませんが、それでも「たまに飲む」程度にしておきましょうね。

さて、ここでまた詳しいデータを紹介しましょう。数字を見るのが面倒な方は、次の「自家製でも要注意~」の見出しまでジャンプして下さい。

データで見ると日本人のヘルシーさが際立っている

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日本人ではSSBによる死亡リスクは世界最低レベルだとお話ししました。具体的な数値で言うと、こうした病気によって死亡する確率が高くなる65歳以上で見た場合、世界的には成人100万人当たり167人であるのに対して、日本人ではわずか29人でした。

全体で見ても東南アジアではある程度高くなるのに対して、東アジアの国はかなり低めのレベルです。韓国ではやや高めになるものの、それでも中国ともども東南アジアの半分レベルです。

これは食習慣によるものが大きいのでしょう。ただ、中国で70人、韓国では112人と高齢者のリスクが高くなっているのが興味深いところです。北朝鮮のデータも一応ありますが、中国と同レベルですね。

なお、日本の若い女性ではほぼゼロ、若い男性では100万人当たり2人とわずかに差ができています。やはり男性の方がこうした飲み物をがぶ飲みする傾向があるんでしょうか。

データがアルファベット順に並んでいたので、たまたま目に入ってきたヨルダンとジャマイカですが日本とは全く違う数値が出ています。

全年齢層男女平均で砂糖入り飲料が原因で死んだ人は、人口100万人当たりにして、日本が11人であるのに対してヨルダンは98人、ジャマイカに至っては264人とぶっちぎりです。

一方、糖尿病予防と言えば地中海式なんて言うぐらいですので、イタリアを見てみるとなんと39人。若い男性に限ってみると日本と全く同レベルでした。

単に先進国で栄養管理に対する意識が高いと言うことだけじゃなく、もともと持っている食習慣が、こうした害のある飲料を排除する方向性を持っているのかもしれませんね。

自家製でも要注意!最悪のメキシコは自家製飲料に原因があった

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メキシコでは砂糖入り飲料による死者が、恐ろしいと言っていいレベルにまで達しています。その割合は日本のおよそ37倍です。

高齢者に限ってみれば、1年間で実に2000人に3人が砂糖入り飲料で亡くなっているのです。

この研究グループによると、メキシコの家庭でよく飲まれている「アグアス・フレスカス」(aguas frescas:スペイン語で「新鮮な水」)と言うソフトドリンクに原因があるのではないかと言うことでした。

アグアス・フレスカスは、好みのフルーツをジュースにして、そこにたっぷりの砂糖やハチミツ、アガベシロップなどを入れてから、水や炭酸で割って飲む飲料です。

果たしてメキシコの人々はどれくらい飲んでおられるのか、そこまでは判りませんでしたが、アメリカで紹介されたレシピを見ると飲み物自体はかなり甘めのようですね。

おおむね7%から10%くらいの砂糖を入れた水や炭酸水とフルーツジュースを合わせているようです。10%の砂糖入りと言う段階で、日本のペットボトル入り飲料のレベルです。

それを果物に合わせているんですから、糖分は相当な量になるでしょう。最近では商業ベースで作られて、瓶入りなどで売られていることが、メキシコ人の糖分の摂取過多に一役買っているようです。

世界一健康的な日本であってもメキシコを他山の石としよう

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現段階では、日本は世界でもトップクラスのヘルシーさを誇っています。それでもペットボトル症候群などと言う急性糖尿病が若者の間で問題になったりするわけですから、安心してばっかりはいられません。

メキシコでも家庭でよく飲まれていた飲料が非常に糖分の多いものであったがために、商業化された、さらに糖分の多いものであっても抵抗なく飲まれてしまうと言う部分はあったでしょう。

日本はダイエット傾向が強いので、人工甘味料などで直接の危険性は回避しているのだと思います。しかし、カロリーが低いだけに油断して、そうした甘いものを飲むことが習慣化することが怖いですね。

カロリーや糖質の有無にかかわらず、甘さと言う刺激に鈍感にならないよう、甘い飲み物を常用するのは避けた方が良いですよ。

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